仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

413 / 521
番外編/桜龍玉と新たな神⑯

 

 

―――その後、魚見を神界に連れ戻した真姫を信じて事後処理を任せて、桜ノ町に戻った零は絢香達の手により病院に運ばれて厄介になる事が決まった。

 

 

もし姫に僅かでも力が残っていれば彼女の力で怪我もすぐに治せるのだが、生憎自分の怪我を治すほどの力も残っていない今の彼女にそんな芸当は不可能であり、零や同じく他のメンバーと共に彼女も病院で治療を受ける事となった。(零が搬送された先の病院の先生は絢香達の知り合いらしく、彼女達の事や幻魔の事も承諾済みだったらしい)

 

 

無論他の面子はともかく、重傷を負った零が運ばれた時には医師達も血相を変えていたが、再生の因子の力のお陰か驚異的な治癒力で大体の傷は治療され、一日も休めば歩けるようになるまで回復し医師達を驚かせていたが、それでも左腕と左足は骨折したままで松葉杖無しでは満足に歩けないようだ。

 

 

ノエルと折夏に関しては、双方とも大した外傷もなく軽傷で済み、零が用いたクロスライドによりギルデンスタンの洗脳から解放された折夏も翌日になってから何事もなく目を覚ました。

 

 

念の為に病院で折夏の体をレントゲンで撮って貰ったが、ギルデンスタンに改造された箇所以外は特に異常は見られないらしく、一先ずは大丈夫なようでノエルも安堵を露わにしていた。

 

 

魚見達が町を賑わせていた怪盗騒ぎの件については、取りあえずは表向きに犯人を逮捕したという情報のみをマスコミに流し、騒ぎを鎮静化させる事を決断した。

 

 

無論それだけで許されるなんて虫が良い話だろうし、ノエルもそれを自覚し町を騒がせた責任を償う為に絢香達に自首を提案したが、盗まれた桜龍玉の持ち主である桜ノ神社が警察への届けを取り下げ、彼女達のお陰でギルデンスタン達の存在に気付き最悪の事態を回避出来たのもまた事実な為、窃盗の被害に遭った各所に直接赴き頭を下げる形で許してもらう事となった。

 

 

そして、神界に連れ戻され審議会に掛けられることになった魚見は……

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

―桜ノ神社―

 

 

零「―――結局、あれから何の音沙汰も無しか……」

 

 

絢香達とノエルが窃盗事件の被害に遭った各所に顔を出し終えた後の昼下がり。青空を仰いで溜め息混じりにそう呟き、額に白い包帯、左腕と左足にギブスを身に付けて松葉杖を付く零は絢香達とノエルに見送られ、姫、ドール、なごみ、アシェンと共に桜ノ神社の前に立っていた。

 

 

姫「恐らく、神界の審議会がまだ長引いているのかもしれないな……保身派達を全員納得させる事などそうそう簡単な事ではないだろうが、上役が付いててくれているから心配は入らないと思うが……」

 

 

ドール「いつ終わるか分からない審議会から、あの人が帰ってくるのを待つのはこれ以上無理でしょうなぁ……私らもあんま長居出来ませんし」

 

 

アシェン「私とお嬢様も、これ以上の滞在は滝様達に心配をお掛けする事になってしまいますからね」

 

 

なごみ「後の事は、絢香さん達に連絡して知らせてもらうしかありませんね……ホントに心苦しいですが」

 

 

魚見が保身派達からどんな処遇を受けることになるのか。それだけが心配でならないのに最後まで見届けることが出来ず、元の世界に帰らねばならないことに対し申し訳ない気持ちになる姫達だが、絢香はそれに対し苦笑いを浮かべながら首を左右に振った。

 

 

絢香「申し訳ないのは寧ろこちらです。二度も皆さんにこの町を守ってもらったのに、こちらに出来ることはもうそれぐらいしかありませんし……まともにお礼も返せないなんて、情けない限りです……」

 

 

アシェン「いいえ、私達は感謝を言われるような行いは何もしていません。それに……」

 

 

零「……最終的にこの町を救ったのは市杵宍の力だ。俺もただアイツの力を借りて戦っただけだしな。礼を言うなら、アイツが帰ってきた時に直接言え」

 

 

ノエル「…………」

 

 

照れ隠しでもなんでもなく、本当にそうだからという意味で瞳を伏せながらそう語る零だが、魚見の名前を聞いたノエルは不安を露わにした暗い表情を俯かせてしまう。そして零はそんなノエルの様子に気付き薄い溜め息を吐くと、ノエルの前に歩み寄りポケットに手を突っ込んだ。

 

 

零「――コーマット、受け取れ」

 

 

ノエル「……え?」

 

 

無愛想な態度でそう言って零がポケットから取り出しノエルに差し出したのは、何処かの連絡先が書かれた一枚のメモだった。

 

 

ノエル「何、これ……?」

 

 

零「阿南家って所の一員の"阿南 信義"って奴の連絡先を書いたメモだ。此処へ連絡すれば、お前と立花を元の身体に戻す治療をしてくれるそうだ」

 

 

ノエル「ッ?!元の、身体に……?私と、折夏が?!」

 

 

有り得ないものを見るような目で驚愕し、零からおずおずと受け取ったメモを眺めるノエル。てっきりもうこんな身体を治す術はないのだろうと諦めていたからこそだろう、そんな反応を示すノエルに零が付け足すように説明する。

 

 

零「今朝方に連絡を入れて話は既に通してある。腕は確かだし、俺の知り合いでもあるから安心して信じてもらって構わない……後はお前が其処へ連絡すれば、その身体を治療してお前とアイツは普通の人間に戻れるだろうさ」

