仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―――光の柱が発生する、少し前……
―ガギイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!!―
クラウン『ハッ!!』
『チィッ!しつっこいッ!』
ジークローバーとカルネを援護する為、幸助達と分散して駆け付けたクラウンとヴリトライレイザーの激闘が空中で絶え間なく続いていた。
両腕に業火を身に纏い迫るヴリトライレイザーの剛腕を軽い身の熟しで避けつつ、両手に取り出したナイフを一斉に投擲し、ヴリトライレイザーがナイフを回避している隙に上空へと舞い上がると、マントを大きく広げて自身の周囲に無数のナイフを出現させてヴリトライレイザーに目掛け一斉に撃ち放った。
『ッ!道化がァ……そんななまくらが私に通用するとでも思ってんのかァ!!』
―シュウゥッ……バシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッ!!!!―
上空から豪雨のごとく降り注ぐ無数の凶器を迎え撃つべく、ヴリトライレイザーも瞬時に自身の背後に軽く百を越える数の炎弾を一瞬で形成し、無数のナイフに向けて一度に乱射しナイフを全て撃墜し、残った炎弾がクラウンに目掛けて襲い掛かった。が……
―ブォンッ!―
『……ッ?!幻っ?!―バサァッ!―わっぷっ?!』
完全に捕らえたと思われたクラウンの身体を容赦なく炎弾が撃ち貫いたその時、クラウンの姿が大きく残像のようにブレて消え去ってしまったのである。それがクラウンの本体ではなく、彼が生み出した分身なのだとヴリトライレイザーが気づいた瞬間、ヴリトライレイザーの頭に何処からともなく降ってきたマントが覆いかぶさり一瞬だけ視界を遮り……
―バキイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!―
『ガッ……!!?』
―チュドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―
その隙を突くように、頭上から何者かからの踵落としを受け、猛スピードで地上へと蹴り落とされていったのだった。そして、ヴリトライレイザーに不意打ちを打ち込んだ何者か……クラウンは、ヴリトライレイザーの視界を封じていた宙に舞う自身のマントを掴み、再び身体に身に纏いながら地上を見下ろしていく。
クラウン『今のも手品の一つですよ。物語から追放された貴女の事だ、こういったエンターテイナーを目にするのは久方振りでしょう……如何でしたかな?』
―……ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
胸に手を当てたクラウンが紳士のようなポーズでそう問い掛けたと同時に、ヴリトライレイザーが墜落した地上から突如巨大な爆発が発生した。そうして、立ち込める土埃の中から片膝を付いたヴリトライレイザーが現れ、殺意を込めた瞳でクラウンを見上げていく。
『このっ……サマ師の道化風情が、やってくれたねぇええッ!!』
クラウン『ふむ……確かに、女性を足蹴にするなどあまりにも失礼ですね。では、今からはこの両腕だけでお相手して差し上げましょう……彼とは違い、貴女を相手にはそれだけで十分そうだ』
『ッ!ほざいたなァッ!』
クイクイと、片手でジェスチャーするクラウンの言葉に怒りと共に拳に握る砂を投げ捨て、地面を蹴り上げながら遥か上空のクラウンに向け一気に跳躍するヴリトライレイザー。それに対してクラウンもマントを翻し、何処からともなく取り出したボールを両手にヴリトライレイザーに投擲して迎撃してゆくのだった。
―ガギイィッ!!ガギィンッガギィッガギャアァンッ!!―
ジークローバー∞D・M『ウゥラァッ!!』
『ゼェイヤァッ!!』
『■■■■ッ?!!■■■■■■ァッ!!!!』
その一方、クラウンがヴリトライレイザーの気を引き付けてる隙にアバドンイレイザーとの戦闘を再開したジークローバーとカルネは得物を素早く振るって交互に立ち回り、徐々にだがアバドンイレイザーの体力を削って少しずつ追い込み始めていた。
―ガギャアアァァンッ!!―
『■■■■ッ……!!!!■■■■■■ァアアアアアアアアアアッ!!!!!』
