仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二十章/シリウスの世界⑩

 

 

屋敷を出て数十分後。零と神威達がミラーモンスターが現れた地区に駆けつけると、そこには今も尚ミラーワールドから出現する大量のシアゴーストが民間人を襲う光景が広がっており、零と神威達はすぐに民間人を襲うシアゴーストたちを殴り飛ばして民間人を避難させていく。

 

 

優矢「クッソッ、なんて数だよコレ?!オリャッ!」

 

 

ノーヴェ(別)「しかもまだまだ出てくるみてぇだな。ちっ、うざってぇ連中だ」

 

 

神威「だな。まぁ、さっさと終わらせればいい」

 

 

ある程度民間人を避難させたのを確認すると神威が零に視線を送り、零もそれを理解すると相手をしていたシアゴーストを殴ってそれぞれ変身しようとする。だがそれと同時に突如歪みの壁が目前に現れ、そこから鳴滝が険しい顔つきで現れた。

 

 

零「?!鳴滝?!」

 

 

アズサ「どうして……ここに……?」

 

 

突如目の前に立ちはだかった鳴滝に零とアズサは驚くも、すぐに警戒心を固めて身構える。鳴滝はそんな零の姿を見て更に顔を険しくさせると、キッと神威を睨みつけた。

 

 

鳴滝「司狼神威、これはどういうことだ?なぜディケイドを倒さない!?」

 

 

神威「おいおい、俺はディケイドと戦うと言ったが倒すとは一言も言ってないぜ?そっちが勝手に勘違いしたんだろ?」

 

 

鳴滝「貴様、それでいいのか!?ディケイドはいずれ全てを破壊する!なぜこの世界を護ろうとしないのだ!?」

 

 

声を荒げて神威を責め立てる鳴滝だが、神威はそれに対し飄々とこう答えた。

 

 

神威「別に。俺は……俺達は世界に為に戦ってるわけじゃない。俺たちは自分の願いの為に戦う。それだけだ」

 

 

零(……成る程……これが神威の……いや、コイツ等の戦いという訳か……)

 

 

断言するようにキッパリと言い放った神威。その答えに鳴滝も思わず押し黙り、神威達はそれを無視してそれぞれカードデッキを取り出すと近くの鏡に翳してVバックルを腰に装着し、零と優矢、アズサと姫、ヴィヴィオもそれぞれベルトを巻き変身の体勢に入った。

 

 

『変身ッ!』

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

『Cord…Set Up!』

 

『CHANGE UP!SYUROGA!』

 

『READY!』

 

『F・I・S・T・O・N!』

 

 

鳴り響く電子音声と共にそれぞれディケイド、クウガ、シュロウガ、イクサF、ナンバーズ、シリウス、龍騎、ナイト、ゾルダ、オルタナティブ・ゼロへと変身を完了し、一同はそれぞれ身構えシアゴーストの群れに向かっていった。

 

 

鳴滝「く、こうなれば……グッ?!」

 

 

「やめておけ」

 

 

最早神威の手は借りないと自ら行動を起こそうとする鳴滝だが、それは背後から伸びた金色の鎖のような物に首を絡めれ取られ阻止された。鳴滝は突如首に巻き付いた金色の鎖に驚愕しながら背後を振り向くと……

 

 

鳴滝「キサ、マッ……神崎士郎?!」

 

 

鳴滝の視線の先には車の窓ガラスに映った一人の青年と一体のミラーモンスター……神崎士郎と神崎に従う、ガルドサンダーが鳴滝を捕らえていた。

 

 

鳴滝「な、なぜだ!なぜディケイドを倒さない?!そうしなければ世界が滅びるぞ!」

 

 

神崎「その理由は神威が語ったはずだ。そもそもミラーライダーは他のライダーとは生まれた理由が違う」

 

 

鳴滝「なん……だと?」

 

 

神崎「他のライダーは人々を救うために生み出された。だが、ミラーライダーは俺が優衣を助けたいという願いからライダーバトルのために生み出した。言わば、俺の欲望から生まれた存在だ。そして、かつてライダーバトルに参加した者たちも。そして神威たちにも正義などありはしない。あるのは欲望という名の純粋な願いだけだ。そしてその願いはお前程度に利用できるものではない。たとえ何度世界が滅びると言ってもあいつらはディケイドとは戦わないだろう」

