仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―クラナガン・自然公園―
数十分後、この世界で行方不明となってるはずのティアナ(別)と遭遇したスバルとティアナは、彼女と共に近くの公園に訪れてベンチに座り、自分達が平行世界から来た事をティアナ(別)に話していた。
ティアナ(別)「なるほど、平行世界ね。まぁ、正直眉唾な話だけど目の前に自分がいるし……」
スバル「でもこの世界のティアが無事でよかったよ。新聞で行方不明なんて書いてあったから。でも無事なら何で六課に戻らないの?」
ティアナ(別)「簡単よ。私にはやることがある。それに、私はもう六課には……ううん、管理局には戻れないわ……」
ティアナ(別)は何処か遠くを見つめながら静かにそう呟き、その言葉に疑問を抱いたスバルとティアナは互いに顔を見合わせて首を傾げた。
スバル「なんで?何で戻れないの?」
ティアナ(別)「……私は浅倉が人を殺す手伝いをしたわ。しかも殺したのは局員。戻れるわけが無いでしょ?」
『な!?』
瞳を伏せてそう告げたティアナ(別)の言葉にスバルとティアナは驚愕の声を上げた。確かに殺人の片棒を担いだとなれば管理局にはいられない。仮に戻ったとしても捕まるだけだ。
スバル「で、でも、それって浅倉って人が原因なんでしょ!?だったら……!」
ティアナ(別)「勘違いしないで。これは私の意思でしたことよ……それに、私は後悔なんてしてない」
ティアナ「……なんで、そんなことをしたの?あなたは執務官になりたいんじゃないの?」
例え平行世界であっても、執務官になりたいという夢はどの世界でも自分が持つ大切な目標のはず。殺人に片棒すればそれはもう叶わないと分かっていた筈なのに、何故そんな事をしたのか。それが分からないティアナがティアナ(別)に問い掛けると、ティアナ(別)は瞳を僅かに開き口を開いた。
ティアナ(別)「そうね……確かになりたかったわ……でも、それ以上に許せなかった……須藤雅史が……兄さんを殺し、ミユキさんを殺したあの男が……」
スバル「?どういうこと?」
ティアナ(別)は二人に聞かせた。この世界のティーダは浅倉を捕らえる寸前、浅倉を殺そうとした須藤から浅倉を庇って死んだこと。そして浅倉が自覚がないにしろ、そのティーダの仇を討つために仮面ライダーになって脱獄したこと。さらには須藤がティーダの親友だった仮面ライダーライアのミユキ・テヅカを殺したこと。
ティアナ(別)「兄さんは死に際に浅倉に私のことを気にかけてやってくれって言ったの。そして浅倉はその約束通り私を護ってくれた。だから私は浅倉がどんな人間か、浅倉の行く先を見届けたいの。それは誰の為でもない私の願いよ」
そう告げるティアナの瞳に嘘偽りや迷いもなく、彼女の言っている事が真意だと分かる。スバルとティアナはそんなティアナ(別)を呆然と見つめ、ティアナ(別)はゆっくりとベンチから腰を上げて立ちあがった。
ティアナ(別)「……そろそろ行くわ。浅倉を待たせてるしね」
そう言ってティアナ(別)は二人に背を向けてその場を後にし、スバルとティアナはそれを引き止められずただ見送る事しかできなかった。
スバル「……この世界のティアも……なんて言うか、色んな事があったみたいだね……」
ティアナ「そうね……他の世界でも色んな自分を見てきたけど、コレも私の身に起きてたかもしれない可能性なのかもね……」
スバル「でも、良かったのかな?あのまま行かせちゃって……」
そう言ってスバルはティアナ(別)が去っていた方角を心配そうに見つめる。確かにティアナ(別)はもう管理局に戻れないかもしれないが、このまま浅倉と一緒に居させては更に罪を重ねることになるかもしれない。その事を心配するスバルだが、ティアナはゆっくりとベンチから立ち上がって口を開いた。
ティアナ「良いんじゃない?別に。この世界の私がそうしたいって言うなら」
スバル「え、でも……」
ティアナ「この世界の私も私なりに考えて、その結果浅倉って人に付いてくって決めたんでしょ。例え此処で引き止めて、もし止められたとしても、きっとこの世界の私はずっとスッキリしないと思うし。それなら自分が正しいって思う事をやらせてあげれば良いわよ。例えそれが犯罪でもそうじゃなくても、自分が後悔しないのならそれで……」
執務官になりたいという夢を捨ててまで、この世界の自分は師や友人と決別する道を選んだ。それはきっと並大抵の覚悟ではないのだと、自分の事だからこそ分かる。それを此処で止めるのは、きっと無粋な事だとティアナは思った。
ティアナ「この世界の私が選んだ道……それが間違いじゃないって、今は信じるしかないわ。ほら、私達も早く行くわよ」
スバル「え、ちょ!待ってよティアっ~!」
ティアナはそう言ってティアナ(別)が去っていた方とは別の入口から公園を後にし、スバルもその後を追うように慌てて走り出していくのであった。
◇◆◆
その頃、街中でシリウス達と共闘してシアゴーストの大群と戦うディケイド達であるが、シアゴースト達の数は一向に減る様子が見られず、それどころかミラーワールドから次々と増援が現れキリが全くなくなっていた。
シリウス『あ~、鬱陶しい!』
