仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十九章/エクスの世界⑤

 

 

楓の突然の失踪。それはあっという間に家中に広まり、今まで眠りに付いていたメンバーも含め全員がリビングに集まり、楓の失踪を聞いて一同の顔には焦燥と不安の色が浮かび上がっていた。

 

 

シア「かっ、かえちゃんはどこに?!」

 

 

零「決まってる!稟の所だ!優矢、海道、コイツ等を頼むっ!」

 

 

優矢「わかったっ!」

 

 

零はソファーに掛けておいた自分のコートを羽織り、優矢達に後を任せて魔王家を飛び出し急いで楓の捜索へと向かっていった。

 

 

大輝「――さて、皆は多分そろそろ知るだろうね……」

 

 

ネリネ「?知る……?」

 

 

魔王家から飛び出した零を見てそう呟く大輝の言葉にネリネは思わずそれを口ずさみ、大輝はそれを聞いて口元に笑みを浮かべながら一同から離れると、懐からスタッグフォンを取り出し番号をプッシュして耳元に当てた。

 

 

大輝「――ああもしもし?お休みのところ悪いんだけど、実はちょっとマズイ事が起きてね?実は………」

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

零「クソッ!何処に行った……?!」

 

 

魔王家を飛び出した零は夜の町をあてもなく駆け回り、必死に楓の姿を捜していた。全力疾走を維持したまま道ゆく人の間を駆け抜け、交差点の向こうや路地裏にまで目を走らせて街中を走り続けていく。

 

 

零「此処にもいないっ……まさか、もう現場に着いてるとかじゃないだろうなっ……」

 

 

魔王家から光陽工事までの距離はかなりあるらしいが、それでも全走力で走れば30分で着くのも不可能ではない。そうであってないでくれよと、零は心の中で切実に願いながら光陽工事に向かおうと足先を向けた。そんな時……

 

 

―ブオォォォォォォォォォォォォォオンッ……―

 

 

零「……ッ!何ッ?!」

 

 

突然零の周りの風景が歪みに包まれ、景色がグルリと不自然に回り始めていったのだ。それを見た零は突然の事態に思わず動きを止めてしまい、その間に歪みが治まり何処かのスタジアムに場所が変わっていた。

 

 

零「ッ!此処は……」

 

 

周りの風景がスタジアムに変わり、零はその光景を目にし険しげな表情でスタジアムを見回していく。その時だった……

 

 

―コツッ……カツッ……コツッ……カツッ……―

 

 

背後から聞こえてきた何処か不気味な足音。それに気付いた零が直ぐさま背後に振り返ると、其処には白いラインの入った黒いボディのライダーが悠々とした足取りで歩み寄ってくる姿があった。

 

 

零「お前は……」

 

 

『フフッ……君が世界の破壊者かぁ……確かに、君と戦うのは面白そうだ……』

 

 

零を見て何処か楽しげに微笑みながら、黒いライダーは右手にあらかじめ持っていた銃にも似た何かをゆっくりと口元へと持ち上げていき……

 

 

『――Fire』

 

 

『Burst Mode!』

 

 

―バシュウバシュウバシュウッ!!―

 

 

零「ッ!」

 

 

黒いライダーが銃に音声を入力すると同時に電子音声が響き、零に銃口を向けていきなり発砲してきたのだ。零は直ぐさま上体だけを動かして銃弾を避けながら、腰にディケイドライバーを巻きながらカードを取り出した。

 

 

零「チィ!また鳴滝の差し金か!変身ッ!」

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

 

カードをバックルにセットすると零はディケイドへと変身し、変身を完了させると共に左腰のライドブッカーをガンモードに切り替え黒いライダー……デルタに向けて反撃を開始していった。

 

 

―ドシュンドシュンドシュンドシュンドシュンッ!!―

 

 

デルタ『フッ!ハァッ!』

 

 

ディケイド『クッ!ハッ!』

 

 

ディケイドとデルタはスタジアム内を駆け回りながら互いに向けて銃を乱射し、激しい銃撃戦を繰り広げていく。その時……

 

 

