仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―〇〇〇ホテル・エントランス―
『ヒヒイィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーイィンッッッ!!!!!!』
―ドグオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーオオォンッッッ!!!!―
イクサF『グウゥッ!!止めろッ!!止まるんだ馬鬼ッ!!私の声を忘れたのかッ?!』
ディケイドと怪人Sが激突するその頃、エントランスでは怪人Sが足止めの為に残した馬鬼が雄叫びを上げながら暴風のように駆け、イクサFへと突進し続ける光景があった。それに対しイクサFも床を転がるようにして馬鬼の突進を回避しながら必死にそう呼び掛けるも、馬鬼はそれを聞き入れずに構わずイクサFへと再び突っ込んでいき、それを目にしたイクサFは馬鬼の体当たりを受け流しつつその背中に飛び乗り、手綱を握って引っ張り上げた。
『ヒヒイィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイィンッッッ!!!!!!』
イクサF『クッ!このッ!言う事を聞けッ……!ウワァッ?!』
必死に手綱を引っ張り馬鬼を静めようとするイクサFだが、馬鬼はまるで言う事を聞こうとはせずに激しく暴れ回ってイクサFを背中から強引に振り落としてしまい、何度も床を転がり倒れ込んだイクサFに向けて頭部にある鬼の角を青白く光らせた。そして……
―シュウゥッ……バチイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!―
イクサF『ッ?!クソッ!!』
馬鬼の鬼の角から蒼白の雷が撃ち出され、イクサFへ容赦なく襲い掛かったのであった。イクサFもそれを見て舌打ちしながら慌てて雷撃を回避すると、雷撃はイクサFの背後の壁に直撃して巨大な爆発を起こし、イクサFはそれを背に何処からかイクサカリバーカリバーモードを取り出し馬鬼に目掛け疾走し、左腰からカリバーホイッスルを取り出しバックルのイクサナックルへと装填して押し込んでいく。
『I・X・S・C・A・L・I・B・E・R・R・I・S・E・U・P!』
イクサF『―――言う事を聞かないなら、力付くにでも聞いてもらうぞッ!!』
無機質な電子音声と共に、十字架を模したイクサFの仮面部分が起動音と共に開き、その下に隠された赤い複眼が露わになった瞬間、イクサFから凄まじい熱量が放出されバーストモードへと移行する。そして莫大なエネルギーを刃に纏ったイクサカリバーを身構え、馬鬼はそんなイクサFを近付けさせまいとして続け様に雷撃を放つが、イクサFは雷撃を浴びせられながらも気合いで潜り抜けて馬鬼に肉薄し……
イクサF『ハアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!』
―ズバアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーアァァアンッッッ!!!!!―
『――――ッッ?!!!』
横一閃に振るわれた必殺の斬撃……イクサ・ジャッジメントが馬鬼の身体に叩き込まれていったのだった。そしてイクサFの必殺技をまともに受けた馬鬼は全身から青白い無数の火花を撒き散らしながらふらつき、そのままゆっくりと足元から崩れ落ち床に倒れ込んでいったのだった。
イクサF『っ……ぜぇっ……ぜぇっ……全く手間をっ……昔は此処まで暴れ馬ではなかったというのにっ……』
疲れたように肩を上下に揺らしながらそんな愚痴をこぼしつつ、イクサFは膝を折って馬鬼の首にゆっくりと手を添える。加減はした為に気を失っているだけで済んだらしく、イクサFは安堵の溜め息を漏らしホッと胸を撫で下ろすが、其処へ上のフロアから人造幻魔達が飛び降りてイクサFと馬鬼にジリジリと迫って来ていた。
イクサF『ッ!まだこんな数が……グッ!』
