仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
鳴滝が作り出した機械兵器と奮闘を繰り広げる稟と、鳴滝の罠に掛かりデルタとサイガと激突するディケイド。しかし稟は突如戦場に現れた楓を庇い、重傷の傷を負ってしまった。
稟「ぅ……グッ……」
―ポタッ…ポタッ……―
機械兵器から放たれた『それ』は、深く突き刺さった程度ではなかった。稟の腕に突き刺さった『それ』は稟の右腕、左腕をも貫き、稟の首にも少し突き刺さっている。切り払うだけでなく『突く』事も視野に入れていたらしく、『それ』はそれほど太くなく、腕を切り落とす事は無かった。
楓「り、りん……くん……稟君っ!!」
その光景を稟の背後から見ていた楓は、ただ叫ぶことしかできなかった。その間にも機械兵器は楓もろとも稟にトドメを刺そうと、また残った『それ』を射出しようとしたが……
エクト「させませんッ!!ハァッ!!」
『ッ?!』
エクトが機械兵器の目の前に躍り出ていき、機械兵器の気を引き付けていく。そしてエクトが機械兵器を引き付けてる間に……
フェンリル「ミカエル!!手伝って!!」
ミカエル「おぅ!!」
グレイ「兄貴!!しっかりするっス!!」
フェンリルとミカエルは人型となってグレイと共に稟の下へと駆け寄っていき、フェンリルとミカエルが稟の両肩を待って担ぎ上げ、グレイは必死に稟に声を掛けていく。
楓「えっ……あ、あの……?!」
倒れる稟の傍で呆然としていた楓は突然現れた二人に驚愕してしまうが、フェンリルとミカエルはそんな楓に向けて怒鳴り声を荒げた。
フェンリル「ボサッとしないで!!死にたいの?!」
ミカエル「何で此処にいる?!稟は待ってろと言っただろう?!チッ、とにかく早く逃げるぞ!魔力は放った!きっと零さんが来ると思うから、とりあえず合流を……!!」
鳴滝「そうはさせん!」
フェンリルとミカエルは稟を担ぎ上げて此処から離れようとするが、その時一同の目の前に歪みの壁が出現し、其処から稟と戦ったのと同じ機械兵器がもう一体現れ一同の前に立ち塞がった。
ミカエル「なにっ?!」
鳴滝「土見稟は此処で渡してもらう!ディケイドを倒す為にも、彼の力は必要なのだ!」
フェンリル「冗談っ!誰がアンタなんかに稟を……!」
鳴滝「ならば仕方あるまい……力付くでも渡してもらうっ!」
そう言って鳴滝は稟を捕えようと機械兵器に命じていき、機械兵器も鳴滝の命令に従おうとフェンリルとミカエルに迫っていき、二人は楓を後ろに下がらせながらどうやってこの場を乗り切るべきかと焦りを受かべていた。その時……
―バシュウゥッ!!―
『……ッ?!』
鳴滝「ッ?!何っ?!」
フェンリル「……え?」
機械兵器がフェンリル達に襲い掛かろうとしたその時、突如機械兵器とフェンリル達の間を一本の矢が真横から遮っていったのだ。それを見た機械兵器は思わず動きを止め、その攻撃が放たれてきた方へと振り返ると……
アンジュルグ『……何とか間に合った……』
ティアナ「みたいね……皆さん!大丈夫ですか?!」
フェンリル「ッ!貴方達は……?!」
ミカエル「アズサに、零さんとこのティアナ?!」
そう、其処にいたのは写真館で待機してる筈のアズサが変身したアンジュルグと、ヒートギアを腰に巻いたティアナだったのだ。二人の予想外の登場にフェンリル達が驚愕する中、二人はフェンリル達を庇うように機械兵器の前へと立ちはだかった。
フェンリル「二人共、どうして此処に……?」
アンジュルグ『ん……さっき、写真館に大輝から連絡がきた……稟達がピンチだから、私達にも現場に向かって欲しいって……』
ミカエル「大輝さんが?」
ティアナ「えぇ、てっきり稟さんが作戦に失敗して危険な目に合ってるんじゃないかって急いで来たんですけど、思ったよりヤバそうね……とにかく、此処は私達に任せて下さい!」
そう言ってティアナは右手に持っていたヒートフォンを開き、8・9・0とボタンを入力して最後にエンターキーを押していく。
『Standing by…』
ティアナ「変身ッ!」
『Complete!』
ヒートギアをバックル部へとセットするとティアナはヒートへと変身していき、変身完了と共に左腰に取り付けられたヒートブレイガンを手にしミッションメモリーを装填した。
『Ready!』
ヒート『コイツ等は私達で引き付けます!皆さんは今の内に稟さんを!』
ミカエル「ッ!助かる!フェンリル!」
フェンリル「えぇ!二人共、後はお願い!」
アンジュルグ『了解……!』
フェンリル達はエクトと二人が機械兵器を引き付けてくれてる間に稟と楓を連れて安全な場所まで移動し、ヒートとアンジュルグもフェンリル達の避難が完了するまで機械兵器の気を逸らすべく二体の機械兵器へと突っ込んでいった。
◇◆◆
その頃、スタジアム内ではデルタとサイガが左右からディケイドを挟み、悠々とした足取りでゆっくりと迫り寄って来ていた。
デルタ『クククッ……どうする?この状況じゃ、もう君に勝ち目はないんじゃないかなぁ?』
愉快げに笑みを浮かべながらディケイドに呼び掛けていくデルタ。だがディケイドは焦りを浮かべる訳でもなく、ただ『フッ……』と軽く鼻で笑いながら左腰のライドブッカーから一枚のカードを取り出した。
