仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第六章/龍騎×マクロスFRONTIERの世界②

 

それから一時間後…

 

 

 

優矢「――さ、さて!それじゃあ早速、事件当時の事を詳しく聞かせてもらえますか?」

 

 

フェイト「……」

 

 

「え、えぇ……」

 

 

アルト「それは別にいいんだが……そっちのアンタは大丈夫なのか…?」

 

 

零「……モー……マン……タイ……だ……」

 

 

なのは「うぅ……」

 

 

なのはと共に接見室に戻ってきた零はテーブルでうつ伏せるようにグッタリとしながら、掠れ掠れの声で答える。口では問題ないと言ってはいるが、顔には死相が浮かび上がっており、何処からどう見ても大丈夫だとは思えない。

 

 

補足だが、なのはにはああなった経緯を説明して自分のはやとちりだったと今は猛省し、零にひとしきり謝罪した後は小さくなって顔を俯かせていた(零がフェイトを泣かした事に関しては別だが

 

 

ティアナ「えーと……と、ところで、アルトさんは殺された編集長の部下だったんですよね?なら、フェイトさんが編集長に手を掛けるところを目撃したんですか?」

 

 

アルト「…いや。俺が出社した時には、編集長はもう殺されていたんだ…」

 

 

アルトはそう言うと、社内で起きた事件当時の事を詳しく説明し始める。

 

 

アルト「原因は首元に鋭い刺し傷……現場にいたのは編集長と、その人の二人だけで完全な密室。その時、その人の手には凶器と思われるフォークが握られていたらしいって」

 

 

なのは「フォーク?…何でそんなものを持ってたの、フェイトちゃん?」

 

 

フェイト「あ、うん…実はその時にケーキが出されたんだ。それでケーキを食べようとしてフォークを持ってたんだけど………」

 

 

事件当時に自分がフォークを手にしてた理由を説明していくフェイト。そんな時、未だに机にうつ伏せている零の隣に座るティアナが何かを思い出した様にアルトの両側の席に座っている少女達へと視線を移した。

 

 

ティアナ「そういえば…そちらのお二人のお名前、まだ聞いていませんでしたよね?貴女達は?」

 

 

「え?!あ、えっと…私達は…」

 

 

アルト「あ、コイツ等の事は気にしないでくれ。この二人は俺の友人だから…」

 

 

「そ、そうそう!こっちのことは気にしないで。私達はただの友人なんだから」

 

 

ティアナ「…?」

 

 

少女達のことを聞いた途端、アルト達は何故さ挙動不審な態度を取り始める。あからさまに話をはぐらかそうとしている風にしか見えないそんなアルト達を見てティアナも怪訝そうに眉間に眉を寄せるが、その会話を聞いていた零が漸く復活し顔を上げて会話に参加する。

 

 

零「ティアナ、あまり深く聞かない方がいいぞ。アルト達の方にもいろいろと事情とかがあるんだろうし」

 

 

ティアナ「あっ…そ、そうですね、すみません」

 

 

「い、いえ!気にしないで下さい!全然大丈夫ですから!」

 

 

頭を下げて謝罪するティアナを見て、緑髪の少女が慌てて両手を振る。アルト達はなのは達に気づかれないように安息の溜め息を吐くが、零だけはその二人の仕草を見逃していなかった。しかし、零はただ溜め息を吐くだけで追求せず話しを進めていく。

 

 

零「まぁ、とにかくだ。話しを聞いた感じじゃまだ分からない事が色々とあるし、取りあえずその出版社に行ってみて現場を直接調べてみた方がいいだろう。アルト、悪いがその会社に案内してくれ」

 

 

アルト「え?あ、あぁ、分かった」

 

 

なのは「じゃあ、私達の方も別の出版社に行って何か情報が無いか調べてみるね?」

 

 

零「あぁ、頼む。フェイト、すまないがもう暫く此処で待っててくれ。必ず何か掴んで、お前の無実を証明してみせるから」

 

 

フェイト「うん…ごめんね、皆…私のせいで迷惑を…」

 

 

なのは「もう…フェイトちゃん、なに水臭い事言ってるの?」

 

 

零「なのはの言うとおりだ。お前も俺達の仲間なんだぞ?なら気にする事なく、黙って俺達に頼ってればいいんだ」

 

 

フェイト「…うん、ありがとう、みんな…」

 

 

少し涙ぐみながらも、零達に礼を言うフェイト。零となのははそんなフェイトに笑い掛けながら肩を叩き、優矢達はその光景を黙って微笑ましげに見守っていた。

 

 

そして、零とティアナと優矢はアルト達の案内で件の事件が発生した出版社に向かっていき、なのはとスバルとヴィータは他の出版社が事件についてそれらしい情報を掴んでいないかと二手に別れて行動を開始したのだった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

警察署から出た零達一行はアルト達の案内で出版社に向かって歩いていた。その途中、アルトは零の首に掛けられているカメラを見て話し掛けてきた。

 

