仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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firstの世界
第五章/firstの世界


 

 

魔界城の世界を旅立ち、新たな世界にやって来た零達一行。果たして、この世界で彼等を待ち受けるものとは……

 

 

 

 

―光写真館―

 

 

 

次なる世界に着いての翌日の朝。昨日の魔界城での戦いで疲れていた為か、昨日の夜はグッスリと眠る事ができ零達のコンディションはすっかり回復していた。そして、そんな零達は部屋に集まりこの世界について知る為に朝食を取りながらテレビのニュースを見ていた。だが……

 

 

ティアナ「嘘…これって…」

 

 

なのは「ど…どういう事?なんで……」

 

 

テレビのニュースを見ていた一同は、その内容を見て食事の手を止め呆然としていた。そのテレビで流れているニュースの内容とは…

 

 

『――昨日、ミッドチルダの第3エリアで起こったショッカー達による襲撃事件。中には大量のガジェットドローンの集団も確認されましたが管理局所属の魔導師達によりこれを撃退。被害は最小限に抑えられ――』

 

 

ヴィータ「ミッドチルダに管理局…ガジェットだって?!」

 

 

スバル「ど、どういう事?なんで私達の世界が…?!」

 

 

テレビに流れている映像…管理局の地上本部やミッドチルダが映し出されているニュースを見て優矢を除いた一同は唖然とした表情をしていた。そんななのは達の様子を見た優矢は頭上に疑問府を浮かべながら一同に問い掛けてみた。

 

 

優矢「なぁ。管理局って確か、零達が旅をする前に働いていた所だったよな?」

 

 

なのは「う、うん。そうなんだけど……」

 

 

ティアナ「だ、だけど、何でミッドチルダや管理局がライダーの世界に…?」

 

 

何故この世界にミッドチルダがあり管理局が存在するのか。なのは達がテレビのニュースを見て困惑している中、零は味噌汁を啜りながら落ち着いた様子で語り出した。

 

 

零「…そこまで不思議がる事はないだろう。この世界は単に俺達の世界とそっくりというだけで、全く別の世界なんだから」

 

 

ディエチ「?別の世界って…なんでそんな事が分かるの、零?」

 

 

何故自分達の世界とは違う世界だと言い切れるのか。ディエチが思わず不思議そうに聞き返すと、零は納豆の入った容器を掻き回しながら答える。

 

 

零「この世には俺達の世界とそっくりな世界が幾つも存在するってのは、お前達も知ってるだろ?だからこの世界も多分そういった類に入る世界の一つなんだろうさ」

 

 

なのは「あ、そっか…別の世界のスバルであるシズクさんや進君達の言っていたナノハの世界とかもある訳だしね」

 

 

ヴィータ「じゃあ、つまりこの世界はアタシ等の世界にライダーが存在する……っていう世界な訳か?」

 

 

零「あぁ。そしてそのライダーと言うのが、おそらくコイツの事だろうな」

 

 

零はそう言いながらライドブッカーから一枚のカードを取り出し、なのは達に見せる。それは今までのカードと同じようにシルエットだけのカードだが、シルエットの下にはそのライダーの名が書かれている。そのライダーの名は…

 

 

スバル「…first?これがこのライダーの名前なんですか?」

 

 

零「あぁ。そしてコイツは、全ての世界に存在するライダー達の原点とも呼ばれる仮面ライダーらしい」

 

 

優矢「嘘?!マジで…?」

 

 

ウェンディ「ほぇ~、このfirstってライダー、そんなにスゴイ奴なんスね~」

 

 

セイン「全ライダーの原点かぁ…なんかその"原点"って部分に惹かれるものを感じるな~」

 

 

全てのライダーの原点とも呼べる存在。それを聞いた一同は食事の手を止めてシルエットだけとなっているfirstのカードを興味深そうに見つめている。

 

 

零「ま、取りあえずこの世界について後から調べてみた方がいいかもな。さっきニュースで話していたショッカーとやらや…この世界のライダーについてもな」

 

 

零はシルエットだけのカードを見つめながらそう呟きカードをライドブッカーに仕舞うと、再び食事の手を進めていった。

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

そして数十分後。朝食を終えた零はスバル、ティアナ、ナンバーズ達とヴィヴィオに留守番を任せ、なのはと優矢とヴィータと共にこの世界について調べる為に写真館の外に出た。