ディケイド『どうかな?とも限らないぞ?変身ッ!』
『KAMENRIDE:FAIZ!』
カードをディケイドライバーへと装填すると共に電子音声が響き、ディケイドの身体に赤いラインが走りDファイズへと変身していった。
デルタ『ファイズ……!』
ファイズへと変身したディケイドを見てデルタとサイガも警戒して身構えていき、Dファイズは両手を払いながらライドブッカーから再びカードを取り出した。
Dファイズ『そっちが二人で来るなら、こっちも助っ人を呼ばせてもらうぞ?』
『ATTACKRIDE:AUTOBIGIN!』
電子音声が鳴り響くと共にスタジアム内にマシンディケイダーが無人で走って現れ、更に現れたファイズの紋章を潜るとファイズの可変型バイク、オートバジンへと姿を変えた。そしてオートバジンは人型のバトルモードへと変形し、サイガとデルタに向けて銃撃していった。
―ズガガガガガガガガガガガガァッ!!―
『グウゥッ?!』
Dファイズ『コイツで二対二対だ。文句はないだろう?』
オートバジンの銃撃で吹っ飛ばされた二人を見据えながらそう言うと、Dファイズは隣に降り立ったオートバジンからファイズエッジを抜き取り、スタジアムの隅に吹き飛ばされたサイガへと近づいていく。
サイガ『っ……Either you, or me.!』
Dファイズ『白黒つけようだと?ハッ、良いだろう。Let the game begin!(ゲームを始めようか!)』
サイガの挑戦に乗るように叫びながら、Dファイズは左腰のライドブッカーから再びカードを一枚取り出し、ディケイドライバーへと装填してスライドさせた。
『FORMRIDE:FAIZ!AXEL!』
電子音声が鳴り響くと共にDファイズの胸部のアーマーが展開し、肩の定位置に収まるとボディの色が銀と黒、そして瞳の色が赤色へと変わりアクセルフォームへとフォームチェンジしたのである。そしてフォームチェンジしたDファイズはファイズエッジを左手に持ち替え、左腕に装着されたファイズアクセルのボタンを押していく。
Dファイズ『ただしこっちも先を急いでるんでな……十秒だけ付き合ってやる!』
『START UP!』
ファイズアクセルから電子音声が鳴り響くと同時に、Dファイズはサイガの視界から消えるように超音速で動き出し、サイガも咄嗟に背中のフライングアタッカーを操作して飛翔し始めていった。そしてその一方で……
―ドゴオォンッ!!バキッ!!ドゴオォッ!!―
デルタ『グウゥッ?!こいつっ?!』
既に態勢を立て直したデルタもDファイズとの戦いに参戦しようとしていたが、オートバジンがそれを阻むように立ち塞がって殴り掛かってくる為にそれも出来ずにいた。そしてDファイズは……
―キュイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンッ!!!―
フライングアタッカーでスタジアム内を飛び回るサイガを追い、超音速でスタジアム内を駆け抜けていた。そしてDファイズはサイガを追いながら壁を走り、天井を駆け、サイガへと一気に追い付くと共に……
Dファイズ『ハアァァァァ……ハァッ!!』
―ガギイィンッ!!―
サイガ『ッ?!』
サイガの背中のフライングアタッカーを、渾身の力を篭めて殴り付けていったのだった。それによってフライングアタッカーは制御を失い暴走し、サイガは壁や天井にぶつかりながら墜落してフライングアタッカーも粉々に砕け、Dファイズはサイガの前に姿を現してファイズエッジを構えた。
サイガ『っ!グッ!!』
しかしサイガは咄嗟に立ち上がって走り出し、粉々に砕けたフライングアタッカーからトンファーエッジを手にしてバックルのサイガフォンを開き、エンターキーを押していった。
『EXCEED CHARGE!』
サイガ『オオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!』
電子音声と共に青い閃光がサイガの身体を巡って両手のトンファーエッジの先端へと流れていき、サイガは雄叫びを上げながらDファイズへと駆け出していく。そしてDファイズもそれを見て咄嗟にカードを取り出し、ドライバーへと装填しスライドさせていった。
『FINALATTACKRIDE:FA・FA・FA・FAIZ!』
Dファイズ『フッ!』
ドライバーから電子音声が響き渡ると共にDファイズはファイズエッジを構えてサイガに向かって突っ込み……
『Three…』
サイガ『オオオオオオオオオオオオオォッ!!!』
Dファイズ『ハッ!!』
サイガが突き出してきたトンファーエッジを身を屈めて避け……
『Tsu…』
―ドシュウゥッ!!!―
サイガ『ガッ…?!!』
すれ違い様にサイガの脇腹をファイズエッジで斬り裂いてサイガを怯ませ……
『Wan…』
Dファイズ『ハアァァァァァァァァァアッ!!!』
―ズバアァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―
サイガ『ッ?!!』
