仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
謎の男とアース達によって仲間達と逸れてしまった零と進、そしてヴィヴィオ。そんな中で、彼等は思いもよらぬ形で再会を果たしていた。
零「お前、なんで此処に…というかこんな所で何やってんだ!?」
先程城の中でアース達に連れ去られたはずの進が何故此処にいるのか、一先ず適当な岩陰に進と共に身を潜めた零の疑問に、進は小さく溜め息を吐いて答える。
進「何でも何もない。俺達はあの後ここに連れて来られて、あの怪物達と……それと気持ち悪い笑い方をする眼鏡の女に一方的にやられてたんだよ」
零(…眼鏡の女?…ああ、クアットロの事か…確かにアイツの笑い方は苛つく上に気持ち悪いからな…分かりやすい上に共感出来るわ…)
バツが悪そうに言う進の言葉に納得して頷く零だったが、進の周りを見て一つ疑問を感じ首を傾げる。
零「? なあ、お前と一緒にいた子達はどうした?確かあの子達もお前と一緒に連れていかれたはずじゃ…」
そう、アース達に連れていかれた時に進と一緒にいたはずの少女達……こなた、ゆたか、みなみの三人の姿が何処にも見当たらず尋ねると、進は再び溜め息を吐きながら額に手を当てて答える。
進「ちょっと訳ありでな。さっき言った怪物達のせいで皆とはぐれちまったんだ。それで皆を探していた時に此処でお前と会った。そんな所だ…そういうお前は?」
零「…俺もお前と似たようなもんだ。いきなり攻撃されて、その時に俺達は皆と逸れ、あいつ等を探していたところにお前が現れた……って所だ」
互いの経緯を簡単に纏めて話すと二人は辺りを見回し、零は進を横目で見ながら口を開く。
零「それで、さっきは聞きそびれたからもう一度聞くが…お前一体誰だ?せめて名前だけでも教えてくれるとこっちも色々と助かるんだが」
進「……気にするな、ただの通りすがりだ。呼びたければ好きなように「そうか……じゃあ仏頂面で」元道進だッ!!!」
かっこよく決めようとした瞬間に絶対に呼ばれたくない名前を出され、進は咄嗟に振り返って改めて名を名乗った。
零「元道進か…いい名前じゃないか。俺は黒月零。まあ、お前の言葉を借りれば同じくただの通りすがりだ。それでこっちが……ヴィヴィオ、おいで」
ヴィヴィオ「う、うん」
先程から零の後ろに隠れていたヴィヴィオを前に出すとヴィヴィオは進の前に立ちペコッと可愛らしく頭を下げた。
ヴィヴィオ「えと…ヴィヴィオです。はじめまして」
少し照れた様子で丁寧にお辞儀をするヴィヴィオ。だが……
進「………え?……はじめ…まして……?」
ヴィヴィオ「…?」
零「?どうした元道?」
ヴィヴィオが進に挨拶をした瞬間、進は衝撃を受けたような表情を浮かべ、零とヴィヴィオは「?」と頭上に疑問符を浮かべて首を傾げる。すると固まっていた進が漸く我に返り戸惑った様子でヴィヴィオに問い掛けて来た。
進「ちょ、ちょっと待て?!ヴィヴィオ!何ではじめましてなんだ?!俺の事忘れたのか?!!」
ヴィヴィオ「え?え?」
零「おい、ちょっ、落ち着け元道!!どうしたんだ急に?!」
戸惑った様子でヴィヴィオに問い詰めて来る進を後ろから羽交い締めにして落ち着かせようとする零。すると進は何かに気づいたようにハッと声を上げて零の方に振り返った。
零「お、おい?どうした?そんな怖い顔をして…ウグゥッ?!ま、待て元道!落ち着け!何で首を締め…ってか苦しい!苦しいって!首が締まって!呼吸がぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
進「やかましい!!お前の仕業か!?何か色々とおかしいと思ったら全部お前の仕業だろッ?!なのは達に一体な・に・を・し・た!?全部吐けぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
