仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―廃ビル・屋上―
『フンッ!!』
―ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!―
ディケイド『?!なごみィッ!!』
なごみ「っ!」
ディエンド『クッ!!』
―バゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッッッ!!!!!!―
満月を背に浮遊するリアが勢いよく振りかざした大鎌から、蒼い三日月の形状の斬撃波がディケイドとディエンドとなごみに目掛けて放たれた。それを目にしたディケイドは咄嗟になごみを脇に抱え、ディエンドもボロボロの身体を無理矢理動かしその場から跳び退くと同時に、斬撃波が三人が立っていた場所に炸裂して巨大な爆発を巻き起こしていったのだった。
ディケイド『ッ!クッソッ、子供がいても容赦無しかよっ……!』
『ただの子供が相手なら、流石の私でも躊躇は覚えるよ。……ただ其処の彼女の場合、どうやら"普通"ではないようだからね……容赦していてはこちらの身が危なそうだ』
なごみ「……?それは……どういう……?」
なごみを見下ろして意味深な発言をするリアになごみがそう聞き返すが、リアはそれに答えず大鎌を振り回してディケイドとなごみに目掛けて猛スピードで突進し、それを見たディケイドはすぐさま前に出てライドブッカーからカードを一枚取り出し、バックルに投げ入れスライドさせた。
『KAMENRIDE:EXE LILY CHALICE!』
―ガギイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイッ!!!―
DエクスL・C『グゥッ!!テメェッ……!!』
『……フォーティンブラスが敗れたのは君達というイレギュラーの出現。そしてそのイレギュラーを侮り、慢心したのが敗因だ。彼のような失敗を繰り返さない為にも、君達のような不安要素を最初から潰させてもらうよ』
DエクスL・C『その為だったら子供が相手でも容赦は無しかっ!』
『その子供に武器を持たせて、わざわざ戦場に連れてきたんだ。闘いの場に現れ、君達と同じイレギュラーな以上、こちらとて容赦はしないさ』
―ガギイィッ!ガガガガガガガガガガガガァッ!!!グガアァンッガギイィィンッ!!!―
DエクスL・C『グゥッ?!ハアァッ!!』
そう言いながら、一見して大振りで扱い難そうな大鎌を軽々と振り回し、斬撃の嵐を容赦なくDエクスへと浴びせていくリア。しかしそれに負けじとDエクスも両手に握るルクナバードとグングニルを組み合わせた連撃で迎え撃ち反撃するが、素早さはリアの方が上で徐々に圧され始めていき、トドメの一撃をDエクスに打ち込もうとリアが大鎌を振り上げた。その時……
なごみ「――砲撃(シュート)」
―ズドオオオォッッッ!!!―
『……!』
―ガギイィッ!!ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァッ……!!ガギイィィィィィィィィィィィィィインッ!!―
リアの死角から突如、一発の巨大な砲撃が不意を突くようにリアに目掛けて襲い掛かったのである。それに反応したリアはDエクスに振り下ろそうとした大鎌の軌道を咄嗟に変えて砲撃に叩き込み、力任せに砲撃を弾き返した。そしてその隙にDエクスがリアから距離を離してリアと共に砲撃が放たれてきた方に振り返ると、其処にはいつの間にか、マジカルルビーの先端をリアに突き付けながら佇むなごみの姿があった。
