仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
『ユリカ……ユリカ・アルテスタッッッ……!!!!』
ユリカ「…………………」
リィルを庇い、黄金の剣を手にヴリトライレイザーと対峙するように何処からともなく現れたユリカ・アルテスタ。そんな彼女の登場に対し、ヴリトライレイザーは泥のように粘着な憎悪と殺気を浴びせながら睨みつけるが、ユリカは真っ向からソレを受け止めても動じずにヴリトライレイザーに鋭い視線を向け続けている。が……
『お姉…………ちゃ……………ゥッ…………』
―バタッ……―
ユリカ「ッ!リィルッ!!」
地面に座り込むリィルは、駆け付けたユリカの背中を見た途端突然グラリと身体を揺らしながら倒れ伏してしまい、それを背中越しに感じ取ったユリカは剣を消しながら慌ててリィルの傍に駆け寄り、彼女の身体を抱き抱えた。
ユリカ「リィル!リィルっ!!しっかりしなさいっ、リィルッ!!」
『…………お姉……ちゃん…………』
普段の冷静な彼女らしくもない、血相を変えた表情でリィルの身体を揺さ振って呼び掛けるユリカ。リィルはそんな彼女の声で朦朧とした意識を呼び覚まされ、ユリカの顔を徐に見上げる。
『お姉ちゃん――――お、おね、がい……』
ユリカ「……え?」
そう妹の口から零れたのは、懇願の声。それを聞いたユリカが思わず聞き返してしまう中、リィルは震える手でユリカの肩を掴み、
『お願い…………零を…………零の大切な、あの子達を…………守って、あげ―――――』
ユリカ「ッ……!!リィルッ!!」
ユリカにそう伝え、力無く気を失ってしまうリィル。そんな彼女の様子にユリカも慌ててリィルを揺さ振り大声で再び呼び掛けるが、その時、リィルの全身が光に覆われていき、身体から無数の粒子を立ち上らせて異形から人間の姿……元の黒月零へと戻り、リィルは消滅―――否、零の中へと、"今度は完全な魂の形で戻った"のだった。
ユリカ「ッ……リィル……貴方……其処までしてまだ……この子達を……」
元の姿に戻った零、そして彼の中にイレイザーとして戻ってしまったリィルを目にし、ユリカは悲しげに瞼を伏せながら零をその場に寝かせ、ゆっくりと身体を起こしてヴリトライレイザーを睨み据えた。
『――あら、感動の再会はもういいのかしら……?気の済むまで続けてもらっても構わないのよ?なんせ、これが最後の姉妹の会話に成り兼ねないのだしねぇ』
ユリカ「…………。貴女がイレイザーとなってクリエイトの一員に降ったことは知っていたけど……少し見ない内に、随分醜悪な姿になったものね、貴女も……」
『ハッ、人の見た目のまま化け物同然の身体になったアンタよりか、まだ可愛いげがある方じゃない?人を指してどうこう言える立場でもないでしょ、アンタも?』
そう言い合いながらユリカとヴリトライレイザーはお互いにとてつもない敵意と殺気を放ち、それを間近で感じ取った近くのセンチュリオ達も恐れ戦き思わず後退りする中、ユリカはヴリトライレイザーと対峙したまま白と金のバックルを取り出した。
『……何のつもり?まさかアンタ、そのクズを庇って私達と戦おうだなんて考えてるんじゃないでしょうね?』
ユリカ「……そうだと言えば、どうするの?」
『気でも狂ったとしか言いようがないわね……忘れたの?ソイツはアンタの妹を殺し、私やアンタ達の故郷をも滅ぼした、言わば仇と言っても過言じゃないわ。アンタだって、それを知っているからあんなに嫌がってた終極の神になんかなったんでしょ?そいつを殺す力を得る為にさぁ?』
ユリカ「…………」
まるでユリカの中の憎しみを煽るように笑いながら高らかにそう告げるヴリトライレイザーに対し、ユリカは何も言い返そうとせず、ただ無言のまま腰にバックルを当ててベルトを巻き付けていく。
