仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―同時刻・とあるライダーの世界―
―バゴオオォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーオォンッ!!!!―
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ?!!」
「キャーーーッ!!!」
『ハッハッハッハッ!!!逃げろ逃げろッ!!!』
別世界に存在する、天ノ川学園都市と呼ばれる街の中に建てられた学園、天ノ川学園。
その学園の敷地内では現在、身体に星座のような模様が浮かぶ鷲の姿をした怪人……鷲座のゾディアーツであるイーグルゾディアーツが空を飛びながら学園内の柱の一部を破壊し、空から逃げ惑う生徒達の姿を見て愉快げに高笑いをしていた。そんな時……
「――止めろ加藤!!」
『……?!』
突如イーグルゾディアーツに向けて制止の声が響き、イーグルゾディアーツは思わず驚愕して笑うのを止めそれが聞こえてきた方へと振り返った。其処には青のブレザーの制服を着た数人の男子生徒と女子生徒達と共に駆け付ける昭和の不良のような格好をしたリーゼント頭の青年の姿があり、青年はイーグルゾディアーツに向けて再び叫んだ。
「もう止せ!!スイッチを捨てろ!!このまま人間に戻れなくなってもいいのか?!」
『ッ……!う、うるせぇ!俺は見返してやるんだ!俺をイジメた奴らに、俺の凄さを思い知らせてやるんだぁぁぁぁぁぁ!!』
―シュバババババババババババババァッ!!―
必死に説得しようと呼び掛ける青年の言葉に聞く耳を持たず、イーグルゾディアーツは頭を抱えながら二枚の翼から無数の羽手裏剣を青年に向けて放っていった。それを見た青年は咄嗟に地面を転がりながら何処からか操縦桿を模したレバーが取り付けられたバックルを取り出し、それを腹部に当てるとベルトが伸びて腰に装着された。そして……
―カチッカチッ、カチッカチッ!―
バックル中央の画面を挟むように二カ所ずつある四基のスイッチソケットの四つのスイッチを素早く押していき、ベルトから起動音が鳴り響くと共に左手を構え、右手でバックル右側部のレバーを掴んだ。その直後……
『THREE!』
『TWO!』
『ONE!』
「変身ッ!!」
―ガシュンッ!!―
ドライバーからのカウントダウンと共に高らかにそう叫び、レバーを起動させて右腕を頭上に突き上げた。それと同時に青年の身体が猛烈な蒸気の噴出と共に別の姿へと変わっていき、姿を変えた青年が蒸気を払うように右腕を振るうと胸に両腕を抱きながら身体を屈め、背伸びをするようにXの字に身体を伸ばした。
『宇宙キターーーーッ!!!!仮面ライダーフォーゼ、タイマン張らせてもらうぜっ!!』
白いカラーリングを基礎とした宇宙飛行士のような姿の仮面ライダー……青年が変身した『フォーゼ』はイーグルゾディアーツに拳を突き出して啖呵を切ると、背部のブースターで加速しながらイーグルゾディアーツへと突っ込み殴り掛かっていった。
フォーゼ『ドオリャッ!!おらぁっ!!』
―バギィッ!!ドガアァッ!!ズガアァァァッ!!―
『ウワアァッ?!クッ……ウアァァァァァァッ!!』
距離を縮めてすぐに相手の顔にパンチを二発打ち込み、イーグルゾディアーツが反撃して振りかざした拳を片手で受け止めながら頭突きを食らわせてイーグルゾディアーツを後退りさせるフォーゼ。だが、イーグルゾディアーツは咄嗟に上空へと飛翔して再び羽手裏剣を乱射しまくり、フォーゼは慌てて近くにあった木の影に飛び込んだ。
フォーゼ『ッ!やっぱ空を飛ばれたら厄介だなっ』
「如月!左腕を16番に変えろ!奴を地上に引きずり落とすんだ!」
フォーゼ『おう、分かったぜ賢吾!』
離れた場所からフォーゼとイーグルゾディアーツの戦いを見ていた賢吾と呼ばれる男子生徒の指示を聞き、フォーゼは直ぐにバックルの左から四番目のスイッチを抜き取って別のスイッチを装填し、スイッチを起動させた。
