仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―レデグレア・王宮中庭―
シュレリアSide
――――私は今、真っ赤なバージンロードの上を歩いている。
周りには様々な国の国王や代表達、レデグレアの民達の姿があって、中にはレイディアントで会ったことがある人達もいる。
わざわざ私なんかのために来てくれたのだろうか……そう思うと、少し気が楽になる……
傍らには、付き人としてエルクが一緒に歩いてくれている。
彼は最後まで、この結婚に納得がいかない様子だった。
きっと私の身を案じて言ってくれてるのだと思うけど、彼にはさっき納得して欲しいと説得させた。
その時の彼は悲しそうな顔をしていたけど……これ以上私のせいで、大切な友人を苦しめたくない。
今この時にも、彼を支えてくれる女性が現れることを望むばかりだ……
そしてこの絨毯の道の先には、牧師様と、純白のタキシードを纏ったアーベルト王子の姿がある。
……彼処に辿り着いた時には、私はエルクの手を離さなければいけない。
今はそれが、すごく心細く感じる……
エルク「……姫様……」
そんな私の心境に気付いたのか、エルクが心配そうに小声で声を掛けてきた。
いけない……心配を掛けてはならないと思い、私はエルクに笑って「大丈夫」と答えた。
私のせいで、みんなに心配掛けたり後悔をさせたくはない。
だから私は平気と、大丈夫だと思わせなきゃいけないんだ。
それが、国の皆がこれからも笑って暮らせる方法なんだから……
そうして私は、複雑な顔を浮かべるエルクに促されて歩き出し、牧師様の前にまで進み出ると、傍らに立つアーベルト王子の顔が視界に入った。
アーベルト「いやはや、とてもお綺麗ですよシュレリア姫?流石は、あの聖女様の生まれ変わりと呼ばれるだけの事はある」
シュレリア「っ…………」
アーベルト王子は、まるで私の身体をなめ回すように見つめてくる。
……その目が凄く怖い……全身が凍り付いて、震えが止まらなくなって、不安が波のように押し寄せてくる……
それでも私には、この人に抗う力も、レイディアントを彼から守る力もない……
だから私には、この身を差し出す事しか出来ない。
だから……受け入れるしかない……受け入れるしか出来ない……今目の前の現実を……
押し寄せる不安を押し切るようにそう考え、私は牧師様と向き合い、傍らに立つアーベルト王子も含み笑いを漏らして牧師様と向き合い、牧師様はアーベルト王子に向けて語り出した。
「アーベルト、貴方はこの女性と結婚し、夫婦となろうとしております。貴方は健康な時も、そうでない時も、この人を愛し、この人を敬い、この人を慰め、この人を助け、その命の限り固く節操を守る事を、誓いますか?」
アーベルト「はい、誓います」
シュレリア「…………」
今こうしてる間にも、色々な思い出が蘇ってくる……
私がお忍びで町に出掛けるといつもお説教をして、それでも最後は笑って許してくれるお父様……
鍛練が終わるとすぐに私の所に来てくれて、毎日の様に楽しいお話を聞かせてくれた私の大切な友人、エルク……
幼い頃から私のお世話をしてくれて、いつも笑って私の面倒を見てくれた城の皆……
城を抜け出してお忍びで行くと、笑顔で私を受け入れてくれた町の皆……
そして――――
「シュレリア、貴方はこの男性と結婚し、夫婦となろうとしております。貴方は健康な時も、そうでない時も、この人を愛し、この人を敬い、この人を慰め、この人を助け、その命の限り固く節操を守る事を、誓いますか?」
シュレリア「……私は……」
『……もしかして、君が俺を此処まで運んで傷の手当てをしてくれたのか?』
『……さあね……ま、適当に呼んでくれれば良いよ……』
『……別に良いさ……これを下げてもらった所でマシな物が出てくる訳でもないし、幸いにも食べられないほどマズイって訳でもないからね』
シュレリア「私は…………」
『いや、何でもないよ……ただ天然で鈍感となると、もう救いようがないなぁって思っただけさ……』
『――とは言っても、ただ『マシ』になっただけだしね?まだまだ俺の足元には及ばないよ♪』
『教えてくれないか?エレメンタルストーンより大事な物とはなんだ?』
「……シュレリア?」
アーベルト(……おい、何をグズグズしている?早くしろ)
シュレリア「……はい………」
――何を考えてるのだろう、私は……
こんな時に、望むべきことじゃないのに……
なのに……
シュレリア「……私は……」
――それでも……
シュレリア「私も……」
それでも……もう一度会いたい……
シュレリア「私も……」
貴方にもう一度……
そう思うのは、可笑しいでしょうか……
シュレリア「私も……誓いま―――」
泥棒さん……
―ドシュウンッ!!―
『っ?!』
シュレリア「……え…?」
アーベルト「何……?!」
その時たしかに聞こえた、鋭い銃声……
突然のそれに会場がどよめいてザワザワと騒ぎ出し、私も驚きのあまり、思わず辺りを見渡した。
……そうして見付けた……
向かいに見える王宮の屋上……其処に立つ人物を……
シュレリア「……うそ……」
有り得ない……
シュレリア「なん……で……」
だってあの人は、此処にはいないはずなのに……
シュレリア「どう……して……?」
だけど、見間違うはずがない……
あの黒い髪……蒼い目……そして一度だけ見たことがある……蒼天に向けられる青い銃……
あれは…………
アーベルト「な、何だ貴様……何者だっ?!」
大輝「決まってるだろ?花嫁をもらいに来た、ただの盗っ人さ……」
シュレリアSide END
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