仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

82 / 519
龍騎×マクロスFの世界
第六章/龍騎×マクロスFRONTIERの世界


 

 

──とある出版社にある編集部。その応接室では、出版社の女性編集長である桐上と、一人の女性が一つのテーブルに席を着いて会話をしていた。

 

 

桐上「それじゃあ早速、貴女の知ってる仮面ライダーについて、お話しを聞かせてもらえるかな?」

 

 

「あ、は、はい。えっと…その…」

 

 

桐上が笑って話しかけると、女性は今の桐上の話に出てきたワード、仮面ライダーについて話しを始めようとするが、どうやって話そうかと少し言い淀んでしまう。

 

 

桐上「クス…そんなに緊張しなくていいわ。ケーキでも食べて、少し落ち着きましょう?」

 

 

「…はい。ありがとうございます」

 

 

桐上が優しく話すと、女性は少し緊張が解けた様に笑い、出されたケーキを頂こうとケーキに添えられているフォークを手に取った。その時…

 

 

―……グサアァッ!―

 

 

桐上「ウッ!?あ…ぐっ…」

 

 

―ドサアァッ!―

 

 

突如、室内に何かが突き刺さるような音が響き、それと同時に桐上が首を押さえながらゆっくりと崩れるように倒れてしまった。

 

 

「え?えぇっ…?」

 

 

突然の事に女性は困惑して思わず立ち上がり、慌てて桐上に駆け寄ろうとする。しかしその時、応接室の扉が開かれて一人の青年が現れ、床に倒れる桐上の姿を見た途端驚いた様子で桐上に駆け寄り、彼女の身体を揺らした。

 

 

「編集長…!?どうした!?しっかりしろ!編集長!」

 

 

青年は必死に桐上の身体を揺らし呼び掛け続けるが、桐上は何も答えず全く動こうとしない。青年は突然の出来事に困惑していると、呆然と立ち尽くしている女性が持つフォークを見て目付きを鋭くさせる。

 

 

「まさか…お前か…?編集長を殺したのは……」

 

 

「!?ち、違います…!私は…私はただ…!」

 

 

女性は青年の言葉を否定するようにフルフルと首を振りながら、その場に力無く座り込んでしまった。そして、暫くした後に現場に駆け付けた警官達により、女性は殺人容疑で現行犯逮捕されたのだった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

──firstの世界を後にし、新たな世界に訪れた最初の朝。朝食を終えたなのは、スバル、ヴィータはこの世界について調べてくると一足先に出掛けており、今回は零達と共に行動すべく外で軽い運動をしていた優矢が写真館に戻ってきた。

 

 

優矢「今日から龍騎の世界かぁ…よし!頑張るとしますか!」

 

 

優矢は肩を回しながら頑張ろう!と自分に気合いを入れ、残った皆のいる撮影スタジアムに戻ろうとする。のだが…

 

 

―コケェッ!コッコッコケェッ!―

 

 

優矢「どわあぁっ?!な、なんだぁ?!」

 

 

栄次郎「待てぇーっ!漸く手に入れた地鶏ぃーっ!」

 

 

ヴィヴィオ「まてーっ!」

 

 

オットー「そっちに逃げた!左右に回り込んで捕獲して!」

 

 

ディエチ「簡単にっ!言わないでっ!」

 

 

セッテ「そっちです!今度はそっちに逃げました!」

 

 

ディード「大人しくして!痛くしたりしないから…!」

 

 

撮影スタジアムの扉を開けた途端、突然部屋の奥から一匹の鶏が勢いよく現れ、更にその鶏を追い掛けてきた栄次郎達がその鶏を捕まえようと必死に追い回し、いきなり巻き込まれる形になった優矢も戸惑いつつ取りあえず暴れ回る鶏を追っかけていく。

 

 

キバーラ「はいはーい!私におっ任せ~♪」

 

 

とその時、その場に飛んで現れたキバーラが暴れ回る鶏の頭に乗っかると、先程までの暴れようが嘘のように鶏が急に大人しくなった。

 

 

ヴィヴィオ「あっ!鶏さん、おとなしくなった!」

 

 

栄次郎「おぉ~!ありがとね~キバーラちゃん!」

 

