仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十九章/エクスの世界⑬

 

 

エクスL・C『………………』

 

 

ディケイド『……稟……お前……』

 

 

自分の両親と幼なじみの母親を生き返らせてくれる。その代わりにディケイドを消せと、その条件を聞いたエクスはルクナバードを確かに横に振るったが、その刃がディケイドを斬り裂くことはなかった。何故ならエクスのルクナバードの刃は……『鳴滝の眼前スレスレ』を通り過ぎていたからだ。

 

 

鳴滝『な……なぜ……なぜだ?!』

 

 

エクスL・C『そんなのは決まってる……俺は誰も殺さない、絶対にな。もちろん零さんも倒さない。確かに一回呑まれかけたさ、その誘惑にな……親父や母さん、紅葉おばさんがいて、楓が負い目を背負わなくて、戦いなんかしなくて、やがて来るだろうシアやネリネ、プリムラ、亜沙先輩や命先輩、カレハ先輩達に振り回されて、楽しい日々を過ごせたかもしれない……』

 

 

鳴滝『ならば何故それを望まん?!何故だ?!!』

 

 

理解が出来ない、鳴滝の顔から読み取れる感情はそれだった。だがエクスは至って冷静に、そして何処か優しげな声で呟いた。

 

 

エクスL・C『だけどな……もしあの事故が無かったら……アテナに出会えなかったかもしれないし、平行世界の皆にも出会えなかったかもしれない……それに、スレイプニルを……菫を救えなかった……』

 

 

鳴滝『後悔するぞ?!』

 

 

エクスL・C『あぁ……そうかもしれないな。でも……そうしたら親父に叱られるさ『友人を犠牲にするとは何事だ!』ってな。過去は戻らない、なら、今を……『今しか』生きれない俺達は、今を一生懸命に生きればいい。過去は振り返る物で、望む物では無い!!』

 

 

鳴滝『馬鹿なっ……理解出来ん!大切な者達と再び会えるというのに何故『馬鹿なのはお前の方だ』…ッ!なにっ?』

 

 

鳴滝の言葉を遮るように、不意にディケイドが口を開き言葉を放った。それを聞いた鳴滝は忌ま忌ましげにディケイドを睨むが、ディケイドは鳴滝の映る映像を見つめながら言葉を放つ。

 

 

ディケイド『お前はコイツの言葉の何を聞いていた?コイツの決意を……覚悟を聞いて、お前はまだ分からないのか?』

 

 

鳴滝『なんだとっ?』

 

 

鳴滝は険しげに眉を寄せながらディケイドに聞き返し、ディケイドは一度エクスを見た後、再び鳴滝を睨みながら言葉を紡いだ。

 

 

ディケイド『確かにお前の言う通り、そんな辛い過去がなければコイツ等は普通の学生生活を送れていたかもしれない……コイツのように、あの時ああしていればと……そう後悔して過去をやり直したい、そう思う人間はごまんといるだろう……』

 

 

鳴滝『そうだ!だからこそ私は――!』

 

 

ディケイド『だがな……そんな過去があったからこそ、それを受け止めて、強くなることをコイツは知ったんだ!目を背けたいような過去と向き合い、悲しみや後悔を忘れず背負い、そうして今『土見 稟』は此処にいる!今ある幸せを……大切な人達が住むこの世界を守ろうと戦ってる!それまで歩んできた道を全部なかった事にしていい権利なんて、誰にもないっ!』

 

 

鳴滝『くっ……?!』

 

 

ディケイド『コイツは『過去』ではなく、『未来』を進む事を選んだ……なら俺も、その道を阻む者を破壊する為に戦う!それが今、俺がコイツに出来る事だッ!』

 

 

ディケイドが力強い口調でそう告げると、鳴滝はモニター越しに息を拒みながら後退りした。そしてそれを聞いていたエクスは仮面の下で笑みをこぼすと、ディケイドの前に歩き出てルクナバートの切っ先を鳴滝に向けた。

 

 

エクスL・C『覚えておけ鳴滝、俺は……『蒼翼天魔』だ。『味方には天の恵みのごとき慈愛と保護を、敵には悪魔のごとき恐怖を与える』存在。仲間…友人…家族!どれか一つ、傷つけるならば……容赦はしない。お前が零さんを……大事な友人を傷つけるならば……容赦はしないッ!!』

 

 

―ズザアァッ!!―

 

 

そう叫ぶと共に、エクスはルクナバードを両手で勢いよく振り上げてモニターを縦一閃に斬り裂き、モニターを真っ二つにしていった。

 

 

鳴滝『おのれぇっ……ならもう貴様にはもう何も求めん!!』

 

 