 

 

ノエル「……でも、私にはそんな資格……沢山の人達にも迷惑を掛けてきたし、アンタ達の事を良くも知らないで目の敵にしたり……」

 

 

桜香「資格なら十分あるでしょ?貴女もあの折夏って子もあの事件の被害者なのだし、貴女達を助けられなかった私達にも責任はある……恨まれても当然よ」

 

 

紗耶香「それに窃盗の件も、私達や関係者がキッチリ許した。……お前達が気にするような事など、もう何一つない」

 

 

ノエル「けど……」

 

 

零「……俺達に対して少しでも悪いと思う気持ちがあるなら、厚意は素直に受け取っておけ。恥を掻かせるなよ」

 

 

零達や自分の復讐の為に町を騒がせた事に対する後ろめたさから、素直に厚意を受け取れないノエルに零が溜め息混じりにそう告げると、ノエルは一度そんな零を見上げて一同の顔を見回した後、控え目にコクりと頷き返した。

 

 

ノエル「ありがと……けど、此処に行くのは、私はもう少し先にしようと思う」

 

 

零「……?何でだ?」

 

 

小首を傾げて訝しげに聞き返す。彼女はギルデンスタンに改造された自分の身体を悍ましいと嫌っていたし、元に戻れる方法があるのにそれを後回しにする理由などない筈だが、ノエルは手の中のメモを見下ろしてポツポツと言葉を紡いだ。

 

 

ノエル「前までの、復讐しか頭になかった私だったら、確かに大喜びして、直ぐにでもこんな身体を治しに行ってたと思う……でも、アンタから仮面ライダーの話とか聞いて、洗脳された折夏の姿を思い浮かべて、あの子の病室で色々考えたのよ……ギルデンスタンはこっちの世界で様々な場所に研究所を作って、其処には奴に捕われた人達や改造された人達が沢山残ってるかもしれないって」

 

 

零「…………」

 

 

ノエル「だから私、考えて決めた……アイツが遺した研究所を全部潰して、捕われた人達を全員助け出して、実験台にされて死んでしまった人達をちゃんと弔ってあげたい……癪に障るけど、その為にもこの身体はまだ必要だからさ……元の身体に戻るのは、後始末を終えて、研究所から救い出した人達と一緒に……ってね」

 

 

零「……その話、立花の奴にも話したのか?」

 

 

ノエル「今朝あの子の病室でね。そうしたらあの子もついて来るって言ってたけど、駄目だって諦めさせた……あの子は私と違って脳まで改造されてるし、今はアンタの力であの子の洗脳を抑えてるけど、根本的な部分が改善されたわけじゃない。退院が決まったら、この信義って人のところに行かせるつもりよ」

 

 

零「……そうか。分かった。そういう事なら信義には俺からそう伝えておくが……お前一人で大丈夫なのか?」

 

 

各地にギルデンスタンが遺した研究所を潰して回って生存者を探して救出する。確かにその為には超人的な力を持つ改造人間の身体は必要だろうが、彼女一人でそれを成し遂げるのは流石に無茶ではないか?と零が問い掛けると、桜香が腕を組みながら代わりにそれに答えた。

 

 

桜香「その心配なら必要入らないわ。ギルデンスタンの研究所の後始末には、私と紗耶香も桜龍玉集めの傍らで付き合うつもりだから」

 

 

姫「?桜龍玉集め?」

 

 

紗耶香「はい……ギルデンスタンの望みを叶えた後、八つの桜龍玉は世界各地に散らばってしまいましたから、その回収の為に我等で世界各地を回るつもりです。もう二度と、ギルデンスタンのような輩の手に渡らぬように、桜ノ神社で保管する為に」

 

 

ノエル「丁度私達が桜龍玉探しに使っていたレーダーもあるし、それなら一緒にどう?、ってこの人達から誘いを受けてね……折夏の抜けた穴を埋めてくれるのなら、私も助かるから断る理由ないし」

 

 

零「桜龍玉を探す旅か……確かにあんなのをまたロクでもない奴に使われでもしたら、面倒この上ないしな……」

 

 

絢香「えぇ。ですから姫様と零さん達が旅に戻って、折夏さんを阿南家に送った後、ノエルさん、桜香さん、紗耶香さん達で研究所の破壊と桜龍玉を探す旅に向かう予定です。その間私は――」

 

 

「―――この町に残って、私と一緒にお留守番という訳だな」

 

 

絢香の言葉を繋ぐように、神社の方から別の声がした。その声に釣られて一同が神社に目を向けると、其処には神社の柱に背を預ける一人の女性……でかでかと胸に『火星人』とプリントされたダサダサのTシャツを纏った、元初代幻魔神であるリアの姿が何故か其処にあった。

 

 

姫「……お前、本当にこの神社に居座るつもりなのか……?」

 

 

リア「仕方がないだろう?幻魔神の神権を失い、力を失った今の私は普通の人間と変わりない存在になってしまったのだし。こんな状態じゃ私一人では暮らしてはいけないよ」

 

 

零「まぁ、復活したばかりで金もなければ戸籍もないワケだしな……というか、よくコイツの居候を許したな?」

 

 

絢香「いえ、まあ……元幻魔神とは言っても今は普通の人間とそう変わりないようですし、あのまま放って路頭に迷わせるのは忍びないですから……」

 

 

桜香「アンタは人が良すぎるのよ……こんな奴どうせ何だかんだで勝手にやって、しぶとく生きていけるでしょう?」

 