―バシュバシュバシュバシュッ!!!!―
『ッ!!グラン坊やッ!!』
ジークローバー∞D・M『ああッ!!』
―ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―
カルネの一撃を袈裟懸けに叩き込まれ数歩後退りしたアバドンイレイザーが再び朱い光弾を乱射し、それを見たカルネとジークローバーは咄嗟に左右に飛び退き光弾を避け、二人の背後で光弾が着弾して大爆発が巻き起こり爆風が吹き荒れ、カルネとジークローバーはそれに見向きもせず攻撃を行った直後で硬直するアバドンイレイザーに接近して再度斬り掛かった。
―バキィッ!!ガギイィッガギィンッ!!ズバァアッ!!―
『■■■■■■■ァッ!!■■■ゥッ……!!』
ジークローバー∞D・M『ッ!ちょっとずつだが弱って来ている……カルネっ!』
『ああ……!今なら零坊やを拘束出来る!』
此処まで蓄積したダメージが漸く目に見えて来たか、槍を杖代わりにして肩で息をするアバドンイレイザーを見て此処が好機だと悟り、二人はすかさずアバドンイレイザーに追撃を仕掛け一気に拘束しようとするが……
『グッ……!これ以上好きにはやらせないよッ!!』
―ドバババババババババババババババババァッ!!!ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―
『うおっ?!!』
ジークローバー∞D・M『クッ!!この、邪魔すんなっ!!』
クラウン『貴女の相手は私だと言った筈ですっ!!』
クラウンとの戦闘の最中であるヴリトライレイザーがソレを邪魔するかのように二人に向けて無数の炎の矢を乱れ撃ち、二人の行く手を阻んでしまったのである。それを目にしたクラウンはすぐさま自分に再び意識を向けさせるべくヴリトライレイザーにナイフを投擲するが、ヴリトライレイザーもナイフを軽く蹴り払いながらジークローバーとカルネへと再び襲い掛かっていき、それを追い掛ける形でクラウンもその場に乱入して三対一の乱戦と化してしまう。だが……
『■■■■■……■■■■■■■■ァアッ!!!!!』
―ブザァアアアアッ!!!バリイィッ!!バリイィッ!!ベキベキべキバリイィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!!―
『ッ?!』
ジークローバー∞D・M『何だッ?!ウオォッ?!』
『ウワアァッ?!』
三人がヴリトライレイザーとの戦いに気を取られる中、度重なるダメージにより憔悴しているアバドンイレイザーが突如長槍の矛先に黒い稲妻状のエネルギーを纏わせ、槍を振るって巨大な斬撃波を四人に目掛けて放ったのだ。四人もそれに気付き咄嗟に散開し巨大な斬撃波をかわすが、かわされた斬撃波はそのまま何もない筈の空間に亀裂を入れ、空間を破壊し、壊された空間の向こうに次元がハッキリと見えてしまっていた。
クラウン『ッ!この力は……まさか、因子の……?!』
『……ァハハッ。漸く因子の扱い方を覚えたようねぇ?まぁ今はまだこの程度の力しか使えないみたいだけど、人間だった頃に使っていた程の熟練度になるのは時間の問題かしら……?』
ジークローバー∞D・M『ッ?!まさか、零はあの姿になっても破壊の因子の力を行使出来るってのか?!』
もしそうなら冗談ではない。暴走した状態で振るわれる因子の力の猛威は、祐輔の世界で零が破壊者として覚醒した時に嫌というほど知っているのだから。驚愕を露わにジークローバーがヴリトライレイザーにそう問い詰めると、ヴリトライレイザーは愉快げに肩で笑いながらアバドンイレイザーを顎で指した。
『別に不思議でもなんでもないわよ、あの程度。イレイザー化すれば、その人間が元々持つ力がイレイザーの力の一部となって取り込まれて、人間でなくなった後もその力がイレイザーの能力の一つとして顕現される事になる……私のこの炎のようにね。あの出来損ないの場合、それがアレの持つ因子だった、それだけの事よ。そうよね、裏切り者?』
『……ッ……』
そう言ってユラリとカルネに視線を向けると、カルネは唇を噛み締めてその視線から逃れるようにヴリトライレイザーから顔を逸らす。その無言が意味するのは、つまりは肯定という事。それを悟ったジークローバーとクラウンもイレイザー化に加え因子の力とも対峙せねばならないと理解して険しい表情を浮かべる中、アバドンイレイザーは破壊の因子の力を帯びた長槍を再び振るって四人へと襲い掛かった。