迫り来る人造幻魔達を見て迎撃すべく立ち上がろうとするが、先程の馬鬼の雷撃のダメージが響いてその場に膝を付いてしまい、人造幻魔達は獣のような唸り声を上げてそんなイクサFに刀を振りかざして斬り掛かろうとした。その時……
―バッ!―
アシェン「―――デモンズスラッシュッ!!」
―ドバアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーアァンッ!!!!―
『ッ?!ゥオアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーアァッッッ?!!!』
―ドッガアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーアンッッッ!!!!―
イクサF『――ッ?!』
イクサFの背後から不意にアシェンが飛び出し、強大なエネルギーを纏った右足で後ろ回し蹴りを放ち人造幻魔達を纏めて吹き飛ばしていったのだ。そしてその光景を見てイクサFも驚き、アシェンはそんな彼女の前に着地し残りの人造幻魔達と対峙した。
イクサF『アシェン?!』
アシェン「此処はお任せを、姫様は後方まで後退してお嬢様達の守りをお願いします」
イクサF『それは……私も助かるが、君一人で大丈夫かっ?』
アシェン「ご安心を。それにお嬢様から、詳しく話を聞き出す為に幻魔を一体取っ捕まえるという命を受けましたので、そう簡単にはやられません」
イクサF『……いや、高等幻魔はともかく、下級幻魔は大体知能や言語は取り除かれているから、多分奴らから話は聞けないと思うぞ……?』
アシェン「そうなのですか……では解剖用として一体ふん捕まえるとしましょう。それなら息の根を止めても問題ないでしょうし」
イクサF『物騒だなぁ……だが頼りになるよ。では、此処は任せた……!』
両手をバキバキ鳴らし殺る気十分なアシェンの背中に頼もしさを覚えながら、イクサFはこの場をアシェンに任せて後方の絢香達の下まで後退していく。そしてアシェンもイクサFの気配が離れていくのを感じ取りながら目の前に目を向けると、他のフロアからもぞろぞろとその数を増やし集まって来る人造幻魔達の姿があった。
アシェン「まだこんなにも残ってましたか……まるで砂糖菓子に群がるアリですね。しかし、私は向かって来る相手に甘くはないですよ?」
『ウォオオオオオオオオオオオオォッ!!!』
アシェンがそう告げたと共に、人造幻魔達はゾンビのような雄叫びを上げながら刀を振り上げてアシェンに突っ込んでいき、それに対してアシェンも拳を構えながら最初に斬り掛かってきた二体の幻魔達を殴り飛ばし、大群へと突進していくのであった。
◇◆◇
―〇〇〇ホテル・屋上―
『……!』
―ズギャアァンッ!!ズギャアァンッ!!―
ディケイド『チィ!ちょこまかとッ!』
同じ頃、屋上では零が変身したディケイドがGモードに展開したライドブッカーで怪人Sを銃撃していくが、怪人Sは深夜の闇による視界の悪さを利用して屋上内を素早く駆け回り、ディケイドの放つ銃弾は怪人Sの姿を捉えられずにいた。
ディケイド『ッ!すばしっこさじゃ向こうが上か……だったらコレだッ!』
このまま戦っても怪人Sに追い付けないと感じ、ディケイドはライドブッカーを左腰に戻しながらカードを一枚取り出してバックルに装填しスライドさせていった。
『FORMRIDE:KIVA!GARULU!』
ドライバーからの電子音声と共に、ディケイドの姿がキバ・ガルルフォームへとフォームチェンジしながらバックルから現れたガルルセイバーを左手に手にしていったのであった。そしてDキバはガルルセイバーを右手に持ち替えながら格段に向上した脚力で怪人Sの気配が感じられる方向へと素早く駆け出し、怪人Sの進行方向に飛び出てガルルセイバーで斬り掛かった。
『ッ!―ガギイィィィィィィイッ!!―グッ!』
DキバG『チッ……紙一重で避けたか。だが、コレでお前に一方的に振り回されずに済むな。ハアァッ!!』
