仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
同時刻、魔界城・王座の間。
零達とアークの激戦により、壁や柱、床などの至る所が破壊されてボロボロになったその場所で、二人の男が何かを探して部屋の中を歩き回っていた。
「いや~…それにしても、随分と派手にやったもんだよな~」
黒を特徴とした服装の男が破壊された柱に触れながらそう言うと、もう一方の男がそれに同意するように頷いた。
「そうだな……けど、この世界のディケイドとアークがここにいないって事は…もしかして戦いの場を何処に変えたって事か?」
「多分な。どうやら無駄足を踏んじまったらしい……ん?」
黒い服装の男が部屋の中を歩きながらそう言うと、何かに気づき辺りを見回す。
「?…なあ"智大"、"昌平"の奴はどうした?ここに来る途中まで一緒だったはずだろ?」
黒い服装の男が誰かを探し辺りを見渡しながらそう聞くと、智大と呼ばれた男は何処か呆れたようにため息を吐いてその問いに答える。
智大「アイツならここに来る途中、城の中を探検するとか言ってどっかに行っちゃったまま、それっきりだよ」
智大が返した答えを聞くと男は呆気に取られ、額を押さえながら同じく呆れた様にため息を吐く。
「またかよ、こんな非常事態って時にアイツは……」
智大「まあ、アイツの自由気ままは今始まった事じゃないし、気にしても仕方ないと思うぞ。"幸助"?」
智大が幸助と呼ばれる男にそう言いながら苦笑いを向けると、幸助はやれやれといった表情を浮かべて首を小さく左右に振る。
幸助「それもそうだな。とりあえず、今はアイツの事よりディケイド達の足取り調べねぇと……」
智大「そうだな……そういえば幸助、"シズク"さんは一体どうしたんだ?てっきりお前と一緒だと思ったんだけど…」
幸助「ん…?ああ、アイツならまだこの世界に来てねぇぞ。俺達の世界にはまだ大量のレジェンドルガ達がいるからな…あらかた片付いたらこの世界に来るって言ってたぜ」
柱に背中を預けながら簡単に説明する幸助。智大もそれを聞くと「そうか」と納得したように頷く。その時……
―PPPPP…PPPPPP…―
幸助「?なんだ…?」
智大「あっ、僕の携帯だ……ん?……誰だコレ?」
着信音の鳴る自分の携帯を懐から取り出しディスプレイに表情されている番号を見てみるが、ディスプレイに表情されていたのは見知らぬ番号。智大は、はて?と首を傾げながら携帯の通話ボタンを押し携帯を耳に当てる。
智大「…もしもし?」
『やっほーい♪智大♪俺だ俺!』
智大「?………その声……まさか、昌平か?!」
『ピンポーン♪大・正・解♪』
智大の携帯の向こうから聞こえてくる陽気な声。その声の主こそ先程自分達が話していた男、昌平だった。
智大「おまっ、なんで僕の携帯に……というかお前も携帯持ってたんだな…てか使い方知ってたのか?」
昌平『……それって遠回しに俺の事馬鹿にしてない?いくら俺でも携帯ぐらい持ってるっつの…まっ、いいけどさ。それよりもちょっと頼みがあるんだけどいいか?』
智大「……頼み?」
予想していなかった昌平の言葉に思わず聞き返すと、昌平は『YES♪』と軽快に答え自分の頼みを智大に伝える。
昌平『実はさあ、城の中を探検してたら帰り道が分からなくなっちまったんだよね~。というわけで智大、悪いんだけど迎えに来てくれ♪』
智大「……………はあ?」
何言ってんだコイツ?と、昌平の頼みを聞いた瞬間、智大は唖然とした表情を浮かべながらそう思う。だが、昌平はそんな智大の反応を他所に『それじゃあ待ってるから、早く来てくれよ~♪じゃっ!』と、その言葉を最後に電話を切られてしまい、後に聞こえてくるのはプー…プー…と通話が切れた音だけだった。
幸助「…どうした智大?誰からの電話だったんだ?」