『■■■■■アァッ!!!!!!』
―ブザアアァァッ!!!!バリイイィィンッ!!!!バキャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
『よっ!ハハハッ!それでアンタ達はどうする気ィ?あの出来損ないはイレイザー化に加えて、破壊の因子まで使えるようになった。もう生半可に生かしておくようじゃヤバいんじゃないのー?理性のない状態で、因子の力を行使されるのはアンタ達にとっても都合が悪いでしょ?』
ジークローバー∞D・M『貴様ッ……!!―ズバアアァァッ!!―グッ?!』
アバドンイレイザーの一撃を身軽に避けながらほくそ笑むヴリトライレイザーに怒りを覚えるも、そんな暇すら与えまいとアバドンイレイザーの斬撃波が飛来し慌てて地面を転がって回避するジークローバー。その矛先はクラウンやカルネにも襲い掛かり、三人はどうにか斬撃波を上手く回避し続けるも、避けられた斬撃波はそのまま空間を硝子のように破壊し、周囲至る所に次元の向こう側が見えてしまっている風穴だらけになってしまっていた。
ジークローバー∞D・M『クッ!!オイどうするッ?!ただの暴走を抑えるだけなら未だしも、因子の力まで使われるんじゃ勝手が違って来るぞッ?!』
『言われなくたって分かっているっ!クソッ、こうなる前に零坊やを正気に戻す筈だったのに、まさかもう此処まで力を使い熟せるとは……!』
クラウン『……永らく零氏の内、いえ、破壊の因子の中に潜んでいた影響もあって、恐らくあのイレイザーも零氏並かそれ以上なまでに因子の力に熟練しているのかもしれませんね……』
因子の力を使いこなすアバドンイレイザーを見据えて最も考えられる可能性から自身の推測を語るクラウンだが、そんなクラウンにもアバドンイレイザーが容赦なく漆黒の斬撃波を放ち、咄嗟に身を翻して斬撃波を避けながらジークローバーとカルネに向けて叫んだ。
クラウン『ともかく作戦を変えましょう!グラン氏とカルネ氏はクリエイトのイレイザーを抑えて下さい!零氏は私が引き受けます!』
ジークローバー∞D・M『なっ、けれどアンタだけじゃ……!』
クラウン『零氏の中の破壊の因子がイレイザーの力の一部として組み込まれてしまった以上、カルネ氏とてあの力は驚異となります!ならば、一度は因子の力を解放した零氏と対峙した経験がある私が相手をするのが妥当の筈です!』
『しかし……!』
『しかしもカカシも無い、そうはさせる訳ねぇーだろってねぇえッ!!』
『■■■■■■■ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!』
クラウンが提案する作戦の変更を二人が渋ってる間にも、ヴリトライレイザーがそうはさせまいと両足に炎を纏ってクラウンに素早く蹴り掛かる。更にはそんなヴリトライレイザーに目掛けて、周囲の空間を破壊し尽くして槍を振るいまくるアバドンイレイザーが再び矛先に因子の力を纏わせ、クラウンごと屠る為に槍を横薙ぎに振りかざそうとしたが、その時……
―…………ドグンッ!!!!!!―
『――――ッ!!!?■■…………■ッ…………!!!!』
―ガシャンッ……!―
ジークローバー∞D・M『……!な、何だ?』
突如、槍を振るおうとしたアバドンイレイザーが手を震わせて槍を落とし、胸を抑えて苦しみ出したのだ。その様子を目にしたカルネとジークローバーは怪訝な顔を浮かべ、ヴリトライレイザーは交戦するクラウンに回し蹴りを放って後退させながらアバドンイレイザーに叫ぶ。
『なにやってんのよッ!!そら、さっさと来なさいッ!!リィルを弄んだ私が憎いんでしょうッ?!アンタにはもっと暴れてもらわなきゃ困るのよッ!!さぁッ!!』
『ッ……!!!!■■■■■■■■アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!』
―シュウゥゥゥゥゥッ……!!!!―
『マズイ……!グラン坊やッ!!』
ジークローバー∞D・M『ッ!クソッ、こうなればヤケクソか……!!』
