仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十九章/エクスの世界⑪

 

 

―光写真館・庭―

 

 

―シュッ!ドンッ!パシッ!―

 

 

優矢「ダァッ!ハッ!」

 

 

零「もっと脇を締めろっ!そんな大振りじゃ攻撃の後が隙だらけだぞっ!」

 

 

優矢「クッ!」

 

 

翌日の昼下がり。稟達が学園に行っている頃、写真館の庭ではボクシンググローブをはめた優矢が零の持つミットにパンチを打ち込みミット打ちを行っていた。何故二人が突然こんな事を始めているのかと言うと、その理由は二つ。優矢がリハビリに励む稟を見て感化され零に特訓を申し出た事。そしてもう一つの理由はある少年……白金薫のダグバと対等に戦う為、かつてセイガの世界で暴走したときに変身したアメイジングマイティフォームと、以前薫が見せた『究極の力』を修得するためであった。

 

 

零「――よし……そろそろこの辺で一息入れるか」

 

 

優矢「ハァ…ハァ……も、もう終わりなのかっ?俺はまだ……」

 

 

零「阿呆、トレーニング始めてからどれだけ経ってると思ってる?朝っぱらからぶっ通しでやってんだぞ?これ以上続けたらお前の体が持たんだろうが」

 

 

だからここら辺で休憩だと、零は地面に腰を下ろして両手にはめたミットを傍らに置き一息吐いた。それを見た優矢は若干不満そうな表情をするも、やはり体力的にキツいのか肩で息をしながら地面に座り、そのまま大の字に寝転がっていった。

 

 

優矢「あーークソッ、全然駄目だぁ……これじゃまだ薫の足元にも届かねえ……今すぐアイツみたく強くなる方法とかねえかなぁ」

 

 

零「そんな方法があるなら誰だって苦労せんだろう?強くなるにはそれだけの時間と努力を重ねて、地道に鍛えていくしかない……スバル達だって、そうやって強くなっていったんだ」

 

 

優矢「うぅー……そうだけどさぁ……」

 

 

零「女子供が彼処まで血の滲むような努力をしたんだ。お前もせいぜい自分を磨けよ、高校生男子?」

 

 

ニヤッと笑いながら持参していたスポーツドリンクを軽く揺らし、ドリンクを口にしていく零。優矢はそれを言われて返す言葉が浮かばず、「ちぇ……」と拗ねながら上体を起こし自分用のドリンクを口にして零を見た。

 

 

優矢「今夜なんだよな、鳴滝さんとの決着……お前も行くんだろ?」

 

 

零「……まあな……それが今俺がアイツにしてやれることだと思うし……何より、鳴滝が関係しているのに俺が行かないわけにはいかないだろう?」

 

 

優矢「まあ、そうだけどさ……何か俺に出来る事とかないのか?一緒に戦うことなら俺だって……」

 

 

零「気持ちだけで十分だ。それに、お前には海道の奴と一緒に芙蓉達を守るって役目があるだろう?お前はそっちに専念しろ」

 

 

優矢「うー……」

 

 

零が言う事ももっともだが、何処か不満そうに唸り声を漏らす優矢。零はそんな優矢を横目にドリンクを口にしていき、優矢もちゃんと地面に座ってドリンクを一口飲んだ後……

 

 

優矢「――今度はちゃんと……二人とも無事に帰って来いよ?」

 

 

零「……あぁ……勿論だ」

 

 

真剣な顔で呟く優矢にそう返し、瞳を伏せて頷く零。そして二人は暫く休憩したあと、再び特訓を再開していったのだった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

―――そしてその日の夜、魔王家……

 

 

稟「――時間か……じゃあ皆、行ってくる」

 

 

零「海道、留守頼むぞ」

 

 

大輝「わかってる。お宝も無いこの世界の住民だが……常連候補は大切にしないとね」

 

 

零「……まぁそうだな」

 

 

というかコイツ、もうお宝か屋台かどっちが大事なのか……いや、多分両方か。軽い口調で話す大輝に零はそう思いながら若干呆れた様子で軽く溜め息を吐き、稟と共に玄関から出て魔王家を後にしたのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◇

