仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二十一章幕間/クロツキレイの物語(せかい)⑤

 

 

―ガギギギギギギギギギギギギギギギギィイッ!!!ガギャアァァァァァアンッ!!!―

 

 

幸助「はぁああッ!!」

 

 

NEOカオス『ヌゥンッ!!』

 

 

場所は戻り、遥か上空に開かれた巨大な亀裂の眼下に存在する崖の上では、けたたましい金属音が絶え間なく響き渡っていた。幸助とNEOカオスが互いに振るう剣が激突し、その衝撃だけで彼等の周囲の足元が削り取られて秒速で形状を何度も変えていくという凄まじい激闘が繰り広げられている。

 

 

―ブザアアァッ!!!―

 

 

NEOカオス『……!』

 

 

幸助「どうした、八雲ッ!そんな仮面と鎧に縛られた状態でまだ俺と戦うつもりかッ!」

 

 

そんな激闘の中、まるで先程の意趣返しのような台詞と共に、下段から目にも留まらぬ速さで振り上げられた幸助の剣がNEOカオスの仮面の一部を傷付ける。変身解除と因子の解放によるリミッターを解除した今の幸助が、未だ力を抑えている状態のNEOカオスに遅れを取る筈もなく、傍目から見てもNEOカオスが徐々に幸助の剣撃に圧されつつあるのは目に見えていた。更に……

 

 

―バシュウゥウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!バゴゴゴゴゴゴゴゴォオオオオッッッ!!!!!!―

 

 

幸助「うおっ!」

 

 

椛「ぁはははははははははははははははははっ!!!私を無視して二人だけで愉しむなんて良い度胸なのっ!!!そらそらそらそらそらァアアッ!!!」

 

 

NEOカオス『チッ……』

 

 

刃を鍔ぜり合わせる二人の上空から豪雨の如く無数の砲撃が降り注いだ。それはいつの間にか上空に飛翔し薙刀の矛先をNEOカオスに狙い定める椛から幸助への援護攻撃……の筈だが、因子解放による狂化のせいか、その援護攻撃も見境がなく、NEOカオスだけでなく味方の幸助にまで被害が及んでしまっていた。

 

 

―バゴゴゴゴゴゴゴゴォオオオオッッッ!!!!!!ドガァアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーアアァンッッッッ!!!!!―

 

 

幸助「チィッ!椛っ!こんな面倒な時にまで暴走してんじゃねぇッ!」

 

 

メモリーBP『ォオオオオオオオオオッ!!!』

 

 

上空から降り注ぐ砲撃の雨に幸助が思わず悪態を吐く中、メモリーBPはその砲撃の雨の中を全速力で駆け抜けてNEOカオスへと迫り両手の剣で斬り掛かっていく。しかしNEOカオスも椛の砲撃を弾き、かわしながらメモリーBPが次々と振りかざす剣撃を全て薙ぎ払い、足払いを掛けて倒した後に上段から剣を振り上げようとするが……

 

 

ガイア『やらせないッ!!』

 

 

NEOカオス『チッ……!』

 

 

其処へ間に割って入るかのようにガイアが拳を突き出してNEOカオスの邪魔に入り、剣を振るう手を止めて一息で後方へ後退するNEOカオス。だが、其処へすかさず椛の放った無数の砲撃がNEOカオスに目掛けて集中砲火が降り注ぎ、その足止めを受けた隙に幸助がNEOカオスの懐に肉薄し……

 

 

幸助「天満流剣技――流水月牙ァアッ!!!」

 

 

―ズシャアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーッッッ!!!!!―

 

 

NEOカオス『ぐっ……』

 

 

咆哮と共に振り上げられた一閃……流水月牙が炸裂し、NEOカオスのボディを破壊して無数の破片が飛び散るが、NEOカオスも刃を喰らう寸前に後方に後退していた事で直撃は避け、装甲を破られるだけで済ませられてしまう。だが……

 

 

『BRAVE FINISH!』

 

 

NEOカオス『!』

 

 

直後に真上から響き渡った電子音声を聞き、NEOカオスが頭上を見上げると、其処には業火を刃に纏った真紅の剣とメモリアルブレイドを振り上げながら跳躍するメモリーBPの姿があり、それに対しNEOカオスもNEOカオスブレイドで迎撃しようとするが……

 

 

―バッ!!―

 

 

幸助「ツオラァッ!!」

 

 

ガイア『ヤァアッ!!』

 

 

―ガギィイイイイッッ!!!!―

 

 

NEOカオス『ムッ……!』

 

 

メモリーBP『ウオリャアァアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!』

 

 

―ブザァアアアアアアアアアアアァッッッ!!!!―

 

 

NEOカオス『……!』

 

 

瞬時に懐に飛び込んだ幸助とガイアがNEOカオスの剣を弾き、その隙に降下したメモリーBPがすれ違い様に双剣を叩き込み、ボディに二つの刀傷を斬り刻まれたNEOカオスの全身から青白い火花が撒き散り、変身が強制解除されて八雲へと戻っていった。

 

 

ジェネシック『変身が解けた……!』

 

