仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二十二章/響鬼×けいおん!の世界②

 

 

それから約三十分後……

 

 

なのは「──えーと……アリサちゃん、そろそろ大丈夫そ……?」

 

 

「……えぇ……なんとかねぇ……」

 

 

優矢「零ー、大丈夫かー?」

 

 

零「……これが大丈夫な有り様に見えるんなら今すぐ眼科に行く事を勧めるぞ……」

 

 

あの大絶叫を聞き付け、なのは達が慌てて駆け付けた先で無事キャンプ地にまで回収した二人組は今、皆の目の前にいる。

 

 

一人は魚見から指輪の治癒魔法を受けている、顔面に何かがめり込んだような跡の痣が出来ている顔の零。

 

 

そしてもう一人は回収時、普段梓やヒビキも常用してるという滝の所で何故か泥だらけになった服を洗う為に一時的に下着姿になっていたなのはの友人……"アリサ・バニングス"が今は梓が現場に向かう際に持ち込んだタオル一枚に身を包んで、死んだ目をしながら焚き火の前で体育座りをしており、同じように死んだ目をしている零も岩の上に腰掛けて心底後悔するように項垂れた。

 

 

零「失念していた……完全に……。此処は鬼の世界……すずかまで巻き込まれてたのに、何故俺はこんなにも恐ろしい鬼がいる事を事前に予想を付けられなかったのだろうか……」

 

 

アリサ「失礼ねアンタ!?いやまぁっ、いきなり石なんか投げ付けた私も悪いとこあったけどっ。あんなタイミングで現れたら魔化魍が出たかもって焦りもするでしょ!?しかも現れたのは何故かアンタだったし!」

 

 

しっかりとツッコミしつつも、零に怪我させた事自体には自分に非があると認めて其処はしっかりと反省している模様のアリサ。

 

 

今彼女も言ってた通り、すずか同様に元の世界で滅びの現象に巻き込まれてから此処が別世界なのだとどうやら彼女も彼女なりの知見と方法で認知してたらしく、その為、前触れもなく現れた零やなのはを見て最初は相当混乱していたが、取り敢えずこのキャンプ地にまで連れてきてから梓やヒビキへの説明も兼ね、自分達のこれまでの旅の経緯を説明。

 

 

得心を得てもらった後、次に彼女から先程何があったのか詳しく事情を聞くと、先程も映紀が説明してた通り釣りに出てから最初の釣り場での成果がてんでダメだった為、効率を考えて映紀と別れてから次の釣り場を探してる道中でうっかり沼地に侵入。

 

 

そのまま足を取られた際に転んでしまい、泥だらけになった格好が気持ち悪かった為、丁度その場の近くに普段自分達が使っている滝があったので、其処で汚れた服を洗い落とし中、不意に茂みから物音が聞こえてビビる。

 

 

飛び出してきた零を魔化魍と誤認し、反射的にぶん投げた石が見事零の顔面へとクリティカルヒット。図らずも零を撃退してしまったというのが一連の流れだったらしい。

 

 

魚見「最早いつも通りの流れとはいえ、今回はお互いに災難な事故でしたね。ともかく、深刻な事態でなかったのは安心しました」

 

 

梓「もうっ。あまり一人行動はしないようにと何度も注意してたじゃないですか!もし本当に魔化魍だったら今頃どうなってたか……!」

 

 

アリサ「ぅ……ゴメン梓ちゃん……そうよね、今回ばかりは私が全面的に悪かったわ……鉢合わせしたのが魔化魍じゃなくてコイツで良かった……」

 

 

零「そうだそうだ。よーく反省しておけよケルベロス。そうやってしおらしくしておけば少しは可愛げも出てくる。後でプードル程度には褒めてや―ゴォンッ!―イッタァッ!?」

 

 

アリサ「だからアンタは何だってそう素直に謝らせてくれる態度を取らせてくれないのかしらねぇ?!ってかいい加減ケルベロス呼びは止めろって散々言ってんでしょーがアンターッ!!」

 

 

なのは「おお、おお落ち着いてアリサちゃん!?殴るのはともかくこれ以上はただのリンチになっちゃうから!!」

 

 

