仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二十三章/『なのは』の世界

 

 

──クウガの世界を始めとし、キバ、龍騎、ブレイド、ファイズ、アギト、電王、カブト、そして響鬼の世界と全ての正史の仮面ライダー達の世界を巡る旅を遂に終えた零達一行。

 

 

長い長い旅を終え、九つの世界を回って漸く元の自分達の世界に戻ってきた零達は写真館の扉の前に集まって(みな)固唾を呑み、覚悟を固めるようにお互いに頷き合った後、零が率先して写真館の扉を開け放った。其処に広がっていた光景は……

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

スバル「────へ?」

 

 

ティアナ「え……此処って……?」

 

 

写真館の入り口から続々と飛び出し、見慣れたミッドの街並みに期待を膨らませていたスバルやティアナの表情がみるみる内に困惑と戸惑いの表情へと変化していく。

 

 

それは他の一同も同様の反応であり、写真館の周りの風景を見回すヴィータが開口一番に疑問を漏らす。

 

 

ヴィータ「お、おい…どうなってんだ……?此処ってどう見たってっ───」

 

 

なのは「───海鳴市……私達の、故郷……?」

 

 

そう。写真館の外に飛び出した一行が目の当たりにしたのは、零達が旅を始める出発点だったミッドチルダではなく、何故かなのは達の故郷である地球……海鳴市だったのである。

 

 

スバル「ど、どういうことなんですか……?何で旅を始めた時の場所じゃなくて、なのはさん達の故郷の地球に……?」

 

 

シグナム「……まさか、また新たな世界に訪れたというのか?九つの世界を巡り終えたというのに……」

 

 

フェイト「れ、零……」

 

 

零「…………」

 

 

九つの世界を救えば自分達の世界も救われる。そう信じて今まで戦ってきたというのに、予想外の事態を前に流石に皆も混乱しどよめく中、フェイトが不安の入り交じった声音で零の背中に呼び掛けるも、零も他の仲間達と同様に事態を飲み込めていない為、返す言葉が見付からずに訝しげな眼差しで海鳴市の街並みを見回す事しか出来ずにいた。そんな中……

 

 

 

 

―……♪♪〜〜♪〜♪♪〜〜―

 

 

 

 

シャマル「……え?」

 

 

ギンガ「これは……バイオリンの、音……?」

 

 

一同が混乱する中、不意に何処からともなく遠くから流麗な音色のバイオリンの演奏が聞こえてきた。

 

 

素人耳でも分かる、まるで動揺する皆の今の心を落ち着かせるかのような染み渡るメロディーを聞いていく内に幾分か冷静さを取り戻し始めてきた中、暫しその演奏に耳を傾けていたすずかがハッと弾かれたように顔を上げて零となのは、フェイトとはやてとアリサの顔を交互に見た。

 

 

すずか「ね、ねえみんな…!この曲って、もしかして……!」

 

 

アリサ「うん……間違いない……これ、アイツの十八番だ……!」

 

 

エリオ「?アイツ……?」

 

 

バイオリンの演奏に何か心当たりがあるのか、顔を見合わせるすずかとアリサの表情は先程から一変して明るさを取り戻す。一方でエリオを始めとしたミッド組や異世界組の優矢達は怪訝な反応を浮かべるが、皆が疑問を口にするより早くなのは達が曲が聞こえてくる方向に向かって走り出した。

 

 

優矢「ちょ、どうしたんすか?!」

 

 

なのは「みんな、一緒に来て!ほら零君も!早く!」

 

 

零「…………」

 

 

大手を振って、早く自分達に付いてくるように声を大にして呼び掛けるなのは。フェイト達は既に先に行って姿はもう見えず、なのはもそんな彼女達の後を追って走り出すのを見て零達は一度顔を見合わせた後、仕方がないと五人の後を急いで追い掛け走り出していった。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

―海鳴市・自然公園―

 

 

広い草原。ドームの建物一個分はあるであろう広さのあちこちで、家族連れの一般人の誰もが笑って遊んで過ごす平穏な光景が見受けられる。

 

 

そんな光景を遠巻きに、ケースを置いたベンチの前で佇まい、バイオリンを静かに一人奏でる青年の姿があった。

 

 

青年は目を伏せ、奏でる音楽に酔いしれるかのようにただ一人の世界に没頭する中、その音楽を聞き付けたなのは達、そして他の仲間達と共に遅れてやってきた零はその青年の後ろ姿を目の当たりにし、驚きで目を見晴らせる。

 

 

はやて「あれは……!」

 

 

なのは「やっぱり!」

 

 

零「──終夜」

 

 

終夜「────ン?」

 

 

バイオリンを優雅に奏でる黒髪の青年……自分達の世界の友人の一人である闇無 終夜の姿を目にしたなのは達は先程までの不安げな陰が晴れ、まるで暗闇の中から光明を見つけ出したかのように徐々に表情が明るくなっていく。

 

 

一方で、何処か厳かな面持ちの零のその声が耳に届いたのか、終夜は演奏の手をピタッと止め、バイオリンと弓を持つ両手を下ろしながら徐に振り返り、零達の姿を視界に捉えた途端に驚きを露わに僅かに目を見晴らせるのだった。

 

 

 

 

 

 

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