仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―海上―
―ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!ボッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―
『………………………………………………』
そしてその頃、体内に侵入したアシェンに内側から、外側から全力の一斉攻撃を撃ち込んだディケイド達によって一時は激しくもがき苦んで暴れ回っていた黄金魔神像だったが、その動きが急に突然停止し、今はもう全身の至る所から発生している小規模の爆発にも反応を示さず完全に停止していた。
龍王『……?なんだ?急に動きが止まった……?』
鬼王『倒した……っていう感じではないわね。まるで事切れた人形みたいな、何だか不自然な感じが……』
ルーノ『ふぅむ……此処はどう判断すべきですかね?もしも倒せたんなら気兼ねなく思いっきり「やったか?!」って喜べるんですが』
ディケイドT『それはフラグ過ぎるから止めろっ……それにしても、一体どうなってるんだ?』
魚見『……内部を攻撃していた中で大事な部分をやられたのか、体内に突入したアシェンさんがあの銀色を止めたのか……いずれにせよ、まだ油断ならないのは確かかと』
ディケイドT『そうだな……取りあえず今は警戒を緩めず様子を見て、アシェンが外に出て来るのを待つしか――』
黄金魔神像がまだ形を残して健在な以上、気を抜かず様子を見て今はアシェンが無事に出て来るのを待つしかないと、ディケイド達が全身から小規模の爆発を起こす黄金魔神像を見下ろしていたその時、黄金魔神像から突然ノイズ混じりの声が響いた。
アシェン『――皆さま――聞こ――ますか?!』
鬼王『ッ?!この声は……』
ディケイドT『アシェンッ?!』
黄金魔神像からノイズに混じって途切れ途切れに聞こえて来る一つの声……黄金魔神像の体内に侵入したアシェンの声であり、声の主がアシェンだと知ったディケイド達も何故彼女の声が黄金魔神像から?と驚きを浮かべてしまうが、その時黄金魔神像の身体から一際大きい爆発が発生した。
ディケイドT『ッ!おい何やってるっ?!早く脱出しろっ!その像はもう長くは持たんぞっ!』
アシェン『分かっていますっ!ですがそういう訳にはいかないんですっ……!あの銀色が余計な置き土産を置いていきやがりましてっ、この像、あと一分で自爆しやがるのですっ!』
『なっ……』
焦躁を露わに余裕のない声でアシェンが告げた衝撃的な事実に、ディケイド達は目を見開いて言葉を失ってしまい、アシェンはそんなディケイド達に先程までの銀色の魔人とのやり取りを話していく。
鬼王『半径数百キロって、嘘でしょっ……?!』
アシェン『今は私の機能で起爆装置に侵入して時間を稼いでますが、起爆自体を解除する事は不可能のようです……このままではいずれっ……』
龍王『な、何とかならんのかっ?!この像を、何処か別の場所に飛ばすとかっ!』
ルーノ『しかしその場合、かなり場所を絞る必要がありますよ?完全に周りに人がいない場所なんざそうそうありませんし、周囲に甚大な被害が出るとなると、私の力でこの像を異次元に飛ばすとか……いや、これだけの巨体を飛ばすとなると、今の私一人では時間が掛かりますね……』
鬼王『クッ、だったら桜ノ神を連れてきて彼女の力で……!』
魚見『いえ、彼女にはもう奇跡の力を行使するだけの神力は、もう……』
ディケイドT『…………』
つまりは八方塞がり。こうしてる間にも徒に時間だけが過ぎていくのに他に何もいい手段が思い付かず焦りばかりが募る中、ディケイドは何かを思案するように顔を伏せた後、黄金魔神像の体内にいるアシェンに向けて叫んだ。
ディケイドT『アシェン!お前はそのままその像から脱出しろ!後の事は俺達が何とかする!』
アシェン『え……』
鬼王『っ!はあっ?!』
龍王『ちょ、ちょっと待て黒月っ?!任せろってっ、一体どうするつもりだっ?!』
ディケイドT『……要するにあの像を人がいない場所に飛ばせば良いんだろう?だったら最適な場所がある……彼処にな』
そう言って、ディケイドは左腰のライドブッカーからカードを取り出しながら徐に人差し指を夜空で満天の星々より一際大きく輝く星……満月を指差した。
鬼王『月?……まさか?!』
