仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
突如現れ襲い掛かってきた謎のライダー、ヴィヴィッドに追い詰められていくディケイドとsecond。ヴィヴィッドの圧倒的とも言える戦闘力に二人は防戦一方となっていた。
second『ガハァッ!グッ!クソォッ!』
ヴィヴィッド『こんなものか?お前達の力というのは?…だとしたら期待ハズレだな』
ディケイド『クッ…どうかな?まだ勝敗は決まってねぇぞ!』
ディケイドはsecondと戦うヴィヴィッドから一度距離を離し、ライドブッカーから一枚のカードを取り出してディケイドライバーに装填した。
『KAMENRIDE:CHAOS!』
電子音声と共にディケイドはカオスへと変身していき、変身を終えると共にヴィヴィッドに向かって走り出し打撃を放って攻撃していく。
ヴィヴィッド『ほう、カオスの力か。だったらその力、俺にも使わせてもらうぜ?』
Dカオス『ッ!何…?』
Dカオスがヴィヴィッドの意味ありげな言葉に動揺していると、ヴィヴィッドはDカオスとsecondから距離を取り、左手にあるタッチパネルを操作し最後に手の甲にあるボタンを叩くように押していった。
『CHAOS!TIME QUICK!TOUCH!TOUCH!TOUCH!』
その電子音声と共にヴィヴィッドの隣にある一人のライダーの残像が姿を現していく。そのライダーは…
ティアナ「…え?あ、あれって?!」
Dカオス『カオスの…残像だと…?』
そう、残像の正体は今のDカオスと同じ姿をしたライダー、カオスだったのだ。現れたカオスの残像はヴィヴィッドへと徐々に重なり消えていこうとしている。
Dカオス『ッ?!不味い!』
Dカオスはそれを見て何かを感じ取り急いでライドブッカーからカードを取り出し、ディケイドライバーに装填した。
『ATTACKRIDE:TIME QUICK!』
電子音声と同時にDカオスは信じられないスピードで動き出してヴィヴィッドに向かって突っ込んだ。しかし、ヴィヴィッドはDカオスの放った拳を難無く避けて反撃していく。
Dカオス『ッ!どういう事だ!お前のその力は一体…?!』
ヴィヴィッド『戦闘中にベラベラ喋ってていいのか?舌を噛んでも知らねぇぞ!』
ヴィヴィッドはDカオスの問いに答えず拳を振りかざし、Dカオスもそれを防御しながらヴィヴィッドに蹴り技を打ち込んで反撃していく。そして二人が拳を振りかざした瞬間…
『TIME OVER!』
―ドゴオォッ!!―
Dカオス『グウゥッ!』
ヴィヴィッド『ガハァッ!』
ティアナ「―――…ッ?!零さん!?」
second『―――…ッ!?な、何だ…今のは…?』
互いのクロスカウンターが炸裂し、二人が吹っ飛ばされたと同時に互いのタイムクイックが解け、Dカオスもディケイドに戻ってしまい二人はゆっくりと身体を起こしていく。
ディケイド『はぁ…はぁ…クソッ、本当にワケの分からない能力だな…!』
ヴィヴィッド『ッ…それが俺の力だからな。何だったら、コイツの力も見せてやるよ!』
ヴィヴィッドはそう言うと自分のベルトのバックル部分に手を伸ばし、なにかを念じるようにバックル部分にあるボタンを叩いて押していった。
『SAPHIRE BLUE!TOUCH!TOUCH!TOUCH!』
ヴィヴィッドのベルトから電子音声が響くと、ヴィヴィッドの身体が淡い光を放ちながらライダースーツの色が変わっていく。
完全に色が変わったその姿は全身が青く光輝く姿、ヴィヴィッドのもう一つの姿である『サファイアブルー』へとフォームチェンジしたのだ。
second『色が変わった?!』
ディケイド『ッ…フォームチェンジまで持ってるのか…今度は何をしでかすつもりだ?』
ディケイドとsecondは姿の変わったヴィヴィッドを警戒して身構え、フォームチェンジを終えたヴィヴィッドは再び左手のタッチパネルを操作し、手の甲のボタンを叩くように押した。
『SUBARU!GINGA!TOUCH!TOUCH!TOUCH!』
タッチパネルから電子音声が響くと、ヴィヴィッドの左右両側に残像のような物が現れ徐々に実体化していき、ディケイドとティアナは実体化したそれらを見て驚愕した表情を浮かべていた。