『さっきだって、ソイツの顔を見たアンタの瞳には、憎悪の色が見えた……本当は今でも殺したいぐらい憎んでんでしょう?だったら――「貴女に言われるまでもないわ」……あ?』
ヴリトライレイザーの弁に熱が入り始めようとしたその時、ユリカの冷ややかな声が彼女の演説を遮った。そしてヴリトライレイザーが怪訝な表情でユリカを見ると、ユリカは先程と変わらない無表情のままヴリトライレイザーを見据え、己の心情を語るように淡々と口を開いた。
ユリカ「少しばかり癪に障るけど、大体は貴女の言う通りよ……私も聖人君子という訳ではないから、私や貴女の故郷、リィルの命を奪ったこの子に対する憎しみがないと言えば嘘になる……以前はリィルの事を忘れて生きる彼を、思わず殺したくなる時だってあった……けどね……」
スッ……と、ユリカの目が冷たい色を帯びる。
ユリカ「私も、あの時何が起きたのか全てを知るワケじゃない。それを聞き出す前に今の何も知らない彼を糾弾し、この手に掛けた所で、きっと私は永遠に納得する事が出来なくなる……真実を知る為にも、一時の憎しみに身を委ねて全てを無為にような真似はしないわ」
『……あっ、そう……その心意気には感心するけど、でもこっちからしてみればそんなのはどうでもいい事なのよ。ソイツには完全にイレイザーになってもらわないと困るんでね。ソイツの中の『余分なモノ』には此処で消えてもらうわ』
ユリカ「……させると思うの?」
ザッと、零の中のリィルを消し去る意向を見せるヴリトライレイザーの前に立ち塞がるユリカ。だがそんな彼女の周囲を状況の理解が追いつかず今まで立ち尽くしていたセンチュリオ達が包囲してブレード・ルミナリウムを握り締めていき、その端では全身から夥しい量の血を流すΦを肩に担ぐガリュウの姿があった。
『アンタはΦをアジトにまで運んで治療させなさい。その子にはまだ利用価値があるんだから、死なせるんじゃないわよ?』
ガリュウ『…………(コクッ)』
ヴリトライレイザーからの指示にガリュウは控え目に頷き返し、Φを抱え直しながら背後に歪みの壁を出現させて自分達のアジトへと撤退していき、その様子を横目にユリカは再び口を開いた。
ユリカ「あんなくだらないクローンを持ち帰って……まだアレを悪用するつもり……?」
『その為に造ったのだから当たり前でしょう?今回の件で利用目的の半分は果たしたけれど、戦力的な意味でならまだまだ活用出来るしね。特にソイツ相手にはリィルと同じ顔をしてるってだけで効果覿面だしぃ?……ああ、アンタからしてみれば不快な事この上ないのかしら?ねぇ、おねーさん?』
ユリカ「……どんなに本物に似ようとも、所詮は偽物……あのクローンに対しての感情は何一つ持ち合わせてはいないわ……でもね……」
ユリカの腰に巻かれた白と金のベルト……セイレスドライバーから無数の光の粒子が放出されユリカの全身を覆うと、黒色のラインが走る純白の装甲とナイトに近い騎士のような仮面を身に纏い、最後に黒と金のマントが腰に出現し違う姿へと変身していった。そしてすべての変身を完了させたライダー……『セイレス』は右腰に納めた金色に輝く剣、先程も手にしていたアルディオスを手に取った。
セイレス『―――あの子という存在を貶め、侮辱した貴女達に対するこの怒りは、例え八つ裂きにしても収まりが付かない……あの子の顔を使った時点で、それ相応の覚悟は既に出来てるのでしょう……?』
死者であり、自身にとって最大の遺恨でもある彼女の存在を辱めたヴリトライレイザー達に対する憤怒から圧倒的な威圧感を放つセイレス。それを間近で感じ取ったのかヴリトライレイザーは無意識に額から一筋の冷や汗を流しつつも、その顔には薄い笑みを浮かべている。
『珍しくやる気じゃない、いつもすかしてるアンタのそんな顔を見れただけでも私的には満足だけど……。アンタ一人で、其処のクズを"守り切れる"と思ってんの?』
