仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二十三章/『なのは』の世界⑥

 

 

映紀とダークカブトが対決する少し前……。

 

 

真也「──へえ。そんでサプライズでこっちに帰ってきたって?相変わらず良い性格してんなぁ、お前ら」

 

 

恭平「全くだぜー。海外に行ったり切りたまにしか連絡寄越さねーしさぁ。てっきりあっちでの生活で俺らのこと忘れられちまったんじゃねーかなーって」

 

 

フェイト「そ、そんな事ないよぉ?ただちょっと仕事とか勉強とか忙しかったから中々時間が作れなくて、ねっ?」

 

 

なのは「そ、そうそう…!特にほら、零君なんかその辺りズボラだし、何かやらかす度に私達もそのフォローに駆り出されたりするからすっごく大変でっ〜」

 

 

真也「アイツも相変わらずってか。んで?その零は何処いんだよ?アイツもお前らと一緒に戻ってきてんだろ?」

 

 

すずか「あ、えと…今はちょっと別行動中なんだっ。あっちで出来た後輩さん達を連れて地元を紹介しとくからって。私達の方はなのはちゃんの実家に付いていったんだけど、今は皆さん旅行中でお家やお店にも誰もいないって、私達もすっかり忘れててどうしようかーって……」

 

 

恭平「えー?あのぶっきらぼうが後輩侍らせてガイドさんなんか出来んのかよぉ?今頃案内に下手こいて、お通夜みてーな空気で街回ってんじゃねーのー?」

 

 

アリサ「そ、ソウカモネー…?は、アハハハッー……」

 

 

高町家で手掛かりを一通り探し終え、次に何処を探すべきかと家の前で悩んでいたなのは達と久しぶりに再会したのは真也と恭平。ヴィヴィオ以外、中学を卒業してからの邂逅だった。

 

 

それからなのは達は、久方ぶりに出会えた彼ら二人にこれまでの事……海外留学先での出来事(無論自分達が魔導師である事や、ミッドチルダの事などは極力伏せて)を上手いこと説明しつつ、そのままなりゆきで二人がこれから用事があるという場所に付き添う事になっていた。

 

 

フェイト(ど…どうしようなのは…?何か話の流れで二人に付いていく事になっちゃったけど、このまま一緒に行ってもいいのかな…?)

 

 

なのは(う、うーんっ…ちょっと昔話で盛り上がり過ぎちゃったとは思うけど、でも、次の手掛かりを探すのにはちょうどいいんじゃないかな?ほら、二人から上手いこと色々聞き出せれれば、この世界についての状況とか教えてもらえるかもしれないし。渡りに船って奴だよ!)

 

 

フェイト(そ、そんな楽観的に決めていいのかな……。はやてはどう思う?)

 

 

あくまでもポジティブに、今の状況を逆に活用しようと前向きに検討するなのはの方針にフェイトは不安と心配を拭い去れず、自分達から斜め左を歩いているはやてに小声で話し掛け、彼女の意見を求めるも、はやては何故か何も答えず、周りの景色を無言で見回していた。

 

 

なのは(……?はやてちゃん?)

 

 

はやて「……やっぱりそや。この道、この景色……でも、何で二人があの場所に……?」

 

 

なのは&フェイト((…………?))

 

 

腕を組み、顎に手を添えながら何やら困惑した様子を浮かべているはやて。なのはとフェイトはお互いに顔を見合せて不思議そうに首を傾げ、何かあったのかと彼女に声を掛けようとした所、彼女達の前を歩く恭平が後頭部に両腕を回しながら不意になのは達の方に振り返った。

 

 

恭平「そういやさっきから気になってて聞きそびれてたんだけどさぁ。そこのちっこいおチビちゃんは何処のどなたなん?お前等が預かってる誰かの親戚か何かとか?」

 

 

フェイト「へ!?あ、えと…!こ、この子はそのぉ〜っ……」

 

 

ヴィヴィオ「……?」

 

 