DエクスL・C『なごみっ?!何やってるっ?!早く逃げろっ!!』
なごみ「むぅ……落第点の返しですよそれは。其処は『いつもすまないなぁ』と言って、私が『それは言わない約束でしょ、アンタ?』と返すところでしょう」
DエクスL・C『こんな場面で何時も通りのボケなんてかましてる場合かぁッ!!』
不満げに口先をちょこんと尖らすなごみに対してそう怒鳴りながらグングニルを地面に叩き付けるDエクスだが、それに反してリアは落ち着いた様子で大鎌の柄の部分を肩に乗せながら、なごみに向けて口を開いた。
『君まで逃げずに向かって来る気かい?自分の世界に大人しく逃げ帰るというのなら、イレギュラーでも見逃してあげても良いと思ったんだけどね』
なごみ「有無もなくいきなり仕掛けてきた癖に、良く言います。それに生憎ですが、貴女のような傲慢かつ危険な思想の持ち主に向ける背中など、持ち合わせてはいませんよ」
『……ふっふふっ、中々耳が痛いな。でもね少女君』
―ブオォォッ……ガギイイイイィッ!!!!―
DエクスL・C『ッ!クッ!』
リアの死角へと素早く回り込んだDエクスが振るったルクナバードとグングニルの斬撃がリアに襲い掛かるも、リアは振り返りもせず背中に回した大鎌だけで安易くソレを弾き、目にも留まらぬ動きでDエクスを地べたに叩き付けて踏み付けてしまう。
DエクスL・C『グアアァッ?!がっ……!!』
なごみ「!零さんっ!」
『―――傲慢であろうが何であろうが、それを貫き通し、実現させた者が"正義"なんだよ……君なら分かるだろ、零君?それがどんなに歪んだ願望であろうと、それを叶えてしまえば誰が何を喚こうが後の祭りでしかないんだ。桜龍玉の力を行使し、この私を蘇らせてしまったようにね』
―ドッッッ……!!!!―
DエクスL・C『……ッ?!―バキャアアアアアアアアアアアアアァッッッ!!!!!!―ウグアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアァッ?!!!』
そう呟き、まるでサッカーボールを蹴り上げるような感覚でDエクスの体を簡単に宙に浮き上がらせた次の瞬間、リアはそのまま右足を綺麗に振り上げDエクスに踵を打ち込み地面に沈没させてしまった。その内臓と骨の両方を同時に潰されるような激痛に、Dエクスは仮面の隙間から血の塊を吐き出してディケイドの姿へと戻ってしまうが、リアは追撃の手を緩めずに態勢を立て直せないディケイドにミドルキックを容赦なく打ち込み、ディケイドを横滑りに蹴り飛ばしてしまう。
―チュドオォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーオォォンッッッッ!!!!―
なごみ「零さんっ!!」
『……ギルデンスタンが私を蘇らせたのは確かに間違いだろう。だが、私が私の支配を遂げてしまえば、彼の行ってきた非道も正当化されてしまう。当然だ。私が支配する世界では、幻魔が我が物顔でこの世界を巣くう事になるのだからね。幻魔よりヒエラルキーが下の人間達には、それを非難する発言権すらも与えられないんだから』
なごみ「っ!ルビー!」
左足に巻かれてるホルダーから一枚のカードを素早く抜き取り、なごみはカードをルビーに翳しながらその身に光を纏ってリア目掛けて突っ込んだ。そして光が弾けてその中から姿を露わにしたのは、所々肌が露出した青い装束を身に纏い、紅い魔槍を手にした騎士に姿を変えたなごみであり、リアに肉薄すると共に紅い魔槍を突き放つ。だが……
―ガギィイイイイッ!!!ガンガンガンガンガガガガガガガガガガガガガガガガガガアァッッッッ!!!!―
なごみ(ッ……?!これも凌がれるっ……?!)