 

リア「ひどい言われようだなあ……まあでも、拾ってもらった恩もあるし、せっかく生き返らせてもらった命だからね。敵対する理由がなくなった以上、絢香君達への恩返しを考えつつ、私は私なりに現世を存分に楽しむつもりだよ♪」

 

 

なごみ「何気に今の時代をエンジョイする気満々ですね」

 

 

零「何か封印から目覚めたばかりの頃の木ノ花を彷彿とさせるな……というかお前、その服どうしたんだ?」

 

 

リア「ん?これかい?いや、着る服がなくて困ってたところに、紗耶香君が自分のお下がりをくれたんだよ。ハイカラだろ?」

 

 

ドール「ハイカラっスねぇ!(゜∀゜)」

 

 

零「……紗耶香……お前……」

 

 

紗耶香「……は?な、何だ?何故皆して私を見る?」

 

 

アシェン「いえ、別に……単純に、紗耶香様の女子力の無さと絶望的なセンスに少々驚いてるだけですので」

 

 

紗耶香「んなっ?!」

 

 

桜香「……だからあれほど、あんなの買うのは止めておけって言ったのに……」

 

 

お世辞にもセンスが良いと言えない『火星人』の文字が大きくプリントされたTシャツを嬉々としてドールに見せびらかすリアを見て、アシェンから容赦ない指摘を受けた紗耶香はその場に跪いてしまい、桜香もそんな彼女を見て呆れる様に頭を抑え溜め息を吐いていたが、そんな一同を他所になごみがリアに歩み寄った。

 

 

なごみ「リアさん、貴女は私の事を知っている風でしたが……貴女は私が何者なのか、知っているんですか?」

 

 

リア「ん?まぁ、これでも一応は古参の神だからね。知らない事はあまりないが……君自身について、何か聞きたい事があるのかな?」

 

 

なごみ「……いいえ、貴女が私の出自を知っていると聞けただけで十分です。其処から先は、自分の目と耳で確かめますから」

 

 

リア「……そうか。なら、何か聞きたい事が見つかれば聞きに来るといい。私は此処でいつでも待っているよ」

 

 

アシェン(……お嬢様……)

 

 

毅然とした佇まいと眼差しでそう言い切ったなごみの言葉に何か満足したのか、クスッと口元に指を当てて小さく微笑むリア。そんなリアに何も言わずなごみは一礼して零達の下に戻ると、アシェンがなごみの傍に歩み寄った。その時……

 

 

 

 

 

「―――おーおー、何やら人が多くて賑やかだねぇ?」

 

 

『……ッ!』

 

 

 

 

 

零達の背後からそんな呑気な口調の声が響き、その声を聞いて一同が声がした方へと振り返ると、其処には赤い鳥居を潜って石階段を上って来る一人の女性……昨夜魚見を連行して神界に戻った筈の真姫の姿があった。

 

 

零「お前……!」

 

 

姫「上役っ?!どうして……!」

 

 

真樹「うーすっ、全員揃ってるようだね。いやいや、門出に間に合ったみたいで良かったよ」

 

 

真姫の突然の登場に一同が驚く中、真姫は呑気な口調のままそう言って一歩その場から退くと、真姫の背後にもう一人の人物の姿があった。それは……

 

 

 

 

 

 

魚見「――恥ずかしながら、帰って参りました……」

 

 

 

 

 

 

姫「ッ!魚見ッ!」

 

 

ノエル「ウオッ?!」

 

 

そう、真姫の後ろに所在なさげに視線をさ迷わて立っていたのは、神界に連行され審議会に掛けられた筈の魚見だったのである。彼女の姿を捉えたノエルは一目散に飛び出して魚見に抱き付き、姫達も魚見の下へと駆け寄っていった。

 

 

ノエル「ウオっ……!良かったっ、無事だったのねっ!」

 

 

魚見「……えぇ。心配をお掛けしたみたいで、すみません」

 

 

姫「良いんだ、そんな……それで、審議会はどうだったんだ?!保身派達はなんて?!」

 

 

魚見が無事に戻ってきた事に関しては喜ばしい事だが、審議会で保身派達が彼女に一体どんな決定を下したのか。その内容を知るまではまだ安心は出来ないと姫が魚見にそう問い掛けると、真姫が前に出て代わりに答えた。

 

 

真姫「彼女の件に関しては、一先ずは軽い処罰で済んだよ。審議会の序盤は脱走や籠手の奪取の件で彼女の神権を剥奪しろって糾弾の声もあったけど、ギルデンスタンの企みや零君が提示してくれた彼の凶行を食い止めた事、復活した幻魔神を無力化させた功績が認められてね。審議の結果、彼女が重い罪に問われるような事はなくなったよ。けど……」

 

 

真姫は其処で一拍置くと、一同から離れた場所に立つ零に目を向けていき、その視線で零も何かを悟り溜息した。

 

 

零「まぁ、そう伝えて保身派の連中が俺を見逃す義理なんてないだろうしな……で?俺を捕えろとでも言われたのか?」

 

 

真姫「……まあね。やはりというか予想通りというか、君が桜龍玉を独占しようとしたと伝えたら保身派の爺共はもうカンカン。やっぱりあの男は危険だ!今すぐにでも捕らえて抹殺すべきだ!とか声を揃えて訴えてねぇ。上役達からもそう命じられたんだけど……」

 

 

姫「そ、そんなっ……いや、もし上役もそのつもりなら、私は……!」

 

 

零「止めろ木ノ花……これは俺がそうするように仕向けたんだ、関係ないお前は引っ込んでろ」

 

