仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二十章/シリウスの世界⑥

 

 

――零達が温泉で寛ぎ疲れを癒してるその頃、男湯の脱衣所に一人の青年が気配を消しながら忍び込んできていた。

 

 

大輝「彼等は温泉を堪能中か……またとないチャンスだね。いくらなんでも風呂の中までカードデッキを持っていかないだろ?」

 

 

青年……大輝は男湯の方に向けてニヤリと笑みを浮かべると、神威の脱いだ洋服をゴソゴソと漁っていく。すると其処から神威がシリウスに変身する時に使う狼のレリーフの入ったカードデッキを取り出した。

 

 

大輝「あったあった。さて、じゃあ退散するかな?」

 

 

目的のカードデッキを手に入れ、もう此処には用はないと大輝がカードデッキを持って脱衣所を出ようとした、その時……

 

 

―ガララッ―

 

 

神威「――ん?お前は……」

 

 

大輝「うん?」

 

 

零「どうした神威?……って海道?!」

 

 

優矢「アンタ、こんなとこで何やってんだよ?!」

 

 

丁度温泉から上がってきた一同とバッタリ遭遇し、零と優矢は何故かこんな場所にいる大輝に気付いて声を荒げるが、エリオは大輝の手に握られているデッキに気付き指を指した。

 

 

エリオ「あの……海道さんが持ってるあれって……」

 

 

優矢「えっ?……あぁ?!シリウスのデッキ?!」

 

 

零「成る程……今度はそれが狙いか。というか人の服を漁って盗みとか、ついに其処まで落ちたか?」

 

 

大輝「頭脳的と言って欲しいなぁ。とにかくヤクザの青年くん、この世界のお宝、シリウスのデッキは確かに頂いたよ?じゃね!」

 

 

大輝はそう言いながら神威を指鉄砲で指差し狙い撃つ動作をすると、そのままデッキを手に脱衣所を飛び出してしまった。

 

 

優矢「あ、おい待てコラ!零っ!」

 

 

零「チッ!せっかく温泉に入って汗を流したっていうのに、面倒起こしやがってっ!」

 

 

エリオ「と、とにかく、早く追い掛けないと!」

 

 

このままではほんとに大輝にデッキを取り逃げされてしまう。とにかく急いで星を追わねばと、零と優矢、エリオは急いで服を着替えながら大輝を追って脱衣所を飛び出していった。だが、何故かデッキを盗まれた神威本人は特に焦る様子もなくのんびり着替えていた。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

そして脱衣所を飛び出した後、零達は大輝を追いかけながら途中で出くわした組の人間達に事情を説明し、組の人間総出で大輝を追いかけ回していた。

 

 

大輝「全く余計なことを、これじゃ埒が明かないな。しょうがない……変身」

 

 

『KAMENRIDE:DI-END!』

 

 

次々と飛び掛かってくる組の人間を軽い身のこなしで退けながら、大輝はディエンドライバーを回転させながら取り出してディエンドへと変身し、更に左腰のホルダーから二枚のカードを取り出してディエンドライバーへと装填しスライドさせていった。

 

 

『KAMENRIDE:RAIA!SCISSORS!』

 

 

ディエンド『ハッ!』

 

 

―バシュウッ!―

 

 

電子音声と共に側宙で屋敷の庭へと飛び出すと、ディエンドはドライバーの引き金を引いて目の前に無数の残像を出現させ、目の前に以前龍騎の世界でなのはが戦ったライアとシザースが召喚され零達に襲い掛かっていった。

 

 

零「ちっ!変身ッ!」

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

 

優矢「変身ッ!」

 

 

零はライアの振りかぶったエビルウィップを飛びこみ前転でかい潜りながら腰にディケイドライバーを巻いてディケイドへと変身し、優矢もクウガに変身してそれぞれライアとシザースを迎え撃っていった。

 

 

ディエンド『んじゃ、君達はソイツ等と遊んでいたまえ。俺は退散させてもらうよ』

 

 

ディケイド『待て海道ッ!クソッ!邪魔だ退けッ!』

 

 

ディケイドとクウガは何とかディエンドを追跡しようとするも、それを阻むようにライアとシザースの連携に邪魔されてしまい、ディエンドもこの隙に屋敷から脱出しようと塀に向かって駆け出そうとする。が……

 

 

 

 

 

―キイイイイィィィィィィィンッ……キイイイイィィィィィィィンッ……―

 

 

ディエンド『……ッ!なに?』

 

 

クウガ『こ、この音って?』

 

 

ディケイド『ミラーモンスター?こんな時にか!』

 

 

突然その場に響き渡る金切り音。それを耳にした一同は一瞬動きを止めてしまうが、ディケイドはすぐさま正気に戻り組み合っていたライアを前蹴りで蹴り飛ばすと、ライドブッカーから一枚のカードを取り出してバックルへと投げ入れた。

 

 

『FINALATTACKRIDE――』

 

 

ディケイド『一気に決めるぞ優矢!面倒事になる前にコイツ等を叩く!』

 

