仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第四章/魔界城の世界⑳

 

──アークの放った広範囲の大規模な攻撃。その被害も大きく、辺りが炎に呑まれ一面には燃え上がるレジェンドルガ達の屍が錯乱していた。

 

 

ディケイド(進)『……っ……零っ……無事かっ…?』

 

 

零「……ああ…何とか…な……」

 

 

辺り一面が炎に包まれ、周囲の景色も黒煙に遮られ何も見えない中、先程のアークの攻撃により吹っ飛ばされた零とディケイド(進)が傷ついた身体をゆっくりと起こしていく。だが、零は立ち上って直ぐに崩れ落ちるようにその場に倒れ込んでしまった。

 

 

ディケイド(進)『?!お、おい?!どうした零――ッ!?』

 

 

ディケイド(進)は慌てて零に近づくと彼の身体を見て驚愕の表情を浮かべ息を拒んだ。ディケイド(進)が目にしたのは、ズタズタに引き裂かれたかのようにボロボロとなっている零の姿だったのだ。口から大量に流れる赤い液体、そして体中が赤い色に染まり今にも死んでしまうのではないかと思わずにいられない酷い有り様をしている。そんな零はゆっくりと顔を上げると、額から血を流しながらいつもの笑みを浮かべて喋り出した。

 

 

零「悪い、な…どうやら…ちょっと…ドジったみたいだ…それに…左足の方もやられた…ちょっとまずい…な…これ…ははは…」

 

 

ディケイド(進)『ッ!笑ってる場合かッ!!クソッ!何でこんな馬鹿な真似をしたんだお前ッ!!』

 

 

ディケイド(進)は零に怒鳴りながらも何とか出血を止めようとする。これだけの血を流せばいくら零でも出血多量で死ぬ可能性があるからだ。だが、怪我の箇所を抑えた所で溢れ出る赤い液体を止める事は出来ない。治療をしようにも、生憎此処は戦場のど真ん中。そんな場所で、しかも医療器具すらないのにこれだけの怪我を治療するなんてまず無理だ。ディケイド(進)は舌打ちをしながらも何とか怪我の出血を止める方法だけでもないかと必死に思考するが…

 

 

『全く…君の予想外の行動には本当に驚かされたよ』

 

 

『……ッ?!』

 

 

爆煙の向こうから聞こえてきた声に二人はその方向に振り返った。爆煙の向こう側には巨大な影がうごめき、それはゆっくりと二人に歩み寄り巨大な影…アークはその姿を現した。

 

 

零「ッ…スカリ…エッティ…!」

 

 

アーク『まさか、あんな場面で君が出て来るとは予想もしていなかった…流石の私も君が死んだのではないかと一瞬焦ったが、どうやら逆に嬉しい誤算となったようだ…』

 

 

零「くっ…!」

 

 

今の零は満足に動く事は出来ない。アークからして見れば今の状態の零なら何の苦労をする事なく簡単に手に入れられる。アークはほくそ笑みながら零に歩み寄っていき、零は何とか傷ついた身体を起こそうとする。その時…

 

 

―ズガガガガガガガガンッ!!!―

 

 

アーク『む…?』

 

 

―ズドォオオオオオオオオオオンッ!!―

 

 

 

零「ッ?!進っ…!」

 

 

ディケイド(進)『勝手に人の事無視すんじゃねぇよ!俺がいんのを忘れんな!』

 

 

自分の事を無視されている事に腹が立ったディケイド(進)が怒りを露わにライドブッカーガンモードでアークに乱射し、零を庇うように前に出る。だが…

 

 

―ブォオオオオオオッ!!―

 

 

アーク『──こんなもので私が倒せるハズがないだろう?いい加減学習したまえ』

 

 

ディケイド(進)『グッ……!』

 

 

顔を包む黒煙を片手で軽く払い、嘲笑うように言いながらアークは再び二人へと近づいていく。すると、零が傷付いた身体を抑えながら起き上がり、目の前にいるアークを睨みつけながら口を開いた。

 

 

零「何故だ…何故そこまでして俺を手に入れる事に固執する…?ディケイドの力が欲しいのなら…進やツカサでも構わないだろう…?」

 

