仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―土見家・地下―
あれから一時間後、アテナから土見家の場所を教えてもらった零は土見家の地下に訪れ、稟が来る前に軽い準備運動を行っていた。
零「ふむ……それにしても、思ったより結構広いものだな」
準備運動を終えて軽く一息吐き、地下を見渡していく零。すると零は懐から二枚の紙……今朝自分となのはが作ったリハビリ工程と、先程アテナから渡されたリハビリ工程が記された紙を交互に見た。
零「先ずはアテナの奴から始めて、その後に俺達の奴を始めるとするか……それにしても、コイツをやるのも久々だなぁ」
自分達が用意したメニューを目にしながらそんなことを呟き、何処か懐かしげに微笑む零。とその時、漸く稟が地下へと到着し零の下に歩み寄っていく。
稟「お待たせしました」
零「いや、丁度良い、早速始めるか」
稟「はい」
零は何処からか取り出した指出しグローブを稟に投げ渡すと、自身もグローブをはめ2m離れた場所に立っていく。そして二人は脇を締めて互いを見据えると……
―……シュッ!―
一瞬で差が詰まり、スパーリングが始まった。数回拳を交じわせた後、稟は零が振り抜いた右ストレートを避けると左でボディを狙うが……
零「甘いっ!」
左手で咄嗟にガードした零は後方へと跳び、稟から距離を取った。
零「どうだ?調子は?」
稟「手首が少し固まってますね。とりあえず他は問題ありません」
零「そうか……ハァ!!」
稟「タァッ!!」
軽く会話をした後、また差を詰めて凄まじい拳の応酬が始まった。
零「そこっ!!」
稟「なっ?!カハッ……!!」
稟の一瞬の隙を突いて零のボディーブローが稟の左脇腹に突き刺さり、稟は打撃を受けた左脇を抑えながら膝を着き、何度か咳込んだ。
零「このぐらいだな、後はまた回復したらやるか」
稟「はい、具現【インバディ】、ヒール」
稟は具現【インバディ】を使って自身の体力を回復させると、ゆっくりと立ち上がった。その様子を横目に見た零はグローブを外すと……
零「次はコイツな」
零はグローブを適当な場所に投げると、今度は竹刀を取り出し稟へと手渡した。
稟「ん……竹刀にしては結構重いですね」
零「まぁライトブリンガーと同じぐらいだからな」
稟「成る程……」
竹刀を軽く振るって調子を確かめると、稟は零から離れて竹刀を正眼で構え、零も自分の分の竹刀を構え身構えていく。
稟「じゃあ……行きますッ!!」
バッ!と、稟は正眼で構えたまま地面を力強く蹴って正面から零に切りかかった。
零「まだまだぁ!!」
稟「これで……どうだ!!」
―シュッ、パシィッ!―
零「甘い!!」
稟「テヤァッ!!」
零「脇が甘い!!」
一度距離を離しては再び懐へと詰め、竹刀を上段と中段から振りかざす稟。零も次々襲い掛かるそれを竹刀で正確に受け止めて押し返し、隙あらば竹刀を振るいがら空きとなったボディを突いていく。そして何度もぶつかり合い、アテナ製作のリハビリ工程は完了したのであった。
◇◆◆
零「よし……んじゃ、次はこれやってみるか」
アテナ製作のリハビリ工程を終えた後、次に零が稟に手渡したのは何故かバドミントンラケットであった。
稟「ラケット?これでなにするんですか?」
零「簡単だ、ただこのシャトルを打ち合えばいい。普通のバドミントンだ」
稟「はぁ……」
零「呆けてる暇はないぞ?そらっ!」
ラケットを眺める稟目掛けラケットでシャトルを打つ零。稟はそれを見て咄嗟にシャトルを追い、ラケットでシャトルを打ち返そうとするが……
―ズンッ―
稟「?!お、重っ?!」
零に向けて軽く打ち返そうとした稟だが、ラケットで受け止めたシャトルは稟が想像していたのより遥かに重かったのだ。一瞬油断してバランスを崩しそうになるが、稟はなんとか態勢を保って零にシャトルを打ち返し、零は打ち返されたシャトルを片手で受け止めた。
零「驚いたか?コイツは俺がリハビリに使ってた特殊品でな、シャトルを打ち合う際に魔力を少しずつ注ぎ込み、シャトルを重くしながら互いに打ち合うんだ。コレは普通の訓練でも使えて、肉体と魔力が同時に鍛えられるんだよ。因みにラケットの方も特殊品だ」
稟「成る程……」
零「コレで少しずつ、力の加減を慣らしていくんだ。ほら、次行くぞっ!」
稟「はいっ!」
稟は再び打ち込まれたシャトルをラケットで打ち返し、零もシャトルに少しずつ魔力を注いで重くしながら稟へと打ち返した。そんな同じ動作を何十分も繰り返し、気が付いた時にはシャトルはボウリング球以上の重量になっていたとか……
◆◇◇
それから時間が経ち、リハビリが一通り終わった時には既に昼から始まり、夕日が沈みかけていた。
稟「ありがとうございました。零さん」
零「なに、こっちもいい運動になった」
稟「そうですか……」
ちなみに稟は芙蓉家に戻る途中であり、零はユーストマ達との依頼の再確認と稟を一人にすると鳴滝が何を仕出かすかわからないからと護衛も兼ねて同じ帰路を歩いていた。零は稟の隣を歩きながら、稟の横顔を見つめて口を開いた。
零「なぁ稟、鳴滝とやるのは明日の夜だよな?」
稟「えぇ、あの機械兵器と決着つけないといけませんから……」
力強くそう告げる稟の顔には、迷いが一切ない。その顔から稟の覚悟を感じ取った零は「そうか……」と相槌を打ち、茜色に染まる空を見上げ……
零「……負けるなよ?」
稟「……はい!」
零のその言葉に対し、笑みを向けて力強く頷き返す稟。零もそんな稟を見て微笑を浮かべると、そのまま家に戻ろうと歩みを進めていく。
零「――あっ、そういえば明日お前の世界のはやて達がやって来るよな?」
稟「え?……えぇ、まぁ……」
明日稟の世界のはやて達がこの町に来る。アテナから聞いた話しをふと思い出し足を止めて問い掛けると、稟も足を止めながらすぐに表情が固くなった。そんな稟の様子からどんな心境なのか直ぐに悟り、零も深い溜め息を吐いた。
零「何故かはわからんが、俺達は結構攻撃喰らうからな……」
稟「何ででしょうね……」
零「あぁ……俺もな?この間洗濯物を取り込むついでになのは達の下着も取り込もうとしたら、アイツ等に殴られたんだよ……何故だろうな?」
稟「うーん……あっ!もしかしたら、その下着がまだ全部乾いていなかったからとか?」
零「っ!そういえば、取り込んだ下着がちゃんと乾いていたかしっかり確認してなかったな……思い出してみれば、まだ少し濡れてた部分があったような……」
稟「それですよ!だからなのはさん達が怒ったんですよ!」
零「そうなのか?」
稟「そうですよ!」
そうじゃねえよ。
稟「俺もはやてさん達から結構攻撃を喰らう事が多いんです……前なんかこんな事が――」
零「ううむ……それはアレじゃないか?それをああしていれば――」
稟「あ、そうか!それならあの時のアレをこうしてれば――」
零「おぉ、きっとそうだ!それさえ気をつけていれば次はきっと大丈夫に違いない!」
稟「ですよね!」
と、芙蓉家までの帰路を歩きながらどうすれば女性陣にOHANASHIされずに済むか(間違った)解決策を互いに意見しながら考えていく二人であった……