仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十九章/エクスの世界①

 

 

それから数十分後、なのは達はアズサの知り合いだと名乗るアレンを写真館の中に招き入れ、お茶をしながらアレンから様々な話を聞かせてもらっていた。

 

 

フェイト「じゃあ、アレンさんも様々な世界を渡り歩いてるんですか?」

 

 

アレン「ええ、世界を歩く巡回牧師をしています」

 

 

時間が経つのも忘れ、一同はアレンが話してくれる話を興味深そうに聞いていた。アレンが様々な異世界を渡り歩きながら大勢な人々を救ってきた事、そんな中で落ち込んでいたアズサと出会い知り合った事など。暫くそんな取り留めのない話をしていたが、アレンはなのはが少し、顔を俯かせていたのに気付いた。

 

 

アレン「どうしました?」

 

 

なのは「あ……いえ、零君が今、この世界を調べに出掛けているんですけど……心配で……」

 

 

アレンからの問いに対し、なのはは暗い雰囲気を漂わせながらそう答え再び顔を俯かせてしまい、フェイト達も同じように俯いてしまう。

 

 

なのは「いっつも気付けば傷だらけになって帰ってきたり、悩んでいても自分で解決しちゃったり……」

 

 

フェイト「そんな状態になっても中々、自分の事を話してくれないんです……」

 

 

はやて「それでトラブルに巻き込まれて行って……」

 

 

すずか「最終的には傷だらけになって……」

 

 

いつの間にか、先程話していたことをアレンに向けて愚痴るなのは達。アレンはそんな四人の話しを黙って聞いていき、なのはは落ち着きなく両手を組みながら言葉を続けた。

 

 

なのは「零君とは、家族として一緒に育ったけど……本当の家族ならキチンと話してくれたのかなぁ……」

 

 

アレン「――相談しなかったんじゃなくて、相談する必要が無いと思ったんでしょうね」

 

 

『……え?』

 

 

なのはが漏らした言葉にアレンがそう答え、四人は顔を上げてアレンの顔を見つめた。

 

 

アレン「君達なら言わなくても、わかってくれるって思っているんですよ。彼は」

 

 

フェイト「……言葉で示してくれなきゃわからない事もあります……」

 

 

実際、写真館に帰ってきた時も怪我の事を詳しく聞かせてくれなかった。その事を思い出しフェイトがポツリと呟くと、アレンは眼鏡を外して微笑んだ。

 

 

アレン「仕方有りませんよ。男は言葉よりも行動で示してしまうものですから」

 

 

優しげな口調でそう言うと、アレンは目を伏せながら言葉を続ける。

 

 

アレン「苦しい事ならなるべく、自分以外の人に背負わせたくない……心配をかけたくない……だから言わない……」

 

 

ポツポツと、静かに言葉を紡ぐアレンの言葉に四人は食い入るように耳を傾けていた。

 

 

アレン「それでも、彼が弱音を吐いたら―――その時は受け止めてあげる―――それで、いいんじゃないですか?」

 

 

なのは「……弱音を吐いたら……受け止める……」

 

 

伏せていた目を開いてそう告げたアレンの言葉を聞き、なのははその言葉を心に染み渡らせるようにポツリと呟いた。アレンはそんななのはを見て静かに微笑みながら、眼鏡を掛け直して椅子から立ち上がっていく。

 

 

アレン「では、私はこれで失礼します。ゆっくりしてしまいましたが私はアズサちゃんの様子を見に来たので」

 

 

すずか「アズサちゃんなら今、庭にいる筈ですよ」

 

 

アレン「そうですか、ありがとうございます」

 

 

アズサの居場所を教えてくれたすずかに柔らかな笑みを向けると、アレンはそのまま踵を返し写真館の外へ出ようとするが……

 

 

フェイト「あ、あの!!」

 

 

突然フェイトが大声を上げながら席から立ち上がり、アレンを呼び止めたのだ。背後から呼び止められたアレンはフェイトに振り向きながら微笑み……

 

 

アレン「どうかされましたか?」

 

 

フェイト「あっ、いえその……なんでもないです……スイマセン」

 

 

