仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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番外編/過ぎ去りし思い出③

 

 

それから翌日。不本意ながらも咲夜達の家に暫く居候する事になった雪奈は、旅に必要な資金を貯める為に資金を稼げるところを咲夜に紹介してもらい、彼女が何時も働いてる野菜採りの仕事で働くことになった。そして、今日はその雪奈の仕事初日となる訳なのだが……

 

 

 

 

 

 

『カァーッ!カァーッ!カァーッ!』

 

 

雪奈「あぁーーーー?!!お、お野菜が!!お野菜がカラスに取られたぁーーーーーーっっ?!!」

 

 

咲夜「ば、馬鹿っ!!なにやってる?!早く追え!!追い掛けろっ!!」

 

 

雪奈「は、はいいぃっ!!―ビダンッ!!―アイタッ?!うっ……ふえぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっっ!!!膝擦りむいたあぁぁぁぁぁーーーーーーーっっ!!!(泣)」

 

 

咲夜「呑気に泣いてる場合か馬鹿あぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!!!(怒)」

 

 

 

 

 

 

…………ハッキリ言えば、最悪だった。雪奈が大事な品物の野菜をちょっと目を離した隙にカラス達に取られた上に、一つも取り返す事が出来ずまんまと逃がしてしまったり……

 

 

 

 

 

 

咲夜「よっと……ふぅ……よし、雪奈。これ彼処まで運んでくれ」

 

 

雪奈「は、はい!よいしょっと……んしょっ……んしょっ……!」

 

 

「よーしよし、がんばれー雪奈ーっ!」

 

 

雪奈「は、はいぃ……せぇーーのぉー、せえっ!!」

 

 

―バキイィッ!!―

 

 

『……あ……』

 

 

 

 

 

 

……野菜を運んでる途中、大事な仕事道具である荷車を強く引きすぎて壊してしまったり……

 

 

 

 

 

 

「雪奈ちゃーん!急いでー!」

 

 

雪奈「ま、待って下さい!ま、まっ――ひえあぁぁッ?!!」

 

 

―ビッシャアーーンッ!!―

 

 

「あっ……」

 

 

咲夜「……ゆひぃな……おみゃえくひゃい……(訳・雪奈……お前臭い……)」

 

 

雪奈「うっ……うえぇぇぇぇぇぇぇえんっっ……!!(泣)」

 

 

 

 

 

 

……荷車が使えなくなり、野菜を畑から村にある店まで手で運ぼうとした途中、盛大にすっ転んで全身肥料まみれになってしまったりと……

 

 

とにかく、初日からクビを切られてしまうんじゃないかとハラハラする一日だった……

 

 

 

 

 

◆◆◇

 

 

 

 

 

それから数時間後……

 

 

咲夜「―――雪奈……お前不器用にも程があるぞ……」

 

 

雪奈「す、すみません……υυ」

 

 

仕事を終えた後、咲夜達は仕事帰りに昨日来た団子屋でお茶をしていた。雪奈は注文したみたらし団子を口に含みジト目で睨んでくる咲夜から気まずそうに目を逸らし、咲夜は口に入れた団子を飲み込んで深い溜め息を吐いた。

 

 

咲夜「今日一日、どれだけハラハラさせたら気が済むんだ?おばさん達は気にしないでいいと言ってくれたが、大事な品物をカラスに取られたり、大事な荷車を壊したりと……ホントなら仕事を止めさせられても可笑しくないんだぞ?」

 

 

先程仕事を終えて店で別れた後、おばさん達は雪奈の壊した荷車の修理に取り掛かっていた。一応修理を手伝おうと申し出たのだが、二人は笑って気にしないで良いと言ってくれた上に、雪奈には『また明日も頼むよ』と気にかけてくれたのだ。そんな二人に迷惑を掛けてしまったと思うと悪い気がしてならず、咲夜は茶を啜って再び溜め息を吐いた。

 

 

咲夜「とにかくあの二人に感謝しろよ?普通なら一発で仕事を辞めさせられても可笑しくない失敗をして、それでもまた使ってくれるって言うんだ。今度は迷惑掛けないようにな?」

 

 

雪奈「はい……ホントに、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんυυ」

 

 

咲夜「分かればいいさ……それにしても、農作の仕事も満足に出来ないとは……オマエ、旅に出る前はどうやって生計を立てていたんだ?これじゃ何処も使ってくれないような酷さだぞ?」

 

 

今回みたいに農作の仕事もろくに出来ないなら、雪奈は旅に出る前はどうやって食って暮らしていたのか?何気なくそれが気になって直接聞いてみると、雪奈は一瞬驚きながらも目をキョロキョロさせて視線を泳がし始めた。

 

 

雪奈「え、えっと……どうやってっていうか……仕事とかは、こういうのあまりした事がないし……家の事も、使用人達がやっていたから良く知らないというか……」

 

 

咲夜「使用人?……もしかしてお前、何処かの名家の生まれとかか?」

 

 