ディケイドT『ツクヨミの力でコイツを彼処に飛ばす……今の俺と魚見の力ならそれぐらい出来るはずだ。そうだろう?』
魚見『それは……いえしかし、こちらももう残り時間が一分を切って……!』
ディケイドT『このデカブツを地球の外に捨てるだけだ、別に戦う訳じゃない。他に手段もない以上、やるしかないだろ……?』
魚見『っ…………』
確かに、自分達には手段を選んでいる余裕などない。ツクヨミの制限時間もある以上悠長にはしてられないのだ。ならば今取るべき策は……
魚見『――分かりました。スサノヲ全基、フォーメーション……!』
ディケイドT『悪いな……アシェンっ!お前も急いで脱出しろっ!準備が出来次第ソイツを飛ばすっ!』
アシェン『っ!了解……!』
アシェンの方もディケイドが提示した作戦に乗るしか方法はないと決断したのか、それだけを伝えて通信を切った。そして魚見の号令と共に、ディケイドの背中の大翼に収まる八基のスサノヲが一斉に起動して宙を舞い、黄金魔神像の後方で巨大な円を作るように陣形を取ると、八基のスサノヲが形作る円の中心に青白い光が灯り、光が広がって巨大なワープホールを作り出していった。
魚見『フィールドを展開、あとは――!』
―……ドグオォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーオォンッッッ!!!―
ワープホールの起動準備を完了した直後、黄金魔神像の胸の中心部分から巨大な爆発が発生し、爆発と共に巻き起こった黒煙の中から飛行ユニットを再装着したアシェンが勢いよく飛び出してきた。
ルーノ『アシェンさん!!』
アシェン「ッ……!こちらは脱出しましたっ!!零様っ!!』
『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』
アシェンの脱出を確認すると共に、ディケイドはあらかじめ取り出してたカードをバックルに投げ入れスライドさせた。そして電子音と共に黄金魔神像に向けてディメンジョンフィールドが現れ、ディケイドは背中の翼から白い光を放出して右足を突き出しながら目にも留まらぬスピードでディメンジョンフィールドをくぐり抜け……
―ガギイイイイイイイインッッッッ!!!!!―
ディケイドT『グッ!!!クッ……ゥウオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!』
フィールドをくぐり抜けたディケイドのディメンジョンキックがけたたましい轟音と共に黄金魔神像に炸裂し、そのまま黄金魔神像の巨体を右足で浮かせて後方に展開されるワープホールにまで突き進んでいった。そうしてディケイドは黄金魔神像と共にワープホールをくぐり抜け、ディケイド達が完全にワープホールの向こう側へ飲み込まれると同時に、スサノヲ達もその後を追いワープホールの光も消滅したのであった……。
◇◆◇
―月面―
―ギュイィィィィィッ……ドシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーアァンッッッッ!!!!!!―
―――地球から遠く離れた宇宙に存在する月の月面。その頭上に突如青白い光が何処からともなく出現し、その向こうから黄金魔神像が現れ背中から月面へと落下していったのであった。そして、黄金魔神像に続いてディケイドも光の奥から現れ黄金魔神像から離れた場所に着地するが、着地と共に突然仮面の口の部分を抑えて激しく咳込み出した。
魚見『ッ?!零っ!』
ディケイドT『ゲホッゲホッ!!ハァッ……ハァッ……お、俺の事はいいっ……それよりっ……』
仮面の下で何度も苦しげに咳き込み吐血しながらディケイドが魚見にそう言って目の前に視線を向けると、そこには全身から火花を撒き散らす黄金魔神像が仰向けに倒れる姿があり、その装甲の隙間からは無数の閃光が次々と溢れ出していた。
ディケイドT『ッ……動き出す気配もない。此処なら周りに被害が出る事もないな……』
魚見『えぇ、急いで戻りましょう?ツクヨミでいられる時間も残されていませんし、このまま長引けば貴方の命にも関わります』
ディケイドT『あぁ……分かった……』
肩で呼吸をしながら魚見にそう言うと、ディケイドは黄金魔神像に背中を向けて月の表面を軽く蹴り、宙に浮きながら背中の蒼い翼に収まったスサノヲ達を再び起動させてワープホールを再形成しようとする。が、その時……