ガリュウとΦが抜けたとは言え、此処にはまだ無数のセンチュリオが健在だ。
更に町中には雷達と紫苑達がクアットロとノーマ・レギオ、そしてインスペクターに追い詰められて何人かが瀕死の状態に陥っており、彼等の誰かが欠けるだけでも零を精神的に追い込む事が出来る。
その手助けを幸助達に期待しようとも、そちらの方は八雲がその力を発揮すれば単独で足止めぐらいは出来る。
つまり、此処でセイレスが零を守り切れたとしても、黒月零を瓦解させる方法は幾らでもあるのだ。
セイレス『……そうね……私一人じゃ此処にいる彼の身を守れたとしても、彼の心まではどうする事も出来ない……彼等を助けに向かおうにも、今の私一人じゃ其処までのお膳立ては出来ないわ……』
自分一人では今ある問題の全てをカバーし切ることは確かに不可能だ。その事実を認めた上で、しかし、セイレスは仮面の下で不敵に笑ってみせ、
セイレス『私には出来ないとしても、"彼を慕う彼等"にならそれも可能になるわ……その辺りの事、きちんと考えてあるのかしら?』
『何……?』
―ドッガァアアアアアアアアアアアアアアアンッッッ!!!!!―
どういう意味だ?と、ヴリトライレイザーがセイレスに聞き返そうとする前に、町中に突如巨大な大爆発が発生したのはそのすぐ直後の出来事なのだった。
◇◆◇
爆発が起こる数分前……
―クラナガン・ショッピングモール―
―ガキイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!!!―
ディケイド(紫苑)『グゥッ?!うっ、ウアァアッ!!』
センチュリオRが一息と共に振るうブレード・ルミナリウムの凶刃がディケイド(紫苑)のボディを切り裂いて火花を散らし、続け様に上空から猛スピードで突進してきたシルベルヴィントがすれ違い様に叩き込んだ高周波ブレードによる斬撃がディケイド(紫苑)を吹き飛ばしてしまう。
それでもなお、ディケイド(紫苑)は起き上がって二人に立ち向かおうとするが、途中で身体がふらつき片膝を着いてしまった。
シルベルヴィント『ハッ、なんだい風間紫苑?もうへばったのかい?これなら、さっきの小娘の方がまだ歯ごたえがあったよ!』
ディケイド(紫苑)『ッ……うっ……』
センチュリオRの斜め後ろの宙に浮遊し、今のディケイド(紫苑)の姿を嘲笑うシルベルヴィントに触発され無理に立ち上がろうとするも、やはり上手く膝に力が入らずソレすらも出来ない。
先程までは、アズサがシルベルヴィントの相手を引き受けていてくれたおかげでナンバーズと共にセンチュリオRと互角の戦いに持ち込む事が出来たが、アズサが倒れた事で再びシルベルヴィントと相対する事になり、更には彼女を助けようとしたナンバーズも倒れてしまった。そして、
―ズガガガガガガァアッ!!バシュウゥッバシュウゥッ!!ガギィイイイイイインッ!!―
テンガA『クッ!こんのっ!―ズバアァアアッ!!―ガハァアッ?!』
リイン『?!勇輔君ッ!!―ズシャアァアアアッ!!―きゃあぁあああっ?!』
シャマル「優矢君ッ!!!ヴィヴィオッ!!!姫さんッ!!!お願いしっかりしてッ!!!アズサちゃん気をしっかりッ!!!」
ヴィヴィオ「……ゥ……」
優矢「………………」
アズサ「――――――」
姫「――――――」
ヴィヴィオは遥か後方にて、勇輔によって一緒に回収された瀕死の状態の優矢、アズサ、姫と共にシャマルの治癒魔法を受けてる最中にあった。
しかし、腹を貫かれた優矢、ミンチ寸前にまで全身をズタズタにされた姫の容態はシャマルの治癒を受けても芳しくなく、アズサに関してはシャマルが治療魔法の手を緩めれば直ぐに死に至っても可笑しくない最悪の状態にある。
そんな彼女達を守るためにリインとテンガがゴウラムの支援を受けつつ迫り来る無数の敵を迎撃しているが、やはり数が違い過ぎる。