優しげに微笑みながら問い掛けるアレンだが、フェイトはアレンの顔を見た途端言葉に詰まってしまい、口を閉ざして静かに席へと腰を下ろしていった。なのは達はそんなフェイトを見て疑問符を浮かべ、アレンは何かを理解しているかの様に苦笑しながらなのは達を見た。

 

 

アレン「では、私はこれで失礼します。いずれまた」

 

 

すずか「あ、はい。今日は色々と、ありがとうございました」

 

 

すずかやなのは達はアレンに向けて頭を下げていき、アレンも礼儀正しく頭を下げて写真館の外へと出ていったのだった。

 

 

はやて「……なんか、感じのエエ人やったな」

 

 

なのは「うん、本当に神父さんって感じだったね……ところでフェイトちゃん、さっきはどうかしたの?」

 

 

はやて「あ、そういえば……なんや、エラい慌ててたなぁ?」

 

 

先程のフェイトの様子からただ事ではないと感じたなのはとはやてがフェイトに問い掛けると、フェイトは胸に手を当てながらアレンが出ていった扉に目を向けた。

 

 

フェイト「その、なんだかアレンさんに……ううん……やっぱりなんでもない」

 

 

『……?』

 

 

フェイトは何かを言い掛けるもすぐになんでもないと首を振ってしまい、三人はそんなフェイトを見て顔を見合わせながら小首を傾げていた。そしてフェイトは……

 

 

フェイト(……なんだろうコレ……悲しいっていうか……寂しいような……なんだか、胸がザワザワする……)

 

 

先程見せたアレンの微笑みを脳裏に思い出し、何処か切なげな顔でアレンが出ていった扉をジッと見つめ続けていたのだった……

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

―写真館・庭―

 

 

写真館を出た後、アレンはアズサを探して写真館の庭を歩き回っていた。顔を動かして庭中を見渡しながら歩き回る中、アレンの脳裏にふと先程のフェイトの顔が過ぎった。

 

 

アレン(ふむ……やはり他世界とはいえ、フェイトは私の存在に何かを感じ取るようですね……)

 

 

先程自分を呼び止めたフェイトの事を考えながら暫く庭の奥へと進んでいくと、不意にアレンの視界に一人の少女……なにやら花壇の前にしゃがみ込んで何かをしてるアズサの背中が映った。

 

 

アレン「っと、いたいた……アズサちゃん?」

 

 

アズサ「?……アレン?」

 

 

アレンが優しげな口調で声を掛けるとアズサは顔を上げて辺りを見渡し、アレンに気付いて驚いた表情を見せた。アレンはそんなアズサにゆっくりと歩み寄り、アズサの隣に立っていく。

 

 

アレン「近くまで来たので、アズサちゃんの顔を見に来たんですよ。何をしていたんですか?」

 

 

そう問い掛けながらアズサの手に目を向ければ、なにやらスコップと植物の種が入っていると思われる袋を持っている。もしかして花でも植えていたのだろうか?とアレンは微笑ましく思い笑みを零すが、アズサはゆっくり立ち上がって袋をアレンに見せながら……

 

 

アズサ「ヒメから貰った……此処の土なら元気なサイバイメンが育つって言ってた。ヤムーチャさんもイチコロだって」

 

 

アレン「今すぐその種を返してきなさい」

 

 

何処か意気揚々と袋を見せるアズサにアレンは即座にツッコミを入れた。対してアズサは頭上に疑問符を浮かべながら、袋を見て不思議そうに小首を傾げた。

 

 

アズサ「もしかして、此処の土はダメ?クリリーンさんにも勝てない……?」

 

 

アレン「そういう事を言ってるのではないのですが……まあ、元気そうで何よりです」

 

 

相変わらず的外れな発言をするアズサに若干苦笑いを浮かべるが、取りあえずアズサが元気そうで安心するアレンだった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

その後、アズサはアレンに今まで零達と回った世界の話しをしていた。

 

 

桜ノ神の世界で姫と出会い一緒に買い物した事、GEAR電童の世界でルルイエ遺跡を探検した事など。

 

 

アレンは実際に幻魔と戦ったり見玉でその様子を見ていたので話は大体分かっていたが、何も知らない事を装って話を聞いていた。

 

