仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
第二十二章/響鬼×けいおん!の世界
数々の苦難を乗り越えた雷牙の世界を後にし、次なる世界へ足を踏み入れた零達一行。
──のだが、本格的に次の世界を探索する前に姫が新たに手に入れた天神へのカッコイイ変身ポーズを考えようと、夜な夜な部屋で練習で変身しまくったせいで戦極ドライバーに不具合が生じてしまったり。
その修理の合間に起こった、桜ノ神の世界での『桜龍玉』を巡る大事件を経て、姫の親友である水ノ神・
◇◆◇
鬱蒼とした山の中。街で道行く人達に聞き込みをし、この近くでライダーと思われる戦士を目にした事があると話を聞いた零、なのは、スバル、エリオ、優矢にアズサ、そして今回から初めて仮面ライダーの世界の旅に参加する魚見は、響鬼を捜して今じゃ寂れた神社がこの先にあるという舗装もされなくなった山道を歩いていた。
零「やっと響鬼の世界か……」
なのは「外史のライダー達の世界を除けば、此処が私達が旅する最後の世界……に、なるんだよね?」
「──私は皆さんから伝え聞いただけなのですが、確かに、この世界が九つ目の世界になると説明を受けた覚えがあります。なので私が聞き及んだ事に違いなければ、その認識で間違いはないかと」
キョロキョロと、シルエットのみの響鬼のカードを手に歩く零の隣で辺りを見回すなのはの疑問にそう答えたのは、左右に分けてお下げにした長髪の黒髪に、水色の瞳をした女性……水ノ神である"魚見"だ。
知見に深い彼女がそういうのであれば間違いないと改めて確信を得て、零も響鬼のカードを仕舞いながら何処か感慨深そうに溜め息をこぼす。
零「ようするに、これで俺達の旅も終わるって事か。……その前に、アリシア達を助け出せたのはある意味僥倖だったかもな」
なのは「だね。三人の事はフェイトちゃん達が今回、姫さんの力を借りて留守番しながら見てるって言ってくれてたし、私達も今はこっちに集中しよ」
スバル「そうですね。もうすぐ私達の世界に帰れる訳ですし!……だけどぉ……」
エリオ「今回の僕達の格好……これ、どういう意図なんでしょ……」
最後の世界とあって改めて意気込むスバルとエリオだったが、今回の自分達と零の役目と思われる今の服装に難色を示していた。
零とスバルとエリオは薄紅色、蒼、黄色とそれぞれのイメージカラーに合った武道着の格好となっており、スバルとエリオはオールバック、零に至っては一昔前のリーゼントなんていう不思議な髪形にもなっていた。
優矢「いやしっかし、改めて見ると今回もスゲー格好してるよなー……」
零「ああ。自分でも嫌になる。何を着ようと、この俺に似合ってしまう訳だからなぁ」
優矢「いや今回はかなり変寄りではあるだろ」
アズサ「ん。私は良いと思う。グー」
魚見「零に関して何でもかんでも全肯定になるのは良くありませんよ、アズサ……それにしても、今回の彼は些かテンションが上がっているように思えるのは気のせいでしょうか?」
なのは「んー……多分、色んな事を一人で背負わずに済むようになったから、久しぶりにはしゃいでる部分もあるのかもね」
キュッ!と、優矢の冷静なツッコミを聞き流しながら道着の帯を締め直す自信満々な零の背中を見てなのはもクスリと笑う。
が、そんな彼女の声を掻き消すかのように獣とも鳥ともつかない鳴き声が山のあちこちから不意に響き、一同はそれぞれに驚いて辺りを見回していく。
スバル「うー……入ってからずっと思ってたけど、なんか不気味な感じしませんっ……?」
魚見「そうですね。死者の世界ほどではありませんが、幻魔や妖怪といった類が今にも出てきそうな……」