 

姫「そういう訳にいくかっ!此処で貴女が彼を連れていくつもりなら……!」

 

 

真姫「あー、いやちょっと待ちなって。別に彼をどうこうしようってつもりはないんだから」

 

 

桜香「……?どういう事?」

 

 

保身派の命で零を連行するつもりなら徹底抗戦もやむを得ないと身構える姫に、首を振ってそう語る真姫の言葉に一同が頭上に疑問符を浮かべると、魚見が抱き着くノエルを離れさせ説明するように語り出した。

 

 

魚見「確かに、審議の終盤では零の処分について最終決定が下される所でした。ですが……」

 

 

真姫「決定が下される寸前で、突然のアクシデントが起きてね。そのせいで審議会どころじゃなくなっちゃったんだよ、これが」

 

 

姫「?アクシデント……?」

 

 

真姫「そっ……"阿南家"のお偉いさんが、いきなり審議会に殴り込んできたのさ」

 

 

零「……はあぁっ?!!」

 

 

阿南家が神界の審議会に殴り込んできた。その耳を疑うような発言に零は驚愕を露わにして声を荒げ、姫達も同じく唖然とした表情を浮かべるが、真姫は構わず話の続きを口にする。

 

 

真姫「いやぁ、私も流石に驚いたよー。まさか"神殺兵器"をブッ込みながら、あの阿南家のお偉いさんが真っ正面から突撃してくるのだもの。神界は大騒ぎ、上役達も今の君達みたいに突然の事に呆然としてて、事態に頭が付いていけてなかったようだし」

 

 

零「……い、いやちょっと待てっ!そもそもの問題っ、何故其処で阿南家が介入してくるんだっ?!」

 

 

真姫「うん?あー……いや、どんな手を使ったか知らないんだけど、どうやら今回の事の経緯を一から全部承知済みだったらしいのよ。だからなのか、有りもしない罪で君を処罰する事に粋がる上役達に、『世界の危機に自分達の保身ばかり考えて何もしようとせず、他人に責任ばかり押し付けて何も背負おうとしない貴方達に彼女と彼を糾弾して裁く資格なんてない』って、保身派達に怒鳴り付けてね。無論納得しない上役達が反論したりしたんだけど……アレだよね、人の身で神様を脅す人間なんて久方ぶりに見たよ、私」

 

 

零「……ほんとに一体何をしてるんだよ阿南家っ……」

 

 

なごみ「相変わらず規格外な事を平然と成し遂げますね、あの家は。今更ですけど」

 

 

いや、確かに阿南家を普通の括りに入れること自体可笑しいことなんだろうが、何やら妙に爽やかな表情でとんでもない事を口にする真姫を見て零は思わず頭を抱えてしまう。

 

 

魚見「ですがそのお陰で、保身派達も貴方に下す処罰を取り下げましたし、ある意味では結果オーライかと思いますが……」

 

 

零「……いやまあ、確かに有り難い話ではあるんだが……何だろうな……一度腹を括って決めたこの覚悟は、俺は一体どう処理すればいいんだろうかっ……」

 

 

真姫「取り越し苦労だったと思えば良いんじゃない?……あ、あと審議会の後で君に伝えて欲しい事があると伝言を頼まれたんだけど、『なんでもかんでも一人で背負い込もうとするのも考えもの、周りに無駄な心配を掛けるような真似はしないように』だってさ」

 

 

零「……しかも説教までされるとはっ……」

 

 

ドール「ほんと良いとこ無しねアンタ、流石にダサいっすわ(´・ω・`)」

 

 

アシェン「らしいと言えば、らしくはありますけれどね」

 

 

リア「ふむ……事情は飲み込めないが、まあそう落ち込むな。ほら、私がこの胸で慰めてあげるよ?」

 

 

桜香「!その手があったか……!」

 

 

零「あったかじゃねーよ、いらんわっ。ええい、もういいっ」

 

 

ほらほらと両手を広げて、恐らくはからかい半分で艶っぽい口調と共に豊満な胸を張るリアにそう言いつつ、零は気を取り直して松葉杖を突きながら魚見へと近づいた。

 

 

零「そんな事より……おい、市杵宍。そろそろお前と交わした契約を解いてくれないか?契約期限のあの像も倒したし、俺も旅に戻らないといかんからな。事件を解決した以上、これ以上お前と繋がっている必要もないだろう」

 

 

リア「…………は?」

 

 

姫「……ぁ……」

 

 

魚見「………………」

 

 

零「……?何だ?」

 

 

黄金魔神像を倒すまでの間という条件を果たしたから契約を解いてくれと魚見に零がそう頼んだ瞬間、リアが何故か『何を言ってるんだ?』と言いたげに困惑した様子で小首を傾げ、姫が思い出したように気まずげな声を漏らし、魚見は無表情のまま零の顔を見上げている。そんな神様達の反応に零も疑問符を浮かべ彼女達の顔を見回していくと、魚見は無言のまま姫に目を向け口を開いた。

 

 

魚見「桜ノ神……まさかとは思いますが、零に契約の詳細については……」

 

 

姫「……いや、まあ、何と言うか……多分、君の予想通りだと思うっ……」

 

 

リア「おいおい、本当か?……だとすると、君も災難だな、零君」

 

 

零「は……?おい待て、何の話だ?分かるように説明しろっ」

 

 

魚見「……はぁ……零……まさかとは思いながら問い詰めなかった私にも責任はありますし、今更この段階で説明するのはアレですが――」

 

 