ヴリトライレイザーのその言葉に触発されるかのように、アバドンイレイザーは荒々しくヴリトライレイザーに右腕を突き出して手の平に膨大な因子の力を収束させていく。ジークローバーとカルネもそれを見て、因子の力に恐れている場合ではないと慌ててアバドンイレイザーに向かって駆け出していくが、それよりも速くアバドンイレイザーの右手から漆黒のエネルギー弾が放たれようとした。その時だった……
―シュウゥゥゥゥゥッ……シュバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!!―
『……■■ッ?!!』
『……なっ!!?』
『?!な、何よ、アレ?!』
因子の力を再び振るおうとしたアバドンイレイザーの身体から突如、目眩いまでの純白の光が溢れ出したのだった。その謎の光を目にしたクラウン達やヴリトライレイザーは勿論、アバドンイレイザーも己の身体から突如放たれたその輝きを見て動揺と驚愕を隠せずにいるが、純白の光はその間にも徐々に激しさを増していき、遂にはアバドンイレイザーの身体を完全に飲み込んでしまった。
『れ、零坊やッ!!!』
ジークローバー∞D・M『おいっ、今度は一体何が起きたんだッ?!まさか、因子の暴走かッ?!』
クラウン『……いいえ……あの光は……まさか……』
―………………せ、ない………………絶対にっ………………絶対にやらせないっ………………!!!!―
『ッ?!い、今のは……?』
ジークローバー∞D・M『……女の、声……?』
クラウン(今の声……やはり……!)
突如出現した謎の光に飲み込まれてしまったアバドンイレイザーを見てざわめくクラウン達の心の中に、女の声が何処からともなく聞こえ出したのだ。
心に直接聞こえたその謎の女の声にジークローバーとカルネは動揺してしまうが、クラウンはその聞き覚えがある女の声である確信を深めアバドンイレイザーを飲み込んだ光に視線を戻すと、それと共に純白の光が弾けるように消え、光の中からアバドンイレイザーの姿が露わにされた。だが、その姿は……
―ドシャアッ!!―
『――――……ッ……クッ……ハァッ、ハァッ、ハァッ……!』
光の中から姿を現したのは、両膝を付いて苦しげに肩で息を繰り返す純白の異形……先程まで彼等が戦っていたハズの醜い悪魔の姿をしたイレイザーではなく、まるで神話の中に出てくる女神を彷彿とさせるような美しい女性型のイレイザーだったのだ。
ジークローバー∞D・M『れ、零……じゃない……?何なんだ、アイツ……?!』
『女型の……イレイザー、だとっ……?』
アバドンイレイザーと入れ代わるかのように、光の中から現れた謎のイレイザーを見て驚愕するジークローバーとカルネ。そんな中、ヴリトライレイザーはその謎のイレイザーを見て信じられないといった様子で後退りした。
『こ、この、感覚……間違いない……な、なんで……?』
『ハァッ……ハァッ……ハァッ……ハァッ……!』
一体どういう事だと、有り得ない物を見るような目で謎のイレイザーを見つめるヴリトライレイザー。だが、その瞳は徐々に憎しみの色を帯びてギリギリと拳を握り締めていき……
『な、なんで……よ……なんでアンタ……なんでアンタがァァアアッ!!!!』
―ダアアァンッ!!!!―
『……ッ?!クッ!!』
―ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーオオォンッッッッ!!!!!!!!―
突然の激昂の雄叫びと共に、地面を爆発させる勢いで蹴り上げて謎のイレイザーに目掛けて飛び出し、拳を振り上げて殴り掛かったのだった。そして、それに気付いた謎のイレイザーはすぐさま目の前に両手を突き出して自身の周りに球状の障壁を作り出し、激突音と共にヴリトライレイザーの拳を受け止めた。
『シュレン……?!』
『どうしてアンタが此処にいるのよッ!!?死んだ筈のアンタがぁッ!!!まだ私達の邪魔をしようってのッ?!!"亡霊"風情がっ、今更しゃしゃり出て来てんじゃないわよオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオッッ!!!!!』
『ウグッ、クッ……うぅっ……!!!』
―ピシッ……ピシィッ……ビシイィッ!!!―