ディケイド『あれは…スバルだと?!』
ティアナ「それにあれって…まさかギンガさん?!何であの二人が?!」
そう、ヴィヴィッドの両側に現れたのはBJを身に纏ったスバルと、スバルの姉であり零達の仲間の一人であるギンガだったのだ。現れたスバルはディケイドに、ギンガはsecondに襲い掛かり攻撃を開始した。
second『チィ!一体何なんだコイツ等は?!』
ディケイド『グッ!クッ!コイツ等…ただの幻か…!だがッ…』
secondは問題なくギンガに反撃していくが、ディケイドはただの幻とは言えスバルに攻撃するという事に気が引けてしまい防御と回避を繰り返すしか出来ず次第に押され始め、ディケイドとsecondは二人によって殴り飛ばされてしまう。
second『ウグッ!…チィ!このままじゃ埒が明かない…ッ!』
ディケイド『はぁ…はぁ…全くその通りだな…というか…正直、正面から奴に向かって行っても勝てる気が全然しねぇな…』
スバルとギンガを従わせてゆっくりと歩み寄って来るヴィヴィッドを見て、ディケイドは思わず愚痴を漏らした。確かに、相手はあのアークを圧倒した程の力を持つライダーなのだ。真っ正面から何度向かって行こうとも返り討ちに合うのは既に分かり切っている。
ディケイド『…十文字…さっきから考えていた事なんだが…此処は一度休戦して手を組まないか?』
second『断る!…と本当は言いたいところだが、どうやらそうも言ってられない状況らしいからな…いいだろう。今はお前の考えに乗ってやる』
流石にsecondもそうする事でしかこの状況を切り抜けられないと分かっているのだろう。少々嫌悪感の篭った口調でそう告げると二人は態勢を立て直し、ヴィヴィッド達に向かって素早く突撃していった。
ヴィヴィッド『成る程な。そっちも手を組んで俺を倒そうというワケか……だがッ!』
突撃してくる二人に対抗し、ヴィヴィッドもスバルとギンガに指示を送って二人に向かわせる。するとディケイドはライドブッカーから一枚のカードを取り出しディケイドライバーにセットした。
『ATTACKRIDE:ILLUSION!』
電子音声が響くとイリュージョンの効果でディケイドは二人の分身を生み出し、分身した二人のディケイド達はスバルとギンガに攻撃を仕掛け戦闘を開始した。
ティアナ「れ、零さんが…三人?!」
ヴィヴィッド『…そういう事か。上手く頭を使ったじゃねぇか!』
ディケイド『そいつはどうもなぁ!』
second『ハアァァァァァァァァアッ!』
スバルとギンガを分身したディケイド達に任せ、二人はヴィヴィッドに向かって攻撃を再開した。先程とは違い、連携を取った二人の攻撃に流石のヴィヴィッドも応えているのか二人の攻撃を回避や防御しながら後退し始めていた。
ヴィヴィッド『フッ!ハッ!…中々やるようになったな。なら、こっちもコイツで勝負だ!』
ヴィヴィッドは二人の攻撃をかわして後方へと跳ぶと、再び何かを念じながらベルトのバックル部分にあるボタンを押した。
『RUBY RED!TOUCH!TOUCH!TOUCH!』
電子音声が鳴るとヴィヴィッドの身体が淡い光を放ちながら先程と同じ赤い姿をしたルビーレッドへと戻り、それと共にディケイド達と戦っていたスバルとギンガも消えていった。
そしてフォームチェンジを終えたヴィヴィッドは左手のパネルを操作し、最後に手の甲のボタンをタッチした。
『VIVID!RUBY RED!FINALTOUCH!TOUCH!TOUCH!』
電子音声が響くと、それと同時に今度はヴィヴィッドの左右両側に幾つもの残像達…平成の歴代ライダー達の残像が次々と現れていった。
ティアナ「?!ラ、ライダーの残像があんなに…?!」
ディケイド『成る程…どうやらこれで決着を付けるつもりらしいな。十文字ッ!こっちも行くぞッ!』
second『言われなくても分かっている!!』
二人はそう呼び合いながらディケイドはライドブッカーからカードを取り出してディケイドライバーに装填し、secondはポーズを取るとベルトの風車が激しく回り始めた。
『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』