零「あ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

魚見「私と桜ノ神が貴方と交わした契約は、一度結べば解く事は『不可能』です。それも、『一生』」

 

 

 

 

 

 

 

 

零「………………………………………………………………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

零「なんとぉおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ?!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

魚見の口から告げられた、衝撃の事実。それを聞いて一同の間に少しだけ沈黙が流れた後、零の腹の底からの大絶叫が晴天の空に響き渡ったのだった。

 

 

アシェン「落ち着いて下さい零様。動揺の余り『だ』が抜けて、何処ぞのニュータイプみたくなっていやがりますよ」

 

 

零「おぅぁ、ぇぁ、ぁっ……ど、どういう意味だ……?初めて知ったぞそんな話っ?!!」

 

 

魚見「そのままの意味ですよ?一度契約を交わせば、貴方が死ぬまでこの契約が解かれる事はない。最初の契約で聞かされなかったのですか?」

 

 

零「聞いていないッ!!!」

 

 

魚見「……そうですか……いえ、私もまさか契約のことを知らない?と考えはしましたが、桜ノ神に限ってそんな大事な事を説明してない筈がないだろうと思い、貴方の「一回だけ」も、私と契約してもフォームを使うのは今回だけ、という解釈で受けとったのですが……」

 

 

零「…………」

 

 

姫「…………」

 

 

グルリと、零が首を回してじと目で姫を睨むと、姫は顔を引き攣らせながら同じタイミングで零から視線を逸らした。

 

 

零「おい、どういうことだ木ノ花っ……?こんな話、お前と契約を交わす時に聞いていなかったぞっ?!」

 

 

姫「……いや、そのぉ……ほら、あの時は場の空気と勢いに流されて、つい説明をし忘れたというかぁ……その後も説明をしようとは度々考えてはいたんだが、忘れていたというかっ……てへっ☆」

 

 

零「てへっ☆じゃないだろぉおおおおおおっっ!!!お前の説明不足でとんでもない事になってるんだぞ今ぁああああああっっ!!!」

 

 

可愛らしく頭をこっつんと叩いて舌を出しながらごまかす姫に零が怒鳴って叫ぶ。当然だ、まさか其処まで重い契約とは知らずに魚見と契約し、しかも一生それを解く事は出来ないと言われたのだから。流石に反省の色を隠せない姫から目を逸らして零が思わず頭を抱えると、ドールが何かを提案するように声を掛けた。

 

 

ドール「よう分かりませんが、要するに解除不可能の契約を解いてもらいたいのでしょ?ソレ私なら出来るかもしれませんが」

 

 

零「ッ?!ま、まじか?!」

 

 

ドール「マジかマジでマジですよ?ルーノの鎧でルルブレをキャスターさんから借りたりとか、方法は色々ありますし。何なら今すぐにでも出来ますぜ?」

 

 

零「お、おおっ……!俺は今、初めてお前が頼もしく見えたぞ……!よし、なら早速――!」

 

 

魚見「……まあ、其処までして契約を解きたいのなら止めはしませんが……」

 

 

真姫「そうなると君自身にデメリットが降り懸かる事になるが、大丈夫なのかい?」

 

 

零「……は?デメリッ……?」

 

 

リア「……やはり聞かされていなかったのか」

 

 

ふぅ……と憐れみを込めて溜め息を吐くリアの言葉に姫が冷や汗を流す。そんな姫を尻目に、魚見が怪訝な顔を浮かべる零に説明する。

 

 

魚見「私と桜ノ神が貴方と交わしたのは、私達でも解く事が出来ない絶対の契約です。何せ神の力を人の身で行使出来るようになる訳ですから、その代償に貴方は誓約に縛れる事になり、それを無理に破ると貴方に幾つかのペナルティが降り懸かる事になります」

 

 

零「……一応聞いておくが……その、ペナルティっていうのは……?」

 

 

魚見「契約を交わした神の神格によっては数や内容が違う事がありますが、大体は……」

 

 

 

 

 

 

1.この契約は絶対の繋がりの印であり、純潔の誓約。仮にもしこれを解いた場合、契約者の人間にはペナルティとしてその魂の死後は必ず『地獄』へ送られる事になり、輪廻転生はされず永遠に地獄廻りを味わう事になる。

 

 

2.契約を解除したその瞬間から、契約者の人間のこの先の人生に降り懸かる不運が倍化され、更にこれから訪れる筈の幸福が一切訪れなくなる。

 

 

3.人間との契約を赦した神を辱めたその代償として、契約者は死に際のその時まで呪殺の呪いに蝕まれる事となる。

 

 

 

 

 

 

魚見「―――基本的にはこんな感じですが、他に何か聞きたい事は?」

 

 

零「デメリットの方が遥かに大きいじゃねぇかぁああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!」

 

 

一通りの説明を終えて冷静にそう問い掛ける魚見だが、あまりに理不尽過ぎるペナルティに零の絶叫が再び炸裂したのであった。

 

 

リア「まあ気持ちは分からなくもないよ。まさかこんな呪いを背負わされるとは知らずに契約を交わしてた訳だし」

 

 

真姫「けど、無理に契約を解けばこれらを始めとした様々な罰が君に科せられる事になる。こちら側の神にとって人間との契約ってのは、人と同じ位にまで自分を貶めて契約者と一生苦楽を共にする覚悟で結ぶ、言わば純潔を捧げるのと同等の意味だからねえ。因みにこの誓約は日本の古い夫婦神のイザナギとイザナミの話が元となっていて……」

 

 

