仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第五章/firstの世界③

 

 

firstとの戦いから数十分後。零となのはは写真館に戻る途中で合流した優矢とヴィータと共に写真館に戻り、firstに変身していた男…"本郷 滝"の怪我の治療を終えると一先ず空き部屋に寝かせ、スバルとティアナに滝の看病を任せた後に部屋に集まり、本郷滝の友人という"カツラ・ヨウラン"に自分達の事について説明していた。

 

 

カツラ「――では、お前達は自分達の世界と行方不明となったフェイト達を救う為に、此処とは違う別次元のミッドからこの世界に来た…という事か…?」

 

 

零「あぁ。ま、簡単に言えばそんな所だな」

 

 

怪訝な表情で問い掛けるカツラに、零がカメラの手入れをしながらそう答える。

 

 

因みに、今部屋にいるのは零とカツラを始めなのはとヴィータと優矢だけであり、ヴィヴィオとナンバーズ達は部屋の奥で栄次郎と遊んでいる。理由は言うまでもなくまだヴィヴィオ達の存在を知らないという二人にヴィヴィオ達の事を知られないようにする為だ。この世界にイレギュラーが起こらないようにする為に。

 

 

カメラ「違う世界のミッド……か。俄かには信じ難い話だな……」

 

 

零達からの説明を終えると、カツラは額に手を当て難しい表情を浮かべている。

 

 

ヴィータ「ま、確かにいきなり違う世界から来たつっても信じらんねぇよな」

 

 

なのは「だけど…本当の話なんです。私達は自分達の世界を救う為にライダーの世界を旅して、この世界のやって来たんです」

 

 

零「それでも信じられないと言うならお前達の六課に連絡でもしてみろ。それで俺達の言っている事が本当だと分かるハズだからな」

 

 

自分達の事を信じてもらおうと必死にカツラを説得するなのは達をフォローするように、今もきっとこの世界にいるであろうfirstの世界のなのは達への連絡を薦める零。それを聞いたカツラは何かを考えるように両手を組み、そして……

 

 

カツラ「………わかった。お前達の話を信じよう」

 

 

優矢「え、本当か?!」

 

 

カツラ「あぁ…俺には、お前達が嘘を言っているようには見えない。それに六課にいるハズのなのは達がここにいる時点で、信じないという方が無理な話だからな」

 

 

零「ほう。この世界のミッドにも物分かりのいい奴がいたもんだな。助かるよ……えーと……ヅラ?」

 

 

―ズドンッ!!―

 

 

なのは「わあぁぁぁ?!カ、カツラさん…?!」

 

 

カツラの名をパッと思い出せず、彼の名を最初に聞いた時に頭に思い浮かんでた印象の名を零が適当に口にした瞬間、突然カツラは盛大に椅子からズッコケてしまった。が、カツラはすぐさま立ち上がり物凄い形相で零に詰め寄った。

 

 

カツラ「ヅラじゃない!!カツラだ!!カァ!ツゥ!ラァッ!!カツラァ!!」

 

 

零「…別にどっちでもいいだろ?カツラでもヅラでも似たようなもんなんだし」

 

 

カツラ「ぜんぜん!!違ぁぁぁぁぁぁうッ!!!………ハァ…まさかこんな…滝みたいな事を言う奴が他の世界にもいたとは……」

 

 

優矢「いやあの…コイツの言ってる事はあんまり気にしない方がいいですよ…?」

 

 

ドヨヨ~ンとした雰囲気でテーブルにうなだれるカツラを何とか元気付けようとする優矢。それを見て零は特に気にした様子もなくカメラの手入れを続け、なのはは苦笑いをし、ヴィータはただ溜め息を吐くしか出来なかった。

 

 

 

◆◇◇

 

 

 

その後、零達はカツラから滝についての今までの経緯を聞いた。滝がショッカーに捕まり、改造手術を受けて改造人間・ホッパーとなってしまった事。その後仮面ライダーと名を改め、自分の家族であるスバル達や、仲間であるはやて達を守る為にショッカーと戦っている事を……

 

 

 

零「…なるほどな、アイツの事は大体分かった。…それはそうと、あの滝って奴のあの怪我は一体どうしたんだ?アイツの怪我はどう見てもさっきの戦いで出来たものとは思えない…あの怪我もそのショッカーとの戦いで受けた怪我なのか?」