 

キバーラ「ふふ~ん♪こんなの朝飯前ってね~♪」

 

 

ディエチ「ハァ…ハァ…もう…疲れたぁ~…」

 

 

ディード「本当ね…栄次郎さん。鶏も捕まえましたし、そろそろ調理場の方に…」

 

 

栄次郎「あっ、そうだね。じゃあ、ディードちゃん達もお手伝い、お願いね!」

 

 

オットー「うん、分かった」

 

 

優矢「ったく…一体何だったんだよ…」

 

 

鶏を捕まえた栄次郎は満足げな顔をしながらヴィヴィオと優矢を除いた全員と共に撮影スタジアムの奥の台所へ引っ込んでいき、残された優矢は肩で息をしながら呆然とそれを見送った。

 

 

―ガチャッ―

 

 

そんな時、栄次郎達と入れ違いにその場にいなかった二人組……零とティアナが撮影スタジアムの奥の部屋から出てきた。

 

 

しかしその姿はキバの世界以来変わっており、零はスーツ姿に眼鏡を掛け、ティアナもスーツ姿と眼鏡にいつものツインテールとは違って髪をストレートに下ろし、二人は共通して襟元に黄金のバッチを身につけていた。

 

 

優矢「れ、零?お前…何でスーツなんて着てんだよ?ティアナちゃんも同じ格好だし…」

 

 

零「知るか。外に出た途端こうなったんだよ」

 

 

ヴィヴィオ「わぁ~!パパとお姉ちゃん、かっこいい~♪」

 

 

ティアナ「あはは……多分ですけど、今回これが私と零さんのこの世界での役割って事なんじゃかいかと……」

 

 

優矢「はああ、なるほどねぇ……?」

 

 

関心の声と共にマジマジと二人の格好を眺める優矢を他所に、零はテーブルに着きながら適当に置かれていた週間雑誌を手に取り、ヴィヴィオも零と隣の席にとことことした足取りで腰を下ろした。

 

 

優矢「そういえば、なのはさん達はもう出ていってるのか?」

 

 

ティアナ「あ、はい。スバルとヴィータ副隊長と一緒にもう出ましたよ。私と零さんはこの世界での役割を果たさないといけないみたいなので、なのはさん達は行方不明になった皆を探しに……」

 

 

優矢「そっか……だとさ零!ほら、俺達も早く行こうぜ!」

 

 

零「忙しねぇ奴だな…そんな急がなくてもいいだろう?なのは達はなのは達で、こっちはこっちのペースでやればいいんだから…ん?」

 

 

そんな事を言いながら零は週間雑誌を開いていくと、雑誌に記載されている一つのページ……『今日の君の運勢!』とある、占いコーナーのページに目を止めた。

 

 

零(今日の運勢…ねぇ。週刊誌の占いなんてあまり信用は出来ないんだが…)

 

 

などと思いながらも、自然と自分の運勢が書かれてある部分を目で探した。零12月25日生まれ、という事になっている。高町家に拾われたのがちょうどその日で、高町夫妻に付けてもらったのがきっかけだ。

 

 

つまりやぎ座。そこに記載されてある文に目を通す。

 

 

 

 

『十二月二十二日から一月十九日生まれのやぎ座の貴方の今日の運勢は、恋愛運が最強運!素敵な恋が叶っちゃうかも!だけど、調子に乗って色んな女の子に手を出したら痛い目にあっちゃうから、気をつけてね?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零「……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優矢「いやそうは言うけどさ?ササッと行動した方が色々と情報が知れて効率がいいと思うし、そうすればこの世界での目的だってすぐに見つけられ……零?」

 

 

会話の途中で、週刊雑誌に目を向けたまま固まる零。優矢はそんな零に話し掛けるが返答はなく、ただティアナと顔を見合わせて頭上に疑問符を並べる。

 

 

ティアナ「零さん?どうしたんですか?急に黙ったりして」

 

 

零「……なんでもない。ただ占いにまで不吉は事を言われて少し気が滅入ってるだけだ」

 

 

『……は?』

 

 

零は週間雑誌をパタンと閉めて力無く呟くが、二人は意味が分からないといった様子で首を傾げていた。

 