零「そんな話はどうだっていいっ!!!つまり何だっ?!!俺がコイツとの契約を解けば、今言った呪いとやらが一気に降り懸かって来るって事かっ?!!」

 

 

リア「そうなるね」

 

 

ドール「む……つーか良く考えたら、私の方法じゃ魚見さんとの契約だけでなく姫さんとの契約まで解けることになりますから、そうなると今言ったペナルティが二倍になって、零さんに科せられることになりますなぁ」

 

 

零「あが……うぉ……ぅぁっ……」

 

 

間髪入れずリアに断言され、更に追い撃ちでドールが口にした最悪の事態に零は言葉を失い絶句する。そうなるとつまり、魚見と契約を解く事は出来ない訳で、だから必然的に……

 

 

魚見「まあ詰まるところ、契約に従って私も貴方達の旅に同行するつもりです。私も、すぐに無茶な真似をする貴方と桜ノ神を放ってはおけませんし」

 

 

零「……いや……別に契約を結んでいるからと言って、常に一緒にいる必要性はないのではっ……」

 

 

真姫「そういう訳にもいかないんだよ。審議会の決定で、彼女にも罪を軽減する代わりに君を監視しろって命じられちゃってるし。その決定で君への処罰も取り下げに持ち込めたんだよ?」

 

 

零「……水ノ神の役目は……」

 

 

魚見「私の部下達が役目の代わりを引き受けてくれたので大丈夫です。それと、部下の死神達から貴方へ伝言が……」

 

 

零「……え?」

 

 

魚見「『絶対に上司を幸せにしてあげて下さいネ!でないと呪殺します♪』……だそうです」

 

 

零「」

 

 

ドール(地獄の死神さん達にまで釘を刺されるとは……まじパネェ)

 

 

桜香(ドンマイとしか言いようがないわ、コレは……)

 

 

なごみ(今にも膝から崩れ落ちて泣き出しそうな感じですね)

 

 

最早後には引けない状況に立たされ、哀愁が漂う零の背中を何とも言えない顔で見つながらそう思う一同。そうして無言のままうなだれる零の肩に、魚見が手を置いて告げる。

 

 

魚見「大丈夫ですよ、ようするに契約を絶たなければ害はないという訳ですから、えー……幸せに、シテクダサイネ?」

 

 

姫「……まあ、なんだ……その……改めて、今後ともヨロシクっ?」

 

 

零「……ぉぉっ……ぉぉぉぉぉぉっ……ぉぉ、ぉぉぉぉぉぉぉぉっっ……!」

 

 

……左腕と左足が健在なら、今頃膝を突いてorz状態になっていただろう。キュピーンと瞳を輝かせる魚見と苦笑いする姫のその言葉がトドメとなり、零は何も言えず右手で顔を覆いながら、自分の愚かしさを呪って地の底から這い上がって来る亡者のような唸り声を漏らしていくのであった……。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

そしてその後、光写真館に戻る前に魚見の指輪の力で祐輔の世界に折夏と彼女の付き添いのノエルを連れて転移し、彼女達を阿南家に任せた後、零達は魚見と共に写真館へと戻ってきた。のだが……

 

 

 

 

はやて「――んで?大輝君の言うてた通り、また知らない女の人にフラグを立て、また無茶をして大怪我をした……と?」

 

 

零「…いや…その…フラグ云々は良く分からんが……怪我に関してはちょっと、これには深い事情があってというかだな……」

 

 

フェイト「へぇ、そうなんだぁ……うん、じゃあその辺りについてもお説教しながら詳しく聞くから、取りあえず正座しようか?」

 

 

零「……いや、あのほら、俺今、左足ポッキリ逝ってるし……正座はホラ、今は正直無理というか、わりと、本気で、マジで、うん」

 

 

なのは「じゃあ、其処の席に座りながらで。それなら大丈夫だよねぇ♪」

 

 

零「いや……だから……」

 

 

アシェン「大丈夫ですよ、零様。私達の事なら気にする必要はありません」

 

 

なごみ「えぇ、お母様達へのお土産のカメラをしっかりこうして回しているだけですから、気にせず存分に怒られて下さいな」

 

 

零「だから嫌だと言ってるんだろうがッ!!止めろッ!!カメラ回すなぁッ!!撮るなぁッ!!」

 

 

大輝「良いじゃないか?別に減るもんじゃあるまいし♪」

 

 

零「ふざけるなッ!!そもそもこうなってるのは全部お前のせいだろッ?!いつの間にかいなくなっていると思ったらコイツ等に余計な事を吹き込みおってぇッ!!」

 

 

『零(君)ッ!!早くッ!!』

 

 

零「ぐうぅっ……クソォ、畜生ぉ……何故こうなったあぁぁぁぁっ……!」

 

 

魚見「此処が光写真館……中々味のある館ですね」

 

 

姫「そうだろ?私も基本は家や屋敷は和風派なんだが、此処は最初に見た時から一発で気に入ってなぁ。部屋も中々居心地が良いし、因みに今の写真館の近くには名物スポットまであるそうだぞ?」

 

 

魚見「成る程……フフフ、ですが桜ノ神?こう見えても私は、スポットに関してはマニア並に少々口煩い方ですよ?なにせ私の中では今でも不動の1番を誇る、昼夜問わずのおすすめのスポットを既に知っていますからね。……良ければ今度ご紹介しますが」

 

 

姫「Gスポットなら知ってるぞー☆」

 

 

魚見「ちぇー」

 

 

ギンガ(……こ、これが、神様同士の会話……?)

