仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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番外編/仮面ライダーディエンド~怪盗と王女と幻の秘宝~⑬

 

 

――そして現在……

 

 

 

―とあるライダーの世界・風麺―

 

 

 

大輝「――ズズー……ふむ……まずまずと言ったところかな?」

 

 

とある市街地内の片隅にある屋台。其処には、風麺と呼ばれる屋台の店主である大輝がスープを煮込んだ鍋の前でそう呟いた。

そんな彼の目の前には一人の青年と三人の少女、ラーメンを食べ終えて茶を飲む零と、ラーメンをグイグイと食べるルミナと、膝に乗せた黒猫に麺を食べさせるアズサと、そして黙々とラーメンを食べるベルの姿があった。

 

 

零「それにしても、よくもまあこれだけ飽きもしないラーメンを作れるな、お前?」

 

 

大輝「そりゃそうさ、俺も俺なりに工夫を繰り返してるからね。ちゃんと客の舌の事も考えてるのさ」

 

 

零「……そういう所を他に回せないのかね、お前は」

 

 

大輝「それはこっちの台詞だよ。君こそ悪寒とか嫌な予感とか、そういう余計な鋭さを他に回せないのかい?」

 

 

零「?他って何がだ?別に回す必要なんてないだろう?」

 

 

大輝「……馬鹿だね」

 

 

ベル「馬鹿ね」

 

 

アズサ「おバカ……」

 

 

ルミナ「バーカ」

 

 

零「ばっ……なんだお前等皆して?!というか馬鹿女!お前だけにはそれ言われたくないぞっ!」

 

 

ルミナ「ふっふーんだ。私はアンタみたいにニブチンじゃないもんねー!少なくともアンタよりかはマシな方よ♪」

 

 

零「……ほう……じゃあ、1+1は幾つだ?」

 

 

ルミナ「……へ?えーっと……はい!50!!」

 

 

零「バーカ」

 

 

ルミナ「んな?!なによ!バカって言った方がバカなんだからね?!このバーカバーカっ!!」

 

 

アズサ「……どっちもどっちだと思う……」

 

 

シロ『うにゃー』

 

 

ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる零とルミナを見てポツリと冷静に呟くアズサ。ベルはそんな三人を尻目に溜め息を吐くと、水を飲みながら語り出した。

 

 

ベル「まあでも、確かにアンタはそういう所に関してはしっかりしてるわよね。将来はチェーン店でも出すの?」

 

 

大輝「……さあね……屋台なんて成り行きで構えただけだし、潮時って感じたら止めるかもしれないしね」

 

 

アズサ「?大輝、風麺止めちゃうの?ラーメン美味しいのに……」

 

 

大輝「もしもの話さ。別に今すぐ止めるって話しじゃ…………ん?」

 

 

残念そうな表情を浮かべるアズサに含み笑いを漏らしながら何かを告げようとする大輝だが、そこで屋台に貼られたカレンダーの日付を見て動きが止まった。

 

 

ベル「……?どうしたのよ大輝?」

 

 

大輝「……いいや。ただ、あれからもう一年以上経つんだなって思っただけさ」

 

 

ベル「?」

 

 

質問に対し大輝はそれだけ言ってラーメン作りを再開していき、ベルはその意味が分からず首を傾げていた。そんなベルの反応に笑みを浮かべると、大輝は茹で上がった麺をスープの入った器に移していく。

 

 

大輝(ま、彼女のことなら上手くやってるだろ。今頃結婚して子供でも作って、平凡な生活を「大輝さぁーーん!!」…………ん?)

 

 

……何か今、幻聴が聞こえなかったか?以前何処かで聞いた事がある声に大輝は訝しげな表情で顔を上げるが、見れば零達四人+一匹がある方を見つめていた。それを見た大輝が四人の目を追ってそちらを見つめると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「大輝さぁーーん♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大輝「………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………なんだろ、すっっっっごく見覚えのある奴が爽やかに笑ってこっちに向かってくるんだけど?