零「い、意味が…分からな……ちょっ!堕ちる堕ちる堕ちる堕ちる!!!本当に堕ちる!!!!!」
零の首をガッチリと締めて問い詰める進だが、呼吸ができない今の零にそんな問いに答えられる余裕があるはずもなかった。
◆◆◆
一方その頃…零達のいる場所から少し離れた所では…
こなた「進ー!進ー!何処にいるのー!?」
ゆたか「進さん!いるのなら返事をして下さい!進さん!」
先程の攻撃によってバラバラに散ったこなた達三人は何とか合流出来たのだが、肝心の進の姿が見つからず、三人は未だ見つからない進を探して黒煙の中を駆け回っていたのだ。
みなみ「泉先輩!ゆたか!駄目です、こっちにもいません!」
ゆたか「……進さん。一体どこに行ったんだろ…無事だといいんだけど」
こなた「…進ならきっと大丈夫だと思うけど、ここまで探しても見つからないんじゃちょっと心配だよね…よし!次はあっちを探してみよう!」
ゆたか「あっ!お、お姉ちゃん待って!」
胸の中で渦巻く不安を振り払うように大声を上げて進の探索を再開するこなた。ゆたかとみなみもそんなこなたの後を追ってその場から歩み出した、が。
―ズドドドドドドドドドドドォオオオオッ!!!!―
『ッ?!』
突如こなた達の周りに複数のが砲弾が放たれ、こなた達は思わず足を止めて振り向いた。そこには…
『──漸く見つけたぞ……ロードの研究のサンプル!』
こなた「?!レジェンドルガッ?!」
こなた達が振り向いた先にいたのは、ゆっくりとこなた達に近づいて来るレジェンドルガ達だった。しかも、その数はおよそ十体。今のこなた達にとっては迷惑な数だ。
こなた「もうッ!なんでこんな時に出て来んのさ!!みなみちゃん…ゆーちゃんをお願い!」
みなみ「はい!」
とにかく今はレジェンドルガと戦うしかない。こなたはみなみにゆたかを任せると懐からセカンドライバーを取り出し変身して戦おうとした。その時…
『ATTACKRIDE:PHANTOM BLAZER!』
―ズドォオオオオオオオンッ!!!―
『グゴォッ?!グァアアアアアアアアアッ!!?』
こなた「…え?」
突如、その場に電子音声が響いたと同時にレジェンドルガ達の真横から極太の巨大な砲撃が放れ、十体はいたレジェンドルガの内の最前線にいた四体がその砲撃に包まれ、断末魔を上げながら消滅していった。それを見ていたこなた達も残りのレジェンドルガ達も呆然となり、その砲撃が放れた方向……先程の砲撃によって黒煙が晴れた場所を見た。そこにいたのは…
トランス『──よし、何とか間に合った!』
スバル「うわっ…よ、容赦ないですねなのはさんっ」
ティアナ「……塵一つ残さず完全に消滅……手加減なしだとここまですごいなんてねっ」
そこには、トランスに変身したなのはと先程の砲撃の威力を見て顔を引き攣らせているスバルとティアナが立っていた。
先程の謎の男の攻撃で零とヴィヴィオと逸れたなのは達は、二人を探していた途中、偶然にもこなた達が襲われていた場面を目の当たりにし三人を助ける為に加勢に入ったらしい。そして、突然現れたトランス達を見たこなた達は…
みなみ「あれは……ディケイド?」
ゆたか「だ、だけど…鎧の形も色も違う…お姉ちゃん…あれって一体?」
こなた「わ、わかんない…あれも原作にないライダーだし…というか何でスバルとティアナがあのライダーと一緒にいるの?!」
突然現れたトランス達にこなた達が驚いている中、トランスは一人レジェンドルガ達にゆっくりと近づいていく。
『貴様!我々の邪魔をするなッ!』
トランス『そういう訳には行かないよ!あんな小さい女の子達にまで手を出そうなんて…そっちがその気なら、私も容赦はしないから!』
トランスはそう言って腰にあるライドブッカーをソードモードに切り替えながらレジェンドルガ達に向かって斬りかかり、その間にスバルとティアナがこなた達の下へと駆け寄っていく。
