仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―クラナガン・路地裏―
―ガギィンッ!!ガギィンッ!!ガギィィィィィィィィィンッ!!―
イクサF『クッ?!ハァッ!!』
ディソード『ヌンッ!!』
クラナガンの路地裏。其処では姫が変身したイクサFと謎の青年が変身したディソードが互いの得物をぶつけ合い、両者の間で何度も無数の火花を散らし合っていた。だが流石に男が相手となると力の差が生じるのか、イクサFはディソードの剣と鍔ぜり合いになりながら力負けして押されていき、後退りさせられていく中でドラム缶やゴミ箱を押し倒しながらディソードの剣撃を受け吹っ飛ばされてしまう。
ディソード『ふん……どうした?桜ノ神の力とやらは、その程度なのか?』
イクサF『っ……どうかな?そういう君もか弱い女を相手に、少々大人気ないんじゃないか?』
強気な態度を崩さずそんな軽口を叩くと、イクサFはボディの所々に埃を被ったまま目の前に転がるゴミ箱を片手で払い、ディソードに向けてイクサカリバーを構える。ディソードもそんなイクサFを見て軽く鼻を鳴らしながら二枚のカードを取り出し、ディソードライバーへと装填しスライドさせていく。
『KAMENRIDE:IXA!REY!』
ディソード『ならば詫びの印しに、俺からの贈り物だ。受け取れッ!』
そう言いながらディソードライバーを横薙ぎに振るうと、ディソードの目の前に無数の残像が駆け巡ってそれぞれ二カ所で重なり、剣を構えたイクサFと同じ姿の戦士、『イクサ』と両腕に巨大な爪のような武器を装備した白い戦士、レイとなって現れイクサFに襲い掛かっていった。
―ガギイィンッ!!ブォッ!!ガギイィッ!!―
レイ『フンッ!!』
イクサ『ハァッ!!』
イクサF『クッ!ハッ!』
イクサFはディソードが喚び出した二人のライダーの同時攻撃に圧されつつも、イクサが振るった剣を跳躍して避けながら背後の建物の屋根に着地し、Gモードに切り替えたイクサカリバーの射撃でディソード達を牽制しながらベルトの左腰から取り出した銀色のフエッスルをバックル部に装填し、イクサナックルを押し込むようにスライドさせた。
『I・X・S・K・N・U・C・K・L・E・R・I・S・E・U・P!』
鳴り響く音声と共にイクサFはベルトのバックル部分からイクサナックルを取り外してイクサナックル表面にエネルギーを蓄積させていき、イクサカリバーGモードの銃撃でイクサとレイを怯ませながら屋根から飛び降りた。そしてイクサの正面に着地するとすかさず回し蹴りでイクサの手からイクサカリバーを弾き飛ばし、そのまま回し蹴りの要領で一回転してイクサナックルを振り抜き……
イクサF『ハアァッ!!』
―バシュウゥンッ!!―
イクサ『ッ?!ぐあああああああああッ?!!』
―ドグオォォォォォォォォォォォォオンッ!!!―
イクサFの放ったイクサナックルがイクサの胸に直撃し、イクサはそのまま悲痛な悲鳴と共に爆発を起こし散っていったのであった。それを確認したイクサFは一息吐くが、そのとき真横から不意を突くようにレイが飛び出して襲い掛かり、次々と振り下ろされる爪をギリギリ避けながらもレイの斬撃を何発か食らい吹っ飛ばされてしまう。
イクサF『グゥッ!やってくれるなっ……―コツンッ―……ん?』
仰向けに倒れてレイに斬り付けられた胸を抑えながら思わず毒づくと、不意にイクサFの肩に何かが当たった。それに気付いて視線を向ければ、其処には先程倒したイクサの手から弾いたイクサカリバー・カリバーモードが地面に転がっており、イクサFはそれを見て何かを思い付いた様に地面に転がるイクサカリバーを掴み取った。
レイ『ウオオオオオオオオオオオオオッ!!』
イクサF『ッ!ハアァッ!』
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!―