 

 

カツラ「…ん?……あっ…あれはその…何というべきか…」

 

 

『…?』

 

 

零が滝の怪我の事について聞くとカツラは何故か困った感じの顔になってしまい、零達はそんなカツラを見て首を傾げた。

 

 

零「……ま、話したくないなら無理に話さなくていいぞ。こっちもそこまでして聞きたいとは思わないからな」

 

 

カツラ「……すまないな、こればっかりはどうやって話せばいいものか…」

 

 

苦笑いを浮かべるカツラに対し零は「別にいいさ」と一言返し、イスからゆっくりと立ち上がった。

 

 

なのは「あれ?零君、何処か行くの?」

 

 

零「いや。単に昼食の準備でもしようかと思ってな。爺さんは今ヴィヴィオの相手をしてくれてるから手が離せないと思うし、たまには俺が作るよ」

 

 

優矢「え?!零って料理出来んのか?!うわぁ意外だ~…」

 

 

零「……お前は今まで俺をどういう風に見てたんだ……ったく……おいカツラ。ついでにお前も食っていけ。どうせ滝って奴が目を覚ますまで此処にいるつもりなんだろ?」

 

 

カツラ「え?あ…あぁ、そうだな。じゃあ、お言葉に甘えて頂くとするよ」

 

 

零「了解した……ついでにアイツの分も作っておくか」

 

 

零は一人そう呟くと、料理の準備をする為に部屋の奥にあるキッチンへと向かっていき、暫くした後に全員分の料理を作り終えると滝とスバル達の分の料理(滝のは別でお粥)を持ってなのはと共に滝の眠る部屋へと向かっていった。

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

数十分後……

 

 

 

「…………ん、んん……?あ…あれ?此処は……?」

 

 

先程の零との戦いで倒れてしまった男…本郷 滝が意識を取り戻しゆっくりと瞼を開けていく。

 

 

スバル「あっ!目が覚めた!」

 

 

ティアナ「コラッ!怪我人の前で騒がない!」

 

 

滝「え……?」

 

 

何やら騒がしいので、滝は視線をそっちに移す。そこには滝の寝ているベッドの直ぐ横の椅子に座るスバルとティアナの姿があった。

 

 

スバル「ティアだって、さっきこの人の顔覗いてたじゃん?」

 

 

ティアナ「あ、あれは顔色を見てただけよ…!」

 

 

滝「……え~っと……俺の知ってるスバルとティアナ……じゃないよな、その口振りだと……って事はお前等、別の世界のスバルとティアナ……でいいのか?」

 

 

ティアナ「え?あ…はい!そうです」

 

 

不意に滝に話し掛けられ、ティアナは慌ててそう答えると滝はゆっくりと上半身を起こした。

 

 

滝「そうか……なぁ?さっきのディケイドって奴は?」

 

 

零「俺なら此処にいるぞ」

 

 

滝が二人にディケイドの事を聞こうとすると、それに応える声が聞こえ滝がその方に振り向く。其処には椅子に座ってカメラを弄る零の姿があった。

 

 

滝「お前が…ディケイドなのか?」

 

 

零「まあな。ところで、怪我の調子はどうだ?一応こっちの方で治療とかはしておいたんだが…」

 

 

滝「治療?……っ!本当だ……。すまないディケイド…本当ならこんな事をしてもらえる義理なんて…俺にはないのに…さっきは本当に悪かった」

 

 

包帯姿の自分の姿を見てスマナイと言った顔で頭を下げる滝だが、零は特に気にした様子もなく話を続けた。

 

 

零「別に気にしなくていい、カツラって奴から話は聞いているからな。それから俺の名は……黒月零だ」

 

 

滝「そうか…んじゃ改めて…悪かったな、黒月」

 

 

零「零でいい。名字で呼ばれるのはあまりないんでな…そっちの方が落ち着く」

 

 

滝「…分かった。だったら俺も滝でいいぞ」

 

 

そうして二人は改めて自己紹介を終えると、部屋の扉が開き、部屋の中に先程零が作ったお粥を温め直しに行っていたなのはがお粥を持って部屋の中に入って来た。

 

 

