仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第五章/firstの世界⑧

 

 

―ドゴオォッ!ドゴオォッ!ドゴオォッ!―

 

 

first『ガハァッ!グアァッ!』

 

 

タートルとの戦闘を開始してから数十分が経った今、firstはタートルの強烈な打撃技を受け続け押され始めていた。攻撃を受け続けた為か、firstの強化スーツは所々ボロボロとなっており、マスクも既に傷だらけとなっている。だが、そんな状態になっているにも関わらずfirstは何度も立ち上がり怯む事なくタートルに立ち向かっていた。

 

 

first『はぁ……はぁ……まだだ…まだ…俺は…!』

 

 

『チッ、鬱陶しい奴め…!いい加減地獄に堕ちろおぉぉぉぉぉぉぉッ!!』

 

 

―ドゴオォォォォォォオッ!!―

 

 

first『グアァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

タートルはfirstを横殴りに殴り付け、firstはそれをかわす事も出来ずもろに受けてしまい、更にその衝撃でマスクが弾け飛び、変身も解けて吹っ飛ばされてしまった。

 

 

滝「うっ…ぐぅっ…!」

 

 

『ハハハハハハッ!これで貴様も終わりだな!所詮貴様のような裏切り者が、我々ショッカーに歯向かう事こそ無謀だったのだ!』

 

 

タートルは勝ち誇ったように高笑い、地面に倒れ込む滝にゆっくりと近づき、滝の首を掴んで建物の壁に押し付けると上へ上へと持ち上げ首を締めていく。

 

 

滝「アッ…ガアァッ!」

 

 

『ショッカーは裏切り者を決して許さない。だが、貴様がショッカーに戻ってくるというのなら命は助けてやる。我々の下に戻り、ショッカーの為にその身を捧げろ!』

 

 

タートルは滝に向けて自分達ショッカーの下に戻って来いと脅迫してくる。だが、滝がそんな事に首を振るハズもなく……

 

 

滝「こと…わるッ!前にも言ったハズだ…!俺は…俺から全てを奪ったショッカーを許さない!これ以上…お前達なんかに…俺の大切なものを奪われてたまるかぁ…!」

 

 

『…それがお前の答えか…ならば……死ねぇ!』

 

 

―ギリリ…ッ!―

 

 

滝「アッ…グッ…カハッ…!」

 

 

自分の与えた最後のチャンスを拒否されたタートルは、滝の首を掴む手に力を込めていく。首を締められ意識が朦朧とし始めてきた滝は、自分は此処で終わるのか?と一瞬諦めてしまい、心の中で自分の仲間や家族達に謝罪し、ゆっくりと瞼を閉じて意識を手放していく。その時……

 

 

 

 

 

 

―ズガガガガガガガガァッ!―

 

 

『っ?!グアァァァァァァァァァァァァアッ!!?』

 

 

滝「……ッ?!な、何だ…?」

 

 

突如、滝の首を掴んでいたタートルが真横からの銃弾を受けて吹っ飛んでいき、それによってタートルから解放された滝は何度か咳き込み、状況が理解出来ないままその銃弾が放たれた方を見た。そこには…

 

 

零「──やれやれ…また随分と無茶をしたな、滝」

 

 

滝「れ、零?!ヅラ?!お前等なんで?!」

 

 

滝の視線の先にいたのは、ライドブッカーGモードを持って構える零と、デバイスを構えて立つカツラだったのだ。滝が二人を見て驚いていると、零は自分の足下に落ちているマスクを拾い滝に歩み寄る。

 

 

零「ヅラが俺の所に来てな…滝を助けて欲しいって言って来たんだよ」

 

 

カツラ「ヅラじゃないカツラだ!今の滝では辛いだろうと思ってな…」

 

 

滝「お前等…すまない」

 

 

滝は零とカツラに感謝の意を込めて頭を下げる。が、その時吹っ飛ばされたタートルが立ち上がり、鋭い視線で零達を睨みつけてきた。

 

 

『グゥッ…ラットの残したデータにあったライダーか…だが、どんなに仲間を増やそうとも儂には勝てん!貴様等のような貧弱な奴らがどんなに集まろうが、我々ショッカーには決して敵わんのだ!』

 

 

タートルは自信に満ちた口調で高らかに叫ぶ。だが、零はそんなタートルを睨みながら口を開いた。

 

 

零「勘違いするな。俺の助けがなくとも、滝一人でも戦える。だが滝は…家族や仲間が悩んでいる事を一緒に背負っている…そして家族や仲間に考える時間を与える為に…悩んでいるそいつ等が答えを出すまで戦い続ける…自分の身に無茶をしてまでな」

 

 

『…なんだと…?』

 

 

零「それに、コイツは決して弱くなんてない。コイツは自分の身体をお前達に好き勝手に弄られ、自分の過去を失おうとも、誰かの為に必死に戦おうとしている!その決意を持つ滝は…誰よりも…俺よりも…お前達よりも強い最高のライダーだ!一番弱いのは…自分の意思で動かず、ただ言われるがまま組織の命令にしか従わないお前達の方だ!」

 

 