レイ『ッ?!ヌオォ、グアァァァァァァァァッ?!』
トドメを刺そうと両腕の爪を振りかざして突っ込んできたレイを見て、イクサFはすぐさま手にしたイクサカリバーをGモードに展開し、両手のイクサカリバーGモードの銃口をレイに定めて銃撃を浴びせていく。そして無数の銃撃を浴びて吹っ飛んだレイを見て咄嗟に態勢を立て直し、両手のイクサカリバーを上空へと投げ左腰のフエッスルからカリバーフエッスルを取り出し、バックル部へと装填してイクサナックルを押し込んだ。
『I・X・S・C・A・L・I・B・E・R・R・I・S・E・U・P!』
無機質な電子音が鳴り響き、それと同時に十字架を模したイクサFの仮面部分が起動音と共に開き、その下に隠されていた赤い複眼が露わになった瞬間、イクサFから凄まじい熱量が放出されレイのボディを焼き焦がしながら再び吹っ飛ばしていく。そして、バーストモードになったイクサFは頭上から落ちてきた二本のイクサカリバーをキャッチしながら瞬時にカリバーモードに展開すると、背後に燃え盛る太陽を背にゆっくりとイクサカリバーを構え、そして……
イクサF『――フッ!!!ハアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』
―ジュキイィィンッッ!!ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!―
レイ『グウゥッ?!グアァァァァァァァァァァァァァァァァァッ?!!』
―ドグオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!―
イクサFが最初に振りかざした左手のイクサカリバーがレイの身体を斜めに斬り裂いて怯ませ、最後に斜め右に振り上げた右手のイクサカリバーがトドメとなり、レイはボディの隙間から無数のスパークを放ちながら力無く両膝を付き、そのまま俯せに倒れると同時に爆発し跡形も残さず散っていったのだった。
ディソード『ほう……大した物だ。流石とでも言っておこうか』
イクサF『ッ……君に褒められても嬉しくはないな、まだやる気なのか?』
此処まで蓄積したダメージで若干ふらつきながらディソードにそう問い掛けると、ディソードは無言のままイクサFに向けてディソードライバーを構えていき、イクサFもそれを見てヤレヤレと溜め息を吐きながら両手のイクサカリバーを構え直しディソードと対峙していく。が、その時……
―タッタッタッタッ……!―
勇輔「――銃声が聞こえたのって、確かこの辺りだよな?」
光「その筈だけど……」
ディソード『…ッ?!チッ!』
―バッ!!―
イクサF『っ?!な、待てッ!』
街上に繋がる通路の先から不意に聞こえてきた、複数の足音と男女の声。それを聞いたディソードは声が聞こえてきた通路の先に視線を向けて間が悪いといった感じに舌打ちすると、突然路地裏の奥に向かって走り出し、呼び止めるイクサFの声を無視しそのまま何処かへと走り去ってしまった。
イクサF『……何なんだ、一体』
紫苑「――あれ?あれは……」
何故かいきなり退いたディソードが走り去った方向を見て困惑しながらも取りあえず変身を解除していると、市街地に繋がる通路の先から三人の男女……紫苑と光と勇輔が現れ、路地裏の真ん中に佇む姫に気付いて駆け寄ってきた。
勇輔「あのー、すいませーん」
姫「……?何だ、君達は?」
光「あ、いきなりすみません。実はあの、さっき其処を通り掛かった時に、銃声みたいな音を聞いて来たんですけど、何かこの辺りで見ませんでしたか?」
姫「銃声?……ああ、いや……実は私も、それを聞いて此処まで確かめに来てな。何やら争った形跡は見られるが、それ以外には特に何も見つからなかったぞ?ほら」
勇輔「ん?うわっ、ホントだ……」
光「凄い荒れようだね……此処で何があったんだろ?」
紫苑「…………」