携帯を握ったまま固まっている智大を見て幸助が思わず問い掛けた。すると、智大は今の電話の相手が昌平だという事、昌平の言っていた頼みを教えると、同じように幸助も唖然とした表情を浮かべ二人はガクッと両肩を落とし、不本意ながらも城の中で迷子になった昌平の迎えにいく為、調査を一度中断して王座の間を後にした。
◆◇◆
一方その頃、光写真館から少し離れた場所にある森林の中では、光写真館と酷似した一つの建物が現れその建物の扉が開くと、中から三人の男女が姿を現した。
「ウォオオオオオー!ジャングルじゃんジャングル!すっごいね~!!」
茶髪の少女がハイテンションでそう叫ぶと自分の首に掛けているトイカメラで辺りの景色を撮影し始める。するとその様子を見ていた二人の男女が呆れてため息を吐いた。
「ハァ…"ツカサ"、少しは落ち着けよな…てかここって何の世界だ?見た感じ人も町も何もないようだが」
「ですよね。どこを見ても森ばっかりだし………ん?あれは…」
少女が何かを見つけてその方向を見ると、ツカサと呼ばれた少女と少年も少女の視線を追ってその方向を見る。すると、少年は驚愕の表情を浮かべ、ツカサは「オオオオオーー!!!!」と更にテンションを上げながらトイカメラを構え何かを激写していく。
三人が見つけたのはここから遠くに見える場所でそびえ立つ城……魔界城だった。
「な、何だあれ…城?!」
「……あっ、もしかして、背景ロールに描かれてた黒い城って…アレの事?」
ツカサ「凄い凄い凄い凄いすごいよ~♪生の魔界城だ~♪よし!"俊介"!"裕香"!あの城に行こう!もしかしたらあそこにアークとかがいるかも~♪」
俊介「は?お、おい待てよツカサ!」
裕香「ま、待ってください!一人で出歩くのは危険ですよ!!」
俊介と呼ばれた少年と、裕香と呼ばれた少女が興奮状態で城へと向かっていくツカサを呼び止めるが、ツカサはそれを聞かず二人を置いてズンズンと森の中を歩き魔界城へ向かおうとする。その時……
―ズドォォォォォォンッ!!―
『ッ?!!』
不意に森の中で轟音に似た爆音が響き渡り、三人は驚きのあまり足を止めて辺りを見渡した。
俊介「な、何だよ今の…?」
裕香「…今の音は…爆音?結構近かったですよね?確か…えーと…」
いきなり聞こえて来た轟音に動揺する俊介とは反対に、落ち着いた様子の裕香は先程の音が聞こえた来た方向を探して辺りを見回している。とその時、いつの間にか二人の隣にいたツカサが「おおおっ?!」と、何かに反応するように飛び跳ねた。
ツカサ「わかる…私にはわかるぞ~!この先に何人ものライダー達がいると私の中に眠るライダーセンサーが反応しているぞ~!」
俊介「……また根拠のない事を。つかそんな意味不明で信憑性のないセンサーなんかアテになるか馬鹿」
ツカサ「馬鹿とは失礼な!私のライダーヲタとしての魂がそう言ってんだから間違いないの!」
俊介「…センサーじゃなかったのかよ」
裕香「ま、まあまあ…ところで、さっきの音が聞こえてきた場所って分かるんですか?」
俊介を宥めながら裕香が怪訝そうにツカサに問う。するとツカサは少し悩むように顎に手を添え、あちらこちらを見渡している。
ツカサ「ん~とね…あっちだよ!」
暫く悩むような素振りを見せていたツカサが指である方向を示すと、俊介が訝しい目つきでツカサを見た。
俊介「お前なぁ、本当に分かってて言っ…「さあ!さっさっと行くよ二人共!私について来なさい!」…って人の話しを聞けよ!!」
ツカサに向かって叫ぶ俊介だが、聞こえていないのか、それとも聞こえておきながら敢えて無視しているのか定かではないが、ツカサは何も答えずに木々の間を抜けて歩いていく。俊介と裕香はそれを見て再びため息を吐くと急いでツカサの後を追ってその場から駆け出し、三人はその轟音が聞こえてきた方……コーカサスと戦闘を行っているトランス、セカンド、聖王達のいる場所へと向かっていった。