空から絶え間なく降り注ぐ無数の実弾とビームの雨、振り下ろされる刃の数々にリインとテンガの姿も目に見えてボロボロになっていき、更にはゴウラムまでもが量産型ゲシュペンストMk-Ⅱとセンチュリオの一斉射撃を浴びせられ遂に墜落し、ビルの一角へと叩き付けられてしまっていた。
ディケイド(紫苑)(ッ……どうする……このままじゃいずれはっ……)
あの様子ではシャマル達を守るリインとテンガもそう長くは持たない。
彼女達の守りが突破される前に一刻も早く別の手段を考えなければならないが、この現状、この状況を打破する術をディケイド(紫苑)は持ち合わせてはいない。
目前のシルベルヴィントとセンチュリオR、リインとテンガを今も追い詰めてゆくドルーキンは破格の実力の持ち主であり、センチュリオRの性能に引けを取らない力を持つセンチュリオの群れ、更には無数に沸き上がる量産型ゲシュペンストMk-Ⅱと量産型ヒュッケバインMk-Ⅱの大群。
これだけの数の強敵と兵の数を一度に蹴散らすには、やはり今のディケイド(紫苑)の持つ力だけでは足りない。
せめてこの世界に来る前にもう幾つかライダーの世界を巡っていればと、今更の後悔の念に見舞われて地面に拳を叩き付けてしまう。
ディケイド(紫苑)(……いいや、それでも、諦める訳にはいかないっ。零さんに任された以上は、僕が……!)
無い物をねだったところで、それこそ今更でしかない。
零が自分を信じて雷達の事を任せた以上、此処で自分が挫ける訳にはいかないのだと、ディケイド(紫苑)はライドブッカーSモードを杖代わりにふらつきながら立ち上がり、再びシルベルヴィントとセンチュリオSと対峙していく。
センチュリオR『……まだ無駄な抵抗を続ける気ですか、風間紫苑……今の貴方の力ではこの状況を覆す事は不可能です……。それは、他ならぬ貴方自身が良く分かっている筈では?』
ディケイド(紫苑)『ああ、君に言われるまでもないさ……。けどね、だからって簡単に諦めるほど僕も人間出来ちゃいないんだよ……こう見えて、理不尽な暴力に対しては抗いたくなる質なんでね……どんなに君達の力が強大だろうと、君達に屈する膝は持ち合わせてはいないっ』
シルベルヴィント『ハッ、憎たらしい減らず口も此処まで来ると、最早愛嬌にすら見えてくるねぇ……だったら教えてあげるよ、風間紫苑?そういうのってさ、無駄の努力の悪あがきって言うんだよォォおおおおッ!!!!』
忌ま忌ましげに吠えると共に、両腕の高周波ブレードを交差しながらバーニアを最大出力で噴出し、ディケイド(紫苑)に向かって再び突進するシルベルヴィント。
センチュリオRもブレード・ルミナリウムを形成するナノマシンを分解、再構築してランチャー・ジェミナスへと形作りながら銃口をディケイド(紫苑)に狙い定め、迫り来る二人の強敵を前にディケイド(紫苑)も噛み締める歯を鳴し玉砕覚悟でライドブッカーを構え直した。そんな時だった……
『――――成る程ね。その心意気、君は確かに別世界のディケイドだ。そういう人間は嫌いじゃないよ』
『ああ。だから、こちらも気兼ねなく加勢させてもらうぜ?』
ディケイド(紫苑)『…………え?』
―――そんな、何処からか聞こえた二つの声と共に、シルベルヴィントの真下、センチュリオRの頭上から二人の仮面の戦士が前触れもなく現れたのは……。
センチュリオR『ッ……?!なっ―ズシャアァアアッ!!―グッ!!』
シルベルヴィント『なにッ?!―ガギィイイイイイインッ!!―ガハァッ?!』
ディケイド(紫苑)『ッ?!な、何?一体……?!』
突如二人の頭上と真下から出現した二人の仮面の戦士による奇襲。
センチュリオRは頭上から急降下してきた仮面の戦士にランチャー・ジェミナスを真っ二つに斬り裂かれて咄嗟に後方へと跳び退き、シルベルヴィントは真下から飛び上がった仮面の戦士が突き上げる剣の突撃を喰らってのけ反るように吹き飛んだ。