振り向き様にファイズエッジを振りかざし、宙に赤い閃光を描きながらサイガを斜め一閃に斬り裂いたのであった。そしてファイズエッジで斬り裂かれたサイガはダラリと両手を下げていき、Dファイズがファイズエッジを一度払ってサイガから背を向けた瞬間……
『TIME OUT!』
サイガ『ゥ……オォォォォ……』
電子音声と共にDファイズが通常形態へと戻った瞬間、サイガは体にφの紋章が浮かび上がると共に青い炎を噴き出しながら灰となり消滅していったのだった。
デルタ『ッ!あーあ、あっちはやられちゃったか……だったら……』
オートバジンと戦いながらその様子を見ていたデルタはつまらなそうに呟くと、オートバジンから一旦距離を離し、デルタムーバーにセットされたデルタフォンを手にし口元へと持ち上げていく。
デルタ『3821……』
『Jetsliger come closer!』
デルタフォンに音声を入力すると電子音声が鳴り響き、デルタがスタジアム中央へと飛び出すと共にスタジアムの壁を突き破って大型マシンが現れたのだ。そしてデルタは大型マシン……ジェットスライガーに乗り込むと、Dファイズを挑発するように人差し指を動かした。
Dファイズ『マシン対決か?良いだろう、此処まで来たからには乗ってやる!』
『Vehicle mode!』
そう言いながらDファイズがオートバジンに駆け寄りオートバジンの胸のボタンを押すと、オートバジンは電子音声と共にバイク形態であるビークルモードへと変形していき、Dファイズはそれを確認するとオートバジンへと乗り込んでいく。
Dファイズ『此処で決めて稟の下に急ぐ……頼んだぞ?』
『◇◇◇』
Dファイズ『すまないな……行くぞッ!!』
―ブオォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!―
Dファイズはオートバジンに呼び掛けると共に、アクセルを全開にし一気に階段を駆け降りていく。それを見たデルタは拍手するような形で両手の指をクロスさせながらクスクスと笑うと、運転席の画面を操作してミサイルを全弾展開していく。
デルタ『クスッ……これで終わりだ……バイバイ♪』
―カシュウゥ……ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォッ!!!!―
デルタは余裕の笑みを浮かべながらジェットスライガーからミサイルを全弾一斉掃射していき、ミサイルは全てDファイズの正面から一気に襲い掛かって来る。しかし……
Dファイズ『頼んだぞっ、オートバジンッ!!』
『◇◇◇!』
『Battle mode!』
Dファイズはオートバジンを走らせながら再びバトルモードに切り替え上空へと飛び上がり、オートバジンも上空に飛翔すると同時にバスターホイールを乱射させてミサイルを全て撃ち落とし、更にそのままジェットスライガーの前輪を撃ち抜き破壊していった。
デルタ『グッ?!そんな、馬鹿なっ?!』
ミサイルをすべて撃ち落とされた上にジェットスライガーの前輪まで破壊され、状況の不利を感じたデルタは慌ててマシンから降りようと動いた。その時……
『FINALATTACKRIDE:FA・FA・FA・FAIZ!』
―シュパアァッ!!―
デルタ『ッ?!!』
何処からか電子音声が響き渡ったと同時に、上空から赤い円錐状の光が撃ち出されデルタとジェットスライガーの動きを封じていったのだった。デルタが慌てて空を見上げれば、其処には空中回転してキック態勢に入り、デルタに向けて跳び蹴りを放つDファイズの姿があり、そして……
Dファイズ『ハアァァァァ……デアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!』
デルタ『クッ?!ウ、ウアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』
―ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァアンッッッ!!!!―
Dファイズの必殺技、クリムゾンスマッシュがジェットスライガーごとデルタを貫き、デルタはφの紋章を刻まれ断末魔を上げながらジェットスライガーと共に爆発し跡形も残さず消滅していったのだった。
Dファイズ『悪く思うなよ……こっちは大事な仲間を待たせてるんだからな……』
Dファイズはデルタが消滅した場所を見据えながら静かに呟くと、ファイズからディケイド、そして変身を解いて零へと戻っていった。そしてそれと共に辺りが再び歪みに包まれていき、零は先程の場所へと戻っていったのである。
零「やっと戻って来れたか……ッ?!」
元の場所へと戻って来れて一先ず安心する零だが、その時ある魔力を感じ取って慌てて光陽工事の方角へと振り返った。
零「この魔力は……ヤバいッ!チッ、こっちかッ!」
零が感じ取ったこの魔力、これは稟が前もって伝えておいた『緊急用』……つまり、稟の身に何かあった時に放たれる魔力だった。
零「クソッ!一体何があったっ……稟っ!」
デルタとサイガと戦ってた間に何があったのか。零はさっさと戦いを終わらせられなかった自分に舌打ちしながらも、緊急用の魔力を辿って夜の街を駆け抜けていった。