クラスカードに宿る英霊の力をその身に宿して放つ、神速の域のなごみの魔槍がことごとくリアの大鎌に跳ね退けられていく。それに対してリアはなごみが放つ槍の雨を凌ぎつつ、まるで余裕を表すかのように高らかに笑いながら叫んだ。
『ハハッ、大した魔力じゃないかッ!それの力の元は英霊の力のようだが、それを引き出す為の条件を軽々とこなすその膨大な魔力ッ!"一体誰の姿力を借りたのか"是非に気になるねッ!』
なごみ「ッ!何の話を……!」
『分からないのなら、今はまだ知らなくていいよっ!いずれ君にもその意味が分かる時が――!』
『ATTACKRIDE:TIME QUICK!』
『――ッ!―ガギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギイィッッッ!!!―グッ!!』
なごみ「?!これは……!」
リアが最後まで何かを言い切る前に一つの電子音声が屋上に響き渡り、直後に、何処からか目にも留まらぬスピードで現れた青と白の閃光がリアを切り刻むように襲い掛かったのである。そしてある程度ダメージを与えたと思ったのか、青と白の閃光はそのままなごみを抱えて猛スピードでその場から離れ、青と白の閃光の正体……キャンセラーに変身したディケイドは荒い呼吸を繰り返してなごみを地面に下ろした。
なごみ「零さん……!」
Dキャンセラー『奴の戯れ事なんかに耳を貸すなっ……!お前は此処で大人しくしてろっ!』
余裕のない声音でなごみにそう言い聞かせると共に、ダァンッ!と勢いよく地を蹴ってリアへと突っ込み刀を振りかざすDキャンセラー。対するリアも鎧の所々がボロボロに崩れ始めてるにも関わらず咄嗟に大鎌を振り上げてDキャンセラーを迎撃するが、Dキャンセラーの刀を大鎌で打ち返す度にリアの鎧が音を立てて砂糖のように崩れ、リアの頭部の甲冑の一部が崩壊し素顔が露わになる。
リア「――成る程……それが無効化とやらの力かい。こうも簡単に鎧を形成する神氣を打ち消されるとは……やはり君達の力は中々に厄介だよ」
Dキャンセラー『そうかいっ、俺の力じゃないがっ、お褒め頂き光栄、だっ!』
―ズガガガガガガァンッ!!―
リア「!」
リアの大鎌と刀で打ち合いながら空いた左手で左腰のライドブッカーを掴み取り、瞬時にGモードへと展開して足元を撃ち抜き土埃を発生させた。それによってDキャンセラーの姿を土埃で見失ってしまい、リアは正面を覆う土埃ごとDキャンセラーを切り払うように大鎌を横薙ぎに振るうも空を斬り、既にDキャンセラーの姿は何処かへと消えていた。次の瞬間……
『FORMRIDE:FAIZ!AXEL!』
『Start Up!』
『FINALATTACKRIDE:FA・FA・FA・FAIZ!』
リア「む?!」
頭上から突如、立て続けに無数の電子音声が響いた。そしてその電子音声に釣られリアが空を見上げれば、其処にはいつの間にか四つの紅いポインターがリアを捉える光景があり、そして……
DファイズA『デェェェェアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!』
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガアアァァンッッッ!!!!―
リア「がっ、ふぅっ……!!!」
Dファイズのアクセルクリムゾンスマッシュが連続で炸裂し、無効化の力で殆どの耐久力を失ったリアの鎧を貫いていったのだった。そしてDファイズはリアの背後に着地すると共にもう一度ドライバーにカードを装填し、振り向き様にいつの間にか右手に装着していたファイズショットを勢いよく振り抜いた。そして……
『FINALATTACKRIDE:FA・FA・FA・FAIZ!』
DファイズA『オマケだっ、ついでにコイツも持っていけェッ!!!!』
『Three…Tsu…Wan…』
リア「ッ……!!ふふっ、流石にそれは遠慮しておくよォッ!!」
―ドゴオオオォォォッッッ!!!!―
DファイズA『ッ?!なっ?!』
『Time Out!』
超高速からのDファイズが全力で振り抜いたアクセルグランインパクトを、リアは振り返りもせずに素早く左腕を伸ばして安易く掴み受け止めてしまった。その光景を目にしてDファイズが目を見開くと同時に時間切れでディケイドに戻ってしまい、リアはディケイドが動きを止めているその隙を見逃さずディケイドの腕を引っ張り首を掴んで締め上げていく。
ディケイド『ぐあぁぅっ!ぐうぅっ!』
リア「中々に惜しかったね。鎧の耐久性を落とした上での連続攻撃……最後のを貰っていれば私もダメージを免れなかっただろうが、流石に見切れない攻撃じゃあない。最後の最後で詰めを見誤ったね」
そう言って今度こそディケイドの息の根を止めようとするつもりなのか、右手に持つ大鎌の刃をディケイドの後ろ首に回した。そしてそのままディケイドの首を刈り取ろうと、リアが腕に力を込めて大鎌を勢いよく引こうとした。次の瞬間……
「―――夢幻召喚(インストール)……ギルガメッシュ……!!」
―ジャラァアアアアアアアアアアアアッ、ガギイィィッ!!!―
リア「――っ?!なっ?」
リアがディケイドにトドメを指そうとした次の瞬間、何処から無数の鎖が飛来しリアの動きを止めるように全身へと巻き付いていったのであった。そしてそれによって身動きを封じられたリアが自分の身体に巻き付く無数の鎖を見下ろし鎖が放たれてきた方に振り向くと、其処には黄金の鎧を身に纏い、背後の何もない筈の空間から無数の鎖を伸ばしてリアを拘束するなごみの姿があったのだ。
ディケイド『ッ!なごみっ?!』
リア(ッ……!彼の暴君の鎖だと……?あの模造品、よもや此処までっ――!!)
