仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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番外編/桜龍玉と新たな神①

 

 

 

それから翌日……

 

 

零「――グゥッ……くそっ、まだ頭が痛いっ……」

 

 

なごみ「――随分よろよろですね。まるで二日酔いのオヤジーさんのようですよ?」

 

 

自室の窓から逆さ吊りにされ一晩過ごすという罰から解放された零は、ガンガン痛む頭を抑えながら愚痴をこぼす。そんな彼は現在、たまたま偶然写真館に遊びに来た以前キャンセラーの世界で知り合った銀髪の中性的な顔をした自動人形、"ドール"、そして滝の世界のなのはとユーノの娘である"高町なごみ"と、その付き人である人型女性アンドロイドの"アシェン・ジョーカー"と共に、何故か姫に連れられて桜ノ神の世界に訪れていた。

 

 

姫「君も毎回毎回懲りるという事を知らないな。君は彼女達にセクハラしなければ死んでしまう呪いにでも掛かっているのか?」

 

 

零「そんなピンポイントな呪いになぞ掛かってたまるかっ……あぁ、クソッ……まだフラフラするし、何か気持ち悪い……うっぷっ……」

 

 

ドール「昨晩はお楽しみで、一晩中逆さ吊りにされたワケですからなぁ。経緯が経緯なので弁解の余地無しですが」

 

 

零「その最初の方の俺が好き好んでやってるような言い回し止めろっ、あんな趣味なんぞ俺にはないわっ」

 

 

アシェン「毎回懲りもせず繰り返していればそう疑いたくもなりますでしょう。繊細さの無さも、此処まで来ると最早才能の一種ですますね」

 

 

なごみ「いっそ開き直って変態紳士と名乗ったらどうでしょ?案外似合うと思いますが」

 

 

零「そんなもん似合いとうないわっ!」

 

 

ドールとアシェンとなごみから不名誉な称号を着せられそうになって必死に拒否するが、大声を上げたせいで余計に頭痛が強まり頭を抑え黙り込んでしまう零。するとそんな彼女達に、姫が腰に片手を添えて口を開いた。

 

 

姫「まあそう弄ってやるな。確かに自業自得ではあるが、彼も悪気があった訳ではないんだ」

 

 

零「!木ノ花、お前……」

 

 

姫「彼は無意識ながらアレはアレで喜んでるんだから、人の趣味をどうこう言うものではないだろう?何せ前になのは達からの制裁を受けて部屋で休んでる彼を見舞いに行った時も、彼の部屋からイカの臭いが――」

 

 

零「ちょっとでもお前に感動した俺が馬鹿だったっ」

 

 

それと名誉の為にも言っておくが、彼女が嗅いだイカの臭いは栄次郎が見舞いに来た時に貰った焼酎と一緒に付いてきたスルメの匂いだ。決して部屋の中でやましい事をしてた訳ではない、断じてだ。

 

 

零「あぁ、もういいっ……それはそうと木ノ花、そろそろ何でまたこの世界に俺を連れてきたのか、話してくれてもいいんじゃないか?コイツ等もコイツ等で、なんか面白そうな事がありそうだからって付いてくるし……」

 

 

ドール「おやこれは意外、私達の思考を見抜くとは。女心には疎い癖に小生意気ですねぇ」

 

 

零「それとこれとは話は別だし、お前達の場合はもう深読みする必要もなくそういう考えがタダ漏れてるだろ……大体、なんでよりにもよってお前となごみ達が一緒なんだっ」

 

 

なごみ「私は前々から、お母様のお手伝いなどでコツコツと貯金していたお小遣が大分貯まってきたので、ドールさんのお店を覗きに来ただけですよ」

 

 

零「……は?ドールの……店?」

 

 

ドール「おや、ご存知ありませんでした?こう見えてもワタクシ、小さいながらショップを開いてまして。今まで渡り歩いてきた世界で手に入れた品を売り物として扱ってるのですよい。それでちょくちょくお金を稼いで借金の足しにしてるというね(´ω`)」

 

 

なごみ「そして私はちょくちょく貯めたお金をたまにドールさんに貢献してるという事です。因みに、先程も一品ほどアイテムを買収したところですが、それをどう使うかは……ご想像にお任せします」

 

 

零(……絶対にロクなことじゃないな……明らかに……)

 

 

あからさまな態度で視線を逸らすなごみを見て心の中でそう断言する零。しかしそれを聞くのは恐ろしくもあるので敢えて問い詰めはせず、取りあえず話題を戻そうと姫に視線を戻した。

 

 

零「で?何でまた急に戻って来たんだ?まさか故郷が恋しかったから、なんていう訳でもないんだろう?」

 

 

