仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二十一章幕間/クロツキレイの物語(せかい)④

 

 

―次元の裂け目眼下・岩山の頂上―

 

 

ジェネシック『―――仮面ライダーメモリー……ブレイブフェニックス……?』

 

 

幸助「俺の後継者、だと?」

 

 

静かにそう名乗りを上げた、もう一人のメモリー……仮面ライダーメモリー・ブレイブフェニックスの登場に思わず目を見開く幸助達。しかし、NEOカオスはそんなメモリーBPを見据えて僅かに目を細めるだけであり、メモリーBPの姿を眺めながら口を開いた。

 

 

NEOカオス『断罪の後継者……成る程……つまり、貴様は未来から来た次世代のメモリーという事か?』

 

 

メモリーBP『そう認識してくれればいいよ。こっちとしても説明の手間が省けて助かるからね』

 

 

NEOカオス『……そうか……まぁ、そうでなくてはこの宇宙に一つしか存在しないメモリドライバーがもう一つ存在する理由の説明が付かないのだから当然の話だが……その未来の人間である後継者が、何をしにこの時代へやって来た?』

 

 

納得したように溜息した後に、メモリーBPにまた別の質問を投げ掛ける。目の前に立つメモリーが未来から来た来訪者である事は理解したが、しかし何のためにこの時代へ跳んできたのか。そう問い掛けるNEOカオスの質問に答えたのは、メモリーBP本人ではなく、彼の身体の内からだった。

 

 

『愚問ね……私達がこの時代へ来たのは、貴方の凶行を止める為よ。黒月八雲』

 

 

アレン(っ!彼の中から、女性の声が……?)

 

 

NEOカオス『……この気配……まさか、精霊か?』

 

 

メモリーBP『そっ。このメモリーの力は、とてもじゃないけど俺だけじゃあ到底扱い切れないからね。その補助として、俺が契約している精霊の力を借りてるんだ。それがこの姿さ』

 

 

幸助(成る程……そうしてあのメモリーの性能を問題なく引き出せるようにしているワケか……それにあの姿、零と姫のアマテラスのシステムに酷似してる部分があるが、アレを設計したのはあの二人を良く知る人物か……?)

 

 

技術者としての視点から、ブレイブフェニックスの姿を眺めて開発コンセプトを一発で見抜く幸助。そしてNEOカオスも同じようにメモリーBPの姿を見つめて何かに気付いたのか、僅かに笑みを浮かべながら口を開いた。

 

 

NEOカオス『そういう事か……しかし、今更貴様達が出て来た所でどうする事も叶わん。あの出来損ないはイレイザーに堕ち、奴の手により雷牙の世界はこの無様な世界に変わり果て、雷牙の世界の住人達も奴の仲間達も消え去った』

 

 

メモリーBP『…………』

 

 

NEOカオス『付け加えて言えば、例え貴様と断罪達が結託して俺とシュレンを退け、この雷牙の世界を元の形に修復した所で、あの出来損ないはどう足掻いても救われはしない……イレイザーとして全ての世界から追放されるか、大罪を犯したという事実に苛まれて精神を崩壊させられるかの二択のみしかない。そんな状況下の中、一体お前達に何が出来る?』

 

 

そう。例え此処で幸助達やメモリーBPが幾らお膳立てした所で、その後の問題は零自身の手で乗り越えられなければ意味がないのだ。それだというのに、今さら現れたメモリーBPに一体何が出来るというのか。そう問い掛けるNEOカオスの質問に対し、メモリーBPは僅かに沈黙した後、首を横に振った。

 

 

メモリーBP『別にどうもしないよ。……そもそも俺達は、貴方のこれ以上の凶行を止める為にきただけで、あの人を救いに来たって訳じゃないんだからね』

 

 

ガイア『なっ……』

 

 

NEOカオス『ほう?随分ハッキリと言う……では、あの出来損ないがどうなろうと知ったことではない、という事か?』

 

 

メモリーBP『そうは言っていない。俺達にはあの人を救う手段がないからどうしようもないから、今俺達が出来る事……貴方を止める事に全力を尽くそうって、決めているだけだよ』

 

 

それに……と、メモリーBPは一拍置いて俯くと、再び顔を上げてNEOカオスを見据えながら力強く告げる。

 

 

メモリーBP『俺は、信じているんだ』

 