刃が届く直前に身体をずらして直撃を避けた怪人Sに向けそう言いながらガルルセイバーの刀身をスルリと撫で、Dキバは獣のように荒々しい太刀筋で怪人Sへと斬り掛かっていった。対する怪人Sもマントを翻しながらDキバの剣をかわし続けるも、次第に刃が所々に掠れて火花が散り、このままでは勢いに圧されると悟った怪人SはDキバの頭上を飛び越え、そのまま隣のビルに逃げようとホテルの屋上から空高く飛び上がっていった。
DキバG『ッ!逃がすかッ!』
それを見たDキバも怪人Sを逃すまいと左腰のライドブッカーからカードをもう一枚取り出し、バックルに投げ入れて手早くスライドさせた。
『FORMRIDE:KUUGA!DRAGON!』
DクウガD『ゼエアアァッ!!』
―バッ!!ガシイィィッ!!―
『?!くっ……!』
電子音声が鳴り響く同時にDキバの姿がクウガ・ドラゴンフォームへとフォームチェンジし、変身完了と共に並外れた跳躍力で飛び上がり上空の怪人Sの左足を掴んで力付くで引っ張ったのだ。それによりバランスを崩した怪人SはDクウガと共に向かいのビルの屋上に落下して何度も転がりながら倒れ込み、Dクウガは咄嗟に受け身を取って地面を転がりながら怪人Sから距離を離すと、フェンスのパーツの鉄棒を強引に抜き取って構えドラゴンロッドへと変化させていく。
DクウガD『今の内に一応聞いておくが、投降する気はあるか?もし詫びを入れる気があるなら、これ以上戦うつもりはないが……』
『………………』
『Saber Active!』
Dクウガの問いに対し何も答えようとせず、代わりに怪人Sの左腕から電子音声が発せられ鋼鉄の剣が抜き取られた。それを目にしたDクウガもやれやれと溜め息を吐き、シャンッシャンッと音の鳴るドラゴンロッドを振り回して構え直していく。
DクウガD『全く、そっちも中々強情だな……まぁ、そう来るなら俺も、お前を捕らえるのはやぶさかではないが、なぁッ!!』
『!』
―ガギイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッッッ!!!!!!―
跳躍力が向上した足で一気に地を蹴って怪人Sに向け飛び出しドラゴンロッドを振り上げるDクウガ。それを迎撃するように怪人Sも鋼鉄の剣を振るいDクウガのドラゴンロッドと激突し火花を散らすと、Dクウガが力負けして後方へと追いやられ、其処へ追撃する様に怪人Sは鋼鉄の剣を突き出しDクウガへと突っ込んでいくが、Dクウガはすかさず左腰のライドブッカーからカードを取り出しディケイドライバーにセットした。
『KAMENRIDE:EXZAM!』
Dエグザム『フッ!!』
―ガギイィィィィィィィィィィィィイッ!!!―
『(?!パワーが上がった……?やはり姿を変える度に能力値も変える事が……!)』
再度電子音声が鳴り響き、Dクウガは平行世界の友人の一人である荒垣 晃彦が変身するエグザムにカメンライドし、同じくドラゴンロッドが変化したエグザムカリバーカリバーモードで咄嗟に怪人Sの鋼鉄の剣を下から切り払っていったのだった。姿を変えたと共にスペックも変わったDエグザムに力負けして怪人Sは宙に浮いてしまうが、そのまま後方転回して立て直しDエグザムから距離を取ると、Dエグザムに向け鋼鉄の剣を構えた。
『Saber Brake!』
Dエグザム『(ッ!来るか……!)』
白いマントに隠れた怪人Sの左腕から電子音声が響き渡ると同時に、怪人Sの手に握られた鋼鉄の剣の刀身が水色の極光を纏い雷のように激しく光り輝いてゆく。それを見たDエグザムも怪人Sが必殺の一撃を撃ち放とうとしてるのだと悟り、すぐさまライドブッカーからカードを一枚取り出しディケイドライバーに装填してスライドさせた。
『FINALATTACKRIDE:E・E・E・EXZAM!』
『!フルコンタクトッ……!』
―ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッッッ!!!!―