スバル&エリオ&梓(((殴るのはもう大前提でいいんだ……)))

 

 

アズサ「零ー。生きてるー?」

 

 

零「……う、動きのキレが増してやがる……此処での修行で更に凶悪化されたというのかっ……!」

 

 

魚見「恐れ慄いているところ申し訳ありませんが、今のは無駄に煽り散らかした貴方に非があると思いますよ。あと治療中に傷が増えられると困るのでちょっと静かにしてて下さい」

 

 

零「うぐっ……」

 

 

零にコップを投げ付けただけでなく、追い討ちまで掛けようとするアリサをなのはが後ろから必死に羽交い締めにして止めに入る中、若干迷惑そうにズバッと言う魚見の正論を治療を受けながら浴びせられてぐうの音も出ずに唸ってしまう零。

 

 

とそんな時。梓の携帯に不意に着信が入り、梓は皆に一礼しながらその場から離れて誰かと通話していると、その表情が段々と深刻げなモノに変わって通話相手と一言二言交わした後、通話を切ってから慌てて椅子にダルんと座り込むヒビキに駆け寄った。

 

 

梓「ヒビキさん、魔化魍が街に現れたそうです!」

 

 

ヒビキ「え、ホント?うーん……じゃあ早速よろしくお願いします、大師匠!」

 

 

零「……んあ……?」

 

 

魔化魍出現の報せを聞かされて腕を組みながら悩む素振りを見せた後、ヒビキは椅子から立ち上がりながら地面に倒れ伏す零に向かって敬礼して魔化魍退治を押し付けるや否や、そのまま軽々とした足取りでテーブルに近づいてティーポットの紅茶を自分の空のカップに注ぎ出してしまう。

 

 

梓「よ、よろしくって、ヒビキさんは行かないんですか!?」

 

 

ヒビキ「だってほらぁ、折角の淹れたての紅茶が冷めちゃったら勿体ないでしょ〜?あ、あずにゃんもどーぞー!」

 

 

梓「あ、どうも。ってそうじゃなくってぇ〜〜!!」

 

 

零「……なんというか……あの手の駄目ライダーってのも世にはいるんだな……」

 

 

スバル「あ、あはは……」

 

 

怪人出現を聞かされてもティータイムを優先するヒビキのマイペースというか、悪く言えばサボりッ気に流石の零達も言葉が出てこず微妙な反応を浮かべてしまう。

 

 

しかし魔化魍の出現を聞いては黙ってもおられず、一先ずヒビキから後を託された零は梓から魔化魍が現れた場所を携帯のマップ機能で教えてもらい、念の為の連絡役としてこの場に魚見と映紀に残っててもらい、同行者になのは、優矢、スバル、エリオ、アズサ、それからヒビキの代わりの見届け人を申し出たアリサを引き連れ、彼女が新しい服に着替え終えるのを待ってから街へ駆り出していくのだった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

―市街地・広場―

 

 

『ニィギャアァァァァッ……!』

 

 

「ひ、ぃいいいっ……!!」

 

 

「お、お父さん……!」

 

 

梓が報せを聞いた魔化魍が現れたという広場の公園。

 

 

其処には人型の猫そのものの姿をした魔化魍・バケネコ達が群れを成し、ピクニックで公園に訪れていた怯える親子を今正に喰らわんとジリジリと迫って襲い掛かろうとしていた。其処へ、

 

 

「──其処までだ、魔化魍!」

 

 

『『『…!?』』』

 

 

バケネコ達に待ったを掛ける凛々しい声に思わず猫の異形等も振り返ると、公園の入り口の方からぞろぞろと柔道着姿に身を包んだ男女が現れ、その中の一人、音撃弦を手にするヒビキと同い年程と思われる黒い長髪の女性……"秋山澪"が一同の前へと出ていく。

 

 

澪「そこから先の狼藉は、我々ザンキ流が許しはしない!頼んだぞ律──ああっじゃなかった……!ザンキ師範!」

 

 

一瞬いつものノリで名前を言い間違えそうになって慌てふためきつつ、他のザンキ流のメンバーと共に道を開けるようにはけると、奥から黒の道着の上から羽織りを背負うカチューシャで前髪を上げた山吹色に近い茶髪のショートカットの女性……"ザンキ"が、何処か得意げに腕を組みながら不敵に笑ってみせる。