ディケイドライバーから電子音声が鳴り響くと、ディケイドとヴィヴィッドの間にディメンジョンフィールドが展開されていき、secondの瞳が輝くと共に二人は上空へと跳んでヴィヴィッドに跳び蹴りを放ち、ヴィヴィッドも歴代ライダーの残像達と共に跳び残像を重ねながら二人に跳び蹴りを放った。そして…
ヴィヴィッド『ハアァァァァァァァァァアッ!!』
ディケイド『セエアァァァァァァァァァアッ!!』
second『ライダアァァァァキィィィィィィクッ!!』
―ドゴオォォォォォーーーオンッ!!!―
ティアナ「うっ!キャアァァッ?!」
ディケイドとsecondのダブルライダーキックとヴィヴィッドの必殺技、ビジョン・ライダーキックがぶつかり合い辺りに強烈な爆発とけたたましい轟音が発生し、物陰に隠れていたティアナは爆発から発生した爆風に吹っ飛ばされないように何とか耐えていく。
そして爆煙が少しずつ晴れていくと、其処には地面に倒れるディケイドとsecondの姿があり、ヴィヴィッドの姿はいつの間にか消えていた。
second『…ッ?!奴がいない?!』
ディケイド『ッ…どさくさに紛れて逃げやがったか。しかも…勝ち逃げかよ…』
ディケイドはふらつきながら立ち上がり脇を押さえてそう呟くと、secondも怪我をした左腕を押さえながら立ち上がった。
ディケイド『…お前はどうするつもりだ十文字。その身体でまだ俺と戦うつもりか?』
ディケイドはsecondを睨みながら問い掛けると、secondは黙って首を左右に振った。
second『こんな状態ではお前とまともに戦えない。俺の望む戦いは万全の状態での一騎打ちだ。怪我を負った今のお前に勝ったとしても、それは俺のプライドが許さない…今日のところはこれで帰らせてもらう』
secondはディケイドにそう言ってフラフラとその場から歩き出し、公園の出口へと向かっていく。が、secondはその途中で何か思い出した様に立ち止まり、ディケイドに背中を見せながら口を開いた。
second『そう言えばまだ名前を聞いてなかったな。お前…名は?』
ディケイド『…零。黒月零だ』
second『零……か。ならば零、いずれお前との決着は付ける。それまでその首、お前に預けておくぞ』
secondはその言葉を残して再び歩き出し、ディケイドもsecondの姿が見えなくなったのを確認すると変身を解除し零の姿に戻っていった。
ティアナ「零さん!大丈夫でしたか?!」
零が変身を解除し終えると、物陰に隠れていたティアナが小走りで零の下へと駆け寄ってきた。
零「ティアナ…あぁ、何とか無事だ。それにしても、あのヴィヴィッドとかいう奴は何だったんだ?この間は俺達の手助けをしてくれたのに、今日は敵になって仕掛けて来たし…」
ティアナ「え…?零さん、あのライダーの事知ってたんですか?」
零「まぁ…知っているとは言ってもアイツの力と名前ぐらいだけどな。俺の力を試すとか言っていたが、奴が何者で、何が目的でそうしたのか…そこら辺については全く分からないな」
結局、あのヴィヴィッドというライダーは一体何だったのか。その事を考える零だが、どんなに考えた所で今ある情報だけでそれが分かるハズもなく、取りあえず二人は一度写真館に戻ろうとその場を後にしたのだった。
◇◆◇
あれから数十分後、零達のいた場所から少し離れた森林の中では……
「…全く。いつまで経っても帰って来ないから迎えに来てみれば、一体何をしてたのかな…?」
「いやあの…何って言われてもな…」
其処では、竹刀を片手に持った十代後半辺りの金髪の女性と、先程零達と戦ったヴィヴィッドの変身者である銀髪の青年が何故かその女性の前で冷や汗を流しながら正座する姿があった。
「私と衛に何にも言わずに家を出ていったと思えば、知らない女の子と二人っきりで何処かに出掛けて、しかも別の世界のディケイドと戦っていたなんてねぇ。随分と良いご身分じゃない…?さぞかし楽しかったでしょ?"真矢"?」
真矢「…いやあの…決してそのような事は…というか何故そんな事を知っているんだ…」
明らかに作り笑いだと分かるそれを浮かべて問いかけてくる女性の前で、真矢と呼ばれた青年はダラダラと冷や汗を流しながらも何とか弁明しようと必死に思考を巡らませていた。
真矢「……そ、それより!何でお前がこの世界にいるんだよ"ヴィヴィオ"?!」