『き、貴様ぁ…ッ!』

 

 

滝「…零…」

 

 

零「そして、お前も忘れるなよ滝。お前もまた、心配される側の人間なんだからな」

 

 

カツラ「六課の人間に限らず、皆お前の心配をしているんだ。…その事を忘れるな?」

 

 

滝「…ああ…!」

 

 

零から投げ渡されたマスクを受け取りながら、滝は何処か吹っ切れた表情で頷いた。そしてそれに応えるかのように、零のライドブッカーからfirstの三枚のカードが飛び出し、零がそれらをキャッチすると、シルエットだけだったカードに絵柄が浮かび上がっていった。

 

 

『貴様、一体何者だ?!』

 

 

零「通りすがりの仮面ライダーだ、憶えておけ!滝、行くぞ!」

 

 

滝「おう!」

 

 

零は滝に呼び掛けながら取り出したディケイドライバーを腰に装着してディケイドのカードを構え、滝はジャケットを広げてベルトを露出させた。

 

 

『変身ッ!』

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

 

掛け声を重ね、零はディケイドライバーにディケイドのカードを装填してディケイドに変身し、滝は強化スーツを身に纏い、顔にマスクとクラッシャーを装着し、firstへと変身していった。

 

 

『チィ、小賢しい奴等め……!ならば貴様等纏めて捻り潰すまでだ!来い、戦闘員達よ!』

 

 

『イーーーーッ!』

 

 

タートルが高らかに叫ぶと、何処からか戦闘員達が現れディケイド達に向かって襲い掛かって来た。

 

 

カツラ「二人共、雑魚共を俺が片付ける!お前達は奴を頼んだ!」

 

 

first『あぁ、任せたぜヅラ!…零!』

 

 

ディケイド『分かってる、行くぞ!』

 

 

三人はそう呼び掛け合うとカツラは戦闘員達と、ディケイドとfirstはタートルに向かって突っ込み戦闘を開始していった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

その頃、サーベルリヴァーサスと戦闘を開始したヴィヴィッドは…

 

 

『グオォォォォォオッ!』

 

 

ヴィヴィッド『甘いんだよ!ハアァッ!』

 

 

サーベルリヴァーサスの放つ爪を軽々とかわし、打撃を放って反撃するヴィヴィッド。そしてある程度ダメージを与えたヴィヴィッドはサーベルリヴァーサスを蹴り飛ばし、左手のパネルを操作して最後に手の甲のボタンを叩くように押していった。

 

 

『FIRST!ELECTRO FIRE!TOUCH!TOUCH!TOUCH!』

 

 

電子音声が鳴り響くと共にヴィヴィッドの隣に一人のライダーの残像、滝が変身するのと同じfirstの残像が現れ、firstの残像がヴィヴィッドと重なって消えていくと、ヴィヴィッドの右手に雷が集束し始めた。

 

 

ヴィヴィッド『こいつは少し痺れるぜ?エレクトロファイヤアァァァァァァアッ!!』

 

 

―バチバチッ…ズドオォォォォォォォォオンッ!!―

 

 

『グッ?!グオォォォォォォォォォオッ!!?』

 

 

ヴィヴィッドが地面に拳を叩き付けた同時にサーベルリヴァーサスに強烈な電撃が襲い掛かり、サーベルリヴァーサスはそれを受けて身体が痺れてしまい満足に身体が動かなくなった。

 

 

ヴィヴィッド『まだ終わらねぇぞ?更に追撃だ!』

 

 

ヴィヴィッドはそう言って再び左手のタッチパネルを操作し、手の甲のボタンを叩いて押した。

 

 

『RYUKI!STRIKEVENT!TOUCH!TOUCH!TOUCH!』

 

 

電子音声が響くと再びヴィヴィッドの隣にライダーの残像、龍騎の残像が現れ、ヴィヴィッドと重なって消えていく。それと共にヴィヴィッドの右手に龍騎の武器の一つ、ドラグクローが装着されてドラグクローの口に炎が集束されていく。

 

 

ヴィヴィッド『そら!丸焼きだぁ!』

 

 

―ドシュウゥゥゥゥゥウッ!!!―

 

 

『ウグアァァァァ!?』

 

 

突き出したドラグクローから放たれた火炎放射がサーベルリヴァーサスに直撃し、サーベルリヴァーサスはそれに耐え切れずに吹っ飛ばされ建物の壁に叩き付けられた。

 

 

『グゥ…!オ…オレ…オレハ…オレハイッタイ…オレハイッタイダレナンダアァァァァァァアッ!』

 

 

ヴィヴィッド『…自分が誰なのか忘れてるのか…お前の気持ちは分からないでもないが、だからと言って街を壊させるワケにはいかないんでな……悪いがこれで終わらせてもらう!』

 

 

ヴィヴィッドはそう言って左手のタッチパネルを再び操作し最後に手の甲のボタンをタッチして押していった。

 

 

『NMBERZU!STARDUST BRAKE!TOUCH!TOUCH!TOUCH!』

 

 

