仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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※こちらの番外編は時系列は雷牙の世界後となります


番外編/桜龍玉と新たな神

 

 

 

―――桜ノ神の世界。

 

 

其処は嘗て、第三者の介入により意図的にその世界に跳ばされた黒月零と桜ノ神の木ノ花之咲耶姫を始めとする多くの戦士達の活躍により、幻魔と呼ばれる異形の脅威から救われた世界だ。

 

 

幻魔神の復活事件解決後は桜ノ神が最後にこの世界で見せた奇跡の力によって、破壊された街や致命傷の傷を負わされた大勢の人々を救い、彼等は零達が世界を巡る旅に戻った後も、取り戻した平穏を噛み締め元の生活に戻っていた。

 

 

……しかし……

 

 

 

 

 

◆◇◇

 

 

 

 

 

―桜ノ神の世界・美術館―

 

 

―ジジジジジジジジジジジジジジジジッッ!!!!―

 

 

――深夜の闇に支配される桜ノ神の世界。幻魔の脅威から救われて平穏が永らく続いていたその世界であったが、今現在、桜ノ町のとある美術館にてある事件が起こり、館内には騒々しいまでの警報が響き渡っていた。

 

 

―カッカッカッカッカッカッカッカッ!!―

 

 

「いたぞッ!!こっちだッ!!」

 

 

「逃がすなぁッ!!追えぇッ!!」

 

 

警報が鳴り響く館内の暗い廊下を、大勢の警備員達が何かを追って全力で駆けていく。そんな彼等が怒号を上げ、必死に追い掛ける先には……

 

 

―バサアァッ!―

 

 

『………………』

 

 

白いマントを靡かせながら、廊下を身軽に駆け抜ける桜色と金色の仮面の戦士の姿があったのだった。だがその姿は所々異質な外見をしており、神々しいボディの首下から両腕まで銀色の鎖が巻き付き、仮面と右腕の上にはその神々しい姿に似合わない重厚なパッチ・アーマーが装備され、更にその上からは何かを封じるかのようにお札のような物が何枚も貼付けられている。

 

 

―バアァンッ!―

 

 

『………………』

 

 

そんな異質な姿をした仮面の戦士は、警備員達の追跡を振り切って扉を勢いよく開き美術館の屋上へと辿り着いていた。そして仮面の戦士は何かを探すかのように辺りを見回していくと、耳元に手を当てて何処かに通信を繋いだ。

 

 

『――ノエル、屋上で合流する予定の筈の『馬鬼』の姿が見られませんが?』

 

 

ノエル『あー……ごめん、もうちょい待ってて?あのじゃじゃ馬が飛んでるヘリん中で無駄に暴れるもんだから、そっちに着くの大分遅れちゃっててっ』

 

 

『待ってて、と言われましても……』

 

 

通信の向こうで何処かウンザリした様子で溜め息を漏らすノエルと呼ばれた女性に仮面の戦士が何かを言い掛けるも、その時、仮面の戦士を追ってきた警備員達がその背後から続々と現れ、仮面の戦士をあっという間に包囲していってしまった。

 

 

『……今正に、絶体絶命の危機なのですが』

 

 

「其処までだっ!『怪人S』っ!」

 

 

「盗んだ美術品を返せっ!それは桜ノ神社から保管を任された大事な品なんだぞっ!」

 

 

仮面の戦士……『怪人S』を絶対に逃すまいとして、警備員達は完全包囲のまま怪人Sを捕らえようとジリジリと少しずつ距離を詰め迫っていく。対して怪人Sは焦る素振りは見せないも徐々に後退りしていき、遂に行き止まりにまで追い詰められ、本当に絶体絶命の危機かと思われた。その時……

 

 

 

 

 

 

―ヒヒイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーイィンッッ!!!!―

 

 

「……っ?!な、なんだ?今のは?」

 

 

『……来ましたね』

 

 

突然、何処からともなく馬の鳴き声のような物が響き渡ったのであった。それを聞いて警備員達も思わず肩をびくつかせながら辺りを見渡していくも、怪人Sはやっとかと待ち侘びたように密かに溜息を吐いて空を見上げた。すると……

 

 

―ヒュウゥゥゥゥゥッ……バゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―

 

 

