仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―海上―
『奴め、また新たな力を手に入れたというのか……?だが……!』
―ギュイィィィィィッ……バシュウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!―
ツクヨミフォームとなって再び戻ってきたディケイドの新たな姿を見て一瞬驚きはしたものの、すぐに冷静さを取り戻した銀色の魔人の操縦で先程放ち損ねた砲撃をディケイドに向けて放つ黄金魔神像。しかし……
魚見『させません……スサノヲ!!』
―バシュバシュバシュッ!ガギイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!!―
『ッ!何……?!』
ディケイドの内に宿る魚見が念動兵装……スサノヲの三基を操ってディケイドの前で三角形の陣形を形作り、巨大なバリアを展開して黄金魔神像が放った砲撃を受け止めたのである。そして、砲撃を受け止めている隙に残りのスサノヲが黄金魔神像へと接近し、素早く周囲を飛び交いながら砲撃を打ち出して黄金魔神像に攻撃を加えていく。
―バシュバシュバシュバシュバシュバシュゥバシュバシュバシュッ!!!チュドオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーオォンッッッッッ!!!!!!!―
『ウオォァアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァッッッ…………!!!?』
『ぬっ、くっ……小癪なっ……!』
縦横無尽に夜空を飛び回るスサノヲ達から撃ち出される無数の砲撃が黄金魔神像に休む間もなく降り注ぎ、銀色の魔人は忌ま忌ましげにスサノヲ達を睨みつけながら舵を操って黄金魔神像でスサノヲ達を薙ぎ払おうとする。そしてディケイドは黄金魔神像の注意をスサノヲ達が引き付けている隙に両足のホルスターに二丁の蒼いライフル……日照と月読を収めると、懐からソルメモリとグレイシアメモリを取り出して日照と月読に装填し、ホルスターから再び抜き取った。
『SOL!MAXIMUM DRIVE!』
『GLACIER!MAXIMUM DRIVE!』
ソルメモリを日照へ、グレイシアメモリを月読へ装填すると共に鳴り響いた電子音声を耳に、ディケイドはホルスターから抜き取った日照と月読を構えながら翼を広げて空高く上昇する。黄金魔神像もそれに気付き、すぐさま無数に分裂した面を飛ばして四方からディケイドを囲み挟み撃ちにしようとするが……
―シュンッ!―
『……?!何ッ!』
ディケイドは突如幻影と共にその場から消え……いや、消えたと錯覚させる程の超スピードで、面達の包囲から脱却してみせたのだ。そしてその光景を見て銀色の魔人が我が目を疑う中……
―バシュバシュバシュッバシュバシュバシュッ!!!パキイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!!―
『ッ!脚が……!』
ディケイドは超スピードで幻影を生み出しながら夜空を駆け抜けて黄金魔神像を翻弄していくと共に、月読から氷の砲撃を連続で撃ち出して黄金魔神像の脚部を凍り付かせ、すかさず其処へ日照から放つ炎の砲撃とスサノヲ達の砲撃を掛け合わせた集中放火を黄金魔神像に浴びせていく。しかし……
―……ガクッ!―
ディケイドT『――ッ?!身体がっ……!』
魚見『!零……?!』
『隙ありッ!!』
―ブオオォォッッッ!!!!!!―
魚見『ッ!スサノヲッ!!』
―ガギイィィッッッ!!!!!!―
超スピードで移動していたディケイドの動きが不意に鈍り、超スピードで動けなくなってしまったのである。そしてディケイドの姿を捉えた銀色の魔人は咄嗟に黄金魔神像の右腕を飛ばしディケイドへと迫り、それを目にした魚見はすぐさまスサノヲ全基を総動員させディケイドの周囲に集めると、ディケイドを包み込むように巨大な四角形の障壁を展開して黄金魔神像の手からディケイドを守った。しかし……
―ミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシッッッ……!!!!!!!―
魚見『くっ、なんて握力っ……!!』