 

NEOカオス『……何?』

 

 

メモリーBP『あの男の人が、このベルトを渡してくれた『あの人』の言う通りの人なら……その絶望を乗り越えて、俺達が知る未来まで道を切り開いてくれるってね』

 

 

NEOカオス『……ほう。つまり貴様等の時代までは、あの出来損ないはしぶとく生き残っている訳か……フフッ、これはまた面白い裏付けが取れた―――』

 

 

―ブザァアアアアッ!!!!!!―

 

 

メモリーBP『――!!』

 

 

『渉武ッ!!』

 

 

まるで予想外の収穫があったかのように顎に手を添えながら笑い、直後にNEOカオスが片手に握るNEOカオスブレイドを振り抜きメモリーBPに目掛けて巨大な斬撃を飛ばした。だが、メモリーBPも咄嗟に両手の双剣を使って斬撃波を受け流しながら軌道を逸らし、斬撃波を上空に飛ばしたと同時に爆発が巻き起こり、一度の頭上から爆風が襲い掛かる。

 

 

NEOカオス『――未来からのイレギュラーとは予想外だったが、貴様のお陰で"面白い計画"を思い付いた……ついでだ。その新たなメモリーの性能とやらも、今の内に確かめさせてもらおうか?』

 

 

ジャキッと、NEOカオスブレイドの冷たい切っ先を突き付けてそう告げるNEOカオス。それに対し同じ様に臨戦態勢を取っていくメモリーBPだが、その隣に幸助も並びメモリアルブレイドを構えた。

 

 

メモリーBP『……!先代さん?』

 

 

幸助「俺もヤツとの因縁にケリを付けないといけないんでな。未来の俺の後継者の力量を確かめるついでに手伝わせてもらう。メモリーに変身出来るという事は、お前も断罪の因子は持っているんだろう?」

 

 

メモリーBP『……?断罪……えっと、俺が知ってる人には『自滅因子』とか何とか呼ばれる事はありますけど……断罪の因子って……?』

 

 

幸助「……ああ、成る程。つまりまだ、お前の因子は覚醒していない訳だな」

 

 

断罪の因子と言うワードに聞き慣れぬ様子を浮かべるメモリーBPの反応から大体の事情を察したのか、幸助は溜息と共に軽く剣を振るう。それに対しメモリーBPも訝しげに首を傾げてしまうが、NEOカオスはそのやり取りを聞きヴリトライレイザーに目を向けた。

 

 

NEOカオス『―――シュレン、此処は俺一人でやる。お前はあの出来損ない達の下に向かって、奴を止めようとしている連中の相手をしてやれ』

 

 

『……!はぁ?!冗談言わないでよね八雲っ!アイツにしてやられた借りを返せないままだなんて、そんなの――!』

 

 

NEOカオス『貴様の私情など知らん。いいから言う通りにしろ。イレギュラーが発生した以上、貴様には奴のお守りをして少しでも長くこの世界を維持してもらわねばならん。……未だ覚醒はしていないようだが、断罪の因子が二つもこの場に揃った以上、俺も我が身を護るので手一杯になりそうだからな……今の内に保険を掛けておいて損はない……』

 

 

そう言ってNEOカオスはNEOカオスブレイドを肩に乗せながら幸助とメモリーBPを交互に見つめていき、ヴリトライレイザーもNEOカオスのその言葉から今の状況の危うさを悟ったのか、軽い舌打ちの後に宙に浮き、カルネ達と戦うアバドンイレイザーの下へ飛翔していった。

 

 

アレン「ッ!逃がしませんっ、幸助君ッ!」

 

 

幸助「ああ、こっちは俺達に任せろ、向こうは任せたぞ……!」

 

 

アレン「ええ……!」

 

 

力強く幸助に頷き返すと共に、ヴリトライレイザーの後を追って崖から飛び出したアレン。NEOカオスもその様子を横目で見るが、すぐに目前の幸助達に視線を戻し一同と対峙していく。

 

 

『……意外ね。用心深い貴方の事だから、アレン神父を後ろからでも狙い撃つのかと思ってこちらも身構えてたのだけど……どう言うつもり?』

 

 

NEOカオス『……どうも何もない。俺の役目は既に、あの"道標"を開けた時点で完了している。後は此処からどんな結果になろうが、俺の知った事ではない。あの女にらしい御託を述べてあの出来損ないの下に行かせたのも、ただのポーズにしか過ぎんよ』