 

優矢「ま、まあいいか……取りあえず、この世界について調べに行こうぜ!なっ?ほら、ティアナちゃんも!」

 

 

ティアナ「そ、そうですね!零さん、私達も早く行きましょう!」

 

 

零「…行きたくない…行きたくねぇけど……行くしかないか…」

 

 

外に出たら何か良からぬ事が起きそうで嫌なのだが、そうも言っていられるハズがないので零は諦めたようにそう呟き、優矢とティアナは零を椅子から立たせて背中を押しながら部屋から出ていき、ヴィヴィオ達に留守番を任せてこの世界について調べる為に写真館を出ていった。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

優矢「……にしても、これからどうする?あっちこち見て回ったけど、あんまり事件とか起こってる様子はないみたいだしさ…」

 

 

ティアナ「ですね。レジェンドルガや、ショッカーみたいな怪人もいないみたいだし…それにこの格好で一体何をすればいいのか…」

 

 

一先ず情報収集にと街にやってきた零達は街中を探索してはいたのだが、街には怪人が現れたり、人が変死体として見つかる……などといった、特別目立った奇妙な事件が起きている訳でなく、至って普通に街の人々が生活をしているという平穏な空気を感じさせる雰囲気が流れていた。

 

 

零「『フロンティアとギャラクシーの歌姫として知られる二大アイドル、シェリル・ノーム、ランカ・リーの夢のタッグライブ近日開催!』『出版社DEKARUCHA所属の期待の新星、カメラマン・早乙女アルトがまたもやスクープ賞を受賞』……なるほどな。大した事件は何もないようだ。これじゃあ俺達の役目も分からないだろうな」

 

 

優矢「お前なぁ…人事みたいに言ってる場合じゃないだろう?」

 

 

先程コンビニで買った雑誌を読みながらまるで他人事のように関心なく呟く零に溜め息を吐きつつ、優矢はあちらこちらを見て回り、集めた情報を頭の中で整理する。

 

 

まず、この街の名はフロンティアという都市らしく、このフロンティアの隣街にはギャラクシーという名の都市が存在する事や、この街と隣街のギャラクシーを席巻する程の人気を誇る歌姫達

……『シェリル・ノーム』と『ランカ・リー』というトップアイドルの存在などを知ったものの、零達のこの世界での役割や仮面ライダーについてはあまり関係しそうにない。

 

 

どうしたものかと零がため息を吐いた、そんな時……

 

 

『──番組の途中ですが、此処で、臨時ニュースをお伝えします。今朝未明、出版社DEKARUCHA編集長、桐上風花さんが編集部内で殺害されました』

 

 

一つのビルの巨大スクリーンに突然臨時ニュースが流れ始め、優矢とティアナはニュースが流れる巨大スクリーンを見上げる。

 

 

ティアナ「殺人事件…」

 

 

優矢「何か物騒だな…」

 

 

零「DEKARUCHAって…この雑誌にも載ってた出版社か…何処の世界でもあぁいう馬鹿をする奴はいるもんだな。全く、どんな凶悪犯なのか是非とも顔を拝んでみたいもんだ」

 

 

呆れた口調でそう言いながら、零は構わずカメラで辺りの風景を撮影し始めた。しかし…

 

 

 

 

 

 

『警察はこの時現場にいた、フェイト・T・ハラオウンを殺人容疑で現行犯逮捕しました。ハラオウン容疑者は容疑を否認しており、警視庁では被害者の桐上さんとハラオウン容疑者の関係性、犯行の動機を現在調査中です』

 

 

 

 

 

ティアナ「………へ?」

 

 

優矢「ん?」

 

 

零「………あ?」

 

 

 

 

 

……………………

 

 

………………

 

 

………

 

 

 

 

 

『はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあーーーーッ!!?』

 

 

 

 

挙げられた容疑者の名が明かされた瞬間、零とティアナはこれでもかと大音量の絶叫を上げたのだった。

 

 

優矢「ちょ、え?え?ど、どうしたんだよ二人共?!」

 

 

ティアナ「あ、ああああ、あの、あの今、ニュースで殺人犯って出てた人…!私達の探している仲間の一人なんです!」

 