『WINCH-ON!』
電子音声と共にフォーゼの左腕にドラム式ウインチユニット……ウインチモジュールが装備され、フォーゼは地面を転がりながら木の影から飛び出し上空のイーグルゾディアーツに向けてワイヤーと接続されたフックを射出していった。
―ガシイィィッ!!―
『なっ?!』
フォーゼ『捕まえたぜっ!ウオリャアアアアアアアッ!!』
『ウワアァァァァァァァァァァァァーーーーーーッッ?!!』
フックで捕らえたイーグルゾディアーツを力任せに引っ張り、地面に思いっ切り叩き付けていった。そしてフォーゼはフックでイーグルゾディアーツを捕らえたままドライバーの一番右端のスイッチを取り外して赤いスイッチを取り出し、バックルに装填してスイッチを起動させた。
『FIRE-ON!』
再び響く電子音声と共に、フォーゼの右腕から豪炎が放出されてフォーゼの身体を包み込み、一瞬だけ淡く輝いた直後に炎が晴れて別の姿へと変わっていった。赤いボディと右腕に緑色の複眼、そして右手には赤い銃を手にしたフォーゼ……ファイヤーステイツにステイツチェンジしたフォーゼは赤い銃・ヒーハックガンを構え、銃口をイーグルゾディアーツに狙いを定めた。
フォーゼF『オォラアァッ!!』
―ゴオアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!―
『あ、熱い?!アチチチチチチィッ!!』
ヒーハックガンの銃口から凄まじい勢いで放たれる火炎放射がフックに捕らえられるイーグルゾディアーツに直撃して確実にダメージを与えていき、イーグルゾディアーツも反撃する余裕もなくもがき苦しむように地面を転げ回っていく。
「おおおお!!いいよゲンちゃーん!イケイケーッ!」
賢吾「良いぞ如月っ!そのままリミットブレイクだ!」
フォーゼF『分かった!!今助けてやるからな、加藤!!』
司令塔の賢吾の指示に頷きながらイーグルゾディアーツにそう言うと、このまま勝負を決めるべくファイヤースイッチへと手を伸ばすフォーゼ。だが……
―バッ!!―
『フンッ!!』
フォーゼF『ッ?!―ガギイイイイィィィィィィーーーーーーーーーーーンッッ!!―ウワアァッ?!』
『っ?!』
トドメの必殺技を放とうとしたフォーゼの真横から、突如何者かが飛び出しフォーゼに攻撃を加えて吹き飛ばしてしまったのだ。それによりイーグルゾディアーツを捕らえていたフックも外れてしまい、フォーゼを妨害した異形……天秤座の外見を持つリブラ・ゾディアーツがイーグルゾディアーツの傍に歩み寄った。
『これ以上はやらせんよ、フォーゼ……フンッ!』
―ガギイィッ!!ギィンッ!!グガアァンッ!!―
フォーゼF『うわぁッ?!ぐあぁッ!!』
「あぁ、またマント付きが出たっ!」
リブラゾディアーツの巧みな棒術が何度もフォーゼに炸裂して無数の火花を散らし、イーグルゾディアーツもそれを見て直ぐさま立ち上がりフォーゼに再度攻撃を仕掛け、一対二の劣勢になった戦いに女子生徒の一人も頭を抱えてパニックになってしまう。
(如月一人では無理だな……仕方ない、此処はメテオの出番か……)
リブラとイーグルの二体に圧されるフォーゼの様子を見ていた賢吾達の制服姿とは違う、ベージュにダークブラウンのパイピングを施したデザインの制服に身を包んだ男子生徒は険しい顔付きを浮かべると、賢吾達にバレぬようにその場から抜け出そうとする。だが、その時……
「――うわあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーッッッ?!!!おっ、おち、落ちるううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!?」
「おい優矢っ!!お前下になってクッションになれっ!!俺を助けろっ!!」
