仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二十一章/雷牙の世界⑰(中編)

 

 

―クラナガン・ドゥームズクロック肆号機地点―

 

 

セイヴァー『ぜぇえぁああああッ!!』

 

 

ロスト『……!』

 

 

場所は戻り、三機目のドゥームズクロックが空に顕在する付近ではシグナムが変身したセイヴァーとロストが火花を散らす剣戟を打ち合い、一進一退の攻防を繰り広げていた。

 

 

スピアグレイブを目にも止まらぬ速さで連続で突き出すロストの刺突を身体を左右に素早く揺らして躱し、隙を見てセイヴァーラウザーで槍先を上手く受け流しながら一気に敵の懐へ潜り込み、下段から振り上げた鋭い斬撃を相手の胴体に叩き込んでロストを吹き飛ばす。

 

 

其処へ更に追撃を仕掛けようとセイヴァーが倒れたロストに向かって剣を構え直して駆け出そうとするが、上空からの量産型ライダー達による援護射撃が降り注いで足止めされてしまう。

 

 

無粋な横槍に思わず舌打ちしながら銃弾を避けつつ後方まで下がると、セイヴァーはラウザーのオープントレイを開き、カードを一枚抜き取ってラウザーにリードさせる。

 

 

『TIME』

 

 

音声と共にラウザーから現出したラウズカードの絵柄のビジョンをセイヴァーが身に纏うと、次の瞬間、空中に浮遊する量産型ライダー達の動きが無数の銃弾と共に静止し、完全に動かなくなった。

 

 

その隙にセイヴァーは更に三枚のカードを素早くトレイから抜き取り、続けてラウザーに連続リードさせていく。

 

 

『FIRE』

 

『SLASH』

 

『TORNADO』

 

『BURNING STORM』

 

 

セイヴァー『ふっ、はぁああああッ!!』

 

 

セイヴァーラウザーから次々に出現するラウズカードのビジョンを全て纏い、ラウザーの刀身に螺旋のように纏われた炎を一気に振り抜いた瞬間、凄まじい炎の竜巻が放たれて量産型ライダー達を纏めて飲み込んで粉微塵になるまで切り刻み、雑魚達を一気に全滅させていった。が……

 

 

『STRIKE VENT!』

 

 

セイヴァー『!―ガギィイイイイッ!!―チィ!』

 

 

スバル「ふ、副隊長っ!」

 

 

必殺技を発動した直後の隙を突くように、両腕にガリュークローを装備したガリュウが死角からセイヴァーに襲い掛かる。

 

 

反射的に引き戻したセイヴァーラウザーの剣先で紙一重で黒爪を受け止めて直撃を避け、そのまま鍔迫り合いになりながらも力押しでガリュウを押し退けるセイヴァーだが、二人から離れた位置にまで下がったロストはその隙にドライバーの左スロットのメモリを取り替えた。

 

 

『FREEZE!SHOT!』

 

 

―バシュッバシュッバシュッ!!!!―

 

 

セイヴァー『ッ!クッ!』

 

 

瞬時にフリーズショットにハーフチェンジし、左手に握られたショットマグナムから氷の弾丸を連射するロストの射撃を前にセイヴァーも咄嗟にラウザーを盾に受け止めて凌ぐ。

 

 

だが、その場で足を止めたセイヴァーにガリュウが横から黒爪で容赦なく何度も斬り掛かり、トドメに鋭い前蹴りを胸に叩き込んで蹴り飛ばしてしまう。

 

 

セイヴァー『ぐうぅっ……!(流石に二人を纏めて相手取るのはこちらが不理か……それに、何より……』

 

 

ラウザーの切っ先を咄嗟に地面に突き刺して、吹き飛ばされる勢いを殺し、セイヴァーはすぐにロストとガリュウに向けて剣を構え直しつつ、横目で上空に浮かぶドゥームズクロックの方を見る。

 

 

タイマーはもうすぐ四時間を切ろうとしている。このままこの二人にいつまでも手間取っていては、時計を破壊するまでに果たして間に合うか否か……。

 