『ヒヒイイイイイイイイイイイイイィィィィィィーーーーーーーーーーイィンッッ!!!!』

 

 

「ッ?!う、うわあああああああああああああああっ?!」

 

 

「な、何だあれっ?!角が生えた……馬っ?!」

 

 

そう、闇が支配する遥か空から、なんといきなり一匹の黒い馬が落下し警備員達と怪人Sの間へ轟音と共に降り立ったのである。だがその外見は怪人Sと同じく普通ではなく、その巨大な黒い身体は金属らしき物で構成されてまるでロボットのようであり、額からは鬼の角のような一角が生えている。警備員達は突然落下してきた黒い馬に驚愕して腰を抜かす中、黒い馬……馬鬼は警備員達を威嚇するように睨み据え、怪人Sはそんな馬鬼の背に乗り込み手綱を握り締めると……

 

 

『それでは予告通り、コレは頂戴していきます。お勤めご苦労様でした……馬鬼?』

 

 

『ヒヒイィィィィィィィィィィィイィンッッ!!』

 

 

―シュバアァァッ!!―

 

 

「……っっ?!!!」

 

 

怪人Sが馬鬼に呼び掛けると共に、馬鬼の角から一瞬眩い光が放たれ警備員達に襲い掛かったのだ。すると警備員達は一斉に意識を失いバタバタと力無く倒れていき、怪人Sは彼等を一瞥しながら淡々と呟く。

 

 

『明日には何事もなく目を覚ますでしょう……最も、此処で起きた事は全部忘れているでしょうが。ハッ!』

 

 

意識のない警備員達にそう告げると、怪人Sは手綱を操って馬鬼を背後へと振り返らせ、馬鬼は屋上の外へと勢いよく飛び出して何もないハズの空に地を踏んだ。そして、馬鬼はそのまま軽快な足音を響せながら空を駆け抜けて何処かへと向かっていき、怪人Sは馬鬼を走らせながら懐から一つの玉……六つの星が入った桜色の宝玉を取り出した。

 

 

(残るはあと一個……奴より先に、最後の一つを手に入れさえすれば……)

 

 

宝玉を強く握り締めながら決意を新たにし、怪人Sは手綱を握り直し馬鬼と共に夜空を駆けていくのだった。

 

 

 

 

 

◇◇◆

 

 

 

 

 

――そして、桜ノ神の世界で事件が起きている頃、光写真館では……

 

 

 

 

零「――オォーイ……確かにさっきのは俺が悪いとは思うが……これはどうかと思わないかぁ……?」

 

 

 

 

……桜ノ神の世界を救った一人である黒月零は何故か布団で丸められた上に縄で何重にも縛られ、自室の窓から逆さ吊りにされていたのだった。

 

 

なのは「本当に悪いと思うのなら、一晩其処で頭を冷やしなさい!」

 

 

零「一晩ずっとこの態勢で過ごせと言うかっ?!鬼かお前っ?!」

 

 

なのは「性懲りもなくデリカシーのないセクハラするからでしょっ、零君がっ!」

 

 

零「此処までされる程酷いものだったかっ?!俺は単に食い過ぎで腹が痛いって言うフェイト達に、薬を薦めてやっただけだろうがっ!!」

 

 

なのは「其処で薦める薬がなんでよりによって胃腸薬じゃなくて浣腸の薬なのっ?!可笑しいでしょっ!!」

 

 

零「胃腸薬が切れてたんだから間に合わせであれしかなかったんだしょうがないだろっ!!大体浣腸の薬の何が悪いかっ!!ただお前達の体調を案じただけだというにっ、何だ、恥ずかしいってか?!心配しなくても俺だってお前達のケツになぞ興味な――」

 

 

―バタンッ!―

 

 

零「おおぉい待てええええぇぇぇぇーーーーーっ?!待てっ!!分かったっ!!俺が悪かったからコレ外せっ!!この態勢だと頭に血が昇るんだっ!!おおおおおおおいっ!!」

 

 

逆さ吊りにされながら身体を左右に揺らして写真館の中に戻ってしまったなのはに向かって叫ぶが、なのはが戻って来る気配は一向にない。そして結局、零は外に吊されたまま一晩過ごすハメになったのだった……。

 

 

 

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