急にヴィヴィオについて話を振られ、フェイトは両手を前に左右に振りながらあからさまに動揺しつつ何か上手い言い訳や誤魔化しを考えようと必死に脳内で模索し続けるが、そんな彼女とは対照的になのははゆっくりとヴィヴィオを胸に抱き抱え、少女の顔がよく見えるよう抱き直しながら真也と恭平に笑顔を向ける。

 

 

なのは「この娘はヴィヴィオ。あっちに留学してる時に出来た、零君との子だよ」

 

 

恭平「へー?零との子。……零との子ォ!!!?えっ、うそちょっと待ってよ!?お、お前、遂にアイツとヤったんか!?いやでも髪色がどっちかっつーとフェイトの方が近くね?!なによどーいうコトォ!?」

 

 

なのは「ち、違う違う違う!?ヴィヴィオは養子として私達と零君でお迎えしたの!!だからそのっ、別にそーゆーアレでとかじゃなくてぇっ……!!」

 

 

あまりに言葉足らずな説明だったせいか、あらぬ誤解を抱いて頭を抱えながら酷く狼狽する恭平を落ち着かせようと宥めるなのはだが、心做しか必死に弁明する彼女の顔に朱が差し、若干満更でもなさそうに見えるのは果たして気のせいか否か。

 

 

一方の恭平はなのはからの弁解を聞いて、一瞬間を置いた後に心底安堵した様子で深々と溜め息を吐き出した。

 

 

恭平「焦ったぁぁっ……。一瞬、お前らが向こうで俺らに内緒で籍入れて子供までこさえたのかとか変な想像しちまったぜ……」

 

 

真也「早とちりにも程があんだろ。この見た目からして大体5~6歳ぐらいだし、どう考えたって年齢合わねえじゃん。……コイツ等が5~6年前にやらかしてたとかなら話は別だけどよ」

 

 

なのは「だっ…!だからそーゆーのじゃなくってぇ〜!?」

 

 

フェイト「うん。なのはと零はあくまで保護責任者。後は私が後見人になって、ヴィヴィオを家族として迎え入れたんだ。ね?ヴィヴィオ」

 

 

ヴィヴィオ「んー?うん、フェイトママ!」

 

 

恭平「なぁんだそっかぁー。そういう事なら話は納得……えっ、待って?フェイトママ…?お前もこの子のママやってんの…?」

 

 

フェイト「へ…?あ、うん。そう、だけど……?」

 

 

何やら目をパチクリさせている恭平に、フェイトは不思議そうに小首を傾げてそう返す。その返答を聞き、恭平は大きく息を呑みながら両手で口を覆い、絶句した。

 

 

恭平「なんてことなの……じゃあ零の野郎、お前等ふたりを義理とは言え実質嫁さんとしてお迎えしたってコトォ?!海外ってそーゆーの別段珍しくないって噂じゃ聞いてちゃいたけどマジかよ!!やっぱヤっちまったんかお前らぁ!?」

 

 

フェイト「え、えぇええええっっ!!?ち、ちちちち違うよぉ!!?零はその、ええとっ……!ヴィヴィオが凄く懐いてからパパって呼ぶようになっただけっていうか……!あっ、で、でも零の方も満更じゃなさそうで、積極的にヴィヴィオの父親を頑張ってくれてて嬉しいなぁーなんて!」

 

 

すずか「フェ、フェイトちゃん一回落ち着いて!」

 

 

アリサ「と、ともかくあっちで色々あったのよ!その辺は複雑だしデリケートな話だからこれ以上深堀禁止!わかった!?」

 

 

あまりにもどストレートに零とそういうアレを致したのかなどと恭平から豪速球を投げつけられ、フェイトは首から耳の先まで顔を茹でダコのように真っ赤に染め上げた挙げ句、湯気まで立ち上らせ目をグルグルさせている。

 

 

流石にこのまま追求され続けてはフェイトの状態も含めて色々マズいと察し、すずかとアリサがすかさずこの話題を切り上げようと助け舟を出すと、恭平は「むーん……」とあからさまに納得していない様子ですごすごとと大人しく引き下がり、その場にしゃがみ込んでヴィヴィオと目線を合わせた。

 

 