「ふっざけんなテメエェッ?!ちょっ、まっ、うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっっ?!!!」
『……ん?―ドシャアァッ!!―ウガアァッ?!』
フォーゼF『?!えっ?』
『っ?!』
『?!なにっ?』
リブラと連携してフォーゼを攻撃していたイーグルゾディアーツの頭上から悲鳴が響き渡り、それを聞いたイーグルゾディアーツが空を見上げた瞬間、イーグルゾディアーツの上に二人の人間が落下して踏み潰していったのだった。突然の出来事にフォーゼ達やリブラも驚愕し、イーグルゾディアーツを踏み潰した二人に思わず視線を向けた。その人物達とは……
零「―――ふぅ……いやぁ危なかったぁ、危うく怪我するところだったぞ……」
優矢「おぐっ……ぅ……て、てめぇ……」
零「……うん?優矢?何でお前俺の下になってるんだ?」
優矢「お前のせいだろォッ?!!」
……イーグルゾディアーツを下敷きにした二人の正体とは、写真館の物置部屋でコアメダルの暴走に巻き込まれて消えた筈の零と優矢だったのだ。自分の下敷きになる優矢を見て不思議そうに首を傾げる零に優矢が怒号を上げてツッコミを入れる中、フォーゼと生徒達は戸惑いがちに零達と二人が降ってきた空を交互に見ていた。
フォーゼF『な、なんだ?空からいきなり人間が…?』
「何なの……あの二人?」
零「うん?……あっどーも、空から落ちてきた宇宙人です」
「え、えぇぇ?!このタイミングで、宇宙人キターッ?!」
「いやいやいや、どう見ても人間でしょ?!」
優矢「お前もなに自然と嘘付いてんのさっ?!」
零「いや……なんだか空気読まずに乱入してしまったような感じがしてな。取りあえず場の空気だけでも和ませようかと思ったんだが……」
和むどころか、フォーゼや生徒達はまるで鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして零と優矢を見ており、零も場違いだったと感じ取ったのかバツが悪そうな表情を浮かべていく。その様子を見ていたリブラは……
『(あの顔……黒い髪に、赤い瞳……何処かで……)』
優矢「取りあえず退けって零!!重いって!!」
零「失敬な奴だな……これでもなのは達よりは軽い方だぞ?脂肪が少ないからな」
『(零?……ッ!まさか、奴があの預言者が警告した世界の破壊者?!とうとうこの世界に?もしそうなら、このまま野放しにしてはフォーゼやメテオと同様に我望様の脅威となる可能性もある……ならば!)』
―シュバアァッ!!―
賢吾「ッ!危ない!」
零「っ!優矢!」
優矢「え?グエェッ?!」
零を見てなにかを危惧したリブラが零と優矢目掛けていきなり飛び掛かり、それに気付いた零は咄嗟に優矢の襟首を掴んでその場から飛び退き、リブラを見据えながら身構えていく。
零「おいおい、いきなり歓迎してくれるとは嬉しいね、全く」
フォーゼF『オイ!危ねぇからアンタらも早く逃げろ!此処は危険だ!』
零「いいや、心配入らないフォーゼ。こっちはこっちでどうにかするから、お前はその鳥を片付けろ」
フォーゼF『……え?』
賢吾「あの男……何故フォーゼの名を……?」
溜め息混じりにフォーゼの名を口にした零にフォーゼと賢吾が戸惑いを浮かべる中、零はそれに構わず懐からディケイドライバーを取り出し、腰に装着して左腰のライドブッカーからディケイドのカードを取り出した。
零「変身ッ!」
『KAMENRIDE:DECADE!』
高らかに叫びながらカードをバックルへと装填すると電子音声が鳴り響き、それと共に零はディケイドへと変身して両手を叩くように払っていった。
「え、ええええッ?!」
フォーゼF『うおおおおお?!変身した?!』
「新しい……仮面ライダー?」
(俺と如月以外にも、仮面ライダーが…?!)
『その姿……貴様、やはりあの男が言っていた世界の破壊者か』
賢吾(?世界の破壊者…?)