 

優矢「………はい?」

 

 

フェイトの顔写真が映された巨大スクリーンを指差しながら動揺した様子を浮かべるティアナの言葉に、優矢は一瞬何を言ってるのか分からないといった顔を浮かべた。

 

 

零「…フェイトが殺人犯…これはもう…あれだな…流石の俺も言葉が見つからないぞ……」

 

 

ティアナ「で、でもなんであんな事に?!フェイトさんは絶対、間違っても殺人なんて犯す人なんかじゃ…!」

 

 

零「そうだな…大体アイツは無闇に人を傷つけるような奴なんかじゃないし…」

 

 

あのフェイトが殺人など犯すハズがない。零はそう思いながら、脳裏にフェイトと共に過ごしてきた今までの記憶を思い返した。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

なんでこんな事になったのだろうかと、零は脳をフル稼働させながらこんな状況になってしまった根源を模索していた。

 

 

 

場所は立体映像で生み出された廃墟と化した市街地のど真ん中……分かりやすく言えば、六課の訓練所である。

 

 

その中心に零は立ち、そこから十数メートル離れた先に今回自分が戦う相手である機動六課最強の部隊の隊長達、高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの姿がある。

 

 

殺風景と呼ぶに相応しいこの空間でピリピリとした空気が漂っている。その原因は恐らく……いや十中八九、零が対峙するあの二人から放たれる殺気のせいであろう。

 

 

これは模擬戦。そう、ただの模擬戦のハズだ。なのに何故、あの二人はあんなに殺気立っているのだろう。

 

 

零は必死にその原因を探して、この模擬戦が起きる前の出来事を思い返してみる。

 

 

ここに来るまでは何も問題はなかったと思う。

 

 

では、朝食を取る為に食堂に行った時だろうか。

 

 

……いや、あの時も問題はなかったハズだ。食堂に着てから食堂を出るまで二人から殺気の篭った視線を受けていたの覚えているが。

 

 

どんなに考えても二人を怒らせた原因など分からない。

 

 

残っているのは、昨夜仕事に根を詰め過ぎてダウンしたはやてを部屋に運んだ際、そのまま彼女に離して貰えず共に床に就く羽目になり、そのまま朝を迎えて、やけに上機嫌な彼女に強引に腕を組まれながら食堂に向かった事だけだ。

 

 

―――うん、これも問題はなかったと思う。というかこれであの二人が怒る要素などまったく検討が付かない。

 

 

結局、二人を怒らせてしまった原因を突き止める事は出来なかった。

 

 

零「……あの、今日はちょっと体調が優れないので、棄け――」

 

 

『レディー、ゴーッ!!』

 

 

零「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

 

AT『マスター…取りあえず、防護服は身に着けた方がよろしいかと…』

 

 

始まりの合図と共になのはとフェイトが地を踏み、瞬時に自分達のデバイスのカートリッジを排出する。

 

 

フェイトはバルディッシュをアサルトからハーケンフォームに変えて零に振りかざし、なのはは空中へと浮上すると共にアクセルシューターを八つを生成、零に向けて放つ。

 

 

対して零は最初から戦う気など更々なく、せめてダメージは抑えようとバリアジャケットだけは忘れず身に纏った。

 

 

 

結果、無抵抗のまま二人にフルボッコされ、シャマルの待つ医務室に運び込まれたのは言うまでもなかった。

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

──可笑しい、ロクな記憶が出てこない。しかも何だか目頭がやけに熱くなってきた。というか逆に、アイツなら殺人ぐらいならやりそうとか納得しそうになってるのは気のせいだろうか。

 

 

優矢「と、取りあえず、警察に行ってみよう!あの人から色々と話しを聞いた方が良さそうだし!」

 

 

ティアナ「そ、そうですね。とにかく、フェイトさんから事情を聞かないと……零さん!行きましょう!」

 

 

零「……あー……あぁ、そう、だな……」

 

 

一先ず、ニュースにも流れてる事件の詳細やフェイトの無事などを確認する為、二人はフェイトが連行されたという警察署に向かい、零も脳裏に繰り返し流れている記憶を強引に振り払い、二人に続いて歩き出していった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。