黄金魔神像は全スサノヲが展開する障壁で必死に身を守るディケイドを握り潰そうと障壁を掴む手に徐々に握力を加えていき、それに生じて障壁が軋みを上げていくが、ディケイドは身体を抑えて何も出来ずそれを見ている事しか出来ない。
『ふん、やはり先の戦闘で疲弊しているようだな……それにその姿、先程の姿と幾つか類似点があるが……もしや、時間制限がある事も同じか?』
ディケイドT『ッ……』
『図星か。ならば話は早い、このまま追い込み、時間切れまで追い詰めてやろう……!』
弱点が分かった以上、其処を突かない道理はないと。銀色の魔人は黄金魔神像の握力を更に上げてスサノヲが展開する障壁ごとディケイドを握り潰そうとする。それにより障壁にも徐々にだが亀裂が走り、万事休すに思われた、その時……
『――だったらそうなる前に……』
『貴様ごと、その悪趣味な像を叩き壊すまでだッ!!』
―ガギイィィッッッ!!!バリイィィィィィィインッッッ!!!―
『ッ……?!何っ?』
もう少しで障壁が砕かれようとした瞬間、スサノヲの障壁で身を守るディケイドの下へと突如赤と青の二つの光が飛来し、障壁を掴む黄金魔神像の指の間接部分を斬り裂いたのであった。それによって黄金魔神像の右手は手の平だけを残す形で五本の指全てがバラバラになり、それを見た銀色の魔人は驚愕しながら赤と青の二つの光を目で追うと、其処には背中の翼を纏って高速で移動する龍王と鬼王の二人の姿があった。
『奴らめ、まだっ……!』
鬼王『今よ、零ッ!!』
ディケイドT『ッ!!スサノヲッ!!』
鬼王の呼び掛けと共にディケイドは咄嗟に障壁を解除して黄金魔神像から距離を離すと、八基のスサノヲの銃口から神氣で形成された刃を展開し、ディケイドが右腕を掲げると共に一斉にスサノヲ達が黄金魔神像に目掛けて突っ込み像の全身に突き刺さっていく。
―ズババババババババババババババババアァッッ!!チュドオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーオォンッッ!!!!―
『ぬぐっ!クッ、まだだ、黄金魔神像はこの程度では落ちん……!』
『――ええ。ですからこちらも容赦しませんぜ?』
『……?!』
銀色の魔人がスサノヲ達に突撃された箇所から爆発を起こす黄金魔神像の態勢を立て直そうとしたその時、不意に陽気な声が何処からか聞こえた。そしてそれを耳にした銀色の魔人が驚きを浮かべその声の主を探すと、黄金魔神像の足元……黄金の剣を弓に番わせて静かに狙いを定める、ルーノの姿が其処にあったのだった。
『足元……?!』
ルーノ『伝説の聖剣を矢に使うなんて贅沢過ぎますが、出欠大サービスです……約束された勝利の剣(エクスカリバー)――――!!!!』
―バシュウウゥゥッッッ!!!!―
銀色の魔人がルーノの存在に気付いた時には既に遅く、弓に番われていた黄金の剣が大気を切り裂いて矢として放たれていった。そうしてルーノの手から撃ち出されたソレは猛スピードで打ち上がり、黄金魔神像の胸に直撃し巨大な大爆発を巻き起こして風穴を開けたのだった。
―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!!―
『ッ!黄金魔神像に穴をっ……?!』
ルーノ『今です!!アシェンさん!!』
アシェン「はああああ!!」
ルーノが掛け声を上げたと共に、上空で待機していたアシェンがその声を合図に飛行ユニットを用いて黒煙が立ち上る黄金魔神像の胸の穴から体内へと侵入し、飛行ユニットをパージした。そして……
アシェン「此処まで来た以上、出し惜しみはしません……コードDTD!発動!!」
両腕の拳を胸の前で火花を散らしながらぶつけ合わせて高らかに叫ぶと同時に、アシェンのスーツの一部が露出し、頭部のバイザーが後頭部に回された。そして全ての工程を終えると共に、アシェンは先程までのクールな印象とは明らかに違う明るい笑顔で片腕を掲げながら叫ぶ。
アシェン「リミット解除!!どっぎゃーーん!!此処からボクの一人無双ー!!ファントムミラージュぅッ!!!!」
―ヒュンッ……ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガアアァッッッ!!!!!!ボッガアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーアンッッッッ!!!!!!!!―
