仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十九章/エクスの世界②

 

 

 

シュロウガ(アスハ)がサイバイメン討伐に死力を尽くしてる頃、稟を待つために神王の家に向かった零達はと言うと……

 

 

シア「――へぇ~、稟くんそんな事もしたんだ~」

 

 

大輝「あの具現化の青年の事はアテナさんに聞いたら良くわかるよ」

 

 

ネリネ「さすが稟さまですね♪」

 

 

零「……馴染んでるな……」

 

 

優也「馴染んでるな……」

 

 

……何故か、大輝が神王の娘であるリシアンサス(通称シア)と偶然遊びに来ていた魔王の娘であるネリネと稟の話しで盛り上がっていた。先程までの緊張感は何だったんだ?と零と優矢が脱力し切って呆然となる中、シアがそんな零に向けて質問を投げ掛けた。

 

 

シア「ねぇ、零くんは稟くんの事どう思う?」

 

 

零「ん?稟か?稟は……俺と同じだな……」

 

 

シア「?」

 

 

不意に投げ掛けられたシアからの問いに零は稟と滝とでたまにいく『苦労人同盟、なぜ皆に攻撃されるのか話し合おう』という飲み会を思い出しながら遠い目をしてそう答えるが、シアにはその意味が伝わってないらしく怪訝そうに小首を傾げていた。その時……

 

 

優矢「でもまあ、稟は強いよな、魔導師としてもライダーとしても」

 

 

零「ッ?!おい馬鹿っ!」

 

 

優矢「――あっ……」

 

 

ついうっかり口を滑らせた優矢に零は慌てて叱責し、優矢も自分の失言に気付き思わず口を手で塞いだ。

 

 

シア「えっ?」

 

 

ネリネ「魔導師……ライダー?」

 

 

だが気付いた時には遅く、シアとネリネは優矢が口にした魔導師とライダーというワードを口ずさみながら怪訝そうな表情を浮かべていた。

 

 

優矢「あ、い、いや、それは……」

 

 

零(マズイっ……!このままだとこの二人に稟の秘密がっ……!)

 

 

慌てて言い訳を考える優矢の隣で零は内心舌打ちし、どうにかして別の話にすり替えねばと必死に思考を巡らませていると……

 

 

大輝「――そういえば……確かこの前具現化の少年に告白した女性がいたっけな……」

 

 

シア「え?そ、それ誰ですか?!」

 

 

ネリネ「稟さまに告白なんて……稟さまはそれにお答えしたのですか?」

 

 

大輝がふと口にした一言にシアとネリネは瞬間的に顔を向け、なんとか話を反らせる事に成功したのであった。それを見た零は安堵の溜め息を吐き、優矢の首根っこを掴んで小声で怒鳴り始めた。

 

 

零(このバカが!稟はその事をまだ秘密にしているんだろう?!)

 

 

優矢(わ、悪い!つい口が滑っちまってっ!)

 

 

大輝がシアとネリネの興味を引いてる間に優矢は零に向けて両手を合わせて謝罪し、ゆっくりと大輝の方へと振り返った。すると大輝は一瞬こちらにアイコンタクトで『貸し一つ』と目を向けて告げ、優矢はそれに小刻みに頷き返した。それを見た零は……

 

 

零(優矢は一体何をやらされるか……ボ○太君の中か屋台引きか……あの女のお守りか……いずれにせよ、大変な目に合うのは変わらんか……)

 

 

大輝が言う貸しの意味も分からず頷いた優矢に対し、零は心の中で十字を切って同情の溜め息を吐いていたのだった。そんな時……

 

 

 

 

『シア!今帰ったぞ!』

 

 

『ん?ネリネちゃんもこっちに来てたんだね」

 

 

『シア、お邪魔するよ』

 

 

 

 

零「?今の声は……」

 

 

シア「あ、稟くん達だ!」

 

 