取りあえず何か話題を変えなければと考えた真矢は、ヴィヴィオと呼ばれる女性に何故この世界にいるのか問い掛けた。
ヴィヴィオ「そんなの簡単な話しだよ?真矢と一緒にいたあの女の子…海東さんだっけ?あの子に頼んでこの世界に連れて来てもらったの」
真矢「(アイツか!!あの女かぁ!!余計な事しやがってぇぇぇぇぇ!!)」
此処にはいないあのライダーオタクのお嬢様の姿を思い浮かべて内心恨み言を吐きまくる真矢。
ヴィヴィオ「さてと…そろそろ洗いざらい吐いてもらおうか、真矢?一体今まで何処で何をしていたのか…あぁそれと、あの海東って子との関係もね?」
真矢「いや…あ、余り帰りが遅くなると衛の奴に心配掛けるんじゃ…」
ヴィヴィオ「何か文句でもあるのッ!!?」
真矢「なにもありませんッ!!」
怒髪天とはまさにこの事か。最強(自称)のライダーである真矢と言えど彼女のその怒り様に流石に怯えざるを得ないらしく、結局その後、数時間に渡る説教をさせられ彼女に謝り倒したそうな。
因みに余談だが、写真館に戻った零も傷だらけのまま戻ったせいで真矢と同じように正座をさせられ、ティアナと二人で何処に行き、今度は何をやらかしたのかとなのはから説教を受けて怯えていたのは全く別の話だった。
◆◇◆
一方その頃、六課のヘリポートではfirstと謎のシアンのライダー達が互いに一歩も引かない激戦を繰り広げていた。
first『食らいやがれッ!雷パァァァァンチッ!!』
―ドゴオォォォォォオンッ!!―
『グ、グアァァァァァァアッ!?』
そんな中、firstが雷を纏った拳でパンチホッパーを殴り飛ばし、パンチホッパーは断末魔と共に爆発を起こして散っていき、firstはそれを見て怯んだキックホッパーに向かって飛び掛かり、両足に雷を纏わせて跳び蹴りを放った。
first『雷轟!!稲妻蹴りぃぃぃぃぃぃぃ!!!』
『ウッ、ウオォォォォォォォォォオッ!!?』
―ズドオォォォォォォオンッ!!!―
firstの跳び蹴りがキックホッパーに炸裂し、それを受けたキックホッパーは吹っ飛ばされながら爆散していった。firstはそれを確認すると、今度はシアンのライダーへと視線を移して身構えていく。
『ほう、中々やるじゃないか。流石はfirst…いや、キングストーンの力だね』
first『ッ…お前…何故キングストーンの事を知っている?というか、お前はこの石をどうするつもりだ?』
『…キングストーン…またの名を太陽の石。秘密結社ゴルゴムが世紀王の証として、仮面ライダーBLACKに与えたとても貴重なお宝だ』
first『…ゴルゴム?BLACK?世紀王?…お宝って何の事だ?』
『君が知る必要のない事さ。ただ、君の持っているキングストーンはBLACKのキングストーンよりも遥かに価値が大きい。だから俺は、君がキングストーンをどれほど扱えるのか試していた、といったところさ……だけど』
シアンのライダーはそこで一度言葉を途切ると、左腰のカードホルダーから一枚のカードを取り出す。firstはそれを見て警戒し、少し後退した。
『どうやら、君の持ってるキングストーンはまだ完全ではないようだ。君の持つキングストーンが完全に覚醒し、君が最強の力を手に入れたその時にまた来るよ。それまでそのお宝を誰にも渡さないでくれよ?』
first『キングストーンの…最強の力だと?どういう意味だそれは?!』
firstは意味ありげな言葉を言い放つシアンのライダーからその意味を聞き出そうとするが、シアンのライダーは何も答えず取り出したカードを銃型のドライバーに装填しスライドさせた。
『ATTACRIDE:INVISIBLE!』
電子音声と共に、シアンのライダーの姿が周りの景色に溶け込むように消えていった。
first『お、おい?!待てよ!まだ話は終わってねぇだろ!?』
姿の消えたシアンのライダーに向けて辺りを見回しながら叫ぶfirstだが、それに答える声は返ってこず、ただfirstの放った叫び声が建物に反射されて返って来るだけだった。
first『ッ…なんなんだアイツは…キングストーンの最強の力って…何だ?』
ヘリポートに一人残されたfirstはただ呆然と立ち尽くし、暫くの間、その場でシアンのライダーが残した言葉の意味を考えていた……。