 

セイヴァー『…………やむ得ないな……。時間に限りがなければ、もっとじっくり試合えたのだが……』

 

 

ガリュウ&ロスト『『……っ……?』』

 

 

何やら逡巡する素振りを見せた後、心底不本意そうに首を横に振るセイヴァー。

 

 

その意味深な発言と態度に二人のライダーも警戒を強める中、セイヴァーは二人と向き直りながらラウザーのオープントレイを再び開き、三枚のラウズカードを静かに抜き取っていく。

 

 

セイヴァー『宴もたけなわ、という奴だ。貴様らとの決着は、いずれまた別の機会に果たさせてもらうぞ』

 

 

『KICK』

 

『THUNDER』

 

『GEMINI』

 

 

ロスト『……!』

 

 

『ACE!』

 

『FREEZE!ACE!』

 

 

ラウザーにカードを立て続けにリードしてゆくセイヴァーを目にし、彼女が何かを仕掛けようとしている事を察したロストはすぐさま通常形態であるフリーズエースへと戻り、更にエースメモリを即座にドライバーから抜き取って左腰のマキシマムスロットに装填していく。

 

 

『ACE!MAXIMUM DRIVE!』

 

 

―ビュウゥウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーウゥッッ…………!!!!!!―

 

 

ザフィーラ「むっ!」

 

 

なのは「さ、寒い……!」

 

 

スロットからの電子音声と共に、ロストの周囲に何処からともなく発生した冷たい吹雪が吹き荒れ、両手を広げるロストの身体がゆっくりと、首元のマフラーを揺らしながら徐々に徐々に空へ浮き上がっていく。

 

 

対するセイヴァーも、背後に浮かび上がる三枚のラウズカードの残像を次々とその身に纏いながら頭上に掲げたセイヴァーラウザーを地面に突き立て、地を蹴って空へ跳び上がったその身を二人に分身させながら青い雷を纏った右足を同時に突き出す。

 

 

そしてロストもマキシマムスロットのスイッチをタッチして、吹雪の風の勢いに背を押されるように急降下してセイヴァーに目掛けて両脚を突き出しながら、その体の正中線を真っ二つに分けてセイヴァーへと迫る。

 

 

『LIGHTNING ILLUSION』

 

 

ロスト『『エースノーストーム……!!』』

 

 

セイヴァー『『はぁああああああああああああッッ!!』』

 

 

―ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォーーーーーーーーオオオオォォンッッ!!!!!!―

 

 

なのは「ッ……!!し、シグナムさんっ!!」

 

 

お互いに分裂して二人となったセイヴァーとロストのライダーキックが真正面から激突したと同時に、技と技が拮抗する間もなく大爆発が巻き起こり、二人の姿を爆炎が飲み込んだ。

 

 

なのは達は爆発から発生した凄まじい衝撃波に苛まれながらもどうにか耐え切り、セイヴァーの身を案じて慌てて空を見上げれば、爆炎の中からロストと、変身が解除されたボロボロの姿のシグナムがほぼ同時に投げ出されていた。

 

 

ザフィーラ「シグナム!!」

 

 

シグナム「ぐっ、っ……!!ティアナァアアっっ!!!!」

 

 

―ブンッ!―

 

 

ティアナ「……ッ!クッ!」

 

 

皆がシグナムの身を案じる中、シグナムは全身に走る激痛に顔を歪め、今遙か上空から地上へと生身で落下しようとしているにも関わらず、自分の右腕から咄嗟にKウォッチを取り外してすぐ、いきなりティアナに目掛けて投げ付けた。

 

 

それだけでシグナムの意図をすぐに察したのか、ティアナはKウォッチを受け取ってすぐに迷いなくその場からガリュウに向かって走り出しながら右腕に腕時計を装着し、素早く操作してKウォッチの画面に現れたエンブレムをタッチする。

 

 

『RIDER SOUL HEAT!』

 

 

