仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二十二章/響鬼×けいおん!の世界⑥

 

 

歌舞鬼『づぇえああぁッ!!』

 

 

響鬼『──!』

 

 

森の木々の上を軽やかに次々に飛び越え、空中で何度も火花を撒き散らしながら交錯してぶつかり合っていく響鬼と歌舞鬼。

 

 

先に地上へ受け身を取って降り立った歌舞鬼へ、空から二本の音撃棒を振りかざして落下してきた響鬼の強烈な一撃が炸裂し、音叉剣を掲げて受け止めた衝撃が凄まじい威力となって歌舞鬼の両腕から足元まで一気に突き抜け、大地が大きく陥没してしまう。

 

 

歌舞鬼『がっ、ぐっ……!!?(何だコイツ……?!どっからこんな力が!!?』

 

 

ビリビリと両腕に痺れが走り、震える両手をどうにか掲げる歌舞鬼の音叉剣を咄嗟に足場に利用した響鬼が空高く跳躍して距離を離しつつ、口から紫色の炎の鬼火を放出する。

 

 

チッ!と、忌々しげな舌打ちと共にすぐさま音叉剣を振るって鬼火を真っ向から切り払うも、その一瞬の間にいつの間にか歌舞鬼の死角に回り込んでいた響鬼が打ち消された紫炎の霞の向こうから姿を現し、そのまま素早く自分から飛び込むように歌舞鬼の腹部にすれ違い様に音撃棒の打撃を叩き付けた。

 

 

歌舞鬼『ごふっ?!ぐっ…!図に、乗んじゃねぇええっ!!』

 

 

ブザァアアアアッ!!と、緑色のオーラを刀身に纏った音叉剣を横薙ぎに振るい、水平斬りから放たれた巨大な緑の斬撃波が広範囲に放たれる。

 

 

しかし響鬼も咄嗟に後ろに倒れるように背中を大きく逸らす事で鼻先ギリギリで斬撃波を躱し、そのまますぐに地面に片手を付けてバク転で後方へと素早く飛び退いていくも、そうはさすまいと歌舞鬼が瞬時に飛ばした鬼鞭に左腕を絡め取られてしまう。

 

 

響鬼『っ!』

 

 

歌舞鬼『これでもうちょこまか動けねぇだろォッ!』

 

 

片腕を掴んだ確かな手応えを感じ、歌舞鬼は力任せに鬼鞭を引っ張って響鬼を引き寄せると、頭上を飛び越える響鬼に音叉剣の一撃を叩き込んだ。

 

 

派手に火花を撒き散らしてゴロゴロと勢いよく地面を転がって離れていく響鬼を、鬼鞭を掴んで強引に引き止める。

 

 

そしてもう一度力任せに鬼鞭で引き寄せ、背中で地面を引き摺りながら迫る響鬼に向けて容赦なく音叉剣を振り下ろした歌舞鬼の一刀に目掛け、響鬼は瞬時に触れた腰のバックルから音撃鼓を弾丸のように射出し、音叉剣を握る歌舞鬼の手にピンポイントに当てる事でその手から音叉剣を弾き飛ばした。

 

 

歌舞鬼『なっ!?』

 

 

響鬼『ふっ!』

 

 

武器を失い歌舞鬼が動揺するその隙に、響鬼は左腕に絡み付く鬼鞭を自分から更に左腕に絡ませながら両手で力強く掴み取って踏み止まる。

 

 

更にそれだけに終わらず、響鬼は鬼鞭を強引に引っ張りながら自分の身体ごとグルリと勢いを付けて地面の上で360°度横回転してみせた瞬間、それに釣られるように歌舞鬼の身体がきりもみ回転しながら宙に浮き上がって倒れた所へ、先程音叉剣を弾いて空を舞っていた音撃鼓・火炎鼓がタイミング良く直上から落下して歌舞鬼の胸部に張り付き、徐々に巨大化して完全に歌舞鬼の身動きを封じていった。

 

 

歌舞鬼『!?なん、だと……!!?』

 

 

驚嘆する歌舞鬼に向かって響鬼は道中、戦闘中に落とした音撃棒を転がって地面から拾い上げながらそのまま歌舞鬼の上に素早く馬乗りになると共に、音撃棒・烈火を掲げて高らかに叫ぶ。