 

 

ザンキ「ふっふっふっ……そう。このあたしこそ、お前達をギッタンギッタンにしてやる鬼よ!」

 

 

ドドドンッ!と、軽い口調とは裏腹に圧を感じさせるザンキの名乗りにバケネコ達が圧倒され後退る。

 

 

そんなバケネコ達をまっすぐに見据えながら、ザンキは左手首に巻き付ける一本角の鬼の顔が彫刻された腕輪型のアイテム……変身鬼弦・音枷を操作して弦を引き出す。

 

 

そして弦を鳴らして特殊な音波を発生させながら左腕ごと音枷を額の前に翳していくと、鬼の顔の紋様がザンキの額に浮かび上がり、左腕を掲げたザンキの頭上から降り注いだ雷を浴び、左手で振り払った雷の中から、緑の体色で縁取りと腕が銅色の一本角の鬼のライダー……『仮面ライダー斬鬼』が姿を現した。

 

 

 

 

斬鬼『澪!音撃弦・烈雷!』

 

 

澪「お、押忍!」

 

 

若干言い淀みながら、澪がその手に持つ音撃弦・烈雷を斬鬼に手を渡す。

 

 

そして烈雷を手にした斬鬼が真正面からバケネコ達に音撃弦を振り回して挑み掛かると、其処へザンキ流が現れた反対側から白の袴や羽織り姿に身を包む男女が現れ、その筆頭に、何処か煌びやかな佇まいをしているトランペットを模した管楽器型の銃を手にしたクリーム色に近い金髪ロングヘアーの女性……"琴吹紬"が前へ出ていく。

 

 

紬「音撃道イブキ流師範、イブキさんです!」

 

 

彼女とイブキ流の面々が左右にはけながら、その手に持つバスケットから取り出した赤いバラの花弁を空に放つと、無数の赤い花弁が舞う中、奥から和柄のラップスカートが特徴的な男装の麗人姿をした、茶色いロングヘアーを靡かせる眼鏡を掛けた女性……"イブキ"が現れる。

 

 

そして何処となく手慣れた動作で取り出した、サンバホイッスルのような十字型の笛型のアイテム・変身鬼笛を静かな動作で口にくわえて吹き鳴らすと、音波を発生させた鬼笛を額の前に翳してザンキ同様に額に鬼の顔を模した紋様を浮かび上がらせながら、腕を一振り。

 

 

巻き起こした旋風を身に纏い、手刀で切り裂いた風の中から管で覆われた黒い肉体、頭部が青で縁取りされている三本角の鬼の戦士……『仮面ライダー威吹鬼』に変身して姿を現したのであった。

 

 

 

紬「先生、お願いします!」

 

 

威吹鬼『任せて。あと先生じゃなくて、師匠ね?ハッ!』

 

 

―ズダダダダダァアンッ!!―

 

 

『グニャアァアアアアッ!?』

 

 

紬が差し出したトランペットを模した銃、音撃管・烈風を受け取ると、威吹鬼も参戦してバケネコ達の背中を背後から撃ち抜いていく。

 

 

二人の鬼とバケネコ達が入り乱れ、混戦となる中、斬鬼は烈雷をバケネコの一体に突き刺しながらそのまま壁に押し込んで動きを封じていき、威吹鬼も流麗な回し蹴りで蹴り飛ばしたバケネコの一体に烈風から放った鬼石と呼ばれる弾丸をその体に打ち込むと、二人の鬼はそれぞれの腰のバックルから取り外した音撃震と音撃鳴を武器に装填し、音撃モードに切り替えて必殺技の発動態勢に入る。

 

 

斬鬼『音撃斬・雷電斬震ッ!』

 

 

 

 

威吹鬼『音撃射・疾風一閃!』

 

 

 

 

斬鬼が烈雷を掻き鳴らす激しいギター音と、風を切り裂くような鋭い旋律を烈風から吹き鳴らす威吹鬼の演奏が場を支配する。

 

 