腹部にヒートギアを出現させると、同時に右手に現れたヒートフォンの番号を速やかに打ち込み、折りたたんだヒートフォンをギアのバックル部分へ叩き付けるように装填した。

 

 

『Standing by……』

 

 

ティアナ「変身ッ!」

 

 

『Complete!』

 

 

ガリュウ『!』

 

 

ギアから全身に掛けて赤白いラインを張り巡らせながら正面から突っ込んでくるティアナに、ガリュウはすぐさまガリュークローを振り被って迎え撃つ。

 

 

しかしティアナもガリュウの脇下に自ら飛び込んで黒爪をギリギリ回避しながら仮面ライダーヒートへと瞬時に変身し、地面で受け身を取ってすぐにベルトに収まってるヒートフォンから抜き取ったミッションメモリーを、右腰から荒々しく剥ぎ取ったヒートポインターにセットし右脚の脛部分に装備する。

 

 

ガリュウは顔だけを向けてそれに気付き、慌てて再度ヒートにガリュークローを振りかざして襲い掛かるが、それよりも速く地面に片手を着いて身体を浮かせたヒートが突き出す右脚がガリュウの腹にまっすぐ突き刺さり、ガリュウが痛みで怯んだ隙にバックルのヒートフォンを急ぎ開いてエンターキーを押し込んだ。

 

 

『EXCEED CHARGE!』

 

 

―バシュウゥンンッ!!―

 

 

ガリュウ『……!!?』

 

 

電子音声と共にヒートフォンを閉じたギアから右脚に向けて、ヒートのボディスーツ上のフォトンストリームを一気に経由してヒートポインターに溜まったエネルギーが円錐状の赤白いマーカーとなり、ヒートが突き刺した右脚からガリュウの腹部に叩き込まれた。

 

 

足裏で地面を削りながらヒートの元から下がらされたガリュウは身動き一つ取れず拘束されてしまい、どうにかマーカーから逃れようともがくガリュウを他所に、ヒートは変身を解除しながらティアナの姿に戻ると、Kウォッチを腕から取り外す。そして、

 

 

ティアナ「スバル!お願い!」

 

 

―ブンッ!―

 

 

スバル「……!わかった!」

 

 

ここまで目の当たりにした光景からシグナムとティアナの意図を即座に理解し、スバルは受け取ったKウォッチを腕に巻いてすぐに操作してエンブレムが現れた画面をタッチする。

 

 

『RIDER SOUL UTURIKI!』

 

 

電子音声が鳴り終わるよりも先にスバルは走り出すと、右手に現れた変身音叉を指で弾いて音を鳴らしながら額の前に翳し、全身を覆う蒼炎を片腕だけで払い除けながら仮面ライダー移鬼に変身した。

 

 

そして未だマーカーの束縛から抜け出せずにいるガリュウに向かって突っ込みながらバックル部分の音撃鼓・蒼炎鼓を取り外し、ガリュウの背中に向けて思い切り投げ付けると、背中に埋め込まれた音撃鼓はみるみる内に巨大化していき、移鬼は疾走を緩めず後ろ腰から取り出した音撃棒・真炎をガリュウの背中の音撃鼓に向けて大きく振りかぶった。

 

 

移鬼『音撃打!怒涛烈火の型ァッ!破ァああああああっ!!』

 

 

怒 涛 烈 火

 

 

―ドォオオオオオォオオオオオオオオオオォォォォォーーーーーォォンッッ!!!!!―

 

 

ガリュウ『ぐっ……ァああああああっっ!?!??』

 

 

両手に握り締めた音撃鼓・真炎をガリュウの背中の音撃鼓に思いきし叩き付けた瞬間、今まで機械のように口を閉ざしていたガリュウがここにきて初めて声を荒らげ、凄まじい速度でティアナの頭上を飛び超えるように吹っ飛び、そのまま派手にビルの窓を突き破りながら薄暗い建物の奥の闇の中へと消えていった。

 

 