明るい笑顔を浮かべてそう言いながらピョンピョンと子供のように軽くジャンプした後、アシェンは肉眼では捉えられない超スピードで残像を生み出しながら駆け出し、黄金魔神像の体内を手当たり次第に破壊して駆け抜けていったのだ。更にそれだけに終わらず……
ディケイドT『こっちも時間がないんだ、一斉攻撃で一気に沈めるっ!!』
魚見『えぇ……!スサノヲ!!』
龍王『応!!』
ルーノ『任せんしゃい!!』
鬼王『オーライ!!いけえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!』
黄金魔神像の内側から攻撃を行うアシェンの後に続き、ディケイドも八基のスサノヲを操作してアシェンが侵入したのと同じ穴へスサノヲ達を突入、散開させてスサノヲ達の砲撃を乱れ撃ち、外側からも龍王、鬼王、ルーノがそれぞれ必殺技を放ち黄金魔神像に集中放火を浴びせていくのであった。
―ドガアァァァンッ!!!ボガアァンッボガアァンッチュドオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーオォンッッッッ!!!!!!―
(ッ!クッ、神氣が上手く働かないっ……まさか此処まで追い込まれるとは……奴らの力を侮り過ぎたかっ……)
―ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―
『!!』
銀色の魔人が黄金魔神像の体中から巻き起こる爆発の揺れに堪える中、背後の壁が爆発と共に打ち破られた。その爆発に驚愕し銀色の魔人が反射的に背後に振り返ると、破壊された壁の向こうから立ち込める爆煙の中からゆっくりと一人の人物……通常形態に戻ったアシェンが姿を現した。
『貴様……』
アシェン「やっと追い詰めました……チェックメイトです」
『…………』
スチャッと、静かに両拳を構えながら鋭い眼光で銀色の魔人を見据えるアシェン。しかしそんな彼女を見て銀色の魔人も身構えようともせず、右手を舵に乗せたまま動かない。
アシェン「これ以上の戦闘は無意味です。私と零様達が体内で暴れ回った事で、この像も長くは持たない。貴方達の負けです……降伏するのなら今の内ですが」
『……確かに貴様の言う通りだな……今回の戦いは、私の敗北で間違いない。正直見くびり過ぎていたよ、貴様達の力をな』
アシェン「……妙に潔いのですね……」
『私とて己が未熟さが招いた敗北は認めるさ。ああ、だから、この戦いは貴様等に花を持たせよう……ただ――』
バキイィッ!と、其処で言葉を区切ると共に、銀色の魔人は突然握り拳を作った右手を振り上げ、舵の中央に叩き付けて舵を破壊してしまった。
アシェン「ッ!何を……?!」
『―――敗走の行き掛けの駄賃ぐらいは、貰っていっても構わんだろう?』
―ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!―
銀色の魔人が不敵な笑みを浮かべてそう告げたと共に、コックピット内に突如けたたましくアラームが鳴り響き、コックピット内が赤く点滅し始めていく。
アシェン「ッ?!何をしたのです?!」
『大したことはしていない。ただ最後の苦し紛れに、起爆装置を起動させただけだ……まぁ、一度爆発すれば、半径数百キロ程は跡形も残さず吹き飛ぶ品物だがな』
アシェン「なっ……?!」
一度起爆すれば、半径数百キロが吹き飛ぶ事になる。何の感情もなく平たい口調でそう説明する銀色の魔人にアシェンも驚愕を浮かべ動揺してしまうが、銀色の魔人はそんな彼女を他所に背後に歪みの壁を出現させた。
『起爆までの時間は一分半……止めるなら急ぐ事だ。でないとどの道、桜ノ町は勿論、この近辺一帯は一瞬で消滅する事になるぞ』
アシェン「ッ!待ちなさいッ!!」
歪みの壁の中へと逃げようとする銀色の魔人を逃がすまいと、アシェンは咄嗟に地面を蹴って勢いよく飛び出し銀色の魔人に目掛けて跳び回し蹴りを打ち込もうとする。しかしアシェンの蹴りが届く前に銀色の魔人は歪みの壁に呑まれ何処かへと消えていってしまい、残されたアシェンは地面に着地してすぐに辺りを見回して悔しさをぶつけるように床に拳を叩き付けた後、すぐさま思考を切り替えて銀色の魔人が破壊した操縦桿を慌てて調べ始めていくのだった。