 

 

鳴滝「ならばどうする!?ディケイドが破壊者としてなったら!?」

 

 

神崎「そのときは今度こそ神威たちはディケイドと戦うだろうな。自分たちの願いのために。覚えておけ。ミラーライダーは人々のために戦うライダーではない。自分自身の願いのために戦うのがミラーライダーだ」

 

 

神崎が鋭い視線を向けながらそう言い切ると、鳴滝はガルドサンダーから開放され、鳴滝は首を摩りながら悔しげに神崎を睨みつけて歪みの壁の向こうに消えていった。

 

 

―ガギィンッ!ズガガガガガガガガガガガガァッ!!バキイィッ!!―

 

 

クウガ『だぁーーもう!!多過ぎだろコイツ等ァ?!どんだけ湧いて来んだよッ?!』

 

 

オルタナティブ・ゼロ『ぼやいてる暇なんかねぇッスよ!口より先に手を動かして下さい!』

 

 

ナイト(ゼスト)『連携も何もないただの烏合の衆だが、こうも数が多いのも……なッ!』

 

 

イクサF『ふむ……』

 

 

襲われる民間人を救出しながら少しずつシアゴーストたちの数を減らしていこうとするも、まるでライダーたちの勢いを押し返そうとするかのように鏡の中から続々とシアゴーストの群れが飛び出してくる。それを見て間合いを計り治そうとクウガとオルタナティブ・ゼロとナイトが後ろへ下がろうとするが、それを弱気と受け取ったイクサFは無造作に最前線へと一歩踏み出して……

 

 

イクサF『うわー。このままではミラーモンスターのケダモノ共にさらわれて死ぬほどレイプされまくるー』

 

 

『ッッ?!!』

 

 

こうなってしまうと、悲しきかな男と騎士は意地でも下がれない。後ろへ下がろうとした足を踏み止めて拳と剣を振るい、かろうじてイクサFがシアゴーストの群れに呑みこまれるのを防いでいった。

 

 

オルタナティブ・ゼロ『ちょっとォォォォォォ?!!アンタ一体なにしちゃってくれてんスかァ?!!』

 

 

イクサF『それはこちらの台詞だ。まったく、戦いの場で出し惜しみなどするな。最初っからそれぐらいの勢いで戦ってれば良かったのだ』

 

 

クウガ『零ィィィィィィィィィィィィッ!!!今すぐこの人の尻を引っ叩く許可をくれェ!!!今すぐだァ!!!』

 

 

ディケイド(……何やってんだアイツ等……)

 

 

クウガの悲痛な叫びが何処からか響き渡るが、生憎シアゴーストの群れに挟まれているせいで姿までは確認出来ない。なので此処は敢えて無視しようと、ディケイドはクウガの叫びには答えず黙ってシアゴーストを殴り飛ばしていく。其処へ……

 

 

キャロ「ハァ、ハァ…あ、もう始まってる……」

 

 

ディケイド達を追いかけてきたキャロがその場に駆け付け、呼吸を整えながら既に始まった戦いを眺めるとなのはから預かったKウォッチを見下ろしていく。

 

 

キャロ(今の私に出来ること……フリードもきっと、違う世界の何処かで頑張ってるんだ。だから私も、今やれることを!)

 

 

心の中で決意を改めると、キャロは左腕にKウォッチを巻いて操作し、画面に浮かび上がったエンブレムをタッチした。

 

 

『RIDER SOUL FRIED!』

 

 

Kウォッチから電子音声が鳴り響くと、キャロの右手と腰が光に包まれて輝いていく。そして光りが徐々に治まっていくと、キャロの腰には神威達が装着してるのと同じVバックル。右手にはレリーフの無いカードデッキが握られていた。

 

 

キャロ「?これ……もしかして神威さんたちと同じ、ミラーライダーのデッキ?だとすると……」

 

 

ディケイド『でぇあ!……ッ?!キャロ?なんで此処に?!』

 

 

キャロが右手と腰に現れたVバックルとカードデッキをまじまじと見つめる中、シアゴースト達を撃退していたディケイドがキャロの姿を見付けて驚愕し、その声を聞いたキャロはハッと我に返り慌てて目の前を見た。