そして最後のフィニッシュを決めたと同時に二体のバケネコが断末魔を上げる間もなく枯葉と化して爆散し、その様子を少し前から現場に到着して離れた場所から観戦していた零は写真を撮り、なのは達は各々関心の声を漏らしていた。

 

 

スバル「スゴイ……!あれが本場の音撃!?」

 

 

エリオ「戦場の筈なのに、何だかまるで音楽のコンサート会場にいるみたいになって胸が踊っちゃいましたね……!」

 

 

優矢「あの人達も、ヒビキさん達と同じ音撃道の武闘家なんですか?」

 

 

アリサ「そう。あっちのギターみたいのを持ってる鬼の人が率いてるのが、ザンキ流。もう片方がイブキ流って呼ばれてて、アタシや梓ちゃんがお世話になってるヒビキさんのとこが、ヒビキ流って呼ばれてるそうよ」

 

 

音撃戦士達の生の音撃を目の当たりにして興奮気味なスバルとエリオの横で、優矢からの疑問にアリサが簡潔に説明する中、何枚か写真を撮り終えた零は肩透かしでも食らったように溜め息をこぼす。

 

 

零「要するに他にも派閥がある訳か……。アイツらがいるんなら、俺達が急ぐ必要もなかったろ」

 

 

アリサ「いやぁ……問題がなければそうだったんだけど……あー、やっぱ始まったわっ」

 

 

なのは「え?」

 

 

アチャー、と言わんばかりに頭を抱え出したアリサの視線の先を追う零達。

 

 

其処にはちょっと目を離した隙に何がどうしてそうなったのか、まだ三体のバケネコが残ってる前で衝突し合う斬鬼と威吹鬼の姿があった。

 

 

威吹鬼『ちょっ、とォ!邪魔しないでザンキちゃん!!アレは私の獲物よ!?』

 

 

斬鬼『何言ってんの!先に駆け付けたのはあたし等なんだから!そっちが引っ込んでてよ!』

 

 

威吹鬼『はあ!?「弦の弾き方とか分かんないよ助けてさわちゃ〜ん!」とか泣き言言ってきて散々特訓に付き合ってあげた恩をもう忘れたってのぉ?!』

 

 

斬鬼『そんな何年も前の話とか持ち出すなよぉ!そんなんだから未だに貰い手もなくてイブキ流の師範なんてやってんでしょー!イーだ!』

 

 

威吹鬼『今なんてったコラァアアアアァァァァーーーーッッ!!!!』

 

 

紬「せ、先生ぇ!!」

 

 

澪「お、落ち着け律!まだ敵が残ってる!おいこらぁー!!」

 

 

アリサ「……見ての通り、あっちの二つは事ある毎に毎度くだらない喧嘩をやっちゃうもんだから、目が離せなくてね……色んな意味で……」

 

 

零「ああ……何か大体分かった」

 

 

なのは「って言ってる場合じゃないよ!ほら、なんかこっち来てる!?」

 

 

斬鬼と威吹鬼がそれぞれの弟子達に押さえ付けられながらもくだらない口喧嘩を繰り広げる中、これ幸いにと生き残りのバケネコ達が零達を見つけてこちらに向かって来ていた。

 

 

慌てて肩を叩くなのはに促されるまま、零は心底気だるそうに溜め息を吐き出し、ディケイドライバーを腰に装着していく。

 

 

零「やるしかねぇか……エリオ、アズサ、いくぞ。優矢は念の為、なのは達を頼んだ」

 

 

優矢「わ、分かった!」

 

 

アズサ「ん。いこう、アスハ」

 

 

アスハ『えー……こんなお間抜けに私まで出張んなきゃなの……』

 

 

スバル「頑張ってエリオ!私の分まで頼んだよ!」

 

 

エリオ「はい、任せて下さい!」

 

 

『RlDER SOUL RAI-O!』

 

 

零と共にバケネコ達を迎え撃つ為、アズサはヴァイザードライバーを腰に巻き付け、エリオはスバルの声援を背に片腕に付けたKウォッチの画面に現れたエンブレムをタッチする。

 

 

電子音声と共に、エリオの腰に黄色のデンオウベルト、右手にはベルトと同色のライダーパスが出現していき、三人はそれぞれ変身動作を行っていく。

 