五人が話をしているうちに零達が待っていた稟の声が玄関から響き渡り、それを聞いたシアが稟達を迎えに玄関へと走っていった。そして和室に残された零は、優矢の首根っこを掴んだままネリネに口を開いた。

 

 

零「なぁ?今稟とは別の声が聞こえた気がするんだが……もしかして例の神王と魔王って人か?」

 

 

ネリネ「あっ、はい。今稟くんと一緒に帰ってきたのが、シアちゃんのお父様であるユーストマ様と、私のお父様であるフォーベシイ様ですよ」

 

 

零「……成る程な……いきなり神界と魔界の二大トップとご対面とは、ちょいと急過ぎる気もするが……」

 

 

優矢「お、おいっ、取りあえずもう離せって!痛い痛い痛いっ!」

 

 

ネリネから神王と魔王……ユーストマとフォーベシイの名を聞いた零が軽く息を吐くが、優矢がいつまでも首根っこを捕まれているのに痺れを切らして零の腕をタップし、零はそんな優矢をジト目で睨みながら優矢から手を離すと、それと同時に和室の扉が開き稟とシアが入ってきた。

 

 

零「よう、稟」

 

 

稟「零さん、どうしてこっちに?」

 

 

優矢「あぁ、これだよこれ」

 

 

何故零達がこっちに来てるのか疑問げに問い掛ける稟に対し、優矢は懐から自分の名刺を出し稟に見せた。

 

 

稟「MMO(Magic Mercenary Office)所属……って事は……そういう事ですね」

 

 

零「あぁ、次に訪れた世界が此処、エクスの世界……お前達の世界だったんだ」

 

 

付け加えるように零がそう言ってエクスのカードを見せると稟も事情を察知して納得するが、その時零の隣で呑気に茶を啜る大輝を見て訝しげに眉を寄せた。

 

 

稟「ところで、大輝は何でここに?」

 

 

大輝「この世界には良いお宝が無いからね、今回は零の手伝いでも、とね」

 

 

零「ハッ、何が手伝いだ。単に暇つぶしで俺達にくっついて来てるだけだろう」

 

 

大輝「おや?だって実際そうだろう?主に君のなのはさん達からのOHANASHIとかGYAKUSATSUとか、何回見ても飽きないしねぇ?」

 

 

零「……本当にお前は一々喧嘩を売るのが上手だな」

 

 

稟「ハハッ……二人とも相変わらずだなぁ……」

 

 

ネリネ「稟さま、稟さまは……」

 

 

いがみ合う(といっても零が一方的)を二人を見て稟が苦笑いする中、ネリネが続きを言おうと口を開こうとしたとき……

 

 

 

 

 

『カンパ~イ!!!!!!』

 

 

 

 

 

優矢「うおぉっ?!なんだ今のっ?!」

 

 

シア「あっ!またお父さんお昼からお酒?!リンちゃん、止めるの手伝って?」

 

 

ネリネ「えっえぇ?!」

 

 

何処からか響いてきた大音量の叫び声に優矢が思わず身を引いてビビると、シアはその声に聞き覚えがあるらしくネリネの腕を取って和室から飛び出していってしまった。

 

 

稟「はぁ……またか……」

 

 

零「……なあ稟、なんだ今の?」

 

 

稟「あ、いえ、気にしないで下さい……いつものことですから……」

 

 

零「?」

 

 

何故か呆れるように溜め息を吐く稟に零は思わず首を傾げてしまうが、稟は気を取り直し話の路線を戻そうと話し出した。

 

 

稟「とりあえず、俺の世界に写真館が来ちゃったわけですね?」

 

 

零「あぁ……あと稟、一つ不味いことが」

 

 

稟「えっ?」

 

 

大輝「そこのパシリがうっかり口を滑らせてあの二人に魔導師とライダーという単語を言ってしまったのさ」

 

 