 

苦しげに肩で息をしながら零は目の前にいるアークに自分の疑問を投げ掛ける。すると、アークはその質問を聞いてその場で足を止めた。

 

 

アーク『…ディケイドの力を持つなら誰でもいい、か…確かにそれだけの理由ならばそこにいる彼や、先程の少女でも構わないのだが…私が君を手に入れたい理由はそれだけじゃない』

 

 

零「ッ…どういう…事だ…?」

 

 

アーク『私が君を手に入れたい理由は幾つも存在する。その中で一番重要と思われる理由を上げるなら……まず君がディケイドである事、そして君が破壊を司る存在である、といった感じかな』

 

 

零「…破壊を…司る…」

 

 

その言葉自体に聞き覚えはない。ただ、それと似たような事を世界を巡る旅へと旅立つ前に現れた青年が告げていたような気がする。

 

 

零「……なる…ほどな……どうやら、お前が俺の過去の手掛かりを知ってるって話も、あながち間違いじゃなさそうだ……」

 

 

 

アーク『そうとも。その答えを知る術は、私と共に来る事で手に入れられる。私の下に来るのなら、君の知りたい事を全てを教えてあげよう……知りたいだろう?過去の自分がどんな人間なのか、自分が本当は何者なのか』

 

 

零「……………」

 

 

ディケイド(進)『……零』

 

 

差し延べて来る手に零は顔を俯かせる。そんな彼の横顔をディケイド(進)がジッと見つめると、アークはディケイド(進)にもう片方の手を伸ばす。

 

 

アーク『元道進君、君はどうかね?君も自分の記憶を取り戻したいとは思わないかい?』

 

 

ディケイド(進)『ッ?!お前…何でその事を?!』

 

 

アーク『勿論知ってるよ。君も過去の記憶がなく、自分の本当の家族も知らない。だが、もしも君が彼と共に私の下に降り、ヴィヴィオや他のライダー達を手に入れる事、そして私の目的に手を貸してくれるのなら、君の記憶も私が取り戻してあげよう』

 

 

ディケイド(進)『…ッ!』

 

 

アークの言葉にディケイド(進)もまた顔を俯かせる。そんな二人を見てアークは笑みを浮かべて、手を差し延べたままゆっくりと二人に近づいていく。

 

 

アーク『さあ、聞きかせてもらおうか!君達の答えを!!』

 

 

既に二人の答えを予想しているアークは嬉々として叫ぶ。それに対し、二人は……

 

 

零「……進」

 

 

ディケイド(進)『……ああ、悩む必要なんてないな……俺達の答えは……これだァッ!』

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガァッ!!―

 

 

アーク『?!なっ……!』

 

 

ディケイド(進)は顔を上げると同時に、ライドブッカーガンモードの銃口をアークに突き付けて発砲した。思わぬ攻撃にアークは驚くも、直ぐさま防御態勢を取り銃弾を防いだ。

 

 

アーク『ぐっ……どういうつもりだ……?君達は正気か!自分の過去を知る事が出来るんだぞ!こんなチャンスを自分から投げ捨てるなど…君達は自分の事を知りたいとは思わないのか?!』

 

 

予想とは違う二人の返答にアークは動揺を隠す事が出来ずに二人に問う。すると、零はアークは睨みつけながら一歩前へ踏み出した。

 

 

零「知れるものなら知りたいさ。この旅の中で、それがやっと見付かるかもしれないと言われた時は、正直心揺らいだし、過去に何度も自分の事を知りたいと思った事だってあった……だとしても、何かを犠牲にしてまで、自分の過去を取り戻したいとは俺は思わない!」

 

 

ディケイド(進)『お前のそれは、ようは自分さえ良ければそれでいいってこったろ。例えそれで無くしたものを取り戻して、それで何に満足する?……見損なってくれるなよ。俺達は今まで自分達と共にしてきた仲間を裏切ってまで、記憶を取り戻したいとは思わねぇ!そんなもんはこっちから願い下げだ!』

 

 