なのは「あ、目が覚めたみたいだね。良かったぁ♪」

 

 

滝「あ…えっと?アンタは…さっき俺達の戦いを止めようとしたなのは…でいいのか?」

 

 

なのは「あぁうん、そうだよ。それにしても…さっきは本当にビックリしたよ。いきなり血を出して倒れたんだもん。でも本当に良かったぁ、目が覚めて♪あ、それと…はい、これ」

 

 

なのはは滝の眠るベッドに近づくと、手に持っていたお粥を滝に手渡した。

 

 

滝「?これは…?」

 

 

零「霰粥だ、一応病み上がりにも食べやすいものを選んでみた。さっき温め直した所だから今は丁度いいと思う。食えなければ残してくれても構わない」

 

 

滝「あ、そうか。すまない、何から何まで…じゃあ、有り難く頂くよ」

 

 

滝はそう言って零からお盆を受け取り両手を合わせて一度拝むと、茶碗の蓋を開けレンゲで米を掬い口に入れた。

 

 

滝「旨いな……」

 

 

零「当然。不味い飯なんて食わせたら俺のプライドにも関わる」

 

 

滝「?もしかしてこれ、お前が作ったのか?」

 

 

零「まあな。……とは言え、残り物の材料で作ったものだから、正直何時もより味もイマイチかと思うが」

 

 

滝「いや、そんな事はないぞ?これは中々イケる!」

 

 

零「…ならいいんだがな。スバル、悪いんだが下にいるカツラを呼んできてくれないか?」

 

 

スバル「あ、はい!分かりました!じゃあ、ちょっと失礼しますね?」

 

 

スバルは零達に軽く頭を下げると、カツラを呼びにいく為に部屋を出ていった。

 

 

滝「?ヅラ…じゃなかった。カツラの奴も此処に来てたのか?」

 

 

零「あぁ、今は部屋の方で休んでもらっている…それはそうと、そろそろ教えてもらおうか?いきなり俺を襲ってきた理由を…」

 

 

なのは「ちょ、ちょっと零君…!」

 

 

ティアナ「そこまで露骨に聞かなくても……」

 

 

滝「…いいや…大丈夫だ。襲ったのは事実だしな…ちゃんと説明しないとお前達に悪い気がするから、正直に話すよ」

 

 

滝はそう言って、何故零を襲ったのかワケを話してくれた。

 

 

どうやら数日前、滝達の前に突然謎の男が現れ、ディケイドがこの世界を破壊しに現れると告げに来たらしく、滝は零がそのディケイドだと思い攻撃を仕掛けてきたらしい。

 

 

ティアナ「正体不明の男…もしかして、今までの世界で優矢さんやワタルに零さんと戦うように仕向けた人と同じ…?」

 

 

零「あぁ、今回も恐らくそんなところだろうな。というか、お前もそんな理由で俺と戦ったのかよ?そんなボロボロの体で…」

 

 

滝「お前にとってはそんな事でも、この世界は俺の家族がいる世界だ…破壊なんてされたら堪らないからな…」

 

 

なのは「そんな…この世界でも破壊者だなんて…」

 

 

この世界でも零は破壊者として扱われている。なのははその事実に辛そうな顔をしていたが、滝はなのはが呟いた言葉に首を横に振った。

 

 

滝「だけど…実際に零と話しをしてみて、今はお前が破壊者とは思えなくなってるよ」

 

 

零「俺が破壊者じゃない…ねぇ……何の根拠があってそんな事が言えるんだ?」

 

 

滝「何って、お前には…」

 

 

零が破壊者ではない。その事について滝が話をしようとした、その時……

 

 

―ガチャッ!!―

 

 

カツラ「滝ッ!やっと目が覚めたのか?!」

 

 

スバル「ちょ!カツラさん!落ち着いて下さいって!」

 

 

突然カツラとカツラを呼びに行ったスバルが部屋の中に押し寄せ、滝の言葉を遮って。

 

 

滝「ヅラ…!」

 

 

カツラ「ヅラじゃないカツラだ!……いやそうじゃなかった。目が覚めたなら帰るぞ。さっき六課から連絡があって、はやてがお怒りだそうだ」

 

 

滝「あー…そーいや、買い出しの途中だったからな~」

 