そう言って大輝は優矢を指差していくが、優矢は大輝の今の発言に引っ掛かり慌てて身を乗り出した。

 

 

優矢「ちょ、ちょっと待て!パシリってなんだパシリって?!」

 

 

大輝「貸しひとつで1日パシリ。悪い条件じゃあ無いだろう?なんならパンデモニウムに単体で転移でも有りだけど?あっちで瀕死だけど死ねない状態になるけど」

 

 

稟「何のために?!」

 

 

大輝「俺の楽しみの為に」

 

 

零「即答かよ?!」

 

 

大輝が出した理不尽な条件に三人のツッコミが和室内で飛び交う中、突然和室の扉がバンッ!!と勢いよく開かれ、二人組の男性……ユーストマとフォーベシイがいきなり乱入してきた。

 

 

ユーストマ「稟殿!!今晩は宴をするぞ!!」

 

 

フォーベシイ「稟ちゃん、今晩は宴さ!!」

 

 

稟「はぁ?!」

 

 

ユーストマ「シアがなぁ、『お酒は夜に!』と言ったから今晩は宴だ!!」

 

 

稟「いや、そんないきなり?!」

 

 

突然宴を始めると言ってきた二人に稟も困却の表情を浮かべてしまい、その様子を見た零は「ふむ……」と顎に手を添えながら何かを考えると……

 

 

零「―――なら、俺の知り合いがいるところで良いですか?」

 

 

ユーストマ「おっ?おめぇさんは確か稟殿の友人の……」

 

 

零「黒月零、よろしくお願いします」

 

 

ユーストマ「よし、じゃあもう行くぞマー坊!!」

 

 

フォーベシイ「そうだね神ちゃん!!」

 

 

稟「なんでさ……」

 

 

零「む?別に構わないだろ?酒を飲むだけだし」

 

 

稟「……零さんは何もわかっていない……」

 

 

零「うん?」

 

 

稟が困っていたようだから助け舟を出したつもりなのだが、何故か深海より深い溜め息を吐かれて零は困惑の表情を浮かべた。そしてその間にも神王魔王の二人が必要最低限の準備を速攻で済ませて零の肩を豪快に叩いた。

 

 

ユーストマ「よし!零殿、案内してくれ!」

 

 

零「ん?あぁ、承った……」

 

 

稟の溜め息の意味が気になりつつも、取りあえず二人を写真館に案内しようと零は頷き返していった。そうして一向は稟が連絡を入れて先程零達が寄った芙蓉家でインターホンで応対してくれた少女……芙蓉 楓を誘って合流し、写真館へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

―光写真館―

 

 

―――んで……

 

 

ユーストマ「ほらほら!嬢ちゃんも飲め飲め!」

 

 

はやて「ありがとうございます♪」

 

 

フォーベシイ「おっと、君もコップが空じゃないか」

 

 

フェイト「あ、ありがとうございます」

 

 

稟「……やっぱりこうなった……」

 

 

写真館に着いた時にはもう既に、二人は宴の用意をこなして飲んだくれていた。更にははやてもノリノリで部隊長権限により、写真館メンバー全員が強制参加させていたのだった(因みにティアナは帰った瞬間に飲まされてダウン)

 

 

稟「零さん……」

 

 

目の前でユーストマとフォーベシイが豪快に酒を飲み食らう中、稟がちらりと横を見ると……

 

 

 

 

 

零「おいコラッ?!離れろなのは!!酔いすぎだ馬鹿!!」

 

 

なのは「零りゅ~ん~うにゃぁ~♪」

 

 

零「引っ付くな寄るなって?!というか酒クサッ?!どんだけ呑んだんだお前っ?!」

 

 

……酔ったなのはが呂律も上手く回らない状態で零の腕に絡んでいた。いいや、寧ろ猫化していると言った方が正しいか……

 

 

はやて「にゃのはりゃん~!!零りゅんをわらせ~!!(訳・零くんを渡せ~!!)」

 