零「幻魔は別として、この世界ではそういう妖怪やらを魔化魍と言うらしい」
優矢「魔化魍?」
零「そいつみたいなのだ」
「「「……え?」」」
何となしなしに顎で指す零の眼差しを追い、なのは達は思わず振り返ると……
『──キュエッ、キュエッ、キュエッ……』
そんな甲高い鳴き声を上げながら、なのは達のすぐ後ろに緑色の不気味な体色をした河童の怪人がいつの間にか傍に張り付いていたのであった。
なのは&スバル「「キャアァアアアアアーーーーーっっ!!!?」」
エリオ「な、何なんですかアレぇ?!」
優矢「か、かかか河童ぁ?!」
いきなり前触れもなく現れた魔化魍・カッパを前にしたなのはとスバル、エリオと優矢もビックリのあまりまるでお化け屋敷で荒らげるような絶叫と驚きっぷりで微動だにしない零の後ろに引っ込んでしまい、アズサと魚見は警戒を強めてそれぞれ変身しようと動き出すが、其処へ……
「──皆さん危険です!下がってください!」
零「……!」
なのは「ふぇえ!?」
今度は何事かと、零達が向かおうとした先の寂れた神社がある方から勇ましい少女の声が突然聞こえてきた。
混乱が収まらぬまま一同が振り返ると、其処には寂れた山門の下からこちらを見下ろす、首から下が紫の縁取りが施された銀色の異形の姿となっている、黒髪のツインテールの少女の姿があった。
「魔化魍は、私が倒します!やぁああっーー!!」
スバル「え?!ちょ……!」
思わず呼び止めようとしたスバルの声も届かず、異形の少女は一息で山門からカッパの前まで跳躍し、そのままカッパに殴り掛かっていく。
しかし、異形の少女が繰り出す拳や蹴りなどの技の数々にカッパはビクともせず、逆にカッパがとてつもない怪力で彼女の小柄な体を持ち上げながら軽々と投げ飛ばしてしまう。
「くぁあうっ!?くぅっ……まだまだーーっっ!!」
なのは「お、女の子……?」
エリオ「一体何が起きて……」
先程からの急展開に思考が追い付かないが、一先ずはあの異形の少女が自分達を守ろうと決死の想いで戦ってくれているのは分かる。
しかしその戦い方は所々が拙く、彼女自身まだまだ戦いにおいて未成熟なのも教導する立場や今まで数々の修羅場を潜り抜けてきた零達の目から見てもひと目で分かり、何度少女が果敢に挑んでもカッパにはろくに相手にもされず投げ飛ばされ続け、怯む異形の少女の中の怯えを感じ取って好機に思ったか、カッパが舌なめずりしながら勝負を決しようと少女に勢いよく飛び掛かった。
優矢「危ないっ!」
「……え?きゃっ!?」
―ガバァッ!―
『!?キュクルルルッ!』
あわや倒されるところで、優矢が咄嗟に横から異形の少女を抱き抱えてカッパの攻撃を避けるようにその場から離れた。
いきなりの横槍にカッパも不機嫌を露わに一際甲高い鳴き声を上げるが、優矢と異形の少女の前にアズサと魚見が横から滑り込むように割って入って二人を守るように庇う中、漸く落ち着きを取り戻したなのはが零に呼び掛ける。
なのは「零君っ!」
零「分かってる……!変身ッ!」
『KAMENRIDE:DECADE!』
バックルにカードを装填しつつ、その場でくるりと身を翻しながら回し蹴りの勢いで放った下駄でカッパを死角から吹っ飛ばしてからサイドバックルを両手でスライドさせ、零はディケイドへと変身を完了させていった。
ディケイド『そこの少女。本当の戦い方ってのをよく観てろ』
「え……ええ!?」
ただの通りすがりの一般人かと思いきや、いきなり目の前で変身したディケイドを目の当たりにして少女も目を丸くして戸惑ってしまう。そんな彼女を後目に、ディケイドに変身した零は両手を叩くように払いながらカッパとの戦闘を開始していくのだった。