鳴滝は苦虫を噛み締めたような表情を浮かべ、半分に切れたモニター越しに右手に持つスイッチを押した。すると突如、二人の目の前で対峙する機械兵器の身体から煙が発生し、全身が赤く染まっていった。

 

 

ディケイド『全く、アイツも余計な置き土産を置いていったな……稟、いくぞ?』

 

 

エクスL・C『はい!』

 

 

エクスはディケイドの言葉に頷くと両手のグングニルとルクナバードを構え直しながら機械兵器と対峙し、ディケイドもエクスと肩を並べ機械兵器と向き合っていくと、突然ライドブッカーが開いて三枚のカードが飛び出しディケイドの手に収まっていった。それはディケイドが元々持っていたエクスのカードを含む三枚であり、ディケイドが三枚のカードを手にした瞬間、カードの絵柄がエクスからリリィ・カリスの絵柄へと変わっていった。

 

 

ディケイド『コイツは……よし……稟、ちょっとくすぐったいぞ』

 

 

エクスL・C『えっ?』

 

 

エクスはディケイドの言葉に不思議そうに首を傾げるが、ディケイドはそんなエクスの反応を他所に三枚のカードの中から一枚カードを取り出し、残りの二枚をライドブッカーに仕舞うとディケイドライバーへと装填してスライドさせていった。

 

 

『FINALFORMRIDE:E・E・E・EXE LILY CHALICE!』

 

 

エクスL・C『へ?ちょ、もしかして例のあれ?!―ドンッ!―オワッ?!』

 

 

エクスはディケイドライバーから鳴り響く電子音声でディケイドが何をしようとしてるか気付き慌てるが、ディケイドに横から背中を勢いよく押されて宙に浮きながらその姿を段々と変化させていき……

 

 

ディケイド『―――って、何だこれ?!』

 

 

エクスが姿を変えたその姿は、上にエクスリリィフォーム・カリスのデンカメンが装着された一つの巨大な門……『エクスゲート』に超絶変形したのであった。

 

 

エクスL・C(D)『これは……まさか門……?!』

 

 

ディケイド『門?例の人間界と魔界と神界を結ぶって言うあれか?!』

 

 

エクスL・C(D)『とりあえず零さん、早くやっちゃいましょう!これ動けなくて結構辛いですっ!』

 

 

ディケイド『あ、あぁ……わかった……!』

 

 

流石に門に変形するとは思わなかったディケイドは呆然としたまま頷き返すと、エクスゲートの前に立ってライドブッカーからもう一枚カードを取り出しディケイドライバーへと装填してスライドさせていった。

 

 

『FINALATTACKRIDE:E・E・E・EXE LILY CHALICE!』

 

 

エクスL・C(D)『零さん、結構衝撃いきますから!』

 

 

ディケイド『了ー解だ……フッ!』

 

 

エクスがそう言うとエクスゲートの門が徐々に開かれていき、ディケイドはそれを確認すると門の前で跳びキック態勢を取った、その瞬間……

 

 

―シュウゥ……ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―

 

 

エクスゲートの中から巨大な砲撃が門の前で跳び蹴りの態勢に入ったディケイドに向かって発射され、ディケイドは背後から撃ち出された砲撃を推進力にし跳び蹴りの体勢のまま機械兵器へと向かっていき、そして……

 

 

ディケイド『ハアァァ……ハアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!』

 

 

―ズドオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―

 

 

『ッッッ?!!!!!』

 

 

ディケイドの放ったライダーキックが機械兵器の腹を貫通し、更にその背後からディケイドの推進力の役目を果たしていた砲撃が機械兵器の腹に開けられた穴を通って貫通し、そして……

 

 

―ザザザザザザァッ!!―

 

 

ディケイド『これで……終わりだ……』

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!!!!―

 

 

ディケイドが地面を滑りながら着地すると共に、ディケイドと砲撃が通った穴の箇所から大爆発が発生し、機械兵器は跡形も残さずに粉砕し消滅していったのであった。そしてそれを確認したディケイドが変身を解除すると、エクスゲートもエクスに戻って変身が解除され、稟に戻った瞬間その場に尻餅を着いた。

 

 

稟「ハァ……やっと動けたぁ……」

 

 

新フォームでの初戦闘と技の連発、そしていきなりのFFRで流石に疲れたのか、深い息を吐いて夜空を見上げる稟。零はそんな稟の下へと歩み寄り、稟に右手を差し出して微笑を浮かべた。

 

 

零「やっと終わったな……帰るか?」

 

 

稟「はい、疲れました」

 

 

零「違いないな」

 

 

俺ももうクタクタだ、と零は軽口を叩きながら苦笑をし、稟もそんな零に笑みを浮かべながら差し出された右手を手に取ってゆっくりと立ち上がり、楓達が待つ魔王家へと戻っていったのであった。

 

 

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