仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

41 / 519
第四章/魔界城の世界⑥

 

その頃、魔界城の地下。

 

 

其処には砂埃などで汚れた複数の独房が存在し、その中にある一つの牢屋に一人の少女が汚れた部屋の隅で膝を抱えて縮こまる姿があった。

 

 

「っ…ッ…うぅ……」

 

 

少女の瞳から涙の粒がこぼれ落ちそうになるが、涙が落ちる前に少女はすぐにそれを拭いて再び顔を俯かせる。

 

 

小さいツインテールをした金髪の髪に左右の目が赤と緑のオッドアイの少女。その少女こそ、零となのはの娘であり彼等が今助け出そうとしている少女……ヴィヴィオだった。

 

 

ヴィヴィオ「うっ……ッ…」

 

 

ヴィヴィオは泣きそうな表情を浮かべているが、その瞳から涙が溢れそうになるのを必死に堪えていた。

 

 

するとヴィヴィオは目尻に溜まった涙を拭き、何かを決心したようにその場から立ち上がり入り口の扉に近づいて扉を開けようとする。

 

 

だが案の定、扉には鍵が掛かっていて扉は開きそうになく、扉からの脱出は諦めて室内を見回すと、扉の向かいにある壁の一番上に小さな窓があるのを見つける。

 

 

彼処からなら抜け出せるかもしれない。一抹の望みをから、ヴィヴィオはその窓から外へ脱出しようと考えて壁をよじ登ろうとした。そんな時…

 

 

―ドゴォオンッ!!!―

 

 

ヴィヴィオ「ひっ!?」

 

 

突如、入り口の扉が何かによって突き破られ、ヴィヴィオは突然の事に驚いて尻餅をついてしまう。砂煙が辺りに立ちのぼっているせいで入り口の向こうがよく見えないが、煙の中で二つの影がうごめいているのに気づき、ヴィヴィオはまたあの怪物達が来たのではないかと思い震える身体を抑えながら入り口を見据える。するとその内の一つの影が牢屋の中へと入って来て…

 

 

スバル「──いた!ティア!ヴィヴィオ見つけたよ!」

 

 

ヴィヴィオ「……え!?」

 

 

扉の向こうから現れたのは、レジェンドルガではなく、魔界城に侵入してヴィヴィオを探していたスバルだったのだ。予想とは違う人物の登場にヴィヴィオは驚きを隠せずにいた。

 

 

ヴィヴィオ「お姉ちゃん、なんでここに…?」

 

 

スバル「ヴィヴィオが捕まってるって聞いたから、助けに来たんだよ。もう大丈夫だからね。すぐに零さん達にも会えるから」

 

 

ヴィヴィオ「パパ達に…?」

 

 

ヴィヴィオの言葉にスバルは「うん」と頷いて返し、ヴィヴィオを連れ部屋から出ようとした。その時、スバルはヴィヴィオの腰に着いているある物に気づき首を傾げた。

 

 

スバル「あれ?ねぇヴィヴィオ、そのベルトは?」

 

 

そう、ヴィヴィオの腰には黒と白のツートンカラーをしたベルトが装着されていたのだ。スバルはそれが気になってヴィヴィオに聞くが、ヴィヴィオはその問いにわからないと首を横に振った。

 

 

ヴィヴィオ「わかんない……部屋の中で起きたら最初から着いてて…外そうとしたけど全然取れなくて…」

 

 

ヴィヴィオにそう言われてスバルは試しにそのベルトを外そうとしてみたが、何かで固定されているのか確かに外れない。

 

 

スバル(う~ん……?なんだろこれ、爆弾……とかには見えないし、それになんか、零さんや優矢さんのベルトにも似てる気が──?)

 

 

ティアナ「スバルッ!何やってんの!?ヴィヴィオを見つけたんならさっさと逃げるわよ!」

 

 

何だか既視感のあるベルトに首を傾げる中、外で見張りをしていたティアナの声が聞こえスバルは思い出した様に声を上げて入り口の方に振り向いた。

 

 

スバル「あっ、ゴメン!すぐに行くから!さっ、ヴィヴィオ!早く逃げよ!」

 

 

ヴィヴィオ「う、うん!」

 

 

取りあえずベルトの事は後回しにし、スバルはヴィヴィオを背中に抱えて牢屋の外へと出るとティアナと合流する。

 

 

ティアナ「遅い!」

 

 

スバル「ご、ごめん!ちょっとあって!…それより、これからどうするの?」

 

 

ティアナ「……そうね……取りあえずヴィヴィオは助け出せたし、今から零さん達と合流して……これをなのはさんに渡さないと」

 

 

ティアナは自分のポケットから取り出した銀色の腕時計…Kウォッチを見ながら呟く。

 

 

元々はなのはの持ち物なのだが、今回の潜入にて何が起きるか分からないからと、なのはが写真館を出る前に事前にティアナに渡しておいたのだ。

 

 

スバル「あ、そっか。でも零さん達の居場所は…」

 

 

ティアナ「それなら零さん達と別れた場所までいけば何とかなるでしょ…とにかく急ぐわよ!」

 

 

スバル「ん、わかった!」

 

 

仮にレジェンドルガが襲ってきても、ライダーの力さえあれば何とかなる。ティアナはもしもの為にとKウォッチを左腕に装着し、ヴィヴィオを抱えたスバルと共に自分達が来た道を戻って地下から抜け出していった。

 

 

 

 

 

 

 

一方、ヴィヴィオが捕まっていた部屋から離れた牢屋では……

 

 

こなた「───あれ? 今人の声が聞こえた様な…もしかして誰かいる!?おーい!!おーーい!!!」

 

 

地下牢の一番奥の牢屋にて、レジェンドルガ達との戦いで不覚を取り、捕まってしまっていたこなたがスバル達の声に気づいて扉を叩きながら大声を上げる。だが、既にスバル達は地下から脱出していた為にこなたの声は届いていなかった。

 

 

こなた「うう……どうしよう……このままじゃ……」

 

 

こなたは一瞬諦めてその場にしゃがみ込んでしまう。がその時……

 

 

―ドゴォォォンッ!―

 

 

こなた「ひょわああああっ!?な、なに?!」

 

 

突然前触れもなく牢屋の扉が突き破られ、慌ててこなたは扉の側から離れると砂埃が立ちのぼる扉の向こうを見た。すると砂埃の向こうから何かが牢屋の中へと入って来る。

それは……

 

 

進「こなた!無事か!?」

 

 

ゆたか「お姉ちゃん!大丈夫!?」

 

 

こなた「す、進!?ゆーちゃん!?」

 

 

牢屋の中に入って来たのは、こなたを救出しに魔界城に侵入した進とゆたかであり、思わぬ救援にこなたは目を丸くするのであった。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。