恭平「しっかしまぁお前らはともかくとして、あのブキッチョの零が誰かを教える立場になった上に人の親になっちまうだなんてなぁ。なーんかいつの間にか遠くにいっちまったみたいでさみしーぜぇ。……ヴィヴィオちゃんはママ達とパパ、大好きかい?」

 

 

ヴィヴィオ「あう…」

 

 

感慨深そうに、それでいて何処かしんみりした声音で笑顔と共にヴィヴィオに喋り掛ける恭平だが、ヴィヴィオは恥ずかしそうになのはの足の後ろに隠れ、ひょっこり顔を覗かせながら小さく頷く。

 

 

恭平「なっはははっ、随分照れ屋さんじゃねえーのー?えー?こんな可愛いお嬢様に好かれるなんて良い親やれてんじゃん。よっぽど普段の夫婦の仲がよろしいよーでぇ?娘の前でアイツとちゅっちゅとかすんのー?うん?」

 

 

フェイト「きょ、恭平!!」

 

 

なのは「ああもう!だからそういうのじゃないんだってばぁーー!!」

 

 

おーん?と、組んだ腕の片肘でちょちょいと小突きながら全力でからかってくる恭平に、フェイトもなのはも恥ずかしさが限界突破して顔を真っ赤にガー!と吠える。

 

 

恭平も二人のリアクションに喉を鳴らして愉快に笑うが、いい加減見兼ねた真也が溜め息と共に止めに入った。

 

 

真也「もうその辺でいいだろ?こんなとこでいつまでも駄弁ってないで、早く先行こうぜ。この調子じゃ面会時間過ぎちまうよ」

 

 

すずか「え、面会って……あ……」

 

 

アリサ「あんた達、もしかしてこれから行くとこって……」

 

 

なのは&フェイト「「……?」」

 

 

溜め息混じりに愚痴をこぼす真也の発言からすずかとアリサは彼ら二人がこれから向かおうとしてた場所に思い当たる節があるのか、戸惑いと気まずさが入り混じった深刻げな顔を浮かべる。

 

 

落ち着きを取り戻したなのはとフェイトは二人のその反応から何事なのかと互いに顔を見合わせると、此処まで口を閉ざしていたはやてが、重たい口を開く。

 

 

はやて「多分、海鳴大学病院やろ?……この道や景色、私も何度も通った事あるから覚えがあるよ」

 

 

なのは「それって…昔はやてちゃんがお世話になったっていう…?」

 

 

フェイト「けど、なんで真也達が?もしかして誰か、知り合いが入院してるとか……?」

 

 

だとしたら、自分達がこのまま彼等に付いていくのは流石に無遠慮が過ぎるのではないか。そんな考えが過ぎり、言外に自分達はこのまま外そうかと雰囲気で伝えるなのはとフェイトに、真也は両手に持つ花束に視線を落とし、短い溜め息を吐くと共に言う。

 

 

真也「麻衣だよ」

 

 

フェイト「……………………。え…?」

 

 

なのは「真也、くん……?え…今、なんて───」

 

 

真也「俺達がこれから見舞いにいく相手。睦月麻衣。……大分前に、意識不明の重体で運び込まれて、それ以来意識が戻っていない、アイツのとこだ」

 

 

なのは&フェイト「!!?」

 

 

はやて「…………」

 

 

重々しい口調で告げられた衝撃的な内容に、なのはとフェイトは己の耳を一瞬疑い、息を拒んで絶句してしまう。

 

 

睦月麻衣。

 

 

なのは達や零が昔、真也の妹である瑠璃と一緒に妹分として可愛がり、零達がミッドに完全に移り住む前、両親の仕事の都合で海鳴市を離れる事となり、お別れの際にいつかまた皆で会おうと約束した女の子。

 

 

そんな今の彼女の思わぬ凶報を唐突に聞かされたなのはとフェイトは瞳孔を大きく見開き、驚きのあまり言葉を失い固まってしまい、アリサとすずかが気まずそうに目を背ける中、はやてはその報せを予め予見していたかのように、眉間に皺を寄せながら静かに目を伏せていた。

 

 

 

 

 

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