 

 

キャロ「れ、零さん!私も援護します!変身ッ!」

 

 

―カシャンッ!―

 

 

キャロが右手に持つカードデッキをVバックルのバックル部分へと装填すると、鏡が割れるような音と共に何処からか現れた無数のシルエットがキャロに重なるように集まり、キバの世界のワタルと同じように身長が伸び違う姿へと変化していった。その姿は……

 

 

ディケイド『――な……』

 

 

シリウス『オイオイ……なんだありゃ?』

 

 

キャロが変化したその姿を見て、ディケイドとシリウスの声がその場に響いた。だがその声音は驚きというよりも、何処か肩透かしを食らったかのような感じだった。何故なら……

 

 

 

 

『――これが……私の仮面ライダー……?』

 

 

 

 

何故ならキャロが変身したその姿は、あまりにも貧弱な姿だったからだ。外見は龍騎に酷似してるが、全体の体色が黒く、装甲や左腕に装備しているバイザーにも全く言っていいほど意匠が無い。キャロが変身したその姿は、どちらかと言えば龍騎・ブランク体に近い姿……『仮面ライダーフリード・ブランク体』へ変身していたのであった。

 

 

龍騎(ノーヴェ)『おいおい、んだよアレ?増援かと思えばブランク体って……』

 

 

クウガ『ど、どういうことだ?何でキャロだけあんな?!』

 

 

シュロウガ『……駄目……スペックもシアゴーストの半分以下しかない……アレじゃ……!』

 

 

フリードB『え、えと……ミラーライダーの戦い方は確か、こう?』

 

 

キャロが変身したブランク体のフリードを見て一同が落胆と戸惑いの反応を浮かべる中、フリードはそれに気付かないままミラーライダーの戦い方を思い出しながら戸惑いがちにバックル部分のデッキからカードを一枚抜き取り、それを左腕に装備したライドバイザーに装填しベントインした。

 

 

『SWORD VENT!』

 

 

バイザーからの電子音と共に、フリードの真横の鏡の中から一本の素朴な剣……ライドセイバーが飛び出しフリードの手に握られた。

 

 

フリードB『わっ、で、出た……よし……!』

 

 

『ウゥ、ウゥ、ウゥ』

 

 

ディケイド『まずい……!待てキャロ!!違うっ!!それはっ!!』

 

 

ライドセイバーを強く握り締め、目前から迫って来るシアゴーストの大群を見据えるフリードを止めようとするディケイドだが、周りのシアゴーストが邪魔して思うように進めずにいた。そして、フリードは気迫を込めた掛け声と共にライドセイバーを握り締めながら一気にその場から駆け出し、群れの最前線に立つシアゴーストへと勢いよくライドセイバーを振りかざしていった。が……

 

 

―……バリィンッ!!―

 

 

フリードB『…ッ?!お、折れたァ?!―バキィッ!―キャアァッ?!』

 

 

クウガ『ッ?!キャロォッ!!』

 

 

なんと、シアゴーストの右肩に向けてライドセイバーを振りかざした瞬間、ライドセイバーの刀身が面白いぐらいに真っ二つに折れてしまったのだ。それを見たフリードは思わず驚愕してしまうも、シアゴーストの反撃を受け殴り飛ばされてしまい、更にその周りへとシアゴースト達が集まってフリードを包囲しようとしていた。

 

 

ディケイド『クッソッ…!ヴィヴィオ!!木ノ花!!キャロのフォローに回れっ!!』

 

 

ナンバーズ『わ、分かった!』

 

 

イクサF『チィ!一体何がどうなってるんだっ?!』

 

 

ゾルダ(ディエチ)『ッ!援護は私がする!早くあの子の救援を!』

 

 

『SHOOT VENT!』

 

 

ゾルダがバイザーにカードをベントインしたと共に、鏡の中からギガキャノンが飛び出しゾルダの両肩へと装着された。そしてゾルダがギガキャノンを発砲してシアゴーストの大群を吹き飛ばすと道が開かれ、ナンバーズとイクサFはその道を経由しフリードの下へと急いで向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

―キイィィィィィィン……キイィィィィィン……―

 

 

『……グルルッ……』

 

 

 

 

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