ディケイド『何だかさっきよりも数が多くなってる気がするが、気のせいか?』
シリウス『ま、どんだけ数を増やそうがライダー6人の相手じゃねぇが、流石にウザったくなってきたなぁ』
ディケイドとシリウスは背中合わせになってウンザリしたようにそう言うと、又もや近くの鏡から数体のシアゴースト達が飛び出し、ディケイドとシリウスに向かって襲い掛かっていく。それを見たディケイドとシリウスは嫌そうに溜め息を吐きながら互いに武器を構え直し、向かい来るシアゴースト達を迎え撃とうした。その時……
―ブォオオオオオオオオオオオオンッ!!!―
『……ウェ?―ドシャアァッ!!―ウェェェェェェッ?!』
ディケイド『ッ!何だ?』
シアゴースト達が二人に襲い掛かろうとしたその時、突如真横から一台のバイクが飛び出しシアゴースト達を次々と跳ね飛ばしていったのである。その光景を目にしたディケイドは思わず構えを解くと、シアゴースト達を跳ね飛ばしたマシンに乗る黒い戦士……オルタナティブ・ゼロが二人の方に振り返った。
オルタナティブ・ゼロ『アニキ!助太刀に来ました!』
シリウス『おう!いいとこに来たシンヤ!』
ディケイド『?何だ、知り合いか?』
シリウス『ん?あぁ、うちの組のもんの一人だ。そう言えばディエチは?』
オルタナティブ・ゼロ『近くに来てますよ』
オルタナティブ・ゼロがそう言って彼方を見つめると、その方角から突如砲撃が飛来しシアゴーストの大群を爆散させていった。その砲撃が放たれてきた方向からは、ゾルダがビルの屋上でギガランチャーを構えて立っており、そこから撃ち出す長距離射撃で次々にシアゴーストを撃破していた。
ディケイド『あんなところから……というか、今ディエチって言ったか?』
シリウス『あぁ、あのゾルダはディエチが変身してんだよ』
ディケイド『……なるほど……確かにアイツの腕ならゾルダが一番相性が良いだろうしな』
にしても、まさかディエチもライダーで仲間になってるとはなぁと、ディケイドがゾルダを見て感心の声を漏らしていると、再びディケイド達の背後の窓ガラスからシアゴーストの大群が飛び出しディケイドに襲い掛かった。その瞬間……
―ズッガァアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!―
『ウエェェェーーーーーッ?!』
―ドガァアアアアアアアアアアアアアアンッ!!―
ディケイドに背後から飛び掛かったシアゴースト達に真横から二つの閃光が降り注ぎ、シアゴースト達はそれに飲まれて微塵も残さず消え去っていった。そしてその閃光が撃ち出されてきた方には、二人の戦士……アズサと姫が変身したアンジェルグとイクサFがそれぞれの武器を振り下ろして立つ姿があった。
トランス『ッ!アズサちゃん?!姫さん!』
イクサF『ううむ、騒ぎを聞き付けて来てみれば凄い事になってるな。手は必要かー?』
ディケイド『必要ない……と強がりたいところだが、生憎そんな余裕もないからな。手伝え!』
アンジェルグ『分かった、後方援護に回るっ……!』
そう言ってアンジェルグは背中のウィングを展開して上空へと浮き上がり、空中からイリュージョンアローで次々とシアゴースト達を貫き撃退していく。そしてイクサFもイクサカリバーをガンモードに切り替えて周りを囲むシアゴースト達へと乱射して怯ませていき、ディケイドとシリウスはシアゴーストを拳と蹴りで殴り飛ばしてそれぞれ一枚ずつカードを取り出した。
シリウス『それじゃ、そろそろ終わらせるか』
ディケイド『賛成だ、いい加減コイツ等の顔も見飽きたしな』
ディケイドとシリウスは軽口を叩きながら取り出したカードをウォルフバイザーとディケイドライバーへと装填していった。
『FINAL VENT!』
『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』
『アオオオオオオォォォォォォーーーーーーーンッッ!!!』
二つの電子音声が響くと、近くの鏡からウォルフィンが雄叫びを上げながら飛び出してシリウスの背後へと回り、ディケイドも左腰のライドブッカーをガンモードに展開して構えると目の前にディメンジョンフィールドが出現し、そして……
シリウス『オォォォォラアアアアアアアアアアアアアアッ!!!』
ディケイド『フッ…ハァッ!!』
―ズドオォォォォォォォォオンッ!!―
『ウェアァッ?!!』
ディケイドのディメンジョンブラストと、シリウスのハウリングライダーキックがシアゴーストの大群へと炸裂して次々と爆発を巻き起こしていき、最後には一際巨大な爆発を発生させてシアゴーストの大群は全滅したのだった。そしてそれを確認したディケイド達とシリウス達はそれぞれ変身を解いて元の姿へと戻り、神威が軽く背を伸ばす。
神威「さてっ、モンスターの退治も終わったし帰るか……お前らも来るか?とりあえず話したいこともあるだろ?」
零「そうだな……なら仲間を連れてくる。全員揃ってたほうがいいしな」
神威「OK。じゃお前の仲間が集まったらいくか」
そう告げる神威の言葉に頷くと、零は懐からビートルフォンを取り出して写真館で待機する仲間たちに連絡をし、仲間が集まってから神威達の家に向かっていった。