 

 

 

 

 

それから数十分後。二人が一昨日稟達と機械兵器達が戦ったのと同じ場所に辿り着くと、其処には既に二体の機械兵器を目の前に展開して佇む鳴滝の姿があった。零と稟が機械兵器達から十メートルほど離れた場所で足を止め鳴滝を見据えると、鳴滝は稟に向けて問い掛けた。

 

 

鳴滝「聞かせてもらおうか、土見稟……返答は?」

 

 

稟「…………」

 

 

落ち着いた口調で稟にそう問うと、稟は一度零の顔を見た後、力強い目で鳴滝を見据えながら答えた。

 

 

稟「NOだ。気持ちは変わらない」

 

 

鳴滝「チッ……ならば……今ここでディケイドを抹殺しろっ!!」

 

 

『ピピッ……ギュイィィィィィィッ』

 

 

零は倒さないと、そう告げた稟の返答を聞いた鳴滝が機械兵器達に高らかに命じると、機械兵器達は二人をターゲットと認識してぎこちない動作で戦闘態勢へと入っていき、鳴滝は背後から発生した歪みに呑まれて何処かへと消えていった。そして零は二体の機械兵器を睨みつけながらドライバーを取り出して腰に巻き、ディケイドのカードを取り出した。

 

 

零「稟、行くぞ!」

 

 

稟「はい!エクト!グレイ!」

 

 

エクト「はい、いきましょう、カプッ」

 

 

『変身ッ!!』

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

 

グレイ「行くっスよ!変っ身!!」

 

 

零と稟は高らかに叫ぶと共にそれぞれ変身動作を行いディケイドとエクス・リリィフォームに変身していき、変身を完了させたディケイドは更にライドブッカーから一枚カードを取り出した。

 

 

ディケイド『此処はコイツで行ってみるか、変身!』

 

 

『KAMENRIDE:HI-PELION!』

 

 

カードをバックルへと装填すると電子音声が鳴り響き、灼熱色の粒子が舞い踊りながらディケイドの姿が徐々に変化していく。そして周囲に舞っていた粒子が少しずつ晴れて消えていくと、ディケイドは全く別の姿……以前白き騎士の世界で出会った日乃森シオンが変身するハイペリオンに姿を変えると、ライドブッカーをSモードを展開しエクスと共に機械兵器達を迎え撃った。

 

 

エクスL『ハァッ!!』

 

 

Dハイペリオン『ダァッ!!』

 

 

―ギンギンギンギンッ!!ガギイィンッ!!―

 

 

それぞれ機械兵器達とぶつかり合い、武器を振り抜くDハイペリオンとエクスの戦いは均衡していた。二日前の戦いと同じく、二体の機械兵器は両腕を振り回し、Dハイペリオン達も負けじと反撃はしていたが同じように防がれていた。

 

 

エクスL『ラチが開かない……フェンリル、ミカエル!魔力の補充は?!』

 

 

フェンリル「大体60%!!マックスまでまだかかるっ!!」

 

 

ミカエル「こう動きながらだとキツいものがある!!」

 

 

エクスは機械兵器達と戦い始めてから魔力を補充していたが、あまり魔力を使わないのと激しい動きで効率が悪かった。それでも機械兵器の重い一撃をなんとか受け流して懐へと素早く潜り込み、そして……

 

 

エクスL『ハァッ!!』

 

 

―ズシャアァッ!!―

 

 

『?!!』

 

 

エクスの振るったライトブリンガーが機械兵器の左腕の関節部分を切り落としていったのだった。

 

 

エクスL『やった!』

 

 

Dハイペリオン『いや……稟!まだだ!』

 

 

エクスが喜んだのもつかの間、Dハイペリオンが叫ぶと共に斬り落とされたその腕は突然独りでに宙に浮き、そのまま直ぐに機械兵器の胴体にくっつき元の位置に戻ってしまった。

 

 

エクスL『はぁっ?!』

 

 