―ギュイィィィィィッ……バシュウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーウゥゥッッッッ!!!!!!!―
魚見『――ッ?!零っ!!』
ディケイドT『ッ?!何っ?!』
―ドグォオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーオォォンッッッ!!!!―
スサノヲ達に再びフォーメーションを形成させようとしたその時、背後から突如巨大な砲撃が襲い掛かって来たのだ。それに対しディケイドは直感から思い切りその場から跳び退くも完全に回避し切る事は叶わず、左足を砲撃に焼かれながら爆発の余波で吹っ飛ばされ地面を滑るように叩き付けられてしまった。
魚見『零っ?!無事ですか?!しっかりっ!』
ディケイドT『ァッ……!グッ……お、俺は平気だっ……それより、今のはっ……!』
装甲が焼き焦げて白い煙が立つ左足を抑えつつ、ディケイドは仮面の下で苦痛で顔を歪めながら今の砲撃が撃たれてきた方に視線を向けると、ディケイドと魚見の表情がみるみる内に驚愕の色へ染まっていってしまう。何故なら、二人が目にしたのは……
『グルルルルルルルゥッ……グルアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!!!』
……今まで動く気配すらなかったハズの黄金魔神像の上半身が口から白い煙りを立たせ、地に両腕を付けてこちらを見据えながら獣のごとく咆哮する姿が其処にあったのだった。
ディケイドT『なっ……どういう事だっ?あの像っ、また動き出したのかっ……?!』
魚見『まさか……!此処へ飛ぶ前まではそんな気配は何も……ッ?!』
今まで動き出す気配なんて微塵もなかったはずの黄金魔神像の再起動にありえないと驚愕する魚見だが、その時魚見はあるモノを見て再び驚愕してしまう。何故なら黄金魔神像のすぐ傍に下半身の部分に当たる筈の異形の像があり、下半身を失った黄金魔神像の上半身からは、まるで白い大蛇を彷彿とさせる長い尻尾がユラリとうごめき伸びていたのだ。
ディケイドT『尻尾……?何だアレは……奴は像じゃなかったのか?』
魚見『アレは……そんな……まさかっ…………』
ディケイドT『?魚見……?』
『フシュウゥゥゥゥッ……グゥオアァァァァァァァァァァァァァァァァアッッッッ!!!!!』
―バキッ……ビシィッ、パキッ……バリイィィィィィィィィィィィィインッ!!!!―
黄金魔神像の上半身から伸びる巨大な白い尻尾を見て何かに気付いたかのように動揺を露わにする魚見。そんな彼女の反応に対しディケイドが訝しげな顔を浮かべる中、ディケイドに向かって獣のように吠え続ける黄金魔神像の金の装甲に突如亀裂が走り、亀裂は装甲全体に広がって全て地面に崩れ落ちていったのだった。そして、装甲が崩壊した黄金魔神像の中には……
『グゥオオアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!』
純白の翼と、まるで悪魔のような形相の白い異形……。
黄金魔神像の中からその姿を現した謎の怪物を目にし、魚見が僅かに声を震わせ呟く。
魚見『間違い、ない……あれは、"フォーティンブラス"……!!』
ディケイドT『ッ?!なんだとっ?!』
『グウゥッ……ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!』
震える声で魚見がそう口にしたのは、嘗て零達がこの世界で倒した先代幻魔神のフォーティンブラスの名。目の前の巨大な異形がソレだと言われディケイドも思わず目を見開き驚愕するが、謎の異形……フォーティンブラス・激情態はその巨大な両腕を振るってディケイドに向けて衝撃波を放ち、ディケイドはそれを見て慌ててその場から跳び退きギリギリ衝撃放を回避した。
ディケイドT『クッ!!おい、どういうことだっ?!あの化け物がフォーティンブラスだとっ?!』
魚見『え、えぇ……アレはフォーティンブラスのもう一つの、儀式用の仮の姿……私も数百年前に一度目にした事がありますから、間違いないかと……』
ディケイドT『だとしても何でフォーティンブラスがあの像の中から出て来るっ?!奴は俺達が倒したんだぞっ!!』