 

 

優矢「うおぉ…これがミッドチルダか。すっげーな…まるでSFの世界に入り込んだみたいだぞ」

 

 

いの一番に外に出た優矢がミッドチルダの街並みを見て思わず感想を漏らした。零達も写真館の外に出て街を見渡すと、何処か懐かしげな表情を浮かべていた。

 

 

零「久しぶりだな、ミッドチルダ。違う世界とはいえ、やっぱりここはどの世界でも一緒なんだな」

 

 

ヴィータ「いや、どこも一緒つってもまだ此処しか知らねぇだろ?」

 

 

零「…お前は何でそう感動のムードをぶち壊すようような事を口にする…?」

 

 

なのは「にゃはは…あ、ところで零君。一つ聞きたいんだけど…私とヴィータちゃんが被ってるこれって何?」

 

 

なのはは自分の頭に被せている帽子の鍔を掴みながら不思議そうに首を傾げる。そう、なのはとヴィータは今、同じデザインをした帽子を頭に被せ顔が見えないようにしている。二人の被っている帽子は四人が写真館を出る前に零が持たせた物であり、二人はよく分からないままその帽子を被っていた。

 

 

零「念の為、お前達の正体を隠す為の物だ。この世界にも恐らくこの世界の住人であるなのは達が存在するハズだし、そんな所で顔を出したまま無闇に出歩いて他の人間にお前達の事が知れたら、何かしら騒ぎが起こるかもしれん」

 

 

なのは「あ、そっか。その為の帽子だったんだね」

 

 

ヴィータ「まぁ、確かにアタシ等も無駄な騒ぎを起こしたくはないしな…しょうがねぇから被っとくか」

 

 

零の説明を聞いて納得した二人は顔が見えないように帽子を深く被った。

 

 

零「それじゃ、ここは二手に別れてこの世界を調査するか。俺となのははミッドの中央区を調べるから、優矢とヴィータは他の場所を調べてみてくれ」

 

 

ヴィータ「おう、分かった。優矢!行くぞ!」

 

 

優矢「あ、ああ…!」

 

 

優矢とヴィータは零に言われた通り、零達とは別ルートでこの世界を調べる為にトライチェイサーに乗って走り去っていき、残った零となのはも二人の姿が見えなくなるのを確認してからディケイダーに乗ってミッドの中央区へと向かっていった。

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

それから三時間後。街中を探索し情報収集などしていた零となのはは一度休憩の為に近くの公園に寄り、公園のベンチに座りながらこれまで集めた情報を整理していた。

 

 

零「しっかしまあ…大体は予想していたが、随分と俺達の世界とは違ったもんだな…」

 

 

なのは「うん。確か……ショッカーだっけ?その人達が今ミッドに攻撃を仕掛けて、しかも何故かガジェットがその人達に協力してるって話だしね」

 

 

二人は街中を調べて集めた情報を整理しながら、この世界に存在する組織、ショッカーについて話していた。

 

どうやらそのショッカーという組織はこのミッドチルダを含め、あらゆる管理世界を征服しようと活動しており、管理局もそのショッカーの対処に追われて頭を痛めているらしい。

 

 

更にそのショッカーがガジェットと共にミッドを襲撃を起こす事が何度か目撃されている為、スカリエッティがショッカーに加担しているかもしれないという話もあるようなのだ。

 

 

零「アイツの考えてる事が全く理解出来ないのはよく分かっているが…この世界のスカリエッティも何を考えてるのか理解出来んな」

 

 

なのは「まぁ、分かりたくもないけどね…」

 

 

溜め息混じりで呟く零に、なのはも苦笑いを向ける。

 

 

零「まぁ、取り敢えずショッカーとやらの事は大体分かったが、肝心のこの世界のライダーについては何も分からなかったな…」

 

 

なのは「うん。市民の皆を救うヒーロー……みたいな噂は聞くけど、それについての詳しい詳細とかは全然聞けなかったよね……」

 

 

二人も時間を掛けてこの世界のライダーについて調べようとしたが、その正体は全くといって不明。そのライダーが何処にいるのかも不明。言ってしまえば、何も分からないという事しか分からなかったのだ。

 

 

零「結局手掛かりは無しか……はぁ……なのは、取りあえず何か飲み物でも買ってくるから、此処でちょっと待ってろ。すぐに戻る」

 