 

零「変身!」

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

 

アズサ「変身!」

アスハ『へんしーん……』

 

 

integrate spirit(インテグレート スピリット)

 

Vaisaga(ヴァイサーガ)

 

activation(アクティベーション)

 

 

エリオ「変身っ!」

 

 

『Lightning form!』

 

 

三つの電子音声が重なり合って鳴り響き、零はディケイド、アズサとアスハはヴァイサーガに変身を。

 

 

エリオはバックルにパスをセタッチすると、キャロがフリードに変身した時のように身長が伸びて銀色のプラットフォームに一度変身し、其処から周囲に次々に現れる黄色いアーマーを上半身に纏うと、最後に後頭部から現れた黄色い電車が変形しデンカメンとなった。

 

 

全身のシルエットはどちらかと言えばNEW電王寄りだが、赤い複眼の仮面や黄色い装甲の縁が稲妻状に鋭利になっている姿……Kウォッチを使ったエリオ専用の電王系統のライダーである『仮面ライダー雷王』へと完全に変身すると、三人はそれぞれバケネコを迎撃し戦闘に入っていった。

 

 

 

     稲妻        騎士

 

 

―バキィイイイイッ!!―

 

 

『ニャアァウウッ!?』

 

 

斬鬼&威吹鬼『『?!』』

 

 

紬「へ?」

 

 

澪「な…なんだ、アイツら……?」

 

 

いきなり現れた見知らぬ三人のライダーの参戦を目の当たりにし、それまでいがみ合いの衝突をしていたザンキ流とイブキ流の両陣営が困惑を露わにディケイド達を見つめ手を止めていく。

 

 

そんな一同の反応を他所に、ヴァイサーガは空手でバケネコの一体の攻撃を最低限の動きで捌きつつ片腕を絡め取り、関節技を極めてからその背中を容赦なく蹴り付けた。

 

 

ヴァイサーガ『ウチの子(シロ)に比べて可愛さはてんで駄目ね。せめてもう少し小さくなってから出直しなさいな』

 

 

わりと辛辣な評価を下すと共に、ヴァイサーガは鞘に収まる五大剣を左手に実体化させて握り締める。

 

 

そして全身から金色のオーラを激しく放出し、頭上に掲げて鞘から引き抜いた五大剣を地面に叩き付けて衝撃波を起こすと、更に剣撃で弾き飛ばして大地を走らせた衝撃波がバケネコの胴体を縦一文字に斬り裂き、一瞬で爆散させていった。

 

 

雷王『ハァアッ!タァアアッ!』

 

 

―ジャキィッ!ガギィイイイインッ!!―

 

 

『ゥニャアウッ!?』

 

 

一方で、エリオが変身した雷王はベルトの両腰に収まっていたライガッシャーのパーツを組み合わせた、何処となく彼のデバイスであるストラーダに形状が近いランスモードのリーチの長さを活かし、バケネコに一切距離を詰めさせない槍の連続突きを叩き込んでいた。

 

 

そして最後の刺突でバケネコを派手に吹っ飛ばすと、雷王は後ろ腰から取り出したライダーパスをライオウベルトのバックルにセタッチしていく。

 

 

『Full Charge!』

 

 

雷王『これで終わりだ……!ハァアアアアアアアアアッ!!』

 

 

バチィイイイイッ!!と、ライガッシャーランスモードの先端のブースターから勢いよく雷状のエネルギーが噴出し、雷王の姿が一瞬で掻き消える。

 

 

微かに見えた雷閃が空間を駆け走ってバケネコの背後に雷王が現れるが、暫し待っても何も起こる気配がない。

 

 

はて?と、バケネコは小首を傾げながら振り返ろうとするが、直前、時間遅れでその土手っ腹にでかい風穴が開き、内側から無数の稲妻を走らせながら粉々に消し飛んだのであった。

 

 

ディケイド『あっちも終わったか……。なら!』

 

 

―ドゴォオオッ!!―

 

 

『ニャギャウッ?!』

 

 

ヴァイサーガと雷王の戦闘を見届けて二人の無事を確かめると、ディケイドはバケネコに荒々しく前蹴りを叩き込んで距離を離すように蹴っ飛ばし、左腰のライドブッカーを開き取り出したカードをバックルに投げ入れた。