そんな目の前で起きた突然の出来事にディケイド(紫苑)も理解が追い付かずに唖然としてしまう中、シルベルヴィントとセンチュリオRを退けた二人の仮面の戦士がディケイド(紫苑)に背を向けるように立った。
『……それにしても、あの世界から転移してこんな所に出てきてしまうなんてね……いや、今回は寧ろそれが良い方向に働いたかな?』
『雷牙の世界を修復する手間も省けたしな。……俺としては、あのシスコン馬鹿オーガがいる場所に転移が出来てれば言う事無しだったんだが』
ディケイド(紫苑)『……君達、は……?』
目の前で謎の会話を交わす二人組に戸惑いがちにそう問い掛けるディケイド(紫苑)。すると、ネオプラズマカッターで斬り掛かってくる量産型ゲシュペンストMk-Ⅱを殴り飛ばすリインと優矢達を治療するシャマルがその二人組に気付き、我が目を疑うように驚愕の表情を浮かべた。
シャマル「あ、あれは……?!」
リイン『せ、"紲那君"に、"紲牙君"っ?!な、なんで二人が来ないなとこにっ?!』
二人組の仮面の戦士達……零の平行世界の友人である輝晶 紲那が変身する仮面ライダーディジョブドと、もう一人の紲那とも呼べる紲牙が変身する仮面ライダーディジョブドダークネスを見てリインとシャマルが驚愕の声を上げ、その二人の不意打ちを喰らったシルベルヴィントとセンチュリオRは新たに現れた敵対者に警戒心を露わにしていた。
シルベルヴィント『クッ、仮面ライダーディジョブドの輝晶紲那に、ディジョブドダークネスの輝晶紲牙だってっ……?!』
センチュリオR『……何故、貴方達が此処に……?』
ディジョブド『その質問は愚問だね。そんなの零達を助ける為に来たに決まっているだろう?当初はまあ……予想外のアクシデントに見舞われたせいで別世界で戦っていたけど、予定通りこの世界に無事転移出来たのは運が良かったよ。……この場所に"出てきた"のは僕達にとっても予想外だったけど』
ディジョブドD『……一緒に転移した筈の連中が此処にいない時点で、半分成功の半分失敗だけどな。ま、気配は感じ取れるからこの世界にいるのは間違いないだろうが』
そう言いながら誰かを探すかの様にディジョブドDが周りを徐に見回すが、シルベルヴィントはそれを他所に新たに現れた乱入者を前に敵意を露わにし宙に再び浮き上がっていく。
シルベルヴィント『ワケの分からないことをゴチャゴチャとっ……要するアタシ等の邪魔しに来たって事だろっ?たかだか増援が二人増えたところで―――!』
「――――いや、生憎だがその数え方は間違いだ」
「うん。この場合、正確には"四人"……だよね?」
リイン『……え?』
―シュンッ……ガギィンッ!ガギィンッガギィンッ!ガギィイイイイイインッ!―
『ッ?!グ、グォオッ?!』
『ガハアアァッ?!』
ドルーキン『……?!』
シルベルヴィント『な……なんだい、ありゃ?!』
苛立つシルベルヴィントの声を遮るように、何処からともなく響き渡った二つの声。それと共に、突如遥か上空から二機の小型戦闘機が飛来し、リインとテンガを襲う量産型ライダー達に何度も突撃して次々と吹っ飛ばすと、あらかた片付け終わった二機の小型戦闘機はリイン達の後方……其処に佇む二人組の青年の腰に巻かれたドライバーのバックルに吸い込まれるように消えていった。その二人組とは……
クロノ「……最悪な事態になる前に、なんとか間に合ったようだな。しかし全く、あの人がいきなり『此処で別行動!』とか言い出さなければもっと早くっ―――」
ユーノ「いや、まあ、愚痴っても仕方ないよクロノっ。あの人の唐突さは零達でも手を焼いてたってぐらいなんだしさっ」
リイン『ッ?!う、嘘……あれって……?!』
シャマル「ユ、ユーノ君に……クロノ提督……?!」
そう、その二人の青年……険しげに眉間にシワを寄せる黒髪の青年と、その彼に苦笑いを向けて宥める金髪の青年とは、零達の世界の住人で零とリイン達の友人、そして、ハルと別行動を取りリイン達の危機に駆け付けたクロノとユーノだったのである。