Dハイペリオン『磁力だよ。アイツの腕、強力な磁力で関節を動かしてる……殺るには胴体をやらんとな……』

 

 

Dハイペリオンが冷静に分析すると二人は一旦距離を取るように後方へと飛び退き、機械兵器達は深追いせずに体制を整えようと動きを止めた。

 

 

エクスL『今だ!!』

 

 

エクスはその隙を見逃さず直ぐさまグレイの首を掴み、スロットを回した。

 

 

グレイ「エキストラウェイクアッ~プ!!」

 

 

エクスL『シャイニング……ブレイカーッ!!』

 

 

―ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

グレイの高らかな掛け声と共に黄金に輝くライトブリンガーを振り抜き、金色の閃光がけたたましい轟音を響かせて一体の機械兵器へと直撃していった。しかし……

 

 

Dハイペリオン『やっぱり駄目か……』

 

 

やはり前回と同様、機械兵器は見た目では微かに傷がついた程度でダメージを負ってる様子はなかった。

 

 

エクスL『いや、これでいいんです……爆ッ!!』

 

 

―シュウゥ……ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

『ッ?!!』

 

 

エクスがそう叫ぶと共に、突如機械兵器の中心で謎の爆発が発生していったのであった。突然の事態に機械兵器も困惑したようにふらついているが、今のは先程エクスが放ったシャイニングブレイカーの時に魔力を上乗せし、機械兵器の近くに溜まった自分の魔力を爆発させた攻撃だったのである。

 

 

Dハイペリオン『今だ!』

 

 

エクスが発生させた爆発でよろめく機械兵器を見たDハイペリオンはライドブッカーからカードを一枚取り出し、バックルに装填してスライドさせた。

 

 

『FINALATTACKRIDE:H・H・H・HI-PELION!』

 

 

Dハイペリオン『ぐっ……リストアップ!選択、タキオン粒子収束波動砲!』

 

 

電子音声が鳴り響くと共に襲い掛かった激しい頭痛に一瞬ふらつきながらも、Dハイペリオンは武装を選択して顕現し装備していく。そして装備された波動砲の銃口を機械兵器に狙い定め、そして……

 

 

Dハイペリオン『コイツでっ……吹っ飛べッ!!』

 

 

―チュドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーオォンッ!!!!―

 

 

トリガーを引くと同時に、波動砲の銃口から凄まじいエネルギー量の砲撃が撃ち出され、そのまま機械兵器達に向かって直撃し大爆発を起こしていった。そしてそれを確認したDハイペリオンはディケイドに戻ってその場に膝を付いてしまい、エクスは慌ててディケイドに駆け寄った。

 

 

エクスL『ちょ、大丈夫ですか零さん?!』

 

 

ディケイド『っ……このくらい問題ない……と言いたいところだが……くそっ、やっぱり慣れんなこれっ』

 

 

ディケイドは思わず愚痴りをこぼしながら、エクスの手を借りて立ち上がり爆煙が漂う目の前の光景を見つめた。

 

 

エクスL『これは……結構やりましたよね……』

 

 

ディケイド『むしろ一体位消えて貰わんと困る……』

 

 

そんな会話を交わす二人は既に息絶え絶えで、体力的にもキツく肩で呼吸を繰り返していた。そして二人が爆煙を睨みつけていると、煙が風に吹かれて徐々に晴れていき、其処には……

 

 

エクスL『……なっ?!』

 

 

ディケイド『おいおい……それは違うぞ。確かに一体消えたが……』

 

 

爆煙が晴れた先にあったのは、二人も予想だにしていなかった光景……なんと、二体の機械兵器が合体して一体の巨大な機械兵器へと姿を変えていたのである。

 

 

エクスL『というより……明らかに見た目カ○リキーだろ?!鳴滝はポ○モン好きか?!』

 

 

ディケイド『ツッコミどころ満載だが、そうも言ってられんみたいだ……来るぞ!!』

 

 