 

 

白と青のワンピースに白い帽子、白く長い髪を靡かせながら走り寄ってくる少女。

 

 

一瞬幻覚か?と思った大輝だが、彼女は大輝の胸元に思いっきり飛び込んで抱き着いていった。因みに零達は状況が飲み込めておらず、未だ唖然としてる。

 

 

シュレリア「良かったぁー♪元気そうで安心しましたよー♪」

 

 

大輝「…………あのさ…………何で君が此処にいるんだい?」

 

 

シュレリア「へ?……あ、やっぱりビックリしました?えへへ、実は大輝さんの行き先をこちらで調べたんですよ♪そしたら此処にいるって情報を聞いて駆け付けまして♪」

 

 

大輝「……流石はレイディアントだね……情報網がずば抜けてるよ……」

 

 

ニコニコと笑うシュレリアとは対照に呆れた表情を浮かべる大輝。ルミナと組み合っていた零は訝しげな顔で大輝とシュレリアを交互に見ると、大輝に向けて口を開いた。

 

 

零「おい海道……誰だその女?」

 

 

大輝「?……あぁ、彼女は―――」

 

 

シュレリア「あ、お食事中なのに失礼しました。私はシュレリア、シュレリア・リ・レイディアントと申します」

 

 

ベル「っ!シュレリア・リ・レイディアントって……あのレイディアントの王女?」

 

 

ルミナ「え、王女様?!」

 

 

零「何だ、知ってるのか?」

 

 

ベル「ちょっとだけね……それより大輝、アンタこの王女と知り合いだったの?」

 

 

大輝「……まあちょっとね……んで?一体君は何しに来たんだい?」

 

 

シュレリア「あっ、はい。実は今日、大輝さんにお話があって来たんです」

 

 

大輝「話……?」

 

 

訝しげにそう聞き返す大輝。シュレリアはその問いに頷きながら大輝から少し離れ、一度咳ばらいして本題に入った。

 

 

シュレリア「覚えてますよね?以前私は貴方に助けられ、レイディアントの秘宝をも守ってもらいました」

 

 

零「……お前、そんなことしてたのか?」

 

 

大輝「一応ね……で?それがどうかしたのかい?」

 

 

シュレリア「はい。その恩を返すにはどうすればいいのかと、私も必死に考えて考えて、そして漸く分かったんです!貴方への恩返しが!」

 

 

ですから!と、シュレリアは大輝に向けて手を伸ばし……

 

 

 

 

 

 

 

 

シュレリア「海道大輝さん!結婚を前提に、私とお付き合いして頂けないでしょうか?!」

 

 

 

 

 

 

 

大輝「…………」

 

 

零「…………」

 

 

ベル「…………」

 

 

ルミナ「………」

 

 

アズサ「?」

 

 

シロ『うにゃ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

『はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ?!!!!』

 

 

 

 

結婚を前提?!お付き合い?!何か色々と爆弾発言をかましたシュレリアに零達は驚愕の絶叫を上げ、当の本人である大輝は何言ってんだ?的な顔でシュレリアを見ていた。

 

 

ルミナ「け、けけけ結婚を前提にお付き合いって?!」

 

 

シュレリア「はい!私自身も、この人を生涯を共に生きる人として心に決めました!今日はそれをお伝えする為に、こうして足を運んだんです!」

 

 

ニパァと明るい笑顔を浮かべながら自分の気持ちを伝えるシュレリア。大輝はそんなシュレリアを見て頭を軽く掻くと……

 

 

大輝「……せっかく来てもらって悪いんだけどさ、俺には一応恋人がいるんだけど」

 

 

シュレリア「……へ?」

 

 

そう言って大輝は人差し指である方を差し、シュレリアは呆然とした表情でその方を見つめると、其処には片手を軽く上げるベルの姿があった。

 

 

大輝「彼女がベール=ゼルファー、今の俺の恋人だ」

 

 

シュレリア「え……えぇっ?!い、いつの間にそんな人が?!」

 

 

大輝「いつ?そうだねぇ……君を助けてからちょっと後ぐらいかな?」

 

 

シュレリア「そ、そんなぁ……やっと居場所を見付けて駆け付けたのにぃ~……」

 

 

既に大輝には恋人がいる。それを知ったシュレリアは負のオーラを漂わせながらガクリと肩を落としてしまい、そんな彼女を見た零達もちょっと同情したい気持ちになり、ベルも同じなのかシュレリアの肩をポンッと叩いた。

 

 

ベル「悪いわねシュレリア姫。そういうことだから、大輝の事は諦め「……いいえ、まだです!」……は?」

 

 