 

 

ガイア『……さっきの戦いの最中にもそんな事を言ってたけど……貴方、今回の件にはクリエイトへの貢献も一緒に含まれてるのではなかったの……?』

 

 

これだけの大掛かりな事件を引き起こしておきながら、如何な結果になろうとも構わないと告げるNEOカオスのそのスタンスに対しての疑問を思わず問い掛けるガイア。その間にも幸助達がNEOカオスを包囲するようにジリジリと立ち回る中、NEOカオスはその質問に対し軽く鼻を鳴らした。

 

 

NEOカオス『生憎、俺は他の連中ほど組織に対して忠義心に溢れている訳ではないさ……とは言っても、クリエイトに属している他の連中の大半が、己自身の研究心や野望の為だったりと大概だがな……中には、"王"に取って代わって自分がクリエイトを統べる存在になろうなどと考える馬鹿もいるくらいだ。そんな連中に比べれば不良同勢でやる気が無くとも、言われた通りの仕事をこなす俺なぞまだかわいい方だとも……』

 

 

幸助「……他の連中の事は知らんが、テメェほどタチの悪い奴もそうそういねぇだろうがな……いずれにしても、クリエイトは時期が来れば俺よりも若い連中が潰すだろうが……テメェは此処で、俺達が終わらせる……徹底的にな」

 

 

ジャキィッ!とメモリアルブレイドを一回転させて、剣の切っ先をNEOカオスに突き付けながらそう宣言する幸助。それに伴うように椛やガイア、メモリーBPもそれぞれの得物と拳をNEOカオスに向けて構えていき、NEOカオスは仮面超しに微かな笑みを受かべながら僅かに足幅を広げる。

 

 

NEOカオス『その気概で来てもらわねば、こちらとしても面白くはない。貴様等との再会は、俺にとって唯一の愉しみだったんだ……そう簡単には終わらせんぞ……?』

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

そして、その一方……

 

 

 

『■■■ゥ■■■■■■■■■■ァアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!』

 

 

―バキィイイイイイイイイイイイイイイッッ!!!―

 

 

『グッ、ガハァアアッ!!』

 

 

ジークローバー∞D・M『カルネッ!!クソッ!!』

 

 

それぞれの強化形態に姿を変えてアバドンイレイザーに挑み続けていたカルネとジークローバー。しかし、片方の槍をかなぐり捨ててがむしゃらに殴り掛かって来るアバドンイレイザーの高速ラッシュに対しカルネも対処が間に合わず、防御ごと押し切られて遥か後方の岩山にまで吹き飛ばされてしまい、それを目にしたジークローバーはカルネを追撃しようとするアバドンイレイザーに背後から飛び掛かるが、それに反応したアバドンイレイザーに振り向き様に槍で弾かれ防がれてしまう。

 

 

ジークローバー∞D・M(ッ!!やはりこちらの動きを読まれるっ……!!正気は失っていても零自身の技量はそのまま……いや、それにイレイザー化も上乗せされて更に強化されてるのか……!!)

 

 

アバドンイレイザーと高速で打ち合いながらそう分析し、ジークローバーはアバドンイレイザーが上段から振りかざした一刀を武器で払い退けて後方へ跳躍し距離を離す。それを見てアバドンイレイザーもすぐさま鎧姿から先程の悪魔の姿へと姿を変え、勢いよく地面を蹴って獣の如くジークローバーを追撃しようとするが……

 

 

 

 

 

 

―シュウゥッ……ズババババババババババババババババババァアッ!!!!―

 

 

『……■■?!』

 

 

ジークローバーを追うアバドンイレイザーの遥か後方から無数の斬撃波が飛来し、それを察知したアバドンイレイザーは咄嗟に追撃の手を緩めて方向転換し迫り来る斬撃波を次々と両手の凶爪で叩き払っていくが、最後の一撃を退けたと同時に斬撃波が放れてきた方向から一体の異形……カルネが翼を羽ばたかせて目にも留まらぬスピードで接近し、すれ違い様にエネルギーを纏った剣でアバドンイレイザーの脇腹に鋭い斬撃を斬り付けていった。

 

 

―ズバァアアアアアンッ!!!―

 

 

『■■■■■■■ッッ!!!!?』

 