それを見届けた移鬼がすぐさま変身を解きながらスバルの姿に戻ってKウォッチを外すと同時に、その後ろからなのはがすれ違い様に駆け抜けながらスバルからKウォッチを受け取って腕に巻き付け、起動動作を行って再び腰にトランスドライバーを出現させつつ、バックルにカードを装填する。

 

 

『RIDER SOUL TRANS!』

 

『KAMENRIDE:TRANS!』

 

 

スバル「なのはさんっ!後はお願いします!!」

 

 

トランス『うん……!ありがとう、みんな!』

 

 

『KAMENRIDE:FEATHER!』

 

 

体力が回復するまでの間、ガリュウとロストと戦ってくれたスバルとティアナ、そして地面に叩き付けられる寸前にザフィーラに受け止められたシグナムに礼を伝え、ライドブッカーから更に取り出したカードをバックルに装填して幸村の世界のなのはが変身する仮面ライダーフェザーにカメンライドし、背中の白い翼を大きく広げて上空へと空高く飛翔し続けると、ドゥームズクロックが眼下に見えるほどの位置にまで高く飛んだTフェザーはもう一枚のカードを取り出し、トランスドライバーにセットして両手でスライドさせた。

 

 

『ATTACKRIDE:TWIN BUSTER RIFLE!』

 

 

再び鳴り響く電子音声と共に、両手の中に出現した残像が徐々に実体化して二つの巨大ライフル、ツインバスターライフルとなって握られ、頭上に掲げて平行連結させ、二連装型となったツインバスターライフルの照準をドゥームズクロックに狙い定める。

 

 

ドゥームズクロックの周辺に浮かび上がる灰色のオーロラの向こう側から現れる量産型ライダー達はそんなTフェザーの攻撃を阻止すべく、それそれが遠距離武器を乱射しながら迫り来るも、Tフェザーは構わずドゥームズクロックを照準ポインターで捉え、

 

 

Tフェザー『ターゲット、ロック……!ツインライフルっ、バスタァアアアアアアアーーーーーーーーッッ!!!!』

 

 

トリガーが引かれたツインバスターライフルの銃口から、巨大な超火力砲撃が砲出される。

 

 

その閃光は射線上の量産型ライダー達を纏めて消し飛ばすだけに終わらず、そのまま一直線にドゥームズクロックに見事直撃し、機体の装甲を撃ち抜き、内側から無数の光の筋を放った直後に大爆発を巻き起こしたのであった。

 

 

スバル「や……やったああああっ!!」

 

 

ティアナ「なのはさん……!」

 

 

ザフィーラ「これで先ずは一機、か……」

 

 

シグナム「っ……ああ……後は残りの三機さえ破壊すれば……」

 

 

Tフェザーがドゥームズクロックを完全に破壊した光景を見届け、喜びを露わにするスバルとティアナ。

 

 

そんな二人とは対照的に、ザフィーラとシグナムは既に残り三機となったドゥームズクロックの破壊に意識を切り替えており、遙か上空で浮遊するTフェザーもドゥームズクロックの破壊をしっかりと確かめてから一息を吐き、他の地区で今も戦っているであろう皆の救援に向かおうとそのまま方向転換してその場を去ろうとした、瞬間……

 

 

 

 

 

―TIME REBIRTH―

 

 

Tフェザー『……!?』

 

 

スバル「……え?な、なに、今の?」

 

 

 

 

最初の一機を破壊出来た安堵と喜びの余韻に浸る中、突如、何処からともなく謎の音声が街中に反響し響き渡ったのである。

 

 

何の前触れもなく聞こえたその音声にスバル達は動揺して辺りを見回し、Tフェザーは新たな敵の別の攻撃の予兆を警戒して咄嗟に武器を身構えるが、次の瞬間、皆の表情が信じられないモノを目の当たりにしたかのようにみるみる内に驚愕の色に染まっていく。

 

 

何故なら、今し方Tフェザーが破壊した筈のドゥームズクロックの破片が映像の早戻しのように徐々にその形を元に戻していき、瞬く間に、完全に元の姿へと戻ってしまったからだ。

 

 