ディケイド『ほう?お前も鳴滝の口車に乗せられた口か?まぁ、その方が話しが早くていい……。今の俺は気が立ってるんでな、悪いが相手してもらうぞ!』
相手が怪人だから気兼ねなく戦える為か、何時になく好戦的な口調でそう言いながらリブラに突っ込み上段蹴りを放ったディケイド。リブラはそれを横に避けながらディケイドに杖の先端を突き出すが、ディケイドは片手でそれを防ぎながらリブラに右拳を打ち込んで後退りさせ、再びキックを放ち戦闘を開始していったのだった。
「あの幹部と互角……凄いわね、あの仮面ライダー」
賢吾「色々気にはなるが……如月!今の内にイーグルを倒せ!」
フォーゼF『ッ!あ、そうか、よしっ!』
ディケイドとリブラの戦いに気を取られていたところを賢吾の指示を聞いて正気に戻り、フォーゼは慌ててファイヤースイッチをバックルから抜き取りヒーハックガンの発射口下部のスロットへと装填していった。
―フォーンッフォーンッ!フォーンッフォーンッ!―
フォーゼF『これで決めるぜ!喰らえ、ライダー爆熱シュウゥゥゥゥーーーーーーーーーーーートォッッッ!!!!』
『LIMIT BRAKE!』
―ズドオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーオォンッッ!!!―
『ッ?!!う、うわっ……うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーッッッ?!!』
―ドッガアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!―
消防車のサイレンのような音と共にヒーハックガンの銃口から発射された、最大出力の火炎放射……ライダー爆熱シュートが地面から起き上がろうとしたイーグルゾディアーツへと炸裂し、イーグルゾディアーツは断末魔と共に爆発を起こし散っていたのだった。すると爆発の中から、禍々しい形状をしたスイッチのような物が飛び出してフォーゼの足元に転がり、フォーゼがそれを拾ってスイッチを押すと何処かへと消滅し消え去っていった。
『ッ!イーグルが倒されたか……。君との勝負も此処までのようだ、破壊者』
―ジャリンッ!―
イーグルゾディアーツが倒された以上、ディケイドとフォーゼを同時に相手するのは流石に分が悪いと感じたのか、リブラはそう言いながらディケイドと距離を開くと右手の杖……ディケで地面を叩いて幻のように何処かへと消え去り、ディケイドもそれを見て構えを解き辺りを見渡していく。
ディケイド『逃げたか……それにしても、この世界にまで鳴滝の手が伸びてたとはな……』
ほんとに懲りない奴だと、溜め息を吐きながらベルトのバックルを開いて変身を解除し元の姿へと戻る零。するとフォーゼはそんな零に歩み寄り、零の肩を軽く叩いた。
フォーゼF『ありがとな、アンタのおかげで助かったぜ!ディケイド……だったか?アンタも仮面ライダーなのか?』
零「?…ああ、通りすがりのな。お前は?」
フォーゼF『うん?俺か?』
訝しげな表情を浮かべる零に名を聞かれ、フォーゼはバックルの四基のスイッチソケットにある四つのスイッチ……トランススイッチをすべてOFFにして変身を解除していき、リーゼント頭の青年へと戻った。
零「高校生…?」
「俺の名前は如月弦太郎、この天ノ川学園の生徒全員と友達になる男だ!勿論、全ての仮面ライダーともな♪」
ドドォンッ!という豪快な効果音が聞こえてきそうな勢いで左胸を叩き、零を指差して明るい笑顔を向ける青年……"如月 弦太郎"。
ディケイドである黒月零と、フォーゼの如月弦太郎。これが二人の仮面ライダーの最初の出会いであった……。
◇◆◇
―月面・ラビットハッチ―
優矢「――す、すっげぇー……マジで月にいるんだ、俺達……」
零「此処まで来ると摩訶不思議な物だな、コズミックエナジーの力とやらも」
それから数時間後、先程のイーグルゾディアーツに変身した生徒を救急車に運んでもらった後、零と優矢は弦太郎達に自分達のことと事情説明の為に彼等の秘密基地……天ノ川学園から月に通じるラビットハッチに訪れていた。因みに二人には弦太郎により彼等が創設した部活、仮面ライダー部の面々……歌星賢吾、城島ユウキ、風城美羽、JK、大文字隼、野座間友子、朔田流星等のことは紹介済みである。
賢吾「―――なるほど……つまり貴方達は、そのコアメダルが引き起こした暴走に巻き込まれたせいでこの学園へと飛ばされてしまい、先程あの場所に現れたということか」