 

 

優矢(あ、成る程、この人確かに姫さんの友達だわ……)

 

 

数日も連絡一つ寄越さず、また見知らぬ女性を連れ、またボロボロの姿になって帰ってきた零はなのは達にお説教を受け、その端では全員に自己紹介を済ませた魚見と姫がツッコミ不在のエロボケネタを繰り広げており、優矢達はその様子を離れた場所で見つめながら新たに仲間に加わった魚見を姫と同じ変神と認定していたのだった。

 

 

 

 

桜龍玉と新たな神 END

 

 

 





魚見


年齢:???(実年齢は姫より上、外見年齢は恐らく姫と同い年ほど)

外見:左右に分けてお下げにした長髪の黒髪に、水色の瞳。


解説:桜ノ神の世界の冥界を司る水ノ神(死神)であり、姫とは彼女がまだ桜ノ神になったばかりの頃からの元教育係兼親友。


水ノ神としての神名は市杵宍姫ノ命(いつきししひめのみこと)と呼ばれ、魚見という名は人間の頃の彼女の本名らしく、姫と違って本名を明かしているのは、死の世界に長く居続けてた事で記憶の一部が麻痺し、それにより自身の名と存在まで忘れぬ為らしい。


水ノ神の力は罪を犯した罰としてツクヨミフォームを安定させる力以外現在封印されており、力が使えない代わりにドールが譲ってくれたウィザードリングなどを日常生活や戦闘で用いている。


姫からは『魚見』、『ウオミー』、『ウオミン』と呼ばれ、一方自身は姫を『桜ノ神』、『咲夜』、『姫っち』と呼んでいる。


周りからは『魚見』、『魚見さん』、零からは普段『市杵宍』と呼ばれ、ツクヨミ時にのみ『魚見』と呼ぶ。


無表情だが実はあがり症であり、姫と出会う前は大勢の人の前で話すのは苦手だったようだが、彼女と交流を重ねていく内に今現在のように表情豊かになったとか。


また姫と気が合うことからエロボケネタをかましては周りを困らせる事が多く、零曰く「木ノ花がもう一人増えた……」と頭を抱える事が多くなったそうな。


因みにどうでもいい話だが、実はショタコン。なのでほぼ年下の男性陣のグッと来る仕草に無意識に目が行きがちなのだが、本人はソレを隠している。


また、契約者である零と姫と同じように親しい関係になろうと意識してか、距離を縮めるよう心掛けて二人っきりの時にのみタメ口になる。


因みに着痩せするタイプで隠れ巨乳であり、姫は大昔から度々自分のスタイルと比べては敗北感に陥っているらしい。


イメージキャラは生徒会役員共から、魚見さん。




仮面ライダー聖桜(セイオウ)


解説:魚見がセイオウドライバーとセイオウリングを使用し、出現した魔法陣を潜る事で変身する仮面ライダー。


桜ノ神の世界のライダー達の鬼王や龍王の元となったオリジナルであり、本来は桜ノ神が使う事を想定して開発された神のライダーでもある。


実際に姫が変身すればその真価が発揮され、零が苦戦したフォーティンブラスにも単独で引けを取らないと云われてるが、魚見が装着者になった事で全スペックが目に見えて著しく低下し、基本スペックも従来の平成ライダーの中級フォーム程度の力しか発揮されないが、指輪の力を用いた魔法や擬似的な奇跡の力によって強力な力を発揮する事が出来る。


リングは全部で二種存在し、元々聖桜に備わっていたセイオウリング、ドールから譲り受けたウィザードリングを用いて戦い、魚見が日常生活において使用するのはウィザードリングのみ。


戦闘スタイルはウィザードのスタイルと魔法をベースに武士を組み合わせた戦い方になっている。



スタイル一覧


ウィザードと同じく左手の中指に換装した聖桜専用の指輪を使用し、各属性の力を宿して変身する。数百年前に姫が変身した本来の姿とは違い、ドールに魔改造された事でどのスタイルも元の姿とは遠く掛け離れた外見になっているが、これは魚見が変身する際に拒絶反応が起きないよう彼女の負担を減らす為の処置らしい。



ゴウカスタイル


解説:ゴウカのセイオウリングを使用して変身する、炎の神の力を宿した聖桜の基本形態。


外見は東洋の武士の鎧に、西洋の魔法使いのデザインが組み合わさった金の装甲に朱のラインが走り、鎧武とファムを足し二で割ったようなローズレッドの仮面、肩にはウィザード・ドラゴンスタイルに酷似した勾玉を模したパーツ、鎧武の脚部とドラゴンスタイルのローブを掛け合わせたアンバランスな姿になっている。


ウィザードと同じく炎や熱を操る能力を備えてる他、基本形態らしく身体能力のバランスにも優れ能力の調和を取れているオールマイティな形態。


専用武器はゴウカの指輪でウィザーソードガンを媒体に変化させた、真炎龍剣。


スタイルチェンジの電子音声は『gou!gou!gou-gou-gou-!(ゴウ!ゴウ!ゴウーゴウーゴウ!)』



イカヅチスタイル


解説:イカヅチのセイオウリングを使用して変身する、雷の神の力を宿した聖桜の高速形態。外見は深紅の稲妻の意匠が彩られた武者の鎧を模した蒼のボディ、ウィザード・ドラゴンスタイルと息吹鬼を足して二で割ったような仮面を纏っている。


雷や雷雲などを操る能力を備え、他のスタイルに比べスピード・瞬発力・ジャンプ力が格段に撥ね上がっており、更にイカヅチの指輪をベルトに翳す事で自身の身体を雷光と化し敵の攻撃を擦り抜けられる他、常人の目では捉え切れない超高速移動で素早い敵と互角に戦う事が出来る。