 

なのは「え?あ、うん。分かった」

 

 

取りあえず喉を潤して一息でも吐こうと考えた零は手に付けていた手袋を外してなのはに投げ渡し、ベンチで待ってるように告げると飲み物を買いにその場から歩き出していった。

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

―…ピッ、ガタンッ!―

 

 

零「……この世界のライダーについての情報は0、か。これじゃあ探しようがねぇな。優矢達の方は何か分かっただろうか……」

 

 

溜め息を吐きながら自販機のボタンを押していき、これからどうするべきか零は悩んでいた。まずはライダーとの接触が一番の目的だと思うが、肝心のライダーの居場所は分からないし、今回は今までの世界のように服装が変わったりはしていない為にヒントもない。

 

 

こんな状況の中で自分達は一体どうすればいいのか分からず、零は再び溜め息を吐き取りあえず手に持った飲み物を抱えなのはの所に戻ろうと踵を返した。その時…

 

 

―ドンッ!―

 

 

零「うおっ?!」

 

 

「うぐっ?!」

 

 

振り返った際に誰かと衝突してしまい危うくバランスを崩しかけたが、二人は何とか態勢を立て直した為、倒れる事はなかった。

 

 

零「痛っ…すまない、大丈夫かっ?」

 

 

「…っ…ああ、大丈夫だ。そっちこそ怪我はなかったか?」

 

 

零「あぁ、大丈夫だ。本当にすまない、少し考え事をしていたから全然気づけなか……った……?」

 

 

ぶつかった青年に向けて謝罪しようとした零は青年の顔を見て、固まってしまった。

 

 

見た目は十代後半辺りの銀髪の青年。零は彼を見た途端、何処かで感じた事があるような形容し難い感覚を感じていた。すると、青年はそんな零を見て怪訝な表情を浮かべた。

 

 

「…どうした?やっぱり何処か怪我でもしたのか?」

 

 

零「……は?あっ、いや、そうじゃないんだ、気にしないでくれ。…なあ?いきなりで悪いんだが……俺とアンタ、何処かで会った事ないか?」

 

 

それが零の気になっていた感覚。以前何処かで会ったような気がする。そう感じていた零は思い切って青年に聞いてみたが、青年はその問いに首を左右に振った。

 

 

「いいや。多分これが初対面だと思うぞ?人違いじゃないのか?」

 

 

零「そう…か。すまない、アンタの言う通りただの勘違いだったようだ」

 

 

「別に気にしなくてもいいさ……単にこうやって会うのが初めてって意味なんだからな」

 

 

零「……ん?今、何か言ったか?」

 

 

最後辺りの部分がよく聞き取れなかった零は青年に何を言ったのかもう一度尋ねた。しかし…

 

 

―ドゴオォォォォォォオンッ!!―

 

 

「ッ?!」

 

 

零「な、何だ…?!」

 

 

突然聞こえて来た爆音に零と青年は振り返った。二人の視線の先には、此処から離れた場所にある街の一角から爆煙が立ち上る光景と街の住民達が逃げ惑う姿があったのである。

 

 

なのは「はぁ…はぁ…あ、やっと見つけた…!零君!大変だよ!」

 

 

零「…ッ!なのはか!この騒ぎはなんだ?!一体なにが起きてんだ?!」

 

 

なのは「う、うん……!さっき街の人から聞いたんだけど、この近くにショッカーが現れてミッドを攻撃してるんだって!」

 

 

零「ショッカー…成る程、この世界の怪人達か…なのは!俺達も行くぞ!」

 

 

なのは「うん、分かった!」

 

 

違う世界とはいえど、自分達が知るミッドチルダと変わらぬ世界が好き勝手に襲われているのを黙って見てるワケにはいかない。

 

 

零となのはは急いで公園を出るとディケイダーに乗ってショッカーが現れたというミッドの第6エリアへと向かっていった。そして、公園に残された青年はというと……

 

 

「……まさか、魔界城から元の世界に帰ろうとしてfirstの世界に来ちまって、しかもディケイド達までこの世界に来ていたとはな……だが、別世界のディケイドがどれほどの力を持つのか……確かめるには絶好の機会かもな」

 

 

青年は不敵な笑みを浮かべながらそう呟くと、青年も何処かへ向かおうとその場から歩き出していった。

 

 

 

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