 

クウガ『わ、分かった!ハアァァァァァッ……!』

 

 

ただでさえ厄介なこの場面にミラーモンスターにまで出て来られたら、ほんとにデッキを取り戻す事態ではなくなる。とっととケリをつけるべく、ディケイドとクウガはそれぞれ必殺技の発射態勢に入ってライアとシザースを見据えていく。しかし……

 

 

 

 

 

 

『ギュオォォォォオオオオォォォォッ!!!』

 

 

―ドシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーッッ!!!!!―

 

 

『ッ?!グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』

 

 

―チュドオォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!―

 

 

クウガ『え……?』

 

 

ディケイド『ッ!何だ?』

 

 

突如、何処からかなにかの咆哮が聞こえたと共に近くの鏡から火炎放射が放たれ、火炎放射はそのままライアとシザースを飲み込んで二人を爆散させていったのであった。突然の出来事にディケイドとクウガも呆気に取られて構えを解いていき、思わず辺りを見渡してみると……

 

 

 

 

 

『グウゥッ……』

 

 

 

 

 

ディケイド(……!アレは……?)

 

 

 

 

 

火炎放射が放たれてきた鏡の中に、巨大なミラーモンスターが顔を覗かせてるのが見えた。恐らく今の攻撃を放ったのはあのモンスターかと思われるが、何故かモンスターはこちらに敵意を見せずジッと見つめてくるだけで何もして来ない。それに疑問を抱いたディケイドはモンスターの姿が映る鏡に近付こうとするが、モンスターはそれから逃げるように鏡から姿を消してしまった。

 

 

ディケイド(今のモンスター……何だ?何処かで見たことあるような……)

 

 

ディエンド『何なんだ一体?とにかく今は逃げる方が勝ちか!』

 

 

モンスターが消えた鏡を見てディケイドが物思いに耽る中、ディエンドは段々と嫌な予感が迫っているような予感を感じて早く逃げ出そうとした、その時……

 

 

―バシュウンッ!―

 

 

『ガアァッ!!』

 

 

ディエンド『なッ?!』

 

 

突然背後の池からウォルフィンが飛び出し、そのまま勢いよくディエンドに飛び掛かり襲ってきたのであった。それに気付いたディエンドはすぐさま真横に飛び込みウォルフィンの奇襲を紙一重で避けるも、その顔は驚愕の色に染まった。

 

 

ディエンド『どういうことだ?!なんで、契約モンスターがカードデッキの持ち主を?!』

 

 

本来ミラーライダーが契約したモンスターが、契約の証とも言えるカードデッキを持つ主を襲うなど有り得ない。ウォルフィンと対峙しながらディエンドが困惑した様子でカードデッキを見ると、いつの間にか契約が破棄されレリーフが消えていた。

 

 

ディエンド『け、契約が?!』

 

 

『グオアァッ!!』

 

 

レリーフが消えてしまったデッキを見て更に困惑するディエンドだが、その一瞬の隙を突いてウォルフィンが飛び掛かりディエンドの手からカードデッキを奪い取った。

 

 

ディエンド『あ!こら返せ!―ズガガガガガガガガガガッ!!―クッ?!』

 

 

ディケイド『其処までだ!いい加減諦めろ海道!』

 

 

デッキを奪ったウォルフィンを捕らえようとしたディエンドだが、其処へディケイドがライドブッカーガンモードで威嚇射撃を行ってディエンドの動きを止めていった。そしてウォルフィンは取り返したデッキを咥えたままディケイドたちの下へと走っていくと、そこにはちょうど今追いついた神威が立っていた。

 

 

神威「ウォルフィン、ご苦労さん」

 

 

神威が労いの言葉を掛けながらウォルフィンの口からデッキを受け取ると、ウォルフィンは再び契約を結び、そのまま池へと飛び込んでミラーワールドに帰っていった。

 

 

ディエンド『ど、どういうことだ!どうして!?』

 

 

神威「ああ、ウォルフィンは自分で契約者を選ぶんだよ。そして相応しくないものには自分から契約を破棄して襲い掛かる。どうやらお前はウォルフィンには選ばれなかったみたいだな?仮面ライダーディエンド」

 

 

ディケイド『ほぉ、なるほどなぁ…………おい待て、それって俺達が追いかけてきたのは無駄だったって事か?』

 

 

神威「ん~、そうだな。ウォルフィンは自分で帰ってくると思ってたし」

 

 

訝しげに問い掛けたディケイドに神威は飄々と答え、それを聞いたディケイド達は深い溜め息を吐きながら頭を抱えた。

 

 

ディケイド『そういうことなら先に言えよ、こっちは完全に草臥れ儲けだろう?』

 

 

神威「まあ、敵を欺くにはまず味方からってな?」

 

 

ディエンド『チッ、まんまと一杯食わされた訳か……じゃあここに長居する理由も無いね!―ドガシッ!―ぐわっ?!』

 

 

目的のカードデッキが手に入らない以上は長居無用と今度こそ逃げ出そうとしたディエンドだが、振り向いて走り出そうとした瞬間に何かに躓き転倒してしまった。

 