専用武器はゴウカと同じく、イカヅチの指輪でウィザーソードガンを媒体に変化させた真雷斬刀。


スタイルチェンジの電子音声は『biribiribiri!biriririri!(ビリビリビリ!ビリリリリ!)』



レックウスタイル


解説:レックウのセイオウリングで変身する、風の神の力を宿した対大軍用形態。


外見は黒み掛かった緑色の甲冑と魔法使いのようなローブに、ウィザード・ハリケーンドラゴンとカリスの仮面を足して二で割ったような緑の仮面を纏っている。


ウィザードのハリケーンスタイルと同じく風や大気を操ったり空中戦が可能な他、巨大な竜巻や嵐を起こし大勢の敵を一気に撃退する力を持つ。


専用武器はレックウの指輪を使用してウィザーソードガンを媒体に変化させた、真疾風刀。


スタイルチェンジの電子音声は『byuu!byuu-byuu-byu-byuu!(ビュウ!ビュウービュウービュウービュウ!)』



セイオウドライバー


解説:聖桜の変身ベルト。元々は鬼王の籠手や龍王の籠手と同じく籠手の形状をしていたが、ドールが改造を施した事で金色のベルトの形状に変化した。


魚見自身の神氣と各リングに宿っている神氣(魔力)をシンクロさせて聖桜に変身し、指輪の力を解放させて様々な魔法や擬似的な奇跡を使う事が出来る。


普段は中央に右手型の手形が付いた普通のベルトに擬態しているが、ドライバーオンウィザードリングを翳す事で本来の姿の金のバックルに変化し、変身リングを使用する事が出来る。


元のシステムと指輪の魔法使いのベルトのシステムと幾つか類似点がある事から、ウィザードリングと連動しウィザードの世界の魔法を発動させる事が可能。


ベルトの待機音声は白い魔法使いドライバー、必殺技発動の音声はウィザードライバーの音声から流用されている。



セイオウリング


解説:聖桜の籠手に元々備わっていた三色三つの勾玉の指輪。


籠手の開発初期の際に真姫が上位神の炎の神、雷の神、風の神の力を借りようと何度も彼等の下に訪れては追い返され、その末にどうにか説得した彼等の恩恵を頂いて力の一端を宿してもらった神器でもある。


自身に宿る神氣の色を三神の色に変化させ、彼等の力の一端をさも自分の力のように行使する事ができる。


実際姫は数百年前の幻魔達やフォーティンブラスとの戦いにおいてこれらの指輪を用い、聖者達と共に無限の幻魔達と戦い抜いたそうだが、幻魔との長い戦いの中で強大な三神の力に籠手が耐え切れず不調を起こし、フォーティンブラスとの最後の決戦においては籠手の修復が間に合わず生身のまま挑み、完全には倒す事が出来ず封印という手段を取ったらしい。



オリジナルリング


ストライクフィニッシュセイオウリング


解説:ドールがウィザードの指輪を下に作ったリング。各スタイルの専用武器の必殺技を発動させる指輪であり、ドライバーに指輪を翳す事でそれぞれの武器の力を完全に解放する事が出来る。



サモンセイオウリング


解説:ウィザードのドラゴライズと同じ用途の指輪であり、桜ノ神の世界に居る馬鬼を召喚し戦わせる事が可能。



武器一覧


ウィザーソードガン


解説:外見や武器の性能はウィザードやメイジが使っていたものと全く同じだが、スラッシュストライクとシューティングストライクは破棄され、各スタイルの専用武器に変化させる媒体目的の武装となっている。


無論このままでも使用可能であり、剣形態と銃形態を切り替えて近距離と遠距離に対応出来る。



真炎龍剣


解説:ゴウカスタイル専用の武装であり、鬼王が扱う炎龍剣の原典の太刀。その一刀は大地を割り、刃から発せられる業火は世界をも焼き尽くすと云われていたが、正規の装着者ではない魚見にはその真価は発揮出来ない為、ドールの改造によって威力がセーブされている。


必殺技は強力な業火を敵に叩き付ける、火炎の閃光を撃ち放つ『真龍怒涛』



真雷斬刀


解説:イカヅチスタイルの専用武装、鬼王の雷斬刀の原典の刀。その刃で振るう一刀は雷の煌めきと称され、断ち切れぬ物はこの世に存在しないと云われた名刀だが、こちらもドールの手により威力をセーブされている。


必殺技は雷鳴の如く無数の雷の太刀を浴びせて斬撃の嵐を打ち込む『雷雨の太刀』



真疾風刀


解説:レックウスタイルの専用武装、鬼王の疾風刀の原典の薙刀。一度振るえば竜巻を起こし、二度振るえば嵐を巻き起こすとも云われていたが、ドールの手によりセーブされその真価を発揮する事は出来ない。


必殺技は薙刀と共に回転し巨大な竜巻を巻き起こして大群の敵を一気に薙ぎ払う『風神裂波』



馬鬼


解説:聖桜の相棒の幻獣。数百年前に鬼の一族達から譲り受けた鬼の馬であり、幻魔との戦いで姫が聖桜の装着者だった際に共に戦場を駆け抜けた愛馬でもある。


聖桜を乗せて何もない空を駆け抜ける事が出来る他、特殊な力を宿した角から雷を放って攻撃し、記憶消去や催眠など様々な幻術を行使出来る。


普段は桜ノ神社の馬小屋で待機しており、聖桜のサモンリングの力で何処へ呼び出す事も可能。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。