零「俺達の旅路は、俺達自身で決める。こんな俺でさえ信じてくれたアイツらに報いる為に、自分の信じる道を進んで、その先で自分を取り戻す!信じられる仲間もいない、自分しか信じる事の出来ないお前に、世界も、これからの未来を進もうとしているヴィヴィオ達を渡したりはしないッ!!」

 

 

アーク『ッ!』

 

 

迷いのない、力強さを宿した二人の眼差しから凄まじい気迫を感じ取り、アークは思わず後退った。

 

 

アーク『っ……何処まで強情な……ならば力付くで従わせるだけの事だァ!!』

 

 

最早口で言っても聞かない相手にこれ以上の説得は無意味だと悟り、アークは額にエネルギーを集束させて砲撃を放とうとする。それを見たディケイド(進)は直ぐさま零の前に出てアークの行動を阻止しようとライドブッカーガンモードを構えた、その時……

 

 

―ズババババババッ!!―

 

 

アーク『ウグァッ?!』

 

 

『……!』

 

 

突然アークに複数の斬撃破と銃弾が降り注ぎ、不意を突かれたアークはそのまま背中から地面に倒れ込んだ。そして二人がその攻撃が放たれてきた方へ振り返ると、其処には自分達の武器を構えるカオス、ガンナ、ディロード、ディケイド(ツカサ)、そしてヴィヴィオが駆けつけてくる姿があった。

 

 

零「皆……!それにヴィヴィオまで?!」

 

 

ヴィヴィオ「パパーッ!」

 

 

カオス達の登場に一瞬驚いた零だが、直後にヴィヴィオが零にしがみついていき、ライダー達も二人に近づいていく。

 

 

ディケイド(進)『皆…無事だったんだな…!』

 

 

カオス『当然だ。あんなんで俺達はくたばったりはしねぇよ』

 

 

ディロード『まっ、しぶとさには自信があるしな♪』

 

 

ガンナ『零、君は大丈夫なのか?その身体の傷は…』

 

 

零「ッ…これぐらいなのは達のリンチに比べればなんともない…それよりヴィヴィオ…隠れてろって言っておいただろっ?」

 

 

ヴィヴィオ「うっ…だって…」

 

 

ディケイド(ツカサ)『まあまあ!ヴィヴィオだって零が心配で居ても立ってもいられなかったんだよきっと。だから許してあげなよ…ねっ?』

 

 

零「…そうだな…すまないヴィヴィオ…心配かけたな」

 

 

ヴィヴィオ「…うん!」

 

 

零は溜め息を吐きながら、笑い掛けるヴィヴィオの頭を優しく撫でる。だがその時、吹っ飛ばされたアークが起き上がり、先程とは比べものにならない程の禍々しいオーラを放ってきた。

 

 

アーク『君達は何処まで……何処まで私の邪魔をすれば気が済むんだあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!』

 

 

ディケイド(ツカサ)『ありゃりゃ…何かお怒りになっちゃったよあの人』

 

 

零「まあ、流石の奴も此処まで邪魔をされればそうなるよな」

 

 

ガンナ『?!見ろ!アイツの周りにレジェンドルガが!』

 

 

怒りを剥き出しに咆哮するアークをガンナが指で示す。アークの足元から次々と数え切れない程のレジェンドルガが咆哮しながらその姿を現していきあっという間にアークの周りを埋めつくしていった。

 

 

ディロード『アイツ…レジェンドルガ達を生み出してる?!』

 

カオス『成る程な…奴は今までああやってレジェンドルガ共を増やしていったワケか』

 

 

一同が話し込む間にもアークは大地が揺れるような咆哮と共に自分の周りに数え切れない数のレジェンドルガ達を作り出していく。すると、そんなアークを睨み付けていた零がヴィヴィオに顔を向け、彼女と視線を合わせるようにその場にしゃがみ込んだ。

 

 

ヴィヴィオ「パパ?」

 

 

零「…ヴィヴィオ…お前に一つ聞きたい事がある。お前は今でも…俺達と一緒にいたいって、思ってくれてるか?」

 

 

ヴィヴィオ「?…うん」

 

 

零「そうか…ならお前も…奴との決着を付けるんだ」

 

 