巨大機械兵器……カイ〇キー型機械兵器の姿に思わずツッコむ稟に叫びながら、けだるそうにライドブッカーを構え直すディケイド。それと同時にカイ〇キー型機械兵器が勢いよく二人へと飛び出し、二人もそれを迎撃すべく動き出そうとした。その時……

 

 

 

 

 

 

―グシャアァッ!!―

 

 

 

 

 

 

『……へっ?』

 

 

 

 

 

 

カイ〇キー型機械兵器が腕を振りかぶって二人に襲い掛かろうとした直後、突如上空から一人の男が落下しカイリ〇ー型機械兵器を踏み潰していったのだ。それを見たディケイドとエクスはいきなりの展開に思わず間抜けな声を漏らし、カイ〇キー型機械兵器を踏み潰した男は自分の足元を見下ろし首を傾げた。

 

 

「ん?なんか踏んだ?……まぁいい。おい、土見禀!ノアから連絡が有ったかもしれんが四葉楓だ!いたら返事をしろ!」

 

 

カイ〇キー型機械兵器を踏み潰した男……"四葉楓"がそう叫びながらカイ〇キー型機械兵器の上から下りると、エクスが一歩前に出て四葉に名乗り出た。

 

 

エクスL『俺が土見禀です。四葉楓さんですよね?』

 

 

四葉「あぁ、ノアから頼まれてな、これを渡しにきた」

 

 

四葉はそう言うとエクスに近付き、ポケットから一つのフエッスルを取り出してエクスに手渡した。

 

 

エクスL『このフエッスルは……』

 

 

四葉「『オーディーン』のフエッスル、それとこれだ」

 

 

四葉はまたポケットからリリィフォームの外套の留め金より一回り大きい留め金を取り出し、エクスに渡していく。

 

 

エクスL『これは?』

 

 

四葉「新しいフォームのキーだ、じゃあ俺は帰る。色々忙しいし、アレはお前達の力で倒せ」

 

 

四葉はギギギッと音を立てながら起き上がるカイ〇キー型機械兵器を顎で指しながらそういうと、そのまま転移して何処かへと消えていった。

 

 

エクスL『よし……いくぞ!!』

 

 

エクスはカイ〇キー型機械兵器と向き合いながら四葉から受け取った留め金をはめ、自分のマントの留め金のスイッチを押すとエクスの右側に空間の穴が空き、そこに右腕を突き刺して細い鎖で繋がったエクトとグレイの鎧を引き抜いた。

 

 

エクスL『これか……よし!』

 

 

稟はそれぞれをエクトとグレイに装着した。

 

 

『SET!Form Chalice!!』

 

 

エクトとグレイが同時に叫ぶと、繋がった鎖から目が眩むほどの眩しい光が発生しエクスを包み込んでいった。

 

 

ディケイド『なんだっ!?』

 

 

ディケイドはエクスを包み込む光のあまりの眩しさに目を手で覆い、驚愕の声を上げた。そして光が徐々に薄れて消えていくと、其処には……

 

 

 

 

 

 

『―――これが……新しいフォーム……』

 

 

 

 

 

 

光りが完全に消え去ると、其処には全身に白く淡い光に包まれたエクスが自分の両手を見下ろす姿があり、更にはライトブリンガーとフェンリル、ミカエルにも同じような光が覆っていた。それを見たディケイドは一瞬息を拒むもすぐに事態を理解し、エクスに近付いて語り掛けた。

 

 

ディケイド『名前はなんだ?名乗ってやれよ、アイツにさ』

 

 

そう言ってディケイドが指差した先には、先程の光で警戒するカイリ〇ー型機械兵器の姿があった。それを見たエクスはディケイドに向けて頷き返し、カイリ〇ー型機械兵器と向き合った。

 

 

『そうですね……俺は……仮面ライダーエクス、リリィフォーム・カリス!!!騎士王の名の元に、貴様を断罪するッ!!!』

 

 

新たな姿に変わったエクス……『仮面ライダーエクス、リリィフォーム・カリス』が凄まじい気迫と共に高らかに叫ぶと、カイ〇キー型機械兵器もその気迫に押されるように後退りしていくのであった。

 

 

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