 

ディエンド『クッ、なっ何なんだ一体っ……』

 

 

まさかまた罠か?!とディエンドが慌てて自分が転んだ場所を見ると、其処には……

 

 

ジェイル(別)「いきなりなんだい?痛いじゃないか、へっくしゅ!」

 

 

……未だに埋められたまま生首状態のスカリエッティ(別)がいた。どうやらディエンドが躓いたのはスカリエッティ(別)らしい。

 

 

神威「ウォルフィンGO!」

 

 

―バシュウンッ!―

 

 

『グルアァッ!!』

 

 

ディエンド『は?ちょ?!まっ――?!』

 

 

それを好機と見た神威が高らかに叫ぶと共に、ミラーワールドからウォルフィンが飛び出してディエンドに突進して吹っ飛ばし、それをもろに受けたディエンドはその衝撃で変身が解除され大輝に戻っていった。

 

 

神威「さて、じゃあOSHIOKIと行こうか?ウーノ、転送ポートを俺のお仕置き部屋に繋いでくれ!」

 

 

ウーノ(別)「わかりました」

 

 

他の組の者達と一緒に大輝を追っていたウーノ(別)は若干同情の視線を大輝に向ける。そして神威は大輝を引き摺ってお仕置きルームに向かい、ディケイド達もその様子を目で追いながら変身を解除した。

 

 

優矢「お仕置き部屋……って何だろうな?」

 

 

零「さぁ……その名の通り、馬鹿やった人間に制裁を加えるところじゃないか?アイツにピッタリだろ」

 

 

エリオ「あ、あはははっ。で、でもまあ、これでひとまず一件落着……ですよね?」

 

 

優矢「そだなぁ。あーあ、あの人のせいでまた汗掻いちまったよ……もっかい温泉に入ってくるか?」

 

 

大輝を引きずってお仕置き部屋とやらに向かう神威を見送って呆気に取られながらもすぐに気を取り直し、優矢とエリオは再び温泉に入り直そうと屋敷に戻っていくが、零はその場から動かず先程ミラーモンスターが映っていた鏡に目を向けた。

 

 

零(……あのモンスター……一体何だったんだ?多分神威達の契約モンスターではないだろうし、あんなミラーモンスターなんて俺も"知らない"……敵ってワケじゃなそうだが……)

 

 

先程の戦いで自分達を助けるような真似をしたミラーモンスター。それが何故か無性に気掛かりでならない零は鏡を見つめ続けるが、やはりそうしててもミラーモンスターは再び姿を見せず、零は諦めるように息を吐いて優矢とエリオの後を追い掛けていったのだった。

 

 

 

 

 

―キイイイィィィィィィィィィンッ……キイイイィィィィィィィィィンッ……―

 

 

『……グウゥゥッ……』

 

 

 

 

 

◆◇◇

 

 

 

 

 

―おまけ―

 

 

それから一時間後……

 

 

『ぎゃああああああああああああああ!!!!』

 

 

アズサ「?今の……悲鳴?」

 

 

姫「うん?……ああ何だ、大輝のか。多分またロクな事をやらずに制裁を受けているのだろう、放っておけばいい」

 

 

アズサ「でも……」

 

 

ウェンディ「まあまあ良いじゃないッスか。それよりアズサ、温泉に入った後と言えばこれっスよこれ♪」

 

 

アズサ「……牛乳?」

 

 

セイン「そう!温泉の後に必ず飲むと言えばコレ!私たちもfirstの世界の温泉に行った時に教わったんだよねー♪」

 

 

姫「うむうむ。これは言わば、温泉に訪れる者たちにとって暗黙のルールとも言える。因みに、この時は必ずある一定のポーズを取りながら牛乳を飲まなければならない」

 

 

アズサ「ポーズ……?」

 

 

セイン「そう、先ずは足を開き!腰に手を当て!ビンの蓋を親指で弾く!」

 

 

アズサ「……こう……?」

 

 

姫「そう、そして蓋を開けた牛乳を一気に口へと流し込む!このとき牛乳を飲み干すまで絶対にビンから口を離すな?例え鼻から牛乳を吹き出してもだ!!」

 

 

なのは「アズサちゃんに何教えてるんですかッ?!!」

 

 

……神威のお仕置き部屋で大輝がGボックスに放り込まれる中、女湯の脱衣所ではバスタオル一枚で牛乳を片手に一気飲みをする四人組の姿があったとか。

 

 

 

 

 

因みにこの翌日。帰りが遅い大輝が気になったルミナが屋敷の前に向かうと、何やら屋敷の外に全身真っ白になった大輝が捨てられていたらしいが、まあどうでもいい話である。

 

 

 

 

 

 

 

―おまけその2―

 

 

スカリエッティ(別)「はっはっは、ごらんよモグラくん。夜が明けるよ」

 

 

そして庭には結局朝まで埋められていたスカリエッティがモグラとの友情を深めていたのだった。

 

 

 

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