 

カツラ「お怒りの理由はそれだけじゃない…スバルとティアナがなのはとの模擬戦の最中に無茶をして、中止になったらしい」

 

 

滝「ッ!……やっぱなんかしでかしたか…アグスタの一件以降、様子が変だったからなぁ…」

 

 

二人は何やら深刻そうな顔をして何かを話している。だがなのはは、二人の会話の中にあった「模擬戦」というキーワードに「まさか…」といった表情をして二人に話し掛けた。

 

 

なのは「あ…あの、模擬戦って…」

 

 

滝「?あぁ、スマナイ、こっちの話だ。気にしなくてい……い……?」

 

 

気にしなくていいと言おうとした滝は、なのはの方に振り向いた瞬間、頭上に疑問符を浮かべた。何故なら…

 

 

 

ティアナ「もう無茶はしませんもう無茶はしませんもう無茶はしませんもう無茶はしませんごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい―――」

 

 

スバル「ティ、ティア!?だ、大丈夫だって!滝さん達の言ってるのは私達の事じゃなくて!この世界の…あれ?それって結局私達って事…?あれ…?えーと…えーと……」

 

 

なのは「にゃははは…」

 

 

なのはの背後の部屋の隅で、半泣き状態で怯えるティアナと冷や汗を流しながらも怯えるティアナを必死に落ち着かせようとするスバル、そしてその二人を見て苦笑いを浮かべるなのはの姿を見たからだ。

 

 

滝「?…お前達…もしかしてなんか知ってるのか?」

 

 

零「…気にするな。過去の過ちを嘆いているだけだ」

 

 

『…は?』

 

 

そんな三人の様子を横目に零は呆れた口調で話すが、滝とカツラはただ首を傾げる事しかなかった。

 

 

零「ま、俺から何か言える事があるとすれば、お前もこれから苦労の絶えない日々に頭を悩ませる…って事だな」

 

 

滝「苦労ね~…今でも十分してるんだけどな…」

 

 

零「ほう…例えば?」

 

 

滝「そうだな…あ、例えばこんな―――」

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

それから一時間後……

 

 

 

 

 

滝「そうなんだよ!急にサンダーフォールで!」

 

 

零「いやぁ…俺も昔、いきなりディバインバスターで…」

 

 

滝「他にも女性局員と話してただけでいきなりシュベルトクロイツで突き刺してきたり!」

 

 

零「こっちも似たようなもんだ…俺の場合は問答無用で砲撃をぶっ放してきやがったがな…」

 

 

滝「三人掛かりでデバイス持って俺を殺そうとしやがるし……」

 

 

零「俺なんか、機動六課全メンバー(隊長陣+FW陣+ナンバーズ)からの全力全開集団リンチ模擬戦なんかを……」

 

 

 

……ちょっとした会話から、何故か二人はお互いの苦労話で話が盛り上がっていた。今の二人は端から見れば、どこぞの飲み屋で妻の愚痴を漏らす夫みたいな感じに見えている事だろう。

 

 

なのは「……なんか……」

 

 

スバル「すっかり意気投合しちゃってますね……」

 

 

カツラ「どっちも苦労してる様だからな……滝!そろそろ帰るぞ!」

 

 

滝「えぇ?もう帰んのか?…仕方ないな…」

 

 

零「滝…気をつけてな」

 

 

滝「帰る人間に不吉な事を言うなよな…」

 

 

先程のやり取りから意気投合したからか、妙に哀れみの篭もった零の言葉に冷や汗を流しながら、滝とカツラは部屋を出て写真館を後に六課へと戻っていき、部屋に残された零となのはは滝達が出ていた後の扉をジッと見つめていた。

 

 

なのは「滝さん達…大丈夫かな…?」

 

 

零「アイツ等なら大丈夫だろう。ここから先はアイツ等の物語…俺達の役割じゃない」

 

 

なのは「……そうだね。きっと大丈夫だよね。ほらティアナ!何時までもそうしてないで、早く部屋に戻るよ!」

 

 

若干不安げな表情を浮かべながらも、なのははそれを考えない様に未ださっきと同じ状態になっているティアナとスバルを連れて部屋を出ていき、零はそんな三人を見て小さく溜め息を吐きつつ彼女達に続いて部屋を出ようとした。その時…