 

フェイト「にゃのははるるいの~!!(訳・なのははズルいの~!!)」

 

 

なのは「りゃ~りゃ~!!(訳・や~だ~!!)」

 

 

零「イダダダダダダダ?!待て?!待てって?!俺の関節はそんな所には曲がらんってぇえええええええええええええええええええええええっ?!!」

 

 

更に其処へ完璧に酔っぱらったフェイトとはやてまでもが乱入し、なのは、フェイト、はやてはそれぞれ零の左腕、右腕、首を容赦無く引っ張った……いや……というよりも……

 

 

なのは「おれれもうらえ~あろ!!れんりょくれんらい~!!(訳・これでもくらえ~なの!!全力全開~!!)」

 

 

フェイト「いっうういんらい~!!(疾風迅雷~!!)」

 

 

二人は思いっきり腕ひしぎ十字固めを絞めていた。因みにはやては零の首を本気で掴み、全力で後ろへと引っ張っていた。

 

 

零「ぢょっ……まっ……ぐっ……ぐぐぐっ……!!」

 

 

はやて「零りゅん!!りんりょうやにおならにりゅれ!!(訳・神妙にお縄につけ!!)」

 

 

はやてがだんだんと引っ張っていくので頸動脈が見事にしまっていき零は呼吸も叫び声もあげられず、できる事といえばせめて折られないように力を入れるだけだった。

 

 

稟「すいません零さん……助けにいけません……だって……」

 

 

楓「稟りゅ~ん……」

 

 

菫「お父さん……」

 

 

稟「こんな状況ですから……」

 

 

零を助けに行きたいのは山々なのだが、稟の後ろから酔った楓がしがみつき、菫は稟の足を枕にして寝ているため動ける状態ではなかった。更にシアとネリネは両王の制裁と先にダウンした栄次郎の世話をし、他の写真館メンバーも手が出せずにいた。何故なら……

 

 

 

 

 

優矢「………………」

 

 

 

 

 

……一回零を助けようと近づいた優矢に三人のトリプルブレイカーが直撃した姿を見ていたからだ。そんな焼きトカゲ張りにこんがり焼き上がった優矢を見て稟が顔を引き攣る中、姫が酒が入ったグラスを持って稟の隣にしゃがみ込んだ。

 

 

姫「いやはや、何だかとんでもない事になってしまったなぁ……」

 

 

稟「ちょ、姫さん!呑気なこと言ってないで零さんを助けて下さいよ?!此処は一つ神の力でドドンッて!」

 

 

姫「いやいや、あんなにも盛り上がっているのに邪魔する訳にはいかないだろう?せっかく夜の宴から乱交パー――♪」

 

 

稟「それ以上はアウトォォォォオオオオオ!!?」

 

 

キュピーンと瞳を輝かせる姫の下ネタ発言を稟が慌てて横から叫んで遮った。その時……

 

 

 

 

 

『りゃあ!!!!!(訳・やぁ!!!!!)』

 

 

―ゴキィィッ!!!!!―

 

 

 

 

 

稟「―――あ……」

 

 

…………普通なら絶対鳴らないような音が、零の体中から響き渡ったのである。そしてそれに気付いた稟が唖然となる中、その様子を見ていた大輝が酒を一口飲みながら一言……

 

 

大輝「あれはー……うん、見事に逝ったね?」

 

 

稟「零さあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」

 

 

稟の悲痛な絶叫が写真館に響き渡るも、零は三人娘に引っ張られたままグッタリとして何も答えることはなかった。チーン……という効果音が何処からか響いた気がするが、多分気のせいであろう。

 

 

 

 

 

 

その後、なんとか零を救出したシャマル達により(救出時のトリプルブレイカーの犠牲はスバル)零はなんとか一命を取り留め、騒がしい宴はこうして幕を引いたのであった。

 

 

 

 

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