なごみ「はっ……ッ……今ですっ、大輝さんっ!」
―バッ!!―
何処か辛そうに背後の何もない空間から伸ばした無数の鎖でリアを拘束したままなごみがそう叫ぶと共に、なごみの頭上を一人の戦士……ディエンドがカードをドライバーに装填しながら飛び越え、鎖で全身を縛り付けられ身動きが取れないリアへと素早く接近しリアの腹に銃口を突き付けた。そして……
『FINALATTACKRIDE:DI・DI・DI・DI-END!』
ディエンド『――無効化の力で弱体化されたその鎧とこの距離からの攻撃、流石の君でも耐えられはしないだろう?』
リア「!!」
―ドッッッゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―
そう呟きドライバーの引き金を引いた瞬間、銃口から最大出力のディメンジョンシュートが撃ち出されリアの身体を一瞬で呑み込み、リアを呑み込んだディメンジョンシュートはそのまま屋上の一角に着弾したと共に大爆発を起こしていった。そして、それを確認したディエンドがドライバーを下ろして溜め息を吐くと、リアの拘束から逃れられたディケイドは何度か咳込みながらディエンドを睨みつけた。
ディケイド『海道お前っ……人にばっかり戦わせてっ、自分は良いとこ取りかっ……!』
ディエンド『そんなの今更だろう?俺は君のように何でもかんでも正面からぶつかるような奴じゃないんだ。それに、敵の隙を突いて勝利を得るというのも立派な戦い方の一つじゃないか』
ディケイド『ふざけろっ、人を囮に使っておいてどの口が―ドサッ!―……え?』
すかした態度でそう告げるディエンドに身体を起こして文句を口にしようとするディケイドだが、その時、横合いから何かが倒れる音が聞こえそちらの方に振り返ると、其処には黄金の鎧の姿から元の姿へと戻り、地面に倒れるなごみの姿があった。
マジカルルビー『なごみさん?!しっかりして下さい!』
ディケイド『なごみ……?おいっ、なごみっ!!』
倒れるなごみの下に慌てて駆け出し、変身を解除して零に戻りながらなごみの傍に滑り込みなごみの身体を抱き抱えると、なごみは苦しげに呼吸を繰り返しその顔が赤く高揚しており、零はそんななごみの額に手を当てて驚愕した。
零「何だこの熱っ……?!何で急にこんな?!」
ディエンド『……恐らく、強力なクラスカードを連続して使った反動だろうね』
零「……何?」
何かを知っているような素振りで歩み寄って来るディエンドの言葉を聞き、零が険しげにそう聞き返すと、ディエンドはなごみの傍に浮遊するルビーを指差した。
ディエンド『彼女がさっき使った夢幻召喚というのは、本来ならそう簡単には行使する事は出来ない高度な力……クラスカードというカードの真の力だ。だが、それを引き出すにしても力を行使するにしても、戦い慣れしていないなごみには負担が大きすぎたのさ。他の英霊より強大な力を持つ英雄王のカードなんて物は、特に大きいだろうしね』
零「なっ……お前っ、其処まで知っていながらなごみがカードを使うのを止めなかったのかっ?!」
ディエンド『幻魔神の動きを止めるには、そのカードの天の鎖の力がどうしても必要だったのさ。あのままじゃ君まで殺されていたし、しょうがないだろう?』
零「しょうがないで済むのなら管理局なんかいらないんだよっ!クソッ!だから戦いになんか巻き込みたくなかったのにっ……!」
腕の中で苦しげに荒い呼吸を何度も繰り返すなごみを悲痛な顔で見下ろし、彼女にこんな無茶をさせるような状況を作ってしまった不甲斐ない自分を責めつつも、零は自分が着ている血の付いたボロボロの革ジャンを脱いでなごみの身体に包ませながら立ち上がると、両腕に抱えるなごみをディエンドに預けた。