Dエグザムのバックルから鳴り響く電子音声から敵も何か必殺技を発動させようとしているのだと気付いたのか、怪人Sは鋼鉄の剣の刃を覆う極光を強めながら先手を取ろうと地を蹴ってDエグザムへと突っ込み、Dエグザムもそれに対して冷静にエグザムカリバーをGモードに展開し、そして……
―ガギイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーイィンッッッ!!!!!!―
Dエグザム『グウゥッ?!グッ……!!』
―ガシィッ!―
『……?!』
怪人Sが容赦なく振り下ろした水色の斬撃を避けようとせずその場で左肩で受け止め、そのまま怪人Sの剣を握る手の手首を掴んだのであった。予想外の行動を取られた怪人Sもそれには驚きながらDエグザムから離れようと必死に掴まれた右手を引っ張るが、Dエグザムはそんな怪人Sの腹にエグザムカリバーの銃口を突き付け……
Dエグザム『――すばしっこい奴には、ただ撃ったとしても簡単に避けられそうだったしな……悪く思うなよ』
『!』
―ドガガガガガガガガガガガガガガガガアァッ!!!ボガアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーアアァァンッッッッ!!!!!―
そう言って引き金を引き、エグザムカリバーから強力な火炎弾を零距離から連射し怪人Sを爆発と共に吹っ飛ばしていったのだった。そうして怪人Sはそのまま向かい側のフェンスに叩き付けられてズルズルと地面に座り込んでいき、それを確認したDエグザムは一息吐くと共に痛みで顔を歪め左肩を抑えた。
Dエグザム(ッ……クソッ……思ったより結構効いたなっ。耐久力に自信があるとは言っても、こんな無茶するもんじゃないかっ……)
日頃なのは達に制裁されまくってるのが吉と出たか、今の必殺の一撃をまともに貰ってもどうにか踏ん張る事が出来たが、やはり痛い物は痛い。後で絢香にでも頼んで傷を診てもらおうかと頭の隅でそう考えながら、Dエグザムは警戒心を緩めず地面に座り込んで沈黙する怪人Sに歩み寄ると、エグザムカリバーの銃口を突き付けた。
Dエグザム『詰めだ……今のをまともに喰らってそうすぐには動けんだろ。大人しく盗んだ七桜玉、それと六桜玉が何処にあるのかも吐いてもらおうか?』
『…………』
―ビシッ……ピシィッ……パラァッ……―
Dエグザム『何、悪いようにはしない。正直に話せば、アイツ等だって今回の件は穏便……に……』
エグザムカリバーの銃口を突き付け桜龍玉の居場所を問い掛けるDエグザムだが、その時、グッタリと顔を俯かせたまま何も答えようとしない怪人Sのマスクとパッチ・アーマーが今のDエグザムの必殺技を受けた衝撃のせいか亀裂が走り、仮面の一部が破損してパラパラと破片を落としながら徐に顔を上げ、Dエグザムはその奥に見えた怪人Sの素顔を見て絶句してしまった。何故なら……
Dエグザム『―――お……んな……だとっ……?』
「……………」
そう、怪人Sの割れた仮面の奥に見えたのは、無表情且つ感情の読み取れない瞳でDエグザムを見上げる女の顔だったのだ。怪人Sの正体がまさか女とは思わなかったDエグザムはそれを見てあからさまに動揺し、嫌そうな顔を浮かべながら後退りした。その時……
―バンッ!―
「――ウオッ!下がってッ!」
―バババババババババババババババアァッ!!!!―
「……!」
Dエグザム『何ッ……?!―ズガガガガガガガガガガガガガガガアァッ!!!―グオオォッ?!!』
―ガシャアァァァァァァァァァァァアァンッ!!―
Dエグザムが怪人Sの正体を知り動揺する中、不意に真横から女の叫び声が響き渡った。その声に釣られてDエグザムが振り返ると、其処にはビルの屋上の扉を開け放って飛び出した金髪の女がマシンガンを構えて乱射し、怪人Sがその場から離れたと共にDエグザムに無数の銃弾が浴びせられ吹っ飛ばしてしまい、Dエグザムはディケイドに戻りながらそのまま屋上の一角に集められてたガラクタの山に突っ込んでしまった。
ディケイド(ァッ……グッ……!な、んだっ……この火力っ……?!普通の火器の威力じゃなっ――?!)