ティアナ「ドゥームズクロックが……復活、したっ……?」

 

 

シグナム「馬鹿な……何が起こった……!?」

 

 

あれだけの奮闘の末に漸く破壊出来た筈のドゥームズクロックの無慈悲な復活を前に、シグナム達やTフェザーも我が目を疑い、何が起きているのか状況が理解出来ずに困惑してしまう中、結界の外でセンチュリオの軍勢を撃退していた幸助達もその光景を目の当たりにし、シズクが焦燥を露わに幸助の方へと振り返った。

 

 

シズク「幸助!アレって……!」

 

 

幸助「タイムリバース……ちっ、そういう事か……」

 

 

ドゥームズクロックの復活と、その直前に耳に届いた謎の音声からあの時計の仕組みを一発で看破し、幸助は忌々しげに舌打ちしながら襲い掛かるセンチュリオを斬り捨てると、この世界の六課本部にすぐさま通信を繋ぎ始めた。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

 

はやて(別)「──な……あの四機のドゥームズクロックが、()やって?!」

 

 

現場にいる幸助から本部に届けられた思わぬ報告に、はやて(別)が驚愕の声を荒らげてしまう。

 

 

その場に居合わせる他のロングアーチの面々も彼女と同様に一瞬ザワつくが、すぐに気を落ち着かせつつ、冷静に他の現場で戦う雷牙達にも今の話が聞こえるように通信を繋いでいく中、幸助からの報告が続いていく。

 

 

幸助『正確に言えば、アレらも本物のドゥームズクロックである事に違いはない。ただ、それとは別に恐らく本体(・・)がいる。そいつが他の四機を統括する役目を担い、別の機体が壊されればその瞬間に時間を巻き戻し、今みたいに何度も復活させられる仕組みになっていたんだ。そいつを何とかしない限り、何度他の時計を破壊してもすぐさま復活しちまう』

 

 

はやて(別)「本体……せやけど、そんなん何処に……?今の今まで姿形も──」

 

 

―PP……!―

 

 

ルキノ(別)「?!これは……な、謎の熱源反応の位置情報……?」

 

 

はやて(別)「……えっ?」

 

 

アルト(別)「モニターに出します!」

 

 

此処に来ての新たな厄介な情報に苦虫を噛み潰したように顔を歪めるはやて(別)だが、直後にそんな報告と共に、大型モニターの映像が切り替わる。

 

 

モニターには北西、北東、南西、南東のそれぞれの位置に四機のドゥームズクロックが設置された市街地内のマップが映し出され、その四機に囲まれる中央の位置……其処に、不規則に点滅を繰り返す謎の熱源反応が見られた。

 

 

はやて(別)「もしかして、これが……!」

 

 

クラウン『恐らく、あの四機の本体となる機体でしょう。こちらから位置を特定出来ました』

 

 

プレシア(別)『けれど、私達に出来るのは此処までよ。あの天使のライダー達、私達だけでなく避難所まで積極的に狙っている……これだけの大規模な結界を維持しながらの迎撃は、流石にキツイわねっ……』

 

 

エンド『そういう訳なんでっ、悪いけど誰かを本体の破壊に向かわせてくれ……!さっきから増援の勢いが増してきてこっちも手が足りない!』

 

 

はやて(別)「!そういう事やったら、私らが『いや、俺が行く』……え……?」

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

―クラナガン・ドゥームズクロック参号機地点―

 

 

雷牙『───概要は理解した。位置的にもこちらの方が近い。俺が向かおう』

 

 

はやて(別)『ら、雷君!?』

 

 

はやて(別)と幸助達の通信に割り込んでそう申し出たのは、三機目のドゥームズクロック攻略戦の真っ只中にいる雷牙だった。

 

 

予想外の所からの自薦にはやて(別)が素っ頓狂な声を思わず上げてしまう中、シルベルヴィントからのビームを拳で真上に弾き飛ばしながら雷牙の元にまで下がった黒獅子リオが、はやて(別)に続けて進言する。

 

 