 

 

 

―…………ザワッ…―

 

 

 

零「……ッ?!」

 

 

突如、零は背筋が凍るように感覚に見舞われたのだ。一瞬にして全身の毛が逆立ち、心臓の鼓動が一瞬止まったかのような感覚も感じた。零はすぐさま後ろに振り返り、この部屋の窓から見える向かい側に立つ高層ビルを睨み付けた。

 

 

零「……なんだ…今のは……?」

 

 

先程感じた殺気に近い感覚…零はその事に疑問を浮かべるが、窓から見えるビルには特にコレといった不審な所はない。零は暫くその事を考えていたが、とりあえず部屋を出ようと胸の中の疑問を掻き消せないまま部屋を出ていった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

その一方、零が見ていた高層ビルの屋上では、一人の青年がジッと静かに写真館を見下ろしていた。

 

 

「…俺の飛ばした気にいち早く気づくとは…中々やるな、アイツ」

 

 

青年は写真館を見下ろしながら口元に薄笑いを浮かべる。

 

 

高層ビルの屋上に強い風が吹き、青年の銀色の髪が風に揺れて踊る。昼間に零とぶつかった、あの青年だ。

 

 

「さて…次にディケイドはどんな行動を起こすのか…俺もアイツ等が動いた時に何時でも動けるようにしとかないとな…」

 

 

青年は静かにそう呟くと、踵を返して屋上にある扉に向かいその場を後にしたのだった。

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

その頃、光写真館を出た滝とカツラは買い物袋を両手に持ちながら機動六課へと帰宅している途中だった。

 

 

滝「はぁ…しっかし、一体何があったんだろうな…スバルとティアナ…」

 

 

カツラ「さあな……詳しくは分からないが、アイツ等も何か考えがあってのアレだったんだろう……それが正しいのか間違っているのかは置いといてな……」

 

 

滝「…………」

 

 

帰宅途中の滝とカツラは、スバルとティアナが起こした模擬戦での問題について話し合っていた。

 

 

何故二人が、特にスバルがあんな事をしたのか。義妹の気持ちに気づいてやることが出来なかった自分への不甲斐なさを滝は心の中で感じていた。

 

 

カツラ「…滝、今此処で考えた所でどうにもならないぞ。今は急いで六課に帰っる事を…」

 

 

滝「…あぁ…そうだな。すまないヅ………ん?」

 

 

カツラ「……?滝…?」

 

 

カツラに謝ろうとした滝は突然その場で歩みを止め、後ろに振り返り何かを探すように辺りを見渡し始め、カツラは滝のその突然の行動に疑問を浮かべた。

 

 

カツラ「どうしたんだ滝?何か探し物か…?」

 

 

滝「……いや、今なんか、誰かに見られてたような気がしたんだけど……悪い、気のせいだったみたいだ」

 

 

カツラ「はぁ…まさか、まだ寝ぼけているのか?少しはシャキッとしろ」

 

 

滝「あ、あぁ…すまない…(可笑しいな…今ホントに誰かに見られてたのような気がしたんだが……本当に気のせいか?)」

 

 

再度振り返り辺りを見渡す滝だが、やはりコレといった不審な物や人物などは見当たらない。滝は釈然としないでいるが、とにかく今は六課に帰る事を最優先にしようと無理矢理その考えを捨て、先に行ったカツラの後を追いその場から歩き出していった。

 

 

 

 

そして、滝とカツラが去って暫くした後……

 

 

 

 

「──へぇ…やるじゃないかあのお兄さん。俺の気配に気づくとは…流石は始まりの名を持つ仮面ライダーってところかな?」

 

 

近くの建物の影からヒョイッと、軽快に姿を現したのは帽子を被った青年。

 

 

帽子で顔は見えないが、声の感じからして恐らく十代後半辺りの若者だろう。

 

 

「仮面ライダーfirst……そしてfirstが持つBLACKのとは違う『キングストーン』……中々興味深いな。俺が手にするに値するお宝かどうか、見極めさせてもらおうかな?」

 

 

青年は陽気な笑みを浮かべながらそう呟くと、滝とカツラの後を追う様にその場から歩き出し機動六課へと向かっていったのだった。

 

 

 

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