電子音声が響くと、今度はヴィヴィッドの隣に一人の黒いライダー、魔界城の世界でヴィヴィオが変身したナンバーズの残像が現れ、残像がヴィヴィッドと重なって消えていくと共にヴィヴィットの両足が虹色に輝き出し、上空へと高々と跳んでサーベルリヴァーサスに飛び蹴りを放った。

 

 

ヴィヴィッド『デアァァァァァァァァァアーーーーッ!!!』

 

 

『グ、グオォォォォォォォォォォォォォオーーーーッ!!?』

 

 

―ズドオォォォォォォォオンッ!!!―

 

 

ヴィヴィッドのスターダストブレイクがサーベルリヴァーサスに見事に決まり、サーベルリヴァーサスはそれを受けて吹っ飛ばされ身体から電流を噴き出しながら断末魔を上げ爆発していったのだった。

 

 

ヴィヴィッド『ふぅ。何とか片付いたか…にしても、何でfirstの世界にリヴァーサスがいたんだろうな……』

 

 

両手を払いながら爆煙を見つめて疑問そうに呟くヴィヴィッド。その時…

 

 

「…なるほど…やはり彼では力不足だったようですね」

 

 

ヴィヴィッド『ッ?!』

 

 

不意に背後から声が聞こえ、ヴィヴィッドはすぐさま後ろに振り返ると其処にはいつの間にか一人の人物がハイウェイの中心に立ってヴィヴィッドをジッと見つめていた。声や体格からして恐らく男かと思われる。ヴィヴィッドは突然現れた男を警戒し身構えていく。

 

 

ヴィヴィッド『お前…誰だ…?』

 

 

「フフフ…そんな警戒しないでください。私はただ、ディケイドの物語を壊しに来ただけ……まぁ、気軽に"シャドウ"とでも呼んで下さい」

 

 

ヴィヴィッド『シャドウ?…というか、今ディケイドの物語を壊しに来たって言ったな?どういう意味だ?』

 

 

ヴィヴィッドは鋭い視線でシャドウと名乗る男を睨むが、シャドウはただクスクスと怪しい笑みを浮かべているだけだった。

 

 

シャドウ「そのままの意味ですよ。私は彼の物語を壊しに来た…ですが、アナタというイレギュラーのせいでそれは失敗に終わってしまった。簡単に説明すればそんなところですね…」

 

 

ヴィヴィッド『…なるほど…リヴァーサスをこの世界に連れて来たのはお前という事か……なら、その事についてじっくり話を聞かせてもらおうか?』

 

 

ヴィヴィッドはそう言って態勢を低くし、シャドウに向かって身構える。だが、シャドウはそれを見ると口元の端を吊り上げゆっくりと口を開いた。

 

 

シャドウ「…私から話しを聞きたいのならいくらでもお話ししますよ?そうですね……例えば、君と一緒にいるあのヴィヴィオという少女。あの子の両親である"元道進"と"元道なのは"の居場所をお教えしましょうか?」

 

 

ヴィヴィッド『ッ?!なんだと!?』

 

 

シャドウの口から告げられた二つの名前を聞いてヴィヴィッドは動揺してしまい、その隙にシャドウは自分の背後の空間を捩曲げ一つの入り口を作り出した。

 

 

シャドウ「フフフ…では、私の方も色々と忙しいのでこれで失礼しますね。ごきげんよう、ヴィヴィッド…」

 

 

ヴィヴィッド『?!ま、待て!まだ話しは終わってねぇだろ!おいッ!!』

 

 

ヴィヴィッドはシャドウを引き止めようとするが、シャドウは怪しく微笑みながら空間の歪みに飛び込み、歪みと共に消えていってしまった。

 

 

ヴィヴィッド『クッ!アイツの両親の居場所だと…?あの男…一体何者だ…』

 

 

ヴィヴィッドはシャドウが消えた場所を見つめながらシャドウの残した言葉を頭の中で思い浮かべ呆然と呟いていた。とそこへ…

 

 

ヴィヴィオ「はぁ…はぁ…あっ!やっと見つけた…!真矢ーッ!」

 

 

ハイウェイで立ち尽くしていたヴィヴィッドの下に、民間人の避難をしていたヴィヴィオが走ってくる姿が視界に入り、呆然としていたヴィヴィッドはそれを見てすぐに正気を取り戻した。

 

 

ヴィヴィッド『あ、あぁ…ヴィヴィオか…。どうだ?街の住民の避難は終わったのか?』

 

 

ヴィヴィオ「うん、この辺りの人達は何とかね…って今はそれどころじゃないよ!さっき局員の人達が話してるところを聞いたんだけど、此処とは違う所にまたショッカーが現れたみたいなの!」

 

 

ヴィヴィッド『ショッカーが?…なるほどな。部隊を幾つかに別けてミッドを落とそうとしてるってワケか…よし、ヴィヴィオ!俺達も行くぜ!』

 

 

ヴィヴィオ「うん!」

 

 

先程シャドウの言っていた事も気になるが、取り敢えず今はショッカーを倒す事だけを考えようとその事は頭の隅に追いやり、ヴィヴィッドはヴィヴィオを連れてバイクに乗ると、ショッカーが現れた場所に向かってバイクを走らせるのだった。

 

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