 

 

『FINALATTACKRIDE:DE·DE·DE·DECADE!』

 

 

ディケイド『たぁあああっっ!!』

 

 

―ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!!―

 

 

『ニャアァガアアアアアアアアアアアアッ!?』

 

 

目の前に展開したディメンションフィールドをぶつけてバケネコが怯んだ隙に上空へと跳び上がり、右脚を突き出して一気にフィールドを潜り抜けたディケイドのディメンションキックが炸裂し、バケネコは断末魔の悲鳴を上げながら枯葉となって爆発した。

 

 

アリサ「すご……夢で見たのと同じ……アレがディケイド……?」

 

 

斬鬼『ディケイド?……って、あー!もしかして、アンタが例の世界の破壊者ってヤツ!?』

 

 

呆然と零が変身したディケイドの戦いぶりを見て、ポロリと口から名前が漏れ出たアリサの声を耳聡く拾い上げた斬鬼がディケイドを指差して思い出した様に叫ぶ。

 

 

そんなディケイドの元に雷王とヴァイサーガも集まると、彼女らと事を構える意志がないのを示すように同時に変身を解除し元の姿に戻っていく。

 

 

零「どんな話を聞いたか大体の予想は付くが、少なくともこっちにそんなつもりはない。何せ、俺はお前達の大師匠らしいからな」

 

 

斬鬼『何をー!?……え、マジでそうなの?』

 

 

澪「いや、実際にその話を見聞きしたのはそっちなんだから私が分かる訳ないだろ……」

 

 

一瞬バッ!と腕を立てて身構えようとするも、困惑気味に振り返る斬鬼の疑問に澪も呆れ気味にそう返すだけ。

 

 

そんな気の抜けるやり取りの間に、いつの間にか弟子達に用意させたイブキ流の紋が入った幕の裏で着替えを済ませたイブキが今の零の発言に興味を示した。

 

 

イブキ「面白い人達ね。おまけにその美しい顔立ち……我がイブキ流に相応しいわ!」

 

 

ザンキ「──ちょっ!何サラッとその人引き込もうとしてんのさー!?」

 

 

イブキ「むっ。人聞きの悪い。ただのご招待よ。……どうです?一緒にティータイムでも?」

 

 

弟子達に用意させた幕の裏から顔だけ出して物申すザンキを相手にせず、イブキは笑顔で零達に誘いを掛ける。

 

 

一方でエリオとアズサはどうしようかとお互いに顔を見合わせてしまうが、零は気になる事があるのか何やら思案する素振りを見せると、考えが決まったのか笑みを返した。

 

 

零「悪くないかもな。他の流派がどんなもんなのか、正直気になる」

 

 

イブキ「決まりね。さあ参りましょう。みんなー!ご案内してあげてー!」

 

 

「「「はい!」」」

 

 

「さ、お嬢さん。是非こちらへ」

 

 

アズサ「……??」

 

 

「ねえねえ!君いくつ?」

 

 

「さっきどうやって変身してたの?教えて教えて!」

 

 

エリオ「え?ええっ?いえっ、あの……!?」

 

 

スバル「ちょ、零さん!?エリオ、アズサー!!?」

 

 

話が決まるや否や零はイブキに連れられていき、アズサは特に顔の良い美男子達にエスコートされ、エリオは興味津々な年上のお姉さん達に囲まれ質問責めされながらそのまま何処かへと去っていってしまった。

 

 

アリサ「あっ……あんのぉ馬鹿ァはぁぁぁぁ……!!」

 

 

優矢「くうううう……!零はもうともかくとしてエリオー!!お前までなんて羨まし過ぎるぞぉおおおおおーーーー!!!!」

 

 

なのは「 優 矢 く ん ?

 

 

優矢「……アッハイ」

 

 

女の子達に囲まれて顔を真っ赤にするエリオを羨ましがり憤慨する優矢だったが、スンゴイ笑顔で人差し指を向けてくるなのはの表情を見た途端スンッとなり、姿勢を正しながら口を硬く閉ざしてしまうのであった。

 

 

 

 

 

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