雪奈「あ……いや、えっと……名家とかそんな大した家じゃないですよ?ただ単に、他の家よりもちょっと裕福なだけですからυυ」

 

 

咲夜「ふーん……まあお金持ちのお嬢様なら、仕事に働き慣れてなくても仕方がないか……」

 

 

寧ろそうでなくては、今日みたいなありえない失敗の連続は出来ないだろうと、逆に納得したように頷いて軽く息を吐く咲夜。そんな咲夜の反応に雪奈も何とも言えず苦笑し、視線を逸らしたまま気まずそうに語り出した。

 

 

雪奈「私も出来れば、余り迷惑掛けたくないって思ってるんですけど……何故かそんな気持ちとは裏腹に、頑張れば頑張るほど失敗してしまうというか……正直旅に出るまでは、自分がこんなにも生活面が駄目だとは知りもしませんでした……」

 

 

咲夜「…………」

 

 

アハハ……と苦笑して笑う雪奈だが、その顔は何処か落ち込んでるように見える。やはり内心では、仕事が上手く出来ずに凹んでるんだろうと咲夜は思った。そして咲夜は最後の一本を口に含んで食べると、何かを思い付いたように顔を上げた。

 

 

咲夜「そうだ……雪奈、これから良いところに連れてってやる」

 

 

雪奈「……へ?良いところ……ですか?」

 

 

咲夜「歓迎祝いだ。特別にお前にも教えてやる♪あっ、そういえばはるかも前に行きたいとか言っていたな……体調が良ければアイツも連れていくとしよう♪よし、行くぞ!」

 

 

雪奈「え?へ?ちょ、私まだ行くなんて言ってな――?!」

 

 

一人で予定を決めて盛り上がる咲夜に何かを言おうとする雪奈だが、咲夜はそれを聞かずに団子代を置いて立ち上がり、昨日と同じく雪奈の手を引っ張って家へと向かっていったのだった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

――で……

 

 

はるか「―――へ?今からあの場所……に?」

 

 

雪奈と共に自宅に帰宅後、咲夜は先程雪奈に提案した案をはるかに話していた。話を聞いたはるかは咲夜の突然の提案に瞬きし、咲夜は意地悪げな笑みを浮かべ隣に座る雪奈を横目に見た。

 

 

咲夜「実は雪奈が、仕事でドジばっかりして凹んでしまってな?だから歓迎祝いも含めて、凹んでるコイツを慰めてやろうと思ってな♪」

 

 

雪奈「べ、別に凹んだりしてませんよ!ただちょっと仕事が上手く行かなくて、落ち込んでるだけであって……」

 

 

咲夜「阿呆め、それが凹んでると言うんだ。ま、お前も前からまた彼処に行きたいと言っていたし、ちょうど良いから一緒に行こうと思ったんだが……身体は大丈夫か?」

 

 

はるか「あ、う、うん……大丈夫だけど……いいの?二人共お仕事で疲れてるんじゃ……」

 

 

咲夜「心配するな♪私はいつも鍛えているからこんなことでは疲れてはいない♪お前はどうだ?」

 

 

雪奈「あ、いえ…私はもう正直疲れて眠た「大丈夫だそうだ♪」ちょっとっ?!」

 

 

初めから聞く気ないなら聞かないでよっ?!と涙目になりながら咲夜に叫ぶ雪奈だが、咲夜はそれを右から左へと受け流しはるかへと身を乗り出した。

 

 

咲夜「ま、お前一人ぐらい背負っていくなど造作もないさ。だからそんなこと気にしないで、一緒に行こう♪」

 

 

はるか「…………」

 

 

笑ってそう告げる咲夜の言葉を聞き、はるかはチラッと視線を動かし雪奈の顔を見た。其処には既に諦めて深い溜め息を吐く雪奈の姿があり、私のことなら気にしなくて良いですよ~……と苦笑しながら手を上げていた。それを見たはるかは顔を俯かせて深く考え込むと……

 

 

はるか「……じゃ、じゃあ……一緒に行ってもいい?」

 

 

咲夜「うむ、そう来なくてはな♪では私達も準備するから、ちょっとだけ待ってろよ?」

 

 

はるか「うん……♪」

 

 

余程『あの場所』に行けるのが嬉しいのか、咲夜に頭を撫でられて満面の笑みを浮かべるはるか。咲夜はそんなはるかに頷き返すと、出かける準備を始めようと家の奥へと向かっていき、雪奈もその後を追い掛けて咲夜に話しかけた。

 

 

雪奈「あの、咲夜さん…?さっきから言ってますけど、あの場所って一体何なんですか?」

 

 

咲夜「んー?まあ、行ってみれば分かるさ。ただそうだな……取りあえず言えるのは――」

 

 

雪奈の質問に対し、咲夜は顎に手を沿えて暫く考えると、雪奈に顔を向けながら小さく微笑みこう言った。

 

 

咲夜「――私達にとっては大事な場所だ。私とはるか、そして父さんと母さんにとっても……な……」

 

 

 

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