―バッ!!―
「――ハアァッ!」
ディケイド『……ッ?!―バキイィィッ!!―グァッ?!』
ライダーの装甲を貫通して吹っ飛ばす程のマシンガンの異常な威力にディケイドが驚きを隠せない中、ディケイドの目前からまた別の女……金髪の女の背後から銀髪のショートヘアの女が飛び出し、そのまま勢いよく地を蹴ってディケイドに向けて跳んだかと思えば身体を勢いよく半回転させ、そのまま空中半回転蹴りをディケイドの頭部へと打ち込んで吹っ飛ばしていってしまったのだ。
突然の不意打ちに驚愕しながらもディケイドは咄嗟に受け身を取って態勢を立て直そうとするが、銀髪の女はそうはさせまいとディケイドへと再び突っ込み殴り掛かっていき、ディケイドは慌てて銀髪の女の打撃技をかわしながら後退していく。
ディケイド『グッ?!おい待てッ?!何なんだお前達はッ?!アイツの仲間なのかッ?!』
「デエェアァッ!!」
―ドグオオォッ!!―
ディケイド『ゴハアァッ?!』
流石に生身の人間を相手に下手に攻撃する訳に行かず防戦一方になりながら銀髪の女にそう問い掛けるが、銀髪の女はそれを聞かずにディケイドに二段蹴りを打ち込み再びディケイドを吹っ飛ばしてしまう。そして……
「――準備OK……折夏ッ!今よッ!」
折夏「……ッ!」
―バッ!―
ディケイド『ぁっ……っ……?な、何だっ……?』
屋上の扉の前で何かの作業を行ってた金髪の女が折夏と呼ばれる銀髪の女に合図を送ると共に、折夏がディケイドから離れると共に、金髪の女は何処からか取り出したのか巨大な銃火器……ロケットランチャーを肩に担ぎ、照準をディケイドに狙い定め……
ディケイド『―――って、ちょっと待てぇえッ!!?そんなもん此処で撃ったらっ――!!?』
ロケットランチャーを担ぐ金髪の女が次に取る行動を悟ったディケイドは慌てて止めようとするが、金髪の女もやはりそれを無視してロケットランチャーの引き金を躊躇なく引いてディケイドに目掛けて弾頭を撃ち出し、そして……
―ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアァァンッッッッッッ!!!!!!!―
ディケイド『ヌオアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーアッッッ?!!!』
弾頭がディケイドへと直撃すると同時に目眩い光りが放たれ、直後に屋上の一角を吹っ飛ばすほどの巨大な大爆発が巻き起こり、ディケイドを一瞬で飲み込んでしまったのであった。そして怪人S達はとてつもなく強大な爆風に吹き飛ばされそうになりながらも必死に耐え、視界を覆う程の黒煙が徐々に薄れて消えてゆくと、黒煙が晴れた先でグッタリと地面に倒れ込む人物……変身が強制解除された零が、全身黒焦げになって倒れる姿があったのだった。
零「……ごっ……グッ……なん、て……馬火りょ……くっ……ゥ……」
余りに馬鹿げたその威力にそんな呟きを最後に、零は意識を失いゴンッ!と地面に勢いよく額を叩き付けてしまった。そして、目標の沈黙を確認した金髪の女はロケットランチャーを下ろして一息吐き、折夏と共に怪人Sの下へと駆け寄っていく。
「ウオ!大丈夫だった?!」
「……えぇ、助かりましたノエル、折夏」
駆け寄って来た二人にそう礼を告げながら右腕に身に見付けたパッチ・アーマー……無数の札を張り付けた無骨な鋼鉄の装甲を纏った籠手を取り外すと、怪人Sの装甲が無数の桜色の粒子となって弾け、怪人Sは長い黒髪をお下げにした一人の女となり、三人はボロボロになって俯せに倒れる零に近づいていく。
ノエル「んで、どうするのよコイツ?幻魔対策の為に改良した火器をぶっ放れておいてまだ息があるみたいだけど、トドメを刺すなら私がやるわよ?」
スルリと、金髪の少女……ノエルは後ろ腰のホルダーに収めたサバイバルナイフを抜き取り零を此処で殺すかどうか質問するが、黒髪の女は零を少しだけジッと見下ろした後、首を左右に振った。
「いえ……確かに彼は厄介な存在ですが、逆に考えれば、彼をこちらに引き入れればこれ以上にない味方になると思います」
折夏「……?引き入れる、とは……彼を?」
「えぇ……何せ彼は、この世界を救った救世主の一人で、あの桜ノ神の加護を受けた人物ですから」
ノエル「ッ!じゃあコイツが……桜ノ神の……?」
桜ノ神の加護を受けた人物と聞いた途端、ノエルの目付きが鋭くなって倒れる零を見据えていき、黒髪の女はそんな零の傍にまで歩み寄って屈むと、零の腰からディケイドライバーとライドブッカーを取り外した。
「……彼がこの世界に再び現れた事は予想外でしたが、ある意味では好機とも言えます。彼を使って、残りの桜龍玉を手に入れるとしましょう」
零から取り外したバックルとライドブッカーを二人に見せながらそう告げると、黒髪の女はバックルとライドブッカーを左手に纏めて持ちながら右手に水色の鎖を生成し、ボロボロの零と向き合って鎖を投げ放ったのであった。