零「とにかくっ、なごみを連れて早く此処を離れろっ。まだ下の階にアシェン達がいる筈だから、アイツ等と合流するんだっ」
ディエンド『?俺に彼女を運べと?』
零「こうなった責任はお前にもあるだろうがっ!良いから急げっ!アシェン達と合流した後は木ノ花かドールになごみを治療させるんだっ!その間に俺はっ……―バゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!―……ッ?!」
ディエンドにアシェン達と合流しなごみを治療させるように零が言い付ける中、けたたましい爆発音が突如その場に響き渡った。その爆発音に二人も驚愕して思わず振り返ると、其処には今の爆発音の正体の爆発で発生した黒煙が漂っており、そして……
リア「――参ったねぇ……ライダーとは言え人間相手だからと甘く見ていたけど、君達相手に油断し過ぎていたようだ……これじゃ、フォーティンブラスを笑えないなぁ」
……その黒煙の中から、鎧の大半を破壊されボロボロの姿になっているにも関わらず、笑みを浮かべながら未だ余裕を崩さないリアが悠然とした足取りでその姿を現したのであった。
ディエンド『なっ……馬鹿な……あの距離からの攻撃で、殆どダメージがないのかっ?!』
リア「……鎧を失った程度で、私に攻撃が通りやすくなっているとでも思ったのかい?残念だがそれは君達の目論みが甘かったよ……私はフォーティンブラスのように神氣ばかりに頼って、自身を鍛えてこなかった訳じゃない。忘れたのか?私は"初代"で、幻魔を導く為にこの身を神にしたんだ、自分の力でね?」
零「ッ……!クッソッ……早くしろ海道っ!!なごみを安全な場所にっ――!!」
この緊張の場面に似つかわしくない、柔らかい笑みを向けて来るリアを見て戦慄を覚えながらドライバーを再び装着していく零だが、リアはそんな零達に笑みを向けたまま何処からか出現した一本の剣……あの事件で零が姫を守ろうと立ち塞がった際、フォーティンブラスが使用して零を斬り伏せた銀色の魔剣と酷似した黄金の剣を右手に握った。
零「ッ?!それは……?!」
ディエンド『魔剣ディスクゥエル?!』
リア「の原典(オリジナル)だよ……フォーティンブラスも使っていたあの剣は、二代目の幻魔神がこの剣をモチーフにしたモノでね。銘は特にないのだが、そうだね……テフィラー、とでも付けておこうか?」
テフィラー……ヘブライ語で『祈り』の意味を持つ剣を手にしながら笑い、リアはテフィラーを高らかに天へと掲げていく。すると次の瞬間、その動作を合図と取ったかのようにテフィラーの刀身から膨大な神氣が螺旋を描いて勢いよく溢れ出し、まるでテフィラーとリアを中心に渦を巻くように踊り出す。
――――その光景を前に、零とディエンドは確かに、本能的に自身の命の危機を感じ取った。
零「は………海道ォオッッ!!!!!」
ディエンド『っ――!!!言われなくてもっ!!!!』
一瞬、呼吸をするという当たり前の事を忘れてしまっていた零が全力で叫ぶと共に、ディエンドがなごみをしっかりと抱え直しながら全力で背を向け走り出し、零も"アレ"を放とうとしているリアを急いで止めようとライドブッカーから取り出したカードをバックルに捩込むようにセットしながら飛び出した。
『KAMENRIDE:DECADE!』
リア「逃がしはしないよ?君達の危険性を再確認した以上、最早加減はしないと決めたからね……正真正銘の神の一撃、君達に見舞わせよう」
変身して正面から全速力で向かって来るディケイドに目もくれず、リアの右腕がユラリと動く。まるで指を指すような気軽な感覚で、テフィラーの切っ先をディケイドに向け、そして……
白い光がディケイドの視界を覆い、唐突に、彼の意識がそこで途絶えたのであった……。