 

メモリーBP『よしっ、これでぇえっ!!』

 

 

―ジャキィッ!―

 

 

変身解除にまで追い込んだ八雲を目にし、メモリーBPは真紅の剣を逆手に持ってメモリアルブレイドとジョイントさせ、更にバックルから赤い本型のツールを抜き取って真紅の剣に装填する。

 

 

『数多の苦難を勇気と不屈の魂で乗り越える、真紅の不死鳥の物語!』

 

 

『BRAVE STRIKE!』

 

 

メモリーBP『ハァアアアアアアアアッ……!!!』

 

 

再度真紅の剣から高らかな電子音声が響くと共に、メモリーBPの目前に赤い魔法陣が出現し、其処から炎の不死鳥が飛び出して上空へと空高く飛翔する。それに続くようにメモリーBPも空へと跳躍して、炎の不死鳥と一体化し、そして……

 

 

メモリーBP『コイツでぇ、トドメだァアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!』

 

 

―キエェェェェェェェェェェェェェェェェーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!―

 

 

炎の不死鳥と共に八雲に目掛け急降下し、両手の剣を振りかざし突撃するメモリーBPの必殺技……ブレイブストライクが発動し、空手で佇む八雲へと猛スピードで迫り、その身体を貫こうとした。が……

 

 

 

 

 

 

八雲「―――成る程。流石は三神とその意志を受け継いだ後継者か……やはり、俺自身の目的の為にも、貴様らの因子は必要不可欠のようだな」

 

 

―ゴォオオッッッ!!!!―

 

 

メモリーBP『……ッ!!?何ッ!!?』

 

 

 

 

 

―――直後だった。ポツリと静かにそう呟いた八雲の足元から、突如轟音と共に黒い闇が出現し八雲の身体を包み込んでしまったのである。そして、八雲の全身を包む闇が拡散し、闇の中から一瞬だけ現れた存在の姿が幸助達の視界から消え失せ、メモリーBPの突撃は空を切った。

 

 

メモリーBP『ッ!消えたッ?!』

 

 

ガイア『クッ、何処に……?!「シズクちゃんッ!!」……え?』

 

 

姿を消した八雲を探し視線をさ迷わせるガイアの真横から椛の悲痛な叫びが聞こえ、ガイアが思わず振り返ろうとしたと同時に、椛が猛スピードでガイアにタックルし突き飛ばした。次の瞬間……

 

 

―ブシャァアアアアッッッ!!!!!―

 

 

椛「―――ぐっ、ぅぁあああっ!!!」

 

 

メモリーBP『ッ!!?なっ……』

 

 

ガイア『も、椛ちゃんっ?!』

 

 

幸助「椛ッ!!」

 

 

ガイアを突き飛ばす椛の左足から突如、赤い鮮血が勢いよく飛び散ったのであった。二人はそのまま地面を滑るように転がり込み、ジェネシックは慌てて椛に駆け寄って身体を抱き起こし、幸助とメモリーBPはすぐさまガイアが立っていた場所を睨みつけた。其処には……

 

 

 

 

 

 

 

 

―……ポタッ……ポタッ……―

 

 

『――――流石に同じ二の舞は演じぬ、か……一度は殺した相手ならと思ったが……どうして、やはり簡単には行かんようだな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……幸助達に背中を向け、左手の爪の先から椛の物と思われる赤い血の滴を滴り落とす、"漆黒の天使"の姿があったのだった。

 

 

全身に赤く禍々しい紋様が描かれ、背中には巨大且つ機械的な黒い羽根があり、ゆっくりと振り返り幸助達を見据えて来るその瞳は、人間体の八雲と同じ真紅に不気味に光輝いている。

 

 

まるで、醜悪な悪魔の姿に変貌した零とは対極を成すかのようなその漆黒の天使を目にし、幸助とメモリーBPは剣を構え直して天使を睨み据えた。

 

 

幸助「それが、貴様のイレイザーとしての本来の姿か……八雲……!」

 

 

『……この姿になるのも、久方振りだがな……お陰でこの身体の振り方を忘れてこのザマ、だ』

 

 

そう言って漆黒の天使……イレイザー態に変貌した八雲が視線を向ける先には、肉ごと裂かれた左足からドクドクと血を流す椛と彼女を抱き抱えるガイアの姿があり、幸助もその二人の姿を横目に険しい表情を浮かべ八雲と対峙していくが、メモリーBPは幸助と椛を交互に見比べ口を開いた。

 

 

メモリーBP『大丈夫なんですか……?あの人のことが心配なら、此処は俺に任せても―――』

 

 

幸助「無駄口叩く暇があるなら目の前に集中しろ……。椛の奴はあの程度の傷でどうこうなったりはしねぇ。それより問題は八雲の方だ。奴はお前一人じゃ手に余る……気ィ抜けば、死ぬぞ……」

 

 

そう呟き、静かに剣を構え直す幸助から仮面越しでも分かるほどピリピリとした空気が伝わって来る。それを見て、メモリーBPも自身が不要な心配をしていると察して目の前の八雲に向け両手の剣を構え直していき、それに対し八雲もユラリと右手を中空に掲げていく。