ヴィヴィオ「え?」

 

 

ディケイド(ツカサ)『ハァ?!ちょ!何言ってんのれ…?!』

 

 

ヴィヴィオを戦わせようとさせる零にディケイド(ツカサ)は反論しようとするが、ガンナとディケイド(進)がそれを止め、零は構わず話を続けた。

 

 

零「もちろん、お前を戦わせるのはあんな奴を倒す為なんかじゃない。お前が…自分の運命と戦い、自分の幸せを守る為にだ」

 

 

ヴィヴィオ「幸せを…守る?」

 

 

零「そうだ…嫌な事を思い出させると思うが…お前やチンク達を造ったのはアイツだ。それは誰にも覆せない事実だし、消える事のない真実だ…」

 

 

ヴィヴィオ「…うん」

 

 

零「だから…奴と戦って、運命と向き合い、そして証明する為に戦え。その手で奴を殴って、お前の思いをぶつけろ。お前が道具なんかじゃない、クローンなんかじゃない、ヴィヴィオという一人の人間であるという事を……!そして守る為に戦うんだ!傷つける為でも壊す為でもない!お前の道、お前の信じるものを守る為に!」

 

 

ヴィヴィオ「傷つける為でも…壊す為でもない…守る為に…」

 

 

ヴィヴィオは呟きながら自分のポケットからKナンバーを取り出して見つめる。こんな難しい事を教えるのはまだ早いと思うし、本当なら零もヴィヴィオを戦わせたくないと思っている。だが、あの男が未だにこの少女の未来を阻もうとするのなら、過去の因縁を含めてこの子の手で決着を付けさせてやりたいと思ったのだ。この子の事や、これからの未来の為に…

 

 

ヴィヴィオ「…やる…ヴィヴィオも守る!パパもママも、皆を守る!だから…」

 

 

零「…うん…俺も、お前を守る為に一緒に戦う。当然だろ?俺はお前のパパなんだから…!」

 

 

ヴィヴィオ「うん!」

 

 

零はヴィヴィオの答えを聞くと、微笑みながら一度頭を撫でてその場から立ち上がる。

 

 

すると、不意に自分の身体が暖かい光に包まれ、先程まで負っていた怪我が消えていく。不思議に思った零は振り返ると、そこには自分に手を翳して回復魔法を使うカオスとディケイドライバーとライドブッカーを差し出してくるディケイド(進)、そしてその後ろに立つライダー達の姿があった。

 

 

カオス『そんな身体じゃ奴とまとも戦えないだろう?戦うのなら万全の状態の方がいいしな』

 

 

ガンナ『ここまで来たんだから、僕達にも手伝わせてもらうぞ?』

 

 

ディロード『ま、例え断られても無理矢理手伝うけどな!』

 

 

ディケイド(ツカサ)『これが本当のラストバトルっぽいし!私もやるよ!』

 

 

ディケイド(進)『俺達の旅を終わらせない為に…そうだろ、零?』

 

 

零「…ああ…勿論だ…!行くぞ!ヴィヴィオ!!」

 

 

ヴィヴィオ「うん!」

 

 

零はディケイド(進)の手から受け取ったバックルを腰に装着してディケイドのカードを取り出し、ヴィヴィオはKナンバーの5~12の番号を順に押し、最後にエンターキーを押すと腰にベルトが出現しKナンバーを閉じて構える。そして…

 

 

『変身ッ!!』

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

『Cord…Set Up!』

 

 

それぞれの変身動作を行うと、零はディケイドに、ヴィヴィオはナンバーズに変身を完了するとライダー達も二人と肩を並べるように列び、眼前のアークとレジェンドルガの大群と向き合った。

 

 

アーク『最早容赦はしないよ…君達は此処で捻り潰すッ!!』

 

 

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォーーーッ!!!』

 

 

ディケイド『これで決着を付けるぞ…スカリエッティッ!!!』

 

 

『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォーーーッ!!!!!!!』

 

 

ディケイドを先陣にライダー達が、レジェンドルガ達を従えるアークが同時にその場から動き出し、戦場の中心に到達したと同時に両軍は激しくぶつかり合っていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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