零「まあな……運悪く宇宙空間に飛ばされたりとかしなくて良かったぞ……それもこれも、コイツの用心の無さが原因だ」
優矢「だ、だから悪かったって!そう何度もあんな事が起きるだなんて思わなかったしさっ……」
ジト目で睨む零から、バツが悪そうに目を背けながら謝罪する優矢。
弦太郎「にしても、まさかアンタたちがオーズと知り合いだったなんてなぁ」
零「驚いたのはこっちだって同じだ。まさかお前が拓斗と知り合いだったなんて、思いもしなかった」
弦太郎「まあなぁ。オーズとは二回、一緒に戦った中だかんな。俺の最初の仮面ライダーのダチでもあるんだ♪」
零「ほう……(拓斗からはそんな話、一度も聞いた事ないが……やはり時間軸が違うんだろうか)」
弦太郎からオーズ(拓斗)の話を聞きながら脳裏でそう思案する零。すると隼は、そんな零と優矢を見つめながら両腕を組んで神妙そうに何度も頷いていく。
隼「しかし、仮面ライダーの世界を旅して回るライダーに、並行世界か……未だに信じ難い話だな」
賢吾「だが、満更嘘というワケではなさそうだ。黒月さんのドライバーを調べたところ、彼のドライバーには様々なライダーの能力を使用出来る特殊な機能や、このラビットハッチの精密機具でも解析出来ない未知の石が内蔵されていたからな。恐らく、彼等の話が嘘という事はないだろう」
JK「つっても、やっぱり漠然としてて実感沸かないッスよね?いきなり別世界がどうとか言われても」
零「ん……だったらお前達も、俺達が旅で知り合ったライダー達に会ってみるか?ちょうど近い内に、皆である並行世界へキャンプしに行く予定もあるし」
ユウキ「えっ?い、良いんですか?!」
零からの思いがけない突然の提案にユウキは驚愕して思わず聞き返し、零は首に掛けたカメラでそんなユウキの顔を撮影しながら頷き返した。
零「こうして知り合えたのも、何かの縁だろうしな。人数が多ければキャンプも盛り上がるだろうし、俺もお前達のことが気に入った。それにその世界には古代遺跡やら色々とあるらしいから、きっと退屈はしないと思うぞ?」
JK「うおぉっ、マジっすか?!」
美羽「Oops!ライダー同士が世界を超えてキャンプだなんて、なんだか面白そうじゃない♪仮面ライダー部として、これは参加しない訳にはいかないわね!」
流星(確かに……パラレルワールドの仮面ライダーに会えるなんて、そうそうない機会だしな。俺も興味はある)
零が持ち掛けたキャンプの話に乗り気らしく、別世界へと行ける事にテンションを上げていくライダー部の面々。しかし……
ユウキ「あ、でもお二人はどうやって帰る気なんですか?お二人の家の写真館がある世界て、その並行世界にあるんですよね?」
零「その点なら心配ない。さっきお前達が留守の間に写真館に連絡して、仲間の神が迎えに来てくれる事になったからな」
『…………はっ?』
ライダー部の面々が用意してくれた飲み物を口に流し込みながら何気なくそう告げる零だが、ライダー部の面々は零が口にした「神」というワードに疑問符を浮かべながら間抜けな声を上げた。
零「……?何だ?」
JK「……いやいやいや、あの……なんスか?その、かみって?」
零「?神は神だ。神話とかによく出てくるだろ?人間作ったとか大陸作ったとかの、あの神様だ」
『……ハアアァッ?!!』
友子「神……!」
弦太郎「神様って――いやいやいやいや!それは流石に……なぁ?」
優矢「いや、俺たちのとこじゃ、神様の知り合いとか普通だぜ?それもウンザリするぐらい沢山いるし……」
零「こっちじゃ、ドS神とやらが在り来りになってるよな……。他にもヘタレ神や苦労人の神やら変神やら何でも御座れだ。並行世界に行けば普通に会えるぞ?」
ユウキ「えぇぇぇ?!」
賢吾「馬鹿な……ありえないっ……」
JK「並行世界……ほんとにハンパないっすね……」
優矢「……あ……そうか、これが普通のリアクションなんだっけ……」
零「……だったな……暫く忘れてたぞ、普通とやらを……」
別世界に行けば普通に神様に会えると聞いてドン引きする仮面ライダー部の面々。そんな一同の顔を見て、零と優矢も長らく忘れてしまっていた『普通』の感覚を思い出し何処となく遠い目を浮かべていくのだった。
それから暫くして、写真館からラビットハッチに迎えに来た姫(仮面ライダー部の面々はいきなり転移してきた姫に驚いていたが)と共に帰る前に、ライダー部の面々にキャンプの日付と当日にラビットハッチに集まる事を決め、零と優矢は無事に写真館へと帰還したのであった。
優矢「―――あれ?てか、なんか大事なこと忘れてね……?」
そう……とても大事な事を、忘れたまま……。