流石に関係のない一般人に此処で変身して戦闘をしていたなど言える筈もなく、何も知らない素振りでドラム缶等が転がっている背後の光景を指で差す姫。その光景を見て愕然となる勇輔と光だが、紫苑だけはそんな姫の様子から何処となく不自然さを感じて訝しげな顔を浮かべていると、姫もふと紫苑の格好が目に入り目を見開いた。
姫「その制服……君たち、まさか機動六課の関係者か?」
勇輔「え?あ、えと、その……」
光「一応は、ですけど……あっ、もしかして、貴方も機動六課の関係者ですか?」
姫「む?ああいや、関係者とは言っても、この世界の六課の面々とは顔見知りではないというか……ううむ、まいったな……どう説明したものか……」
『???』
流石に違う世界から来たと言っても理解してもらえるとは思えず、どう説明したものかと姫は三人から目線を反らして悶々と考え込む。すると、その様子を黙って見ていた紫苑はふとある考えが過ぎり、半信半疑で姫にこう尋ねた。
紫苑「あの……もしかして貴方って、別世界から来た住人じゃないですか?」
光「……え?」
姫「!……何故、そう思う?」
紫苑「いや、なんとなく?『この世界の』って響きが何だかそれっぽかったし。それに貴方も、この世界の人達と何処か違うっていうか、何となく日本人っぽいというか……」
紫苑にそう言われて勇輔と光が姫の顔を見てみると、確かに見た感じ、姫はこの世界の人達と何処か違って日本人という印象が強い。それを指摘され姫も自分の髪の毛先を弄って見つめると、何処か関心したような目で紫苑を見つめた。
姫「成る程……君は中々、良い観察力の持ち主のようだな」
勇輔「え?じゃあ貴方って……」
姫「うむ。其処の彼の言う通り、私はこの世界の住人じゃない……。ある経緯があって、私は仲間達と共に様々なライダーの世界を旅して回っててな。この世界にも、その一環で訪れたんだ」
光「様々なライダーの世界を旅って……じゃあ貴方も、私達みたいにライダーの世界を巡ってるって事ですか?」
姫「?"私達みたいに"?」
それはどういう意味だ?と、光の言葉に怪訝な表情で聞き返そうとする姫だが、その時……
フェイト「――ハァ、ハァ……あ、居た!姫ーーっ!」
姫「……ん?フェイト?」
市街地に繋がる通路の方から、なのはとヴィヴィオと別行動を取って独自に行動していたフェイトが走って現れた。それに気付いた姫も紫苑達からフェイトに目を向け、フェイトは紫苑達の間を抜けて姫の前に駆け寄った。
姫「どうしたんだ?そんな血相を変えて?」
フェイト「はぁ、はぁ……どうしたじゃないよ!姫の方こそ、こんなところで何してるの?!さっきスバルから、姫に怪人が現れたって連絡したのにまだ来ないって連絡あって捜しに来たんだよ?!」
姫「む?……あ、すっかり忘れてたっ」
フェイト「わ、忘れてたって……と、とにかく急いで!何だか零達が大変な事になってるって連絡があったから、早く合流しないと!」
フェイトはそう言いながら慌てた様子で姫の手を掴み市街地の方を向いて走り出そうとしたが、その拍子に視界の端に見えた紫苑達の顔を見て思わず足を止めた。そしてフェイトは帽子の鍔を上げて紫苑と光の顔を交互に見て、両目を見開き驚愕した。
フェイト「し、紫苑?光?ど、どうして二人が此処に?!」
紫苑/光『……へ?』
勇輔「え?へ?な、なに?二人の知り合い?」
目の前の二人が、以前電王の世界で知り合い零達と共に戦った紫苑と光だと思い、思わぬ再会に驚きの声を上げるフェイト。それに対し紫苑と光は初対面の人間にいきなり名前を呼ばれて戸惑い、互いに訝しげに顔を見合わせていたのだった。
◇◆◇
黒獅子リオ『ヌンッ!!』
―バキイィッ!!ドガァッバキィッドグオォンッ!!―
クウガ『グアァッ?!』
ナンバーズ『アウッ!』
そして場所は戻り、市街地では突如ディケイドに襲い掛かってきた雷牙の仲間の黒獅子リオが、たった一人でトランス達四人を圧倒していた。右と左から同時に攻撃してきたクウガとナンバーズの拳を両手で払い退けてから後ろ回し蹴りで纏めて吹っ飛ばし、更に追撃を仕掛けようと倒れた二人に突っ込もうとするが……