黒獅子リオ『今は一分一秒が惜しい。足が速いコイツなら、それほど時間も掛からずに目的地まで辿り着けるだろう』

 

 

はやて(別)『せ、せやけど、そっちの戦力で雷君まで抜けたら……』

 

 

黒獅子リオ『舐めるな。……この程度の相手、俺一人になったとて引けを取るつもりはない』

 

 

カイル「いやちょっ、ナチュラルに俺達のことハブらないでくださいよ!」

 

 

レオナ「お二人にはまだまだ遠く及ばないかもだけど、大丈夫です!絶対に足を引っ張らないように頑張りますから!」

 

 

はやて(別)『二人共……っ……でも……』

 

 

雷牙『それに、お前達まで其処を抜けたら誰が本部を守る?……俺達を信じろ』

 

 

はやて(別)『…………』

 

 

食い下がるはやて(別)を安堵させるように、強気な口調で任せて欲しいと頼み込む雷牙。

 

 

はやて(別)は深く悩むが、僅かな間の後、何処となく無理に納得したような声音で通信越しに頷いた。

 

 

はやて(別)『わかった。でも絶対に、無理はせんといてな』

 

 

雷牙『……ああ。了解した』

 

 

短く答えを返し、雷牙は通信を切って黒獅子リオ達に目配せを送ると、カイルとレオナは力強く頷き、黒獅子リオは返答代わりに正面を見据え、シルベルヴィント達に向けて静かに構えを取っていく。

 

 

それだけで彼等の想いと通じ合い、此処を仲間達に任せて本体があるという目的地に向かうべく踵を返す雷牙に、ディケイド(別)が歩み寄る。

 

 

ディケイド(紫苑)『僕も一緒にいきます』

 

 

雷牙『風間……』

 

 

ディケイド(紫苑)『一人でやるのは流石にキツイでしょう?それにそんな重要そうなとこ、もしかしたらあのクアットロもいるかもしれないし……リベンジマッチの機会ぐらい、部下に与えてくれてもいいんじゃないですか?隊長さん』

 

 

雷牙『……問題児を連れていくのは少し不安だがな……分かった、此処まできたら付き合え』

 

 

ディケイド(紫苑)『話が早くて助かります。……そういう訳だから勇輔、此処は僕の代わりに頼んだよ!』

 

 

テンガ『言うと思った……あー、くそっ。戻ってきたら何か奢れよ!それでチャラにしといてやる!』

 

 

ディケイド(紫苑)からの無茶振りに悪態を吐きつつ、仕方がないと黒獅子リオ達と並んで敵の大群に向けて拳を構えるテンガ。

 

 

彼らの背中を見て、雷牙とディケイド(紫苑)はお互いに顔を見合わせて頷き合い、現場後方に停めておいてあるそれぞれのマシンの元にまで走り出した。

 

 

シルベルヴィント『なんだい、逃げる気かい?そうはさせ―バシュウゥッ!―うっ!?』

 

 

離れていく二人の背中を追いかけようとしたシルベルヴィントの横顔を、金色の光弾が勢いよく掠めた。

 

 

仮面の傷跡から立ち込める白煙を見て、キッとシルベルヴィントが眼下に目を向けると、其処には今の光弾を放った掌をシルベルヴィントに向かって突き出す黒獅子リオの姿があった。

 

 

黒獅子リオ『お前達の相手は俺達だ。また次によそ見をすれば、今度はその醜い顔に風穴が開くぞ』

 

 

シルベルヴィント『み、醜っ……!?……どうやら本気であたいを怒らせたいようだねぇ……!ならあんたらから真っ先に潰してやるよォ!』

 

 

あからさまな挑発に顔を真っ赤にして怒り狂い、両腕のブレードを構えてシルベルヴィントとその部下達が一斉に迫りくる。

 

 

対する黒獅子リオ達も雷牙とディケイド(紫苑)の邪魔はさせまいとして、それぞれ拳とデバイスを構えてインスペクターを迎え撃っていくのだった。

 

 

 

 

 

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