シルベルヴィント達がその二人を新たな敵の増援として捉え驚愕する中、リインとシャマルはそれとは別の意味で驚きを露わにクロノとユーノを呆然と見つめていくが、クロノとユーノはそんな彼女達の反応を他所にリイン達の前にまで踏み出した。
ユーノ「まあ、とにかくさ、二人共久しぶり。積もる話も色々あるけど、一先ずこの場は加勢させてもらうよ……これ以上君達の身に何かあったんじゃ、零達や守護騎士達に合わせる顔もないしね」
リイン『え……零って……そ、そんなら二人はまさか―――!』
クロノ「詳しい話は後だ、君達は引き続き怪我人達を頼む。……ユーノ、行くぞ!」
ユーノ「うん。まあ、ハルさんがいないからアクエリオンにはなれないし、此処は……コレの出番だね」
そう言いながら二人は腰のベクターバックルを外していき、代わりに何処からか別のベルトを取り出していく。
クロノとユーノがそれぞれ取り出したそのベルトは、一見するとファイズギアに酷似しているが、クロノのベルトは青と白のツートンカラー、ユーノのベルトは緑と白のツートンカラーと色調に違いがあり、それらを腰に巻き付けていく。
リインキバット「えっ……あ、あれって……!」
シャマル「ベルト……?!まさか……!」
二人が腰に巻くベルトを目にしたリイン達が目を剥く。そしてクロノとユーノは更に懐から自分達のベルトと同じ色彩の携帯……アストレイフォンを取り出して開き、それぞれ変身コードを入力した後にエンターキーをプッシュしていく。
『0・0・3』
『0・0・4』
『『Standing by……』』
エンターキーを押して響き渡る電子音。そして二人はアストレイフォンを閉じてそれぞれ変身の構えを取り、
『変身ッ!』
『『Complete!』』
腰に巻くベルト……アストレイギアのバックルに携帯をセットすると同時に再度電子音声が鳴り響き、直後にクロノのベルトから青の光、ユーノのベルトからは緑の光が伸びて二人の体を駆け巡っていく。
二人から発せられる眩い光が辺りを覆い尽くしてその眩しさに一同が思わず視線を逸らすと、閃光が徐々に収まり始め、みなが二人に視線を戻した時には彼等の姿は全く別の物……外見はほぼ同一ではあるが、基本フレームの色がそれぞれ異なる二人のライダーに変化していた。
クロノは青と白の装甲に緑の瞳を持ち、全身には巨大なバズーカやミサイルポット、左腕には青と黒の大型シールドを装備したライダー、ユーノは緑と白の装甲と緑色の瞳を持ち、両腕にはクロノと同じく緑と黒のシールドに巨大なライフルを手にしているが、腰にはライフル・ビームサーベル・実体斧を複合させたような武器をマウントさせてるライダー……『仮面ライダーアストレイ・ブルーフレームフルウェポン』、『仮面ライダーアストレイ・グリーンフレーム』に変身し、変身完了と共にれぞれの銃から量産型ライダー達に向けて一斉射撃を放った。
―バシュウゥッ!バシュウゥッ!ズガガガガガガァアンッ!!―
センチュリオ『くッ?!データベースにない全く未知のライダーですって……?!』
リイン『ク、クロノ君と、ユーノ君が、仮面ライダーに……?!』
アストレイBFFP『……本物のデッドコピーではあるが、それでも性能的には申し分ない。甘く見ていたら痛い目だけじゃ済まないぞッ!』
アストレイGRF『別世界のディケイド、ディジョブド!こっちは僕達に任せてくれ!君達はそっちを頼んだよ!』
ディケイド(紫苑)『え……あ、はい、分かりましたっ!』
ライダーに変身したクロノとユーノに驚愕しつつも、彼等がリイン達の加勢をしてくれるなら目の前の強敵に専念出来る。未だに困惑しながらも二人に感謝し、ディケイド(紫苑)達は目前のシルベルヴィントとセンチュリオRに向けて身構え反撃を開始していくのであった。