 

 

『本来、この姿になれば力を常時抑えておかなければならない故に億劫なのだが……貴様の因子と、其処の後継者が持つ因子の影響で弱体化してる今の状態ならば、何の気兼ねなく、その力を行使出来る……こんな風にな』

 

 

 

―シュウゥ…………ドバァアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアアァンッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!―

 

 

 

 

幸助「ッ!チィッ!」

 

 

椛「このっ……!」

 

 

―ガギイィイイイイイイイイイイィッッッ!!!!!―

 

 

メモリーBP『ウ、グウゥッ!!?』

 

 

ガイア『ウアァッ!』

 

 

そう呟いたと共に、八雲の右手から広範囲に真紅の衝撃波が広がり幸助達に襲い掛かったのだった。それをいち早く察知した幸助と椛がメモリーBPとジェネシックを守るように咄嗟に障壁を展開するが、真紅の衝撃波は障壁ごと幸助達を丸々飲み込み、更には障壁内にいる筈なのに気を抜けば身体の全てを消し飛ばさんとばかりの衝撃が一同の身体を突き抜けていた。

 

 

『……解せんな。貴様とも在ろう男が、そんな受け身の選択を取るとは……貴様なら、"私"が撃った瞬間にその剣で斬り掛かって来るぐらいの気概は見せるハズだろう?』

 

 

幸助「ッ……!自分で自分の身を護れる椛とシズクだけならそうしていたところだが、生憎こっちにはまだそれが出来ん、今の貴様の相手が務まるほどの実力に至っていない手の掛かる後継者がいるんでなっ……。それをこんな過去の世界で、漸く生まれた後継者を消させるわけにはいかねぇんだよ……!」

 

 

メモリーBP『ッ……!先代さん……!』

 

 

『……未来の希望の為に、わざわざその身を張って新世代を守ると?親身な事だ……が、私が見たいのは貴様のそんな姿ではないんだよ』

 

 

―ドゥバァアアアアアアアアアアアァァァッッッッッ!!!!!!―

 

 

幸助「ヌッ……!!」

 

 

何処か苛立ちを含む口調と共に、八雲の手から放たれる衝撃波の勢いが更に増して幸助達に襲い掛かる。

 

 

『其処の後継者が使う未来のメモリーの性能は実際に戦って既に分析し終えた。残るは、私が持っていない貴様の断罪の因子の真価をこの目で確かめる事のみ……私のもう一つの目的の為にも、貴様には因子の力を今より存分に発揮してもらわなければ困るんだよ』

 

 

幸助「……俺がこれ以上、貴様の思惑通りに動くとでも思うか……?」

 

 

『ならなければ、そうせざるを得ない状況を私が作り上げるだけだ……』

 

 

―ガギャンッ!!バシュウゥウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!―

 

 

八雲の淡々とした言葉と共に、八雲の背中の機械的な黒い羽根が展開されて緑色のエネルギー翼を噴出し、更に八雲の全身の赤い紋様が光を発光し禍々しく輝き始める。

 

 

『最初に言った筈だろう?私は貴様等との再会を待ち侘びていたと。永らく待ち望んでいたこの闘いをつまらん終わり方で幕を下ろすのは不本意窮まりない……次なる計画の為にも、貴様の因子の力を此処で見極めさせてもらう』

 

 

幸助(ッ……椛とシズクはともかく、今の後継者の力でアレを凌ぐのには無理があるか……一か八か、奴を一撃で沈められるか……?)

 

 

機械的な黒い羽根から噴出される緑のエネルギー翼を外側に大きく広げ、全身の赤い紋様から莫大な力を感じさせる真紅の光りを放出する八雲を迎え撃つべく、幸助もメモリアルブレイドを水平に構えていく。そうして、八雲の全身から放出される力の高まりが限界点を突破し、遂には次元すら揺るがし始めた。次の瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ギュイィィィィィィィッ……バシュウゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!―

 

 

『……ッ!』

 

 

幸助「むっ?!」

 

 

ガイア『?!な、何コレっ?!』

 

 

 

 

 

突如、幸助達と八雲が戦う岩山から遠く離れた場所に位置する地点から、巨大な純白の光の柱が天に目掛け放たれたのであった。その突然の事態を目の当たりにした幸助達と八雲は思わず動きを止めてしまい、その間にも突如出現した光の柱から放出される光が信じられない速度でこの世界全体に拡散していき、困惑する一同の視界をも覆い隠していく。

 

 

―シュパァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!!―

 

 

メモリーBP『グッ!!ま、眩しい……!!』

 

 

『この光、一体?!』

 

 

『……まさか……』

 

 

幸助「この感覚……祐輔の世界の時の……!」

 

 

目眩い光に視界を覆われて何も見えない中でメモリーBPと彼の中の精霊が戸惑う声が聞こえる中で、八雲、そして幸助はこの光の正体について何か気付き始めるが、二人が何かを口にする前に、光は激しさを増して彼等を飲み込んでしまうのであった―――。

 

 

 

 

 

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