―バッ!!―

 

 

デルタ『ハッ!!』

 

 

ディケイド『ッ!ハッ!』

 

 

―ドシュンドシュンッ!!―

 

 

ディケイド『グゥッ?!』

 

 

デルタ『うあッ?!』

 

 

デルタがいきなりディケイドに向かって飛び掛かり銃を撃ち出していき、ディケイドも即座にデルタを狙い撃って撃ち落とし互いに倒れてしまうも、直ぐさま体を起こし互いに向けて銃口を突き出した。

 

 

ディケイド『ッ!いい加減にしてもらえないか?俺は今お前のお守りに付き合ってる暇はないんだよっ』

 

 

デルタ『ヤダなぁ~、そんなに邪険にする事はないだろう?僕はただ君との戦いを楽しみたいだけなんだから』

 

 

ディケイド『チッ、オムツも取れていないガキが……自己中も程々にしておけッ!』

 

 

稟や楓の事で焦燥に駆り立てられているディケイドは苛立ちを込めながら叫ぶとデルタに掴み掛かり投げ飛ばした。だがデルタは咄嗟に受け身を取って態勢を立て直し、そのままディケイドに向かって殴り掛かっていったのだった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

その頃、エクスと機械兵器の戦闘が始まって30分ほど経ち、状況は均衡を保っていた。機械兵器はエクス程の大きさの人型で左右の腕は両刃の刃となっており稟は振られる『それ』をフェンリルとライトブリンガーで弾き、稟の振るライトブリンガーも『それ』に弾かれていた。

 

 

エクスL『まったく……早く帰りたいのにッ!』

 

 

エクスは思わず愚痴を零しながら機械兵器から距離を開き、グレイの首を掴みスロットを回していく。

 

 

グレイ「エキストラウェイクアッ~プ!」

 

 

エクスL『シャイニング……ブレイカーッ!!』

 

 

―ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

エクスはライトブリンガーの刀身を黄金の光に包ませ、自身最大の技を撃ち出し機械兵器へと見事に直撃していった。だが……

 

 

『……ピピッ、ギュイィィィィ……』

 

 

エクスL『ッ!何?!』

 

 

自身最大の技が確かに炸裂したにも関わらず、機械兵器は胸に傷を負った程度で全壊どころか損傷らしい損傷すらしてなかったのだ。それを見たエクスが思わず驚愕する中、鳴滝が離れた場所でエクスに向けて叫んだ。

 

 

鳴滝「甘いわ!これには私自らが手をかけた実験台!ちょっとやそっとじゃ傷つかない!」

 

 

エクスL『チッ!でもまだやれるッ!』

 

 

技が大して効かなかったのは予想外だったが、まだ手が残ってない訳ではない。エクスは再び機械兵器から距離を取り、ライトブリンガーを両手で握り締め構えを取った。その時……

 

 

―……ザッ―

 

 

エクスL『……え?』

 

 

今正に機械兵器へ向かおうとしたその時、不意に背後から気配を感じ動きを止めてしまったのだ。エクスがそれに気付き、後ろに振り返ると……

 

 

エクスL『なっ!?楓!?』

 

 

そう、其処には魔王家を抜け出し稟を追ってきた楓が周りをキョロキョロ見渡す姿があったのだ。更に最悪な事に、機械兵器は不意に現れた楓を増援だと認識し楓に顔を向けていく。

 

 

エクスL『ッ?!マズイッ……楓!!逃げろ!!!』

 

 

楓「……えっ?」

 

 

機械兵器の狙いが自分から楓に変わった事に気付いたエクスが慌てて叫ぶと、楓はエクス達に気付き思わず固まってしまった。その瞬間を機械兵器は見逃さず、楓に向けて右腕を構えると……

 

 

―ギュイィィィィィィ……ブオォンッ!!!!―

 

 

機械兵器は自身の腕を切り飛ばし、楓に向かって噴射していったのである。

 

 

エクスL『楓ッ!!』

 

 

楓「あっ……」

 

 

楓は咄嗟の事、自身に降りかかる『死』を感じ取って動くことが出来なかった。

 