シュレリアに声を掛けて慰めようと思ったベルだが、シュレリアはいきなり顔を上げてベルと向き合った。

 

 

シュレリア「私はまだ諦めません!私はあの人に心を奪われました……ですからベルさん!今度は私が、貴方からあの人の心を盗んでみせます!」

 

 

ベル「……大輝、なんなのこの娘?」

 

 

大輝「取りあえず、ド天然で負けず嫌いな性格だから色々とめんどくさい「海道大輝ィィィィィィィィィィィィッ!!!」……ん?」

 

 

めんどくさそうな顔でシュレリアを指差すベルに何かを言おうとする大輝だが、その時何処からか聞こえてきた怒鳴り声が大輝の声を遮った。するとその方から一人の人物……完全武装のエルクが鬼の形相で走ってきて零とルミナの間に入った。

 

 

エルク「漸く見付けたぞ!海道大輝ィッ!!!」

 

 

零「うお、何か熱苦しそうな奴が来た?!」

 

 

大輝「君は……あぁ、彼女のナイト君か。君まで一体何の用だい?」

 

 

エルク「決まってる!姫様をたぶらかした貴様を成敗しに来ただけだ!覚悟しろよ盗っ人めぇ!!」

 

 

大輝「……まためんどくさいのが来たねぇ……んで?俺にどうしろって言うんだ?」

 

 

エルク「取りあえず表に出ろ!そして俺と一対一で戦え!」

 

 

大輝「……ふむ……別に俺としては構わないけど……その前に――」

 

 

―ポンッ―

 

 

零「……は?」

 

 

大輝を指差しながら高らかに叫ぶエルクに大輝はめんどくさそうにそう言うと、未だ事態に付いていけていない零の肩を叩いた。

 

 

大輝「――俺と戦う前に、この彼と戦って君の実力を見せてくれないかな?」

 

 

零「……はっ?!」

 

 

エルク「ふ、ふざけてるのか貴様っ……!俺はお前との一騎打ちを!」

 

 

大輝「ふざけてなんてないさ。だけど君は以前、俺の戦いを見て戦い方や能力を知ってるだろう?でも俺は君の戦闘力やどんな能力を持っているのかも知らない……それは余りにも不公平じゃないか?」

 

 

エルク「む……言われてみれば確かに……」

 

 

大輝「だろう?それに彼はかなり強い。腕鳴らしにもちょうどいいし、彼に勝てないようじゃ、俺の相手なんて務まりやしない♪」

 

 

エルク「……ほう……其処までの達人なのか……」

 

 

零「おい……おい待てっ、勝手に話を進めるなっ、なんで俺が―ブザンッ!!―ってぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ?!!」

 

 

本人を無視して話を進める大輝とエルクの会話の間に割り込もうとする零だが、その前にエルクが腰の剣を抜き取って零に振りかざし、零はすぐさま回避して剣を避けた。

 

 

エルク「おい逃げるな!!貴様は奴が認める程の達人なんだろう?!」

 

 

零「何が達人だっ?!俺は何も関係ないだろうっ?!おい海道っ!!コイツどうにかしろっ!!お前の撒いた種だろうがっ?!」

 

 

大輝「頑張れよ零ー?彼と戦ってくれれば今回は奢ってやるし、倒してくれれば風麺の食券を贈ってやるからさー」

 

 

ルミナ「頑張れー♪」

 

 

アズサ「?頑張れー……」

まだ状況を理解出来てないが、何かの遊びかと勘違いしてる。

 

 

シロ『にゃー!』

 

 

零「ふざけるなっ?!何でワケも分からないままこんな奴の相手をしなきゃならな―ブザァンッ!!―うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ?!!」

 

 

シュレリア「勝負ですベルさん!私、絶対負けませんから!」

 

 

ベル「……また面倒なのに捕まっちゃったわね……」

 

 

むん!と意気込んでライバル視してくるシュレリアにベルは思わず頭を押さえ、その端では零が剣を振り回してくるエルクの斬撃を避けまくり、大輝達はそんな二人の戦いを観戦していたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに、どうやって二人がこの世界にやって来たのかと言うと……

 

 

 

ユリカ「…………まだ終わらないのかしら…………暇だわ…………」

 

 

 

………意外な人物に案内人として依頼していたとは、流石の大輝でも知るよしもなかった。

 

 

 

 

 

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