 

そして暫くした後、アレンはゆっくりと立ち上がり空を見上げた。

 

 

アレン「さて、アズサちゃんが元気なのも確認出来ましたし、私はそろそろ行きますね―――っと?」

 

 

そろそろfirstの世界に戻らねばと別れを告げて立ち去ろうとしたアレンだが、不意に誰かに引き止められるように服を引っ張られた。気になって振り返れば、其処にはアズサがアレンの服の裾を掴んで寂しげな顔を浮かべていた。

 

 

アズサ「行かない、で……お…………お父さ…………」

 

 

シュンッと、アズサは服の裾を掴みながら寂しそうに顔を俯かせてしまった。そしてアレンはそんなアズサを見て少し呆気に取られるが、すぐに優しく微笑んでアズサの髪を優しく撫でた。

 

 

アレン「大丈夫です。また……来ますからね」

 

 

アズサ「…………」

 

 

まるで小さな子供に言い聞かせるようにそう言うと、アズサは顔を俯かせたまま名残惜しそうにソッと服を掴んでいた手を離していった。そして、そのすぐ後に……

 

 

アズサ「…………約束」

 

 

アズサは顔を上げ、スッと右手の小指をアレンの前に出した。それを見たアレンは一瞬キョトンとなるも、すぐにクスッと笑いながら小指を出した。

 

 

アレン「はい、約束です」

 

 

そう言ってアレンはアズサの小指と自分の小指を絡ませてまた来ると約束をし、アズサに見送られ写真館を後にしたのだった。そしてアズサは指切りを交わした手を大事そうに握り締め、暫くその場で佇んでいると……

 

 

アスハ『……今のが、アンタの言ってたアレン?』

 

 

アズサ「…?アスハ…?」

 

 

不意にアズサの頭に一つの声……アスハの声が響き、アスハはそれを聞いて顔を少し上げた。

 

 

アスハ『確か、前に零のことで落ち込んでたアンタを救ってくれたんだっけ?』

 

 

アズサ「……うん……あの時、アレンが傍に居てくれたおかげで私は立ち直れた……だから、アレンは私の恩人……」

 

 

アスハ『ふーん……』

 

 

瞳を伏せてアレンのことを話すアズサの言葉を聞き、アスハはアズサの中で目を細めながらアレンが去っていった方を見つめていく。そんなアスハの様子に疑問を持ったアズサは小首を傾げながら……

 

 

アズサ「……もしかして、アスハもアレンのこと……お父さんって呼びたかった……?」

 

 

アスハ『ッ?!なっ、ば、馬鹿っ!違うわよそんなんじゃっ!』

 

 

アズサ「……そう……じゃあ、アレンがまた来るまでお父さんって呼べるように練習する……?」

 

 

アスハ『だから違うって言ってんでしょうっ?!人の心を勝手に想像―ボゴボゴボゴッ……―……え?』

 

 

アズサの言葉を否定しようと必死になるアスハだが、その時背後から奇妙な音が響いた。アズサがそちらの方に目を向けると……其処には、何か不気味な生物達が奇声を上げながら花壇の土からワラワラと――――

 

 

アスハ『―――って、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ?!!』

 

 

アズサ「あ、サイバイメンが育った……」

 

 

アスハ『ホントにサイバイメンの種だったの?!ちょ、アンタ馬鹿じゃない?!なんでそんなの馬鹿正直に埋めて―――ってアイツ等庭の外に逃げ出してるしっ?!!』

 

 

アズサ「バイバーイ……ゴクーさんより強く育ってねー……」

 

 

アスハ『そして何故アンタは清々しく見送ろうとしてるわけ?!ちょ、馬鹿!!早く追え!!追いなさいってばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ?!!』

 

 

アスハは悲痛な絶叫を木霊させたが、それも虚しく、アズサは次々外へと逃げていくサイバイメン達をただ手を振って見送ろうとしていたのだった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

それからすぐアスハが無理矢理身体の主導権を奪ってシュロウガへと変身し、人知れずサイバイメン討伐に全力を尽くしたのは全く別の話であった……

 

 

 

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