シュロウガ『舞えっ……!トラジックジェノサイダー!!』
―バシュウバシュウバシュウバシュウバシュウバシュウゥッ!!―
黒獅子リオ『ッ!』
いつの間にか、シュロウガへと変身したアンジェルグが黒獅子リオの背後に回り込んで両肩と両腰に膨大なエネルギーを蓄積し、無数のスフィアを黒獅子リオに向かって撃ち出していたのである。咄嗟にそれに反応した黒獅子リオは即座にスフィア群を迎え撃ち、蹴りや拳でスフィア群をすべて叩き落とそうとするも、弾かれたスフィア群は不自然な動きでUターンして再び黒獅子リオへと降り注いでいった。
黒獅子リオ『?!この攻撃、誘導弾か?!』
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッ!!ドガァアアアアアアアアアアアンッ!!―
弾いたはずなのに再び襲い掛かってきたスフィア群に驚愕しながらもその特性に気付くが、それと同時に、四方から飛来したスフィア群が黒獅子リオに全弾直撃し爆発を起こしていった。しかし……
黒獅子リオ『…………』
シュロウガ『!効いてない……!』
咄嗟に防御態勢を取った為に黒獅子リオが負ったダメージは軽減され、軽傷程度で済んでいた。それを見たシュロウガは直ぐさまデスディペルを取り出して機械的な翼からバーニアを噴出し、黒獅子リオに向かって突進し素早く斬り掛かっていくが、黒獅子リオも負けじとシュロウガの振りかざす斬撃を両腕で受け止めながら反撃していた。
―ズガガガァンッ!!ガギンッ!!ガギィィンッ!!―
シュロウガ『ハアァッ!』
黒獅子リオ(ッ!速いな、速さは断然向こうが上か。しかもこの太刀筋と迷いの無さ……明らかに戦い慣れしてる……だが!)
黒獅子リオは横薙ぎに振るわれたデスディペルを上空へと跳び上がって回避すると、両腕に臨気を収束させていき、そして……
黒獅子リオ『臨獣ライオン拳リンギ!剛勇吼波ッ!!』
―ガオォォォォォォォォォォォォォォォォォォオッッ!!!―
シュロウガ『ッ?!―ガギイィィィィィィンッ!!―くぅっ?!』
―バゴオォォォォォォォォォォォォォォンッッ!!!―
シュロウガ目掛けて黒獅子リオが両腕を突き出したと共に、金色のライオンの形に構成された臨気が放たれシュロウガに襲い掛かって直撃し、シュロウガはそのまま背後に建つ建物の壁を突き破りながら吹っ飛ばされてしまった。それを見た黒獅子リオは地上に着地してトドメを刺そうとシュロウガへと歩み寄っていき、シュロウガも直ぐにふらつきながらもデスディペルを杖代わりにして何とか立ち上がろうとした、その時……
トランス『待って!!』
―ガシャンッ!!―
黒獅子リオ『ッ!』
シュロウガ『ッ?!なのは……!』
シュロウガにトドメを刺そうとする黒獅子リオをトランスが背後から羽交い締めにし、黒獅子リオの動きを封じたのである。トランスのいきなりの行動に戸惑いつつも、黒獅子リオは身体を振るってトランスを振り払おうとするが、トランスはそれに耐えながら黒獅子リオに呼び掛けた。
トランス『もう止めてください!!私達は戦いに来た訳じゃないし、零君は悪魔でも破壊者でもない!!どうして信じてくれないんですか?!』
黒獅子リオ『ッ……貴様等がアレをどう思っているかは知らないが、俺達は奴を信じる事など出来ん。奴がこの世界を破壊する危険性を確かに持ってる以上はな』
トランス『そんなっ!―バキイィッ!!―キャアァッ?!』
必死に説得しようとしても全く応じてくれず、黒獅子リオはトランスの拘束を力任せに振り払ってトランスを肘で殴り飛ばしてしまい、トランスは地面を何度も転がり倒れてしまう。それでも何とかふらつきながら体を起こすと、トランスはディケイドと雷牙が消えた道路の向こうを見た。
トランス『(このままじゃ、また鳴滝さんの思う壷にっ……仕方ないっ)アズサちゃん!みんなもお願い!二人の所に行って!何とかして、零君と雷さんの戦いを止めさせて!』