 

 

響鬼『豪火連舞の型……!!』

 

 

 

歌舞鬼に埋め込まれた火炎鼓に向けて、左右の音撃棒・烈火で響鬼がこれまで会得してきた火炎連打、一気火勢、猛火怒涛の音撃三種の技を組み合わせた重く強烈な必殺技が歌舞鬼に容赦なく叩き込まれていく。

 

 

歌舞鬼『がふっ……!!?がぁ、ァあああああああッッ!!?(や、ヤベェっ……!?このままじゃっ!!』

 

 

響鬼『破ァああああああ……でりゃああああああっっ!!』

 

 

音撃棒・烈火の重たい一撃一撃が叩き込まれる度に、身動きが取れない歌舞鬼は直感的に死の危険を感じ取る。

 

 

その感覚に背を押されるように、半ば反射的に倒れたまま背後から銀色のオーロラを出現させて急ぎ逃亡を測ろうとする歌舞鬼だが、それよりも速く、響鬼のトドメの一撃が火炎鼓を通して炸裂し、歌舞鬼は爆発の炎に身を焼かれながら銀色のオーロラに包まれてそのまま何処かへと姿を消してしまったのだった。

 

 

なのは「はあ、はあっ……ッ!ヒビキさん……!」

 

 

クウガ『ヒビキさん……!やったんですね!?』

 

 

響鬼が歌舞鬼を撃退したところ、其処へちょうど響鬼と歌舞鬼を追って森の中を駆け抜けてきたなのはにクウガ、聖桜とディスパーが決着の瞬間を見届けて喜びを露わにし、安堵で胸を撫で下ろしながら彼女の元に集まろうとする。が……

 

 

 

 

────────チリン。チリン。チリン。チリン。

 

 

 

 

響鬼『───!!?!!?はっ……ァ……ぁああああっ……はっ、はっ、はっ、はっ…………!!?!!!?』

 

 

 

 

聖桜『……ッ!止まって下さいっ!』

 

 

クウガ『……えっ?』

 

 

響鬼の頭の中で、再び鈴の音が鳴り響く。

 

 

煩く。やかましく。鬱陶しく。

 

 

まるで全身の血管の中をウジ虫が入り込んで蠢いているかのような不快な感覚に震え、両手の音撃棒を落として過呼吸になる響鬼を前に異常を察した聖桜が両手を広げて皆を制止する中、響鬼の呼吸は酷くなるばかりで苦しそうに頭や胸を激しく掻き毟っていく。

 

 

なのは「ヒ、ヒビキさん……?」

 

 

ディスパー『お、おいっ、どうした……?!ヒビキィ!!』

 

 

響鬼『ぁあ……ぁ……あぁあああァぁぁああああぁっ…………ゥあああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!?』

 

 

なのは達の呼び掛けに答える余裕すらないのか、遂に苦痛が絶頂に達するあまり天を仰ぎ、悲痛な声で絶叫する響鬼の肉体が醜く膨れ上がり、紫色の火を全身の至る所から噴き出しながら徐々にその姿を変貌させていってしまう。

 

 

筋骨隆々に膨張した、赤と紫が入り混じった体色の強靭な肉体。何よりも目を引くのは、頭部から生えたまるで牛の角のような巨大な銀色の二本角が特徴的な異形の怪人……見間違えようのない、正真正銘の『魔化魍』の姿へと。

 

 

ディスパー『な……』

 

 

なのは「ヒビキ、さん?!」

 

 

『ブォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーッッッ!!!!!!オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!』

 

 

クウガ『ヒ、ヒビキさん待って!!どうしたんですか?!グアァアアッ!?』

 

 

聖桜『優矢さんっ!!』

 

 

突如魔化魍に変わり果てた響鬼に混乱しながらも必死に大声で呼び掛けるクウガだが、魔化魍となった響鬼はただただ狂った化け物の雄叫びを上げながら目の前のライダー達を敵と認識して一切の躊躇もなく襲い掛かっていき、最初の獲物としてクウガをその巨大な角で跳ね飛ばしてしまうのであった。

 

 

 

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