 

『ッ!!今だグラン坊やッ!!やれぇえッ!!!』

 

 

ジークローバー∞D・M『ぅうおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!』

 

 

そうして、カルネの一撃によってアバドンイレイザーが怯んだ隙を突くかのように、ジークローバーが再び得物を構え直してデアバドンイレイザーに目掛け一息で迫る。だがそれに気付いたアバドンイレイザーもただではやられまいと上空へと跳び上がり、頭部の前面に一瞬で形成した紅い光弾を乱射し二人の追撃から逃れようとするも、ジークローバーとカルネは素早く荒野を駆け抜けて光弾の雨を潜り抜け、同じように空高く跳躍し上空でアバドンイレイザーを挟み打ちにした。

 

 

『■■■■ッ!!!!』

 

 

『すまんな、零坊やっ……!痛みは一瞬で済むっ!だから―――』

 

 

ジークローバー∞D・M『ほんの一瞬だけだ、俺達の本気に耐えてくれよっ!!』

 

 

―ギュイィイイイイイイイイイイイイイッ!!!!―

 

 

そう言い放つと共に、二人はそれぞれの得物に最大限にまで力を溜めながらアバドンイレイザーの両サイドから素早く突撃し、必殺を込めた得物をアバドンイレイザーに向け振りかざしていったのだった。それを目にしたアバドンイレイザーも直感から身の危険を感じ取ったのか、すぐさま鎧姿へと再度姿を変えるが双槍の生成までは間に合わず、二人の武器が空手のアバドンイレイザーに叩き込まれようとした。その時……

 

 

 

 

 

 

―……バシュウゥウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!―

 

 

『――■■?!』

 

 

ジークローバー∞D・M『ッ?!な、なんだッ?!』

 

 

『炎の……壁……?!』

 

 

 

そう、二人の一撃が振り下ろされようとしたその時、アバドンイレイザーと二人の間に突如巨大な炎の壁が出現しそれを阻んでしまったのである。その突然の事に二人も驚愕して必殺技の発動をキャンセルしてしまうが、次の瞬間……

 

 

―ボシュウゥゥッ!!!―

 

 

『――ウゥラァアアッ!!!』

 

 

ジークローバー∞D・M『?!なっ―バキィイイイイッ!!!―ぐぁあああっ!!』

 

 

『ッ!グラン坊やッ!!』

 

 

炎の壁の中から突如一体の紅い異形……NEOカオスの指示を受けて駆け付けたヴリトライレイザーが飛び出し、ジークローバーの首筋にハイキックを打ち込み地上に目掛け蹴り落としてしまったのだ。突然の不意打ちを受けたジークローバーを目にしたカルネはすぐさまジークローバーの下に急ごうとするも、ヴリトライレイザーはそれを邪魔するように今度はカルネへと襲い掛かった。

 

 

『クッ!貴様っ、シュレンっ!』

 

 

『ハァーイ、暫くぶりね裏切り者?アンタとこうして戦うのってもう何度目だっけ?いい加減アンタの顔も見飽きてきたし、そろそろ一回死んでみるぅ?』

 

 

『お断りだっ……少なくとも、零坊やを救い出して、お前達を潰すまではなぁッ!』

 

 

そう強気で言い放ちながらヴリトライレイザーの片足を払い退けて斬り掛かり、ヴリトライレイザーを後方にまで下がらせるカルネ。そしてすかさず追撃すべく剣を構え直し、ヴリトライレイザーに斬り掛かろうとするが……

 

 

 

 

 

 

―シュンッ!―

 

 

『■■■■■■■■■■■■■■ァアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッ!!!!!!!!!』

 

 

『……ッ?!―ガギィイイッ!!―チィッ!』

 

 

『?!れ、零坊や?!』

 

 

なんと、カルネが動き出すよりも早く、炎の壁の向こう側に隔離された筈のアバドンイレイザーが壁を飛び越えてヴリトライレイザーへと襲い掛かったのだった。その光景を見てカルネも思わず驚愕で動きを止め、ヴリトライレイザーはアバドンイレイザーの拳を避けながら愉快げに笑い出した。

 

 

『はっははっ!!なぁに?理性ぶっ飛んでるクセに、私への恨みだけは忘れてないって訳?その自分の仲間をその手で消したってのに、私を恨むのはお門違いって奴じゃない。幸せな奴ねぇ?』