シュロウガ『!うんっ……!』
スバル「わ、分かりましたっ!」
このままでは零を潰そうという鳴滝の思う壷になってしまう。その前になんとかして二人を止めなければと、トランスはディケイドと雷牙をシュロウガとスバル達に任せ、シュロウガもそれに頷いて背中の翼を起動させ上空へと飛び上がり、スバル達もシュロウガと共にディケイドと雷牙の下へ向かっていったのだった。
黒獅子リオ『雷達の下に行くつもりか?そうは……―カシュンッ!!ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッ!!―……ッ?!』
ディケイドと雷牙の下へと向かおうとするシュロウガを止めるべく右腕に臨気を集めようとした黒獅子リオだが、それを阻止するかのように真横から空気弾と無数のエネルギー弾が襲い掛かった。
いきなりの不意打ちに驚きつつも咄嗟に後方へ跳んでそれを回避し、それが撃たれてきた方に振り向くと、其処にはペガサスフォームに姿を変えたクウガとナンバーズがペガサスボウガンとヘビィバレルの銃口を黒獅子リオに向けて立つ姿があった。
ナンバーズ『邪魔はさせないよッ!』
クウガP『アンタの相手は俺達だッ!』
黒獅子リオ『チッ……そういえばまだコイツ等が居たんだったな……』
トランス『そういう事です。此処から先には絶対行かせない……変身ッ!』
『KAMENRIDE:GAIA!』
力強く黒獅子リオにそう言い放ながらライドブッカーから取り出したカードをトランスドライバーへと装填すると、トランスはガイアへと変身して静かに腰を屈め独特の構えを取った。そしてガイアに姿を変えたトランスに黒獅子リオも関心の声を漏らし、ゆっくりと構えを取っていく。
黒獅子リオ『胸に金の獅子を持つ戦士か……面白い。その力、見せてみろ』
Tガイア『――ハッ!!』
挑発する黒獅子リオに答えないまま、Tガイアは地を蹴って疾走し黒獅子リオの頭を捉えて左腕を飛ばした。それを見た黒獅子リオは咄嗟に身を屈めてTガイアの拳を避けながらTガイアの左腕を両手で掴み、背負い投げの要領でTガイアを向かいのビル目掛けて軽々と投げ飛ばしていった。しかし……
―タンッ!!―
Tガイア『ヤアァァァァァァアッ!!』
黒獅子リオ『ッ?!―ドォンッ!!―クッ?!』
Tガイアも負けじと吹っ飛ばされながら空中で回転して態勢を立て直し、ビルの壁を蹴り黒獅子リオへと跳び蹴りを放っていったのだ。黒獅子リオはそれを見て咄嗟に顔の前で両手をクロスして跳び蹴りをガードするが、衝撃を殺せず何歩か後退りさせられ、Tガイアは地上に着地して直ぐに黒獅子リオへと追撃を仕掛け殴り掛かっていく。
Tガイア『ハァッ!セイッ!ヤァッ!!』
―バキイィッ!ガァンッ!ドガァッガンッバキャアァッ!―
黒獅子リオ『フンッ!ハッ!ヌンッ!!』
互いの間で飛び交う蹴りと拳を防ぎ、弾き、かわし、相手に一撃でも多く与えて戦況を少しでも自分の方に傾けさせようと一進一退の攻防を繰り広げるTガイアと黒獅子リオ。
遠くから傍観してても二人のその戦いの迫力を感じ取る事ができ、クウガとナンバーズはその間に入る事は出来ないと思いその場から動けずにいる。そして、Tガイアと黒獅子リオは互いにパンチを打ち込みながら後方へと距離を離すと、それぞれ最後の攻撃の準備に入った。
『FINALATTACKRIDE:GA・GA・GA・GAIA!』
Tガイア『ヘル・アンド・ヘブンッ……!!』
バックルにカードをセットして電子音声が鳴り響くと共に、Tガイアは高らかにそう叫びながら右手に破壊の力、左手に護りの力を集めていく。そして、黒獅子リオも全身からライオンの形を象るエネルギーを放出し、Tガイアに向けて構えを取っていく。
黒獅子リオ『臨獣ライオン拳リンギ……!!』
Tガイア『ゲル・ギム・ガン・ゴー・グフォ……ハッ!!』
―バシュウゥゥゥゥゥゥッ!!―