先程までの様子から一変し、何故かヴリトライレイザーは憎悪に満ちた拳を捩り込むように突き出し、謎のイレイザーが展開する障壁に火花を散らせながら徐々にヒビを広げていき、謎のイレイザーも障壁に新たなヒビが生じる度に苦悶の声を上げて苦しんでいた。
ジークローバー∞D・M『おい、何なんだ一体……?!アイツ、零を暴れさせるのが目的なんじゃ、いやそもそも、あのイレイザーは零なのか?!』
『僕にも分からない……だが、あのイレイザーはまさか……―バッ!―っ?!』
突然の展開の連続に困惑を隠せないでいる二人だが、そんな二人を他所にクラウンが二人の間を猛スピードで駆け抜けてヴリトライレイザーと謎のイレイザーの間に割り込み、障壁に拳を打ち込むヴリトライレイザーの腕を下から掌底打ちで弾き飛ばした。
『ッ!貴様ァッ!』
クラウン『"彼女"を此処で、貴女にやらせるワケにはいきませんッ!』
『ふざけんなぁあッ!!!退けぇえッ!!!』
未だ収まらぬ激昂を高ぶらせ、それに応じるかのように激しく燃え盛る炎を両腕に纏わせてクラウンに殴り掛かるヴリトライレイザー。そして、謎のイレイザーは目の前で繰り広げられる二人の戦いを見つめながら膝から崩れ落ちるように倒れ、それを目にしたジークローバーとカルネは慌てて謎のイレイザーの下に駆け寄った。
ジークローバー∞D・M『お、おい、おいしっかりしろッ!!おいッ!!』
『うぅっ……ぁあっ……うぁああああッッ!!!!』
この異形が何者かは分からないが、それでも零かもしれないという可能性がある以上は放っておけず苦しむ様子を見せる謎のイレイザーに必死に呼び掛けるジークローバーだが、謎のイレイザーにはその声に応えるだけの余裕がないのか激しく身を捩らせながら悲鳴を上げると、直後にその姿がアバドンイレイザーに、次に零に、その次に長い銀髪の見覚えのない少女の姿に変化した後に謎のイレイザーの姿へと戻った。
ジークローバー∞D・M『ッ?!な、何だ……今の?!』
『今の少女……やはり、君は―――!!』
『あああぁッ!!グッ!!ぅうっ、ぐっ……ぁっ……ァァァアアアアァァァァアアアアアアアッッ!!!!』
―シュウゥッ……シュウゥッ……シュパアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!!!!!―
カルネが銀髪の少女の姿を見て何かを確信し言葉を発しようとするが、それを遮るように謎のイレイザーが悲痛な悲鳴を上げ、それと同時に謎のイレイザーの体から先程と同じ純白の輝きが激しく放たれ出した。
『ッ?!!ヤ、ヤバッ……?!!』
クラウン『あれは……?!』
ジークローバー∞D・M『こ、この光、さっきの?!』
『この感じっ……力が逆流しているのかッ?!離れろグラン坊やッ!!!』
ジークローバー∞D・M『何?!ウ、オォッ!!?』
謎のイレイザーの全身から放たれる光の正体が何なのか分かったのか、カルネは慌ててジークローバーの腕を掴んで謎のイレイザーから離れるように駆け出し、クラウンもヴリトライレイザーを蹴り飛ばして二人の後を追い掛けるが、謎のイレイザーから放たれる光はその合間にも激しさを増して遂には火花を散らし、そして……
―バチバチッ……バチイィッ!!!―
『アアァッ……グゥッ……ウグゥッ……ァ……ッ…………イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアァァッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!』
―ギュイィィィィィィィッ……バシュウゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!―
『『『ッ!!!!?ウ……ウワアァアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!』』』
……謎のイレイザーの悲痛な絶叫と、直後に発生した轟音と閃光と共に、彼女の全身から灰色の空に目掛けて巨大な白い光の柱が勢いよく立ち上り、光の柱から視界を覆う程の輝きが拡散してこの世界全体へと一瞬で広がっていったのだ。
その輝きは、クラウン達とヴリトライレイザー、遠くの地にいるハズの幸助達と八雲をも包み込んでしまい、やがては地平線の向こうにまで光の奔流が広がり零の物語(このせかい)の全てを飲み込んでしまったのであった――――。