姫「ふむ……ま、私もまだ詳しくは聞いた訳ではないのだが、昨夜に桜香からの式神が届いてな。なにやら彼女達の世界でとある窃盗事件が起きたらしく、私に話したい事があるから戻って来て欲しいと知らせが来たんだ」

 

 

零「……?窃盗事件……?何でまたそんな――って、アイツ等がただの窃盗事件なんぞでお前を呼び戻す筈がないか……」

 

 

何せこの世界には紗耶香と桜香の二人の聖者が揃っているのだ。幻魔神復活事件の時もそうだが、彼女達は以前この世界に攻め入ったギルデンスタンとその配下の人造幻魔達を撃退した事がある手練れだ。それが、ただの人の手で起きた程度の事件で姫を呼び戻すとは思えないが……

 

 

アシェン「つまり、その窃盗事件が普通の人間の手による事件ではないと?」

 

 

零「……まさか、実はまた幻魔みたいな怪人が現れて、なんて事はないよな……?」

 

 

姫「まさか……。そもそも幻魔はフォーティンブラスの消滅と共に消えたのだし、幻魔のような危険な妖が現れたことも、長年生きて来て今の一度もなかったんだぞ?……まあ、万が一に備えて、私の契約者である君も連れてきた訳なんだが」

 

 

ドール「んー……まあ居たにはいたけど、単純に幻魔さん方が表でヒャッハー!してたせいで出ようにも出られなかったとかではないですか?んでどっかの穴蔵にでも引きこもって、虎視眈々と機会を伺っていたという線も有り得なくはないと思いますが、まあ実際に話を聞くしかないんじゃねースか?此処で話してても時間を浪費するだけですし」

 

 

零「……そしてこのまま付いて来る気満々なんだな、お前達……」

 

 

一向に帰る気配を見せず、このまま桜ノ神社まで付いて来る気満々のドール達に頭を悩ませる零だが、そんな彼を置いて姫とドール達は先を進んでいってしまい、零はもう一度深く溜め息を吐いた後に彼女達の後を追って歩き出していくのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

そしてそれから数十分後、桜ノ神社にて……

 

 

絢香「――神様、零さん、お久しぶりです♪」

 

 

姫「ああ。久しぶりだな、皆。変わりないようで安心……と言いたいところだが、何やらまた面倒な事件に巻き込まれたようだな」

 

 

 

桜ノ神社に到着した零達を待っていたのは、桜ノ神の世界で零とアズサ達が世話になった絢香、そして共に幻魔と戦った紗耶香と桜香の三人だった。神社の居間に通された零達は、絢香の案内で卓袱台を挟み絢香達と向き合う形に腰を下ろしている。

 

 

紗耶香「申し訳ありません……本当なら、旅情の身である神様の手を患わせる事など心苦しいのですが、何分神様本人に確認して頂きたい事がありまして……」

 

 

姫「確認?……つまり今回の事態は、私にも何か関係があると?」

 

 

桜香「関係があるかないかはまだ分からないんだけど、貴方に直接見てもらった方が手っ取り早いと思ってね。……ところで……」

 

 

ふと、姫に向けられていた桜香の目が彼女の隣で絢香から貰った吐き気止めの薬を飲む零に向けられ、其処から更にドール、なごみ、アシェンに視線が移動していく。

 

 

桜香「また見慣れない連れがいるけど、何?貴方達の仲間?」

 

 

零「ぐぅっ……うん?ああ、この三人か?コイツ等は――」

 

 

なごみ「どうも、初めまして皆さん。零さんの実妹兼恋人の高町なごみです」

 

 

アシェン「なごみお嬢様の護衛兼零様の愛人のアシェン・ジョーカーです、以後お見知り置きを」

 

 

ドール「浮気相手のドールです。ちなみに彼との馴れ初めは酔っ払った彼に暗い路地で後ろから―――ポッ(*´ω`*)」

 

 

姫「そして私が正妻ポジの姫だ、記憶しておいてくれ♪」

 

 

零「一度にボケるのだけは止めろォッ!!ツッコミが追い付かんわァッ!!」

 

 

絢香「れ……零さん……そんなっ……」

 

 

紗耶香「じ、実の妹までっ……其処まで堕ちたかっ……!!」

 

 

桜香「……一夫多妻去勢剣……鍛えに鍛えたこの剣技を見せる時が来たか……」

 

 

零「お前等もお前等で真に受けんなッ!!本気で心が折れるッ!!」

 

 

なごみ達の自己紹介で思いっ切りドン引きして軽蔑の眼差しを向けて来る絢香と紗耶香、更にその隣でなにやら物騒な事を呟く桜香に冷や汗を流しながら卓袱台を叩いて叫ぶ零だが、元凶の姫達はそれに意に介さず絢香達が用意した茶菓子に興味を向けご馳走になっていたのだった。

 

 

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