Tガイアが両手の拳を組んで目の前に突き出したと共に、強力な電磁嵐が発生し黒獅子リオを捉えた。だが黒獅子リオはそれに動じる様子を一切見せないまま構えを解こうとせず、全身から放出するエネルギーを更により一層濃くしていく。そして……
黒獅子リオ『――剛勇!!拳打ッ!!!』
Tガイア『ウイイイイイィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーータアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!』
―ガギイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーイィンッ!!!!!ジジジジジィィィィィィィィィィィッ……!!!!!―
どちらからでもなく、同時に相手に向かって咆哮と共に飛び出した二人。黒獅子リオは金色のエネルギーを全身から放出したままTガイアに拳底を向けて飛び出し、Tガイアも両腕を突き出して地面を破壊しながら黒獅子リオに向かって突っ込み、両者の必殺技が凄まじい衝撃波とけたたましい激突音を響かせながら中間地点でぶつかり合った。そして……
―ジジジジィィィィッ……チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーオォオンッッッ!!!!!!―
なのは「――きゃあぁッッ!!!」
理央「――ぐうぅッッ!!!」
ナンバーズ『ッ?!なのはママッ!!』
必殺を篭めた強力な技と技のぶつかり合いの末に巨大な爆発が巻き起こり、二人は変身が解除されながら吹っ飛び地面に叩き付けられてしまったのだ。クウガとナンバーズはその光景を見て慌ててなのはの下へ駆け出し、なのはを抱え込んでいく。
ナンバーズ『ママっ!大丈夫っ?!』
なのは「ッ……う、うん、大丈夫だよ?これぐらい何とも――痛ッ!」
クウガ『なんともってっ、なのはさん手がっ!』
本人は大丈夫だと笑ってるが、額にはうっすらと汗が浮かび上がっているし、何より彼女の両手だ。先程の黒獅子リオとの激突のせいか、なのはの両手は重度の火傷を負い小刻みに震えている。そんな彼女の身を案じて心配な表情を浮かべる二人だが、そのとき理央が右腕を抑えふらつきながら立ち上がった。
理央「ッ……理解出来ないな……何故其処までして、あの破壊者を庇うのか……」
クウガ『ッ!だから、零は破壊者なんかじゃないって言ってるだろ?!どうして信じてくれないんだよ?!』
理央「俺も言ったはずだ、俺達は奴の危険性を知っている。それがこの世界に現れた以上、みすみす放っておく訳には―――っ?!」
どんなに違うと否定しても聞き入れてくれない理央に怒号を上げるクウガだが、理央はそう言いながら構えを取って再び変身しようとする。しかし、彼はナンバーズが支えるなのはの姿を見て信じられない物を見たように動きを止め固まってしまった。それもその筈、何故なら……
理央「お前、は……高町?何故お前が此処に……?」
なのは「……え?」
先程まで自分と戦っていた相手が、彼の所属する機動六課のメンバーである高町なのはと同じ顔をしていたのだから。しかしそのことを知らないなのはは自分の名を口にした理央に疑問符を浮かべていき、クウガとナンバーズも訝しげに顔を見合わせ首を傾げていく。その時……
なのは(別)「――理央さん!」
スバル(別)「大丈夫ですか!インフェルニティは何処に?!」
理央「ッ!高町…?では、あの高町は……?」
なのは「あ……」
呆然と佇む理央の背後から、インフェルニティの出現の知らせを聞いて出撃した機動六課の面々が駆け付けたのである。その中に自分の知るなのは(別)の姿を見つけた理央は更に困惑した様子でクウガとナンバーズと共にいるなのはの方へと振り返り、なのは達も駆け付けた機動六課のメンバーを見て彼等にどうこの状況を説明するかと顔を見合わせていくのだった。