 

アルト「もしかして…アンタも写真とか撮るのか?」

 

 

零「ん?あぁ、まあな。といっても、あんまり大した腕じゃない…そういうアルトこそ、名の知れたカメラマンなんだよな?」

 

 

アルト「ん?あぁ。けど、俺もそんな大したもんじゃないぞ」

 

 

アルトは写真を零に返すと自分の荷物から少し大きめなカメラを取り出した。

 

 

アルト「ただ社内ですこし写真を撮るのが上手いって評判が良いだけだ。俺はこのカメラで、この何処まで続く大空…まだ誰も見た事のない空を撮るのが夢なんだ」

 

 

アルトがそう言うと零達は関心するように頷き、アルトはそんな零達をカメラで撮影していく。

 

 

優矢「…そういえば、一応アルトも事件の関係者なんだよな?もしかして、アルトもライダーに?」

 

 

アルト「…あぁ、選ばれた。けど、バトルに参加するかは迷ってるんだ…」

 

 

アルトはそう言ってカメラをカバンに仕舞い、代わりに龍のエンブレムが描かれたカードケースを取り出しながらそう答えると、零達は疑問そうに首を傾げる。

 

 

ティアナ「どうしてですか?確か、ライダーに選ばれたならバトルに参加して判決を下せるハズじゃ…?」

 

 

「…そうなんだけどね。貴方達の知り合いの…フェイトさんだったかしら?直接話をしてみた感じ、あの人が犯人…人殺しをするような人とは思えなくて…」

 

 

零「(まぁ、人を半殺しにするような奴ではあるがな…)基本アイツは誰にでも優しいから無闇に人を傷つけるようなことはしない。…もしかして、お前等はフェイト以外の犯人に心当たりでもあるのか?」

 

 

零がそう問い掛けると、三人は何処か気まずげに顔を俯かせてしまう。するとアルトが少し眉間のシワを寄せながら口を開いた、その時だった…

 

 

―キイィィィィィィインッ…!―

 

 

優矢「ッ?!な、何だ、この音…?」

 

 

アルト「…ッ!あれは…!」

 

 

不意に聞こえてきた、耳鳴りのような音。零達が驚いていると、アルト達は近くに停めてある車の窓に視線を向け、零達もそれを追って車の窓を見遣る。其処には、車の窓を通してミラーワールドで戦うライダー達の姿が映し出されていた。

 

 

ティアナ「もしかして、あれが戦いの舞台っていう…?」

 

 

「はい。あれが鏡の世界、ミラーワールドです…」

 

 

ティアナが車の窓を見つめながら聞くと、緑髪の少女が答える。

 

 

零「成る程な……じゃあ、ちょっくら行ってくる」

 

 

優矢「え?行くって…お前行けんのかよ?」

 

 

零「当然。俺はフェイトの弁護士であり、仮面ライダーだからな」

 

 

零は車に近付きながら自信ありげにそう答えると車の前に立ち、懐からディケイドライバーを取り出して腰に装着し、左腰のライドブッカーからディケイドのカードを取り出して構える。

 

 

零「変身ッ!」

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

 

カードを装填して電子音声が響くと、零はディケイドに変身して一度両手を払う。そして…

 

 

ディケイド『フッ!』

 

 

車の窓にダイブするように突っ込むと、ディケイドは車の窓に吸い込まれるようにしてミラーワールドに進入したのだった。

 

 

ティアナ「す、凄い!」

 

 

優矢「さっすがぁ!」

 

 

自信の通りあっさりとミラーワールドへ通過したディケイドに、ティアナと優矢は驚きながらもディケイドを誉めていた。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

一方その頃、ミラーワールド内にある無数の土管に囲まれた荒れ地では、先程ライダーバトルを行っていた内の一人のライダー、蟹型の『仮面ライダーシーザス』が先程ライダーバトルに乱入してきたコウモリ型の青い騎士、『仮面ライダーナイト』の容赦のない斬撃を受けて追い詰められていた。

 

 

シーザス『ウグアァッ!!ま、待て!分かった!じゃあ無罪ッ!無罪でいいッ!―ズバアァァアッ!―グアァァァァアッ!?』

 

 

ナイトの強さに怯え戦意を失ってしまったシーザスはナイトに必死に降参すると告げるが、ナイトは構わずに黒い長槍、ウィングランサーでシーザスに突きを与えて吹っ飛ばした。

 

 

ナイト『生憎だが…俺は、判決には興味はない』

 

 

シーザス『え?!な、なら!なんでこのライダーバトルに…?!』

 

 

判決には興味が無いのなら、わざわざライダーバトルに参加する理由なんてないハズ。しかしナイトは後退りするシザースの問いの問いには答えず無言でベルトのバックル部分に装填されているカードデッキからカードを一枚取り出し、ダークバイザーに装填してベントインする。