 

 

『■■■■■■■■■■■■■■■■■■ォオオオオアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!』

 

 

クスクスと嘲笑うヴリトライレイザーに対し、まるで怒りと憎悪を大爆発させるかのような雄叫びを上げ、離れていてもとてつもない殺意が込められている事が分かる醜い拳を振り上げてヴリトライレイザーに殴り掛かっていくアバドンイレイザーだが、ヴリトライレイザーは遊んでるかのような余裕な身のこなしで襲い来る拳を次々と避けていき、逆にアバドンイレイザーに反撃してダメージを与え徐々にアバドンイレイザーの体力を削っていた。

 

 

『零坊や……!『カルネ氏!』……?!』

 

 

カルネもその戦況を目にしこのままではマズイと悟り二人の間に割って入ろうとするが、背後から不意に声を掛けられて振り返った。すると其処には、先程ヴリトライレイザーにより墜落させられたジークローバーの身体を支えてカルネの下に飛翔して来るライダー……修繕したイツワリの仮面を再び纏ったクラウンの姿があった。

 

 

『クラウン?!グラン坊やも……!どうして此処に?!黒月八雲は?!』

 

 

クラウン『あちら側の事でしたら心配は入りません。向こうには未来からの助っ人が来て頂いたので、八雲氏の方は幸助氏達に任せて、私の方はあのイレイザーを追って来たんですよ』

 

 

『……?未来からの、助っ人……?』

 

 

そうクラウンからの説明を受けて首を傾げるカルネ。すると、クラウンに支えてもらっていたジークローバーがクラウンから離れて、ヴリトライレイザーとアバドンイレイザーの戦闘に目を向けた。

 

 

ジークローバー∞D・M『事情は良くは分からんが、どうやらそういう事らしいから一先ず向こうの心配はいらないだろ……それより今は、アイツ等をどうするかだ……』

 

 

クラウン『そうですね……私はあのイレイザーをどうにかして引き離します。お二人はその間に、先程と変わらず零氏をお願いします』

 

 

『どうにかって、大丈夫なのかいっ?貴方だって黒月八雲との戦いのダメージが……』

 

 

クラウン『「傷が深いから戦えない」、とも言っていられる状況ではありませんからね……こうしている間にも、零氏の残った理性は確実にイレイザーに侵食されているハズです。八雲氏がまた何か良からぬ事を仕出かす前に、私達も……』

 

 

ジークローバー∞D・M『……分かった。ならあの女はアンタに任せる……アンタもそれでいいだろ?カルネ』

 

 

『ッ……ああ。けど二人共、無茶だけはするんじゃないぞ!』

 

 

クラウン『ええ、貴方達、もっ!』

 

 

―ビュンッ!ガギィッ!―

 

 

『ッ……!チッ、邪魔者が……!』

 

 

『■■■■■■■■■■■■■■■アアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!』

 

 

クラウンが投擲したナイフを叩き落として舌打ちし、一度立て直そうと離脱するヴリトライレイザー。それを逃すまいとしてアバドンイレイザーが怒りの咆哮と共に追撃しようとするが、それを阻むようにカルネとジークローバーが立ち塞がり、ヴリトライレイザーの前にクラウンが立ちはだかる。

 

 

『あら……誰かと思えば、道化気取りの悲劇の救世主さんじゃない。なに?まだ私達の邪魔しようっての?あんな出来損ないの為に?』

 

 

クラウン『その質問自体が、ナンセンスというものでしょう……?零氏達の物語は、零氏達自身の手によりその結末を決めるもの……それは禁忌を犯し、全ての物語から追放された貴方達の手によって決めるべきものではありません』

 

 

ジャキッ!と、何処からか取り出した数本のナイフを両手の指の間に挟み、ヴリトライレイザーと対峙するクラウン。それに対しヴリトライレイザーも軽く鼻で笑い、指を鳴らしながら腕に紅い炎を身に纏う。

 

 

『あんなクズになに期待してんのか知らないけど、邪魔するってんなら容赦はしないわ。アンタも灰になっちまいなぁッ!!』

 

 

クラウン『……灰となるのは御免被りますが、身を焼かれるよりも辛い本当の苦痛とやらを、貴方にも直々にお教えして差し上げましょう……』

 

 

 

 

 

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