そう、フォーティンブラスは確かにあの戦いで零達に敗れ、その魂は幸助の手によって断罪された。だからこそフォーティンブラスが復活するなどありえないと否定するディケイドだが、魚見は見境なく辺りを攻撃するフォーティンブラスを見て分析するように呟いた。
魚見『あくまでも私の推測ですが、恐らくあのフォーティンブラスに断罪の神に断罪された魂は宿っていません。アレは知性もなく、ただ破壊衝動のままに行動する破壊魔……貴方達に滅ぼされた肉の身体のみをかき集めて再生させただけの、空っぽの存在です』
ディケイドT『肉体を再生……ようするに完全な復活じゃなく、再生怪人の類って事か……?』
魚見『ただの再生ならその括りで違いはないのでしょうが……あのフォーティンブラスからは、黄金魔神像と戦った時より強烈な神氣を直に感じます。恐らくはリアから奪った神権は黄金魔神像にではなく、像の中に隠されていたあのフォーティンブラスに吸収されたのかもしれません……だとすると黄金魔神像の本来の役目もフォーティンブラスに吸収された神権がアレに定着するまでの時間稼ぎと隠れみので、起爆と共に動き出す仕掛けになっていたのかもと……』
ディケイドT『……成る程な。どんなカラクリであの女から神権を奪ったのかも気になってはいたが、そういう事かっ……』
桜龍玉で蘇ったリアが駄目なら黄金魔神像に保険を、黄金魔神像も倒れるのなら更なる保険にフォーティンブラスを再び幻魔神として復活させる。死んでもなお何処まで用意周到な保険を残していたギルデンスタンにディケイドも思わず毒づくが、フォーティンブラスはそんなディケイドに向け今度は口から広範囲の炎を放出して襲い掛かり、それを見たディケイドも咄嗟にスサノヲでバリアを展開し炎を凌いだ。
魚見『ッ!とにかく一先ず撤退をっ!ツクヨミを維持出来る時間も残されていませんしっ、爆弾も恐らくはフォーティンブラスが脱ぎ捨てたあの下半身の像の中ですっ!彼処から、膨大な熱源反応が……!』
ディケイドT『ッ……そう言われてもなっ……!』
フォーティンブラスの出現に加えてツクヨミフォームを維持出来る時間もなく、更には半径数百キロを消滅させる爆弾がまだすぐ傍に健在なのだ。こんな状況で戦闘を続けるのは危険だと魚見が撤退を促すが、このままフォーティンブラスを放置して戻る事など出来るはずもない。ディケイドはそう考えながら炎の勢いが緩んだと共に、障壁を解除してスサノヲと共にフォーティンブラスに目掛け疾走した。
魚見『?!零、何を?!』
ディケイドT『決まってるだろうっ!!此処で奴を仕留めるっ!!』
魚見『なっ……話を聞いていなかったんですか……!このままでは貴方の身体が!』
ディケイドT『どっちにしろ此処で退いたら奴に対抗する手段がなくなるっ!!ツクヨミまで使えなくなれば、そうなったら誰が奴を止めるんだっ?!』
魚見『それはっ……しかし……!』
ディケイドT『奴を放って甚大な被害が出るよりかはマシだろっ……!俺も少し時間がオーバーしたぐらいじゃ簡単には死なんっ!!勝手な事を言っているのは重々承知だが――』
―シュウゥゥゥゥゥッ……ズドオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーオォォォンッッッッ!!!!!!!―
ディケイドがフォーティンブラスに向けて襲い来る炎をかい潜りながら疾走する中、フォーティンブラスの額にある赤い瞳に雷が宿り雷撃となってディケイドに襲い掛かり、ディケイドは超高速移動でそれを回避しながらフォーティンブラスの背後に回り込んで両足のホルスターから日照と月読を抜き取った。
ディケイドT『―――勝手ついでだ……地獄の底まで付き合ってくれよっ……』
魚見『ッ……貴方という人は、本当に……スサノヲっ!!』
無茶なのを承知で頼むディケイドに渋々ながらも納得してくれたのか、魚見は八基のスサノヲを念で操ってフォーティンブラスに突撃させて包囲し、スサノヲ達から神氣で構成された光線が放出され、フォーティンブラスの身体を雁字搦めに縛り付けた。
『グゥオオオッ?!!』
魚見『残り時間は50秒っ……!急いでっ!!』
ディケイドT『ッ!!』
魚見が叫ぶと共に、ディケイドは背中の両翼から光を放出しながら猛スピードでフォーティンブラスに接近し、フォーティンブラスの額へと着地すると共に日照と月読を合体させて一つのパーツにし、其処へソードモードに切り替えたライドブッカーを合体させて巨大な深蒼の銃剣に変化させていった。