 

エクスL『なっ?!クソッエクト、グレイ!すまない!フェンリル、ミカエル!後を頼む!!』

 

 

エクト「なっ、稟!!」

 

 

グレイ「兄貴、何を?!」

 

 

エクスは直ぐさま強制的に変身を解除して稟に戻り、そのままバリアジャケットを纏い楓の前に走り寄っていった。

 

 

楓「稟君?!」

 

 

稟「クッ!!」

 

 

目の前から猛スピードで迫る刃。既に防御に入るのは間に合わない。一瞬でそう判断した稟は咄嗟に両腕をクロスさせ、刃はそのまま……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―グサァッ!!!!―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……両手をクロスさせた稟の腕に、深く突き刺さっていったのだった……

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

―バキッ!ドガァッ!バンバンバァンッ!!―

 

 

ディケイド『ハッ!セアッ!』

 

 

デルタ『ハッ!』

 

 

場所は戻り、スタジアム内ではディケイドとデルタが互いに至近距離から銃弾を撃ちながら激しい格闘戦を繰り広げていた。ディケイドはデルタの銃撃と打撃を避けながらライドブッカーからカードを取り出し、ドライバーへと装填してスライドさせた。

 

 

『ATTACKRIDE:BLAST!』

 

 

ディケイド『ハッ!』

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガァッ!!―

 

 

デルタ『グッ?!』

 

 

電子音声と共にディケイドはデルタの腹に銃撃を撃ち込んでいき、デルタを後方まで吹っ飛ばしていったのだった。そしてディケイドはすかさずライドブッカーを左腰に戻しながらカードを取り出し、ドライバーに装填してスライドさせた。

 

 

ディケイド『一気に勝負を決めてさせてもらうッ!』

 

 

『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』

 

 

電子音声が鳴り響くと共にデルタに目掛けてディメンジョンフィールドが展開されていき、それを確認したディケイドを身を屈めて空へと跳び上がり、跳び蹴りの態勢に入ってディメンジョンフィールドを潜ろうとした。その時……

 

 

 

 

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガンッ!!―

 

 

ディケイド『…ッ?!な、グアァァッ?!』

 

 

デルタに向けて跳び蹴りを放とうとした瞬間、不意を突くように背後から無数の銃弾が背中に撃ち込まれ、ディケイドを撃ち落としてしまったのだった。

 

 

ディケイド『ぁ……ぐっ……今のはっ……?!』

 

 

技をキャンセルされたディケイドは背中から煙を立たせながら突然の事態に困惑し、ふらつきながら身体を起こし背後へと振り返った。其処には……

 

 

―ギュイィィィィィィィィィィィィィッ……!!―

 

 

『HAHA!』

 

 

其処には、青いラインの入った白い身体にギリシャ語のψをモチーフにした仮面ライダー……『サイガ』が上空からこちらを見下ろす姿があったのだ。

 

 

ディケイド『ッ?!アイツは……!』

 

 

デルタ『フフッ、誰も一人とは言ってないだろ?そう簡単に終わったらつまらないじゃないか』

 

 

突如現れた増援に驚愕するディケイドを見て、デルタは不気味に笑いながら拍手するような形で両手の指をクロスさせていた。 その間にもサイガはデルタとは反対方向に降り立ち、ディケイドを挟み撃ちにしてしまう。

 

 

デルタ『さーて、第二ラウンドの始まりだ……』

 

 

サイガ『It's!ShowTime!』

 

 

ディケイド『チィ!こんな忙しい時にぞろぞろとっ!』

 

 

右側にはデルタ、左側にはサイガが。完全に逃げ場を断たれたディケイドは舌打ちをしながら立ち上がってライドブッカーGモードを構え、デルタとサイガもそれぞれ武器を構えていく。その影では……

 

 

キバーラ「――フフッ……この状況をどう乗り越えるのかしらねぇ、ディケイド?」

 

 

キバーラがスタジアム内のフェンスの上に止まり、その光景を見つめて怪しげな微笑みを浮かべていたのであった……

 

 

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