ティアナ「大丈夫ですか!何処か怪我は?」
ゆたか「あ、だ、大丈夫です」
こなた「ね、ねぇ二人共…あの人は一体…?」
こなたは呆然とした様子でトランスを指差すとスバルがその問いに答える。
スバル「ああ、うん。あの人はなのはさんだよ。さっき城の中で会ったの時の人…ってもう知ってるよね、あははっ」
苦笑いを浮かべながら頬を掻くスバル。だが、それを聞いたこなた達は目を見開いて驚愕の表情を浮かべながらトランスを見つめる。
ゆたか「あのライダーが…なのは…さん?」
こなた「ど、どういう事?…だってなのはさんの変身するライダーってナノハのはずじゃなかったの!?」
『…ナノハ?』
困惑した表情を浮かべながら言うこなたの言葉に首を傾げる二人。その一方で、トランスは次々とレジェンドルガ達を斬り裂いていき、ある程度ダメージを与えるとレジェンドルガ達との距離を離した。
トランス『さて、じゃあそろそろ終わらせてもらうよ。私達も零君とヴィヴィオを探さないといけないんだから!』
トランスはライドブッカーソードモードからカードを二枚取り出し、その内の一枚をトランスドライバーにセットしスライドさせる。
『ATTACKRIDE:SHIDEN ISSEN!』
電子音声が鳴るとライドブッカーの刀身を炎熱が包み込み、更にトランスは取り出したもう一枚のカードをトランスドライバーにセットしスライドさせる。
『ATTACKRIDE:SONIC MOVE!』
再び響いた電子音声と共にトランスはライドブッカーを両手で構え身を屈める。そして…
トランス『…フッ!』
トランスが力強く足を踏み出した瞬間、その場にいる全員の視界からトランスの姿が消えた、と同時に。
―ズバァンッ!ズバァンッ!ズバァンッ!ズバァンッ!ズバァンッ!―
トランスは目にも止まらぬ速さでレジェンドルガ達の間を通過し、それと同時に手に持つ炎を纏ったライドブッカーでレジェンドルガ達を斬り裂いていく。そしてトランスが最後の一体の横を過ぎ去ると、炎の消えたライドブッカーの刀身を軽く撫でる。次の瞬間……
『………アッ?……ガッ?!グガアアァァァッ?!!』
―ドシュウゥゥゥゥゥッ!サァァァァァァ…―
レジェンドルガ六体の内の五体の身体に切り刻まれた斬り傷から炎が吹き出し、その炎が包み込まれたレジェンドルガ達の身体は灰となり、風に吹かれて消え去っていった。
『っ?!クソッ!』
トランス『あッ!逃がさないよ!』
最後に残ったレジェンドルガがその場から逃走を始め、トランスはそれを見逃さず逃走したレジェンドルガを追おうと駆け出した。だが…
『HYPER CLOCK UP!』
『……?……ガッ?!グォオオオオオオオーーッ!!!?』
―ドゴォオオオオオオオンッッ!!!!―
『……?!』
突如、その場に無機質な電子音声が響いたと同時に、逃走したレジェンドルガが大爆発を起こして散っていったのだ。
そして爆炎が少しずつ晴れていくと、爆発したレジェンドルガのいた場所の中央に黄金の装甲、青い瞳を輝かせるカブトムシのような姿をしたライダーが立ち構えていた。
トランス『?!だ、誰?!』
突然目の前に現れた黄金のライダーにトランスが思わず問い掛ける。すると、黄金のライダーは左手に持つ青い薔薇を見つめながら口を開いた。
『なるほど、貴方の血は美しい色合いをしている様だ……破壊者達の血よりも先に、貴方の血を私の薔薇の色取りに加わえましょう……』
トランス『え?―ドゴォオンッ!―グッ?!ウァァァァッ!!?』
スバル「?!なのはさん?!」
トランスが黄金のライダーの呟きに聞き返した瞬間、黄金のライダーが一瞬でトランスの懐へと入り強力な打撃を打ち込んでトランスを吹っ飛ばした。そして黄金のライダーは吹っ飛ばしたトランスの追撃を始め、その場から再び駆け出していくのだった。