ディケイドT『三重連……!!アメノハバキリッ!!』
『SOL!MAXIMUM DRIVE!』
『GLACIER!MAXIMUM DRIVE!』
日照と月読、そしてライドブッカーを合体させた銃剣……アメノハバキリを掲げると共に装填された二つのメモリから電子音声が響き、それと同時にディケイドは勢いよくアメノハバキリの銃口をフォーティンブラスの額に突き刺した。
―ブシャアアァッ!!!!―
『ッ?!!ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッッッッ!!!!!?』
ディケイドT『クッ!最大出力だっ……吹っ飛べええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!!!』
―シュウゥッ……バシュウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!―
頭を激しく振り回すフォーティンブラスの額に必死にしがみつきながら引き金を強く引き、アメノハバキリの銃口から赤と水色が入り混じった巨大な砲撃が撃ち出されフォーティンブラスの額を安易く貫いていったのだった。が……
『ゥゥッ……ウウオアアアアアアアアアアアアアッ!!!!』
ディケイドT『ッ?!何っ?!―バキイイィィィッッ!!!!―グゥアァァァァァァッッ?!!!!』
魚見『零ッ?!くっ?!』
―チュドォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーオォンッッッ!!!!―
フォーティンブラスはディケイドが最大出力で放った砲撃に額を貫かされながらも息絶える事なく、苦しげに悶えながらまるで羽虫を払うかのようにディケイドを殴り飛ばしてしまったのだった。そしてディケイドはそのまま数十メートル先の岩場にまで吹っ飛ばされ岩に叩き付けられてしまい、フォーティンブラスも額から血を流しながら唸り声を漏らしてそれを確認すると、美しく輝く地球を暫し見上げた後、全身に神氣の光を身に纏い信じられない速さで地球に目掛けて飛び立っていった。
魚見『ぅ……っ……れ、零……無事ですかっ……?』
ディケイドT『ァッ……ぐっ……なんとか、なっ……クソッ、たった一発じゃぁ簡単に沈んでくれんかっ……』
ガララッと、崩れた岩場に埋もれた身体をふらつきながら起こすディケイドだが、複眼に亀裂が走り破片が幾つか地面に落ちていく。しかしディケイドはそれに目もくれずアメノハバキリを杖代わりにして立ち上がり、頭を振って朦朧となる意識を戻すと、光となって地球へと向かってくフォーティンブラスに気付き驚愕した。
ディケイドT『アイツ……まさか、地球に向かってるのかっ?!』
魚見『……恐らく、今は目覚めたばかりで分が悪いと逃走を決めたのかもしれません。それで再び身を隠す為に地球へ……』
ディケイドT『ッ!クソッ……!魚見、残り時間はっ……?!』
魚見『……あと30秒……これ以上は流石に限界です……!スサノヲで転移して急いで此処を離れて下さいっ!近くにはまだ爆弾もっ……!』
ディケイドT『……爆弾……?』
言われて思い出したように、ディケイドは離れた場所で無造作に転がってる黄金魔神像の下半身の像に目を向け、そして……何故だか、仮面の下で不敵な笑みを浮かべた。
ディケイドT『そうか……ギルデンスタンも、中々気の効いた置き土産を置いていってくれるじゃないか』
魚見『……?何を言って……』
ディケイドT『……魚見、今から俺の言う座標にスサノヲでワープホールを展開しろ』
魚見『え……?』
ディケイドからのいきなりの要求に面食らう魚見だが、ディケイドはそんな反応を他所に今さっき考え付いた作戦を魚見に説明していく。
魚見『―――なっ……正気ですかっ?!そんなことをすれば、貴方は……!!』
ディケイドT『奴を確実に仕留める為だ。悪いが俺もこればっかりは意見を引き下げるつもりはない……馬鹿な奴と契約したと思って、諦めてくれ……』
魚見『っ……嗚呼……咲夜が貴方を契約者に選んだ気持ちが、何となく分かってきましたっ……』
ディケイドと一体になって彼が本気であることを感じ取れたからか、これ以上は何を言っても無駄だと呆れや怒りとも取れる溜め息を吐きながら八基のスサノヲに念を送り、ディケイドもそんな魚見に苦笑しながら黄金魔神像の下半身の像に爪先を向け走り出していくのだった。