仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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番外編/仮面ライダーディエンド~怪盗と王女と幻の秘宝~⑧

 

―レデグレア・王宮中庭―

 

 

 

シュレリアSide

 

 

 

 

――――私は今、真っ赤なバージンロードの上を歩いている。

 

 

周りには様々な国の国王や代表達、レデグレアの民達の姿があって、中にはレイディアントで会ったことがある人達もいる。

 

 

わざわざ私なんかのために来てくれたのだろうか……そう思うと、少し気が楽になる……

 

 

傍らには、付き人としてエルクが一緒に歩いてくれている。

 

 

彼は最後まで、この結婚に納得がいかない様子だった。

 

 

きっと私の身を案じて言ってくれてるのだと思うけど、彼にはさっき納得して欲しいと説得させた。

 

 

その時の彼は悲しそうな顔をしていたけど……これ以上私のせいで、大切な友人を苦しめたくない。

 

 

今この時にも、彼を支えてくれる女性が現れることを望むばかりだ……

 

 

そしてこの絨毯の道の先には、牧師様と、純白のタキシードを纏ったアーベルト王子の姿がある。

 

 

……彼処に辿り着いた時には、私はエルクの手を離さなければいけない。

 

 

今はそれが、すごく心細く感じる……

 

 

 

エルク「……姫様……」

 

 

 

そんな私の心境に気付いたのか、エルクが心配そうに小声で声を掛けてきた。

 

 

いけない……心配を掛けてはならないと思い、私はエルクに笑って「大丈夫」と答えた。

 

 

私のせいで、みんなに心配掛けたり後悔をさせたくはない。

 

 

だから私は平気と、大丈夫だと思わせなきゃいけないんだ。

 

 

それが、国の皆がこれからも笑って暮らせる方法なんだから……

 

 

そうして私は、複雑な顔を浮かべるエルクに促されて歩き出し、牧師様の前にまで進み出ると、傍らに立つアーベルト王子の顔が視界に入った。

 

 

 

アーベルト「いやはや、とてもお綺麗ですよシュレリア姫?流石は、あの聖女様の生まれ変わりと呼ばれるだけの事はある」

 

 

 

シュレリア「っ…………」

 

 

 

アーベルト王子は、まるで私の身体をなめ回すように見つめてくる。

 

 

……その目が凄く怖い……全身が凍り付いて、震えが止まらなくなって、不安が波のように押し寄せてくる……

 

 

それでも私には、この人に抗う力も、レイディアントを彼から守る力もない……

 

 

だから私には、この身を差し出す事しか出来ない。

 

 

だから……受け入れるしかない……受け入れるしか出来ない……今目の前の現実を……

 

 

押し寄せる不安を押し切るようにそう考え、私は牧師様と向き合い、傍らに立つアーベルト王子も含み笑いを漏らして牧師様と向き合い、牧師様はアーベルト王子に向けて語り出した。

 

 

 

「アーベルト、貴方はこの女性と結婚し、夫婦となろうとしております。貴方は健康な時も、そうでない時も、この人を愛し、この人を敬い、この人を慰め、この人を助け、その命の限り固く節操を守る事を、誓いますか?」

 

 

 

アーベルト「はい、誓います」

 

 

 

シュレリア「…………」

 

 

 

今こうしてる間にも、色々な思い出が蘇ってくる……

 

 

私がお忍びで町に出掛けるといつもお説教をして、それでも最後は笑って許してくれるお父様……

 

 

鍛練が終わるとすぐに私の所に来てくれて、毎日の様に楽しいお話を聞かせてくれた私の大切な友人、エルク……

 

 

幼い頃から私のお世話をしてくれて、いつも笑って私の面倒を見てくれた城の皆……

 

 

城を抜け出してお忍びで行くと、笑顔で私を受け入れてくれた町の皆……

 

 

そして――――

 

 

 

「シュレリア、貴方はこの男性と結婚し、夫婦となろうとしております。貴方は健康な時も、そうでない時も、この人を愛し、この人を敬い、この人を慰め、この人を助け、その命の限り固く節操を守る事を、誓いますか?」

 

 

 

シュレリア「……私は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……もしかして、君が俺を此処まで運んで傷の手当てをしてくれたのか?』

 

 

『……さあね……ま、適当に呼んでくれれば良いよ……』

 

 

『……別に良いさ……これを下げてもらった所でマシな物が出てくる訳でもないし、幸いにも食べられないほどマズイって訳でもないからね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「私は…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いや、何でもないよ……ただ天然で鈍感となると、もう救いようがないなぁって思っただけさ……』

 

 

『――とは言っても、ただ『マシ』になっただけだしね?まだまだ俺の足元には及ばないよ♪』

 

 

『教えてくれないか?エレメンタルストーンより大事な物とはなんだ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……シュレリア?」

 

 

アーベルト(……おい、何をグズグズしている?早くしろ)

 

 

シュレリア「……はい………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――何を考えてるのだろう、私は……

 

 

こんな時に、望むべきことじゃないのに……

 

 

なのに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「……私は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

――それでも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「私も……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも……もう一度会いたい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「私も……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方にもう一度……

 

 

そう思うのは、可笑しいでしょうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「私も……誓いま―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

泥棒さん……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ドシュウンッ!!―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ?!』

 

 

シュレリア「……え…?」

 

 

アーベルト「何……?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時たしかに聞こえた、鋭い銃声……

 

 

突然のそれに会場がどよめいてザワザワと騒ぎ出し、私も驚きのあまり、思わず辺りを見渡した。

 

 

……そうして見付けた……

 

 

向かいに見える王宮の屋上……其処に立つ人物を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「……うそ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有り得ない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「なん……で……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だってあの人は、此処にはいないはずなのに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「どう……して……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど、見間違うはずがない……

 

 

あの黒い髪……蒼い目……そして一度だけ見たことがある……蒼天に向けられる青い銃……

 

 

あれは…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーベルト「な、何だ貴様……何者だっ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大輝「決まってるだろ?花嫁をもらいに来た、ただの盗っ人さ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリアSide END

 

 

 

 

 

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