 

 

『FINAL VENT!』

 

 

電子音声が響き、ナイトの上空から彼の契約ミラーモンスターのダークウィングが現れる。そしてナイトがウィングランサーを芯にしながら上空に飛ぶと、ダークウィングがナイトと一体化してマントになり、そのままマントをドリル状に変形させてシーザスに突撃していく。

 

 

ナイト『ハアァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

―ズドオォォンッ!!―

 

 

シーザス『ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!?』

 

 

―ドゴオォォォォォォォォォォォォオンッ!!!―

 

 

ナイトの必殺技、飛翔斬がシーザスの身体を貫通し、シーザスは断末魔を上げながら爆発を起こして消滅していったのだった。そしてナイトはシーザスのカードデッキから飛び出てた宙を舞うカード達を全て手に取っていく。そこへ…

 

 

―ブオォォォォオンッ!―

 

 

ナイト『………ん?』

 

 

ナイトの後ろからバイク音が響いて背後に振り返ると、其処にはディケイドがディケイダーに乗って近づいて来る姿があり、ディケイドはナイトの前でディケイダーを停めていく。

 

 

ディケイド『此処がミラーワールドか?案外悪い所でもないな』

 

 

ディケイドはそう言ってディケイダーから降りると、ナイトに向かってゆっくりと歩み寄っていく。

 

 

ディケイド『なぁアンタ?弁護士としてすこし話しを聞かせて……くれそうにないか』

 

 

完全に戦闘態勢に入っているナイトを見て諦めたように呟くディケイド。そしてナイトは左腰に収めていたダークバイザーを引き抜きディケイドに向かって走り出し、ディケイドはそれに応戦しようとライドブッカーからカードを取り出した。が、ナイトはディケイドの取り出したカードを見た途端突然その場で止まってしまう。

 

 

ナイト『何だ、そのカードは…?』

 

 

ディケイド『ん?あぁ、悪いな。俺のはアンタ等のと違うみたいなんだよ』

 

 

ナイト『………フンッ…』

 

 

カードを見せながらディケイドがそう答えると、ナイトは鼻で笑いながらダークバイザーを腰に収め、何故かディケイドを無視して何処かへと向かって歩き出した。

 

 

ディケイド『お、おい…?何処に行く気だ?!』

 

 

突然自分を無視して歩き出したナイトを引き止めようとするディケイド。しかし…

 

 

『SHOOT VENT!』

 

 

―ドゴオォオンッ!ドゴオォオンッ!ドゴオォンッ!―

 

 

『……ッ?!グアァァァァァァァァアッ!!?』

 

 

突如何処からか二人に向かって砲撃が放たれ、二人は足元に打ち込まれた爆発の余波を受けて吹っ飛ばされてしまった。

 

 

そしてディケイドとナイトは受け身をとって身を起こし、砲撃が放たれてきた方を見ると、其処には両肩に巨大な大砲のような装備を抱えたバッファロー型の『仮面ライダーゾルダ』が土管の上に立って二人を見据えていた。

 

 

ゾルダ『素人などに判決が下せるか!有罪だ有罪っ!フンッ!』

 

 

ゾルダは有罪を主張しながら再び二人に向けて砲撃し、ディケイドとナイトはゾルダの砲撃をかい潜りながら近くの土管の陰に飛び込み身を隠した。

 

 

ディケイド『グッ!何なんだアイツは?!』

 

 

ナイト『恐らく…立憲した検事だろう』

 

 

ディケイド『…なるほどな。見た感じ、遠距離戦闘に優れた銃撃タイプって所か…チッ、また面倒な奴が…って来やがった?!』

 

 

ナイト『チィ!』

 

 

―ドゴオォォォォォォオンッ!!バシュウッ!―

 

 

ゾルダの放った砲撃が二人の隠れていた土管を木っ端微塵に吹っ飛ばし、二人は爆風に巻き込まれて吹っ飛ばされ、それによりディケイドはミラーワールドから弾かれてしまった。そしてミラーワールドから弾かれたディケイドは変身が解除され零に戻ってしまう。

 

 

零「グッ!あの牛もどき、なんて砲撃の威力だ…!」

 

 

優矢「零!」

 

 

ティアナ「大丈夫ですか?!」

 

 

ミラーワールドから弾かれ地面に倒れ込む零の下に、優矢とティアナが心配して駆け寄り零の身体を抱えて起こしていく。

 

 

零「心配するなっ、大したことはない。にしてもこのライダーバトル、やっぱりそう簡単に勝ち残れそうにないみたいだな……」

 

 

優矢「…そうか!それだよ零!ライダーバトルに参加し続けるんだ!お前がバトルに勝ち残れば、フェイトさんに無罪判決を下せる訳だし!」

 

 

零の背中を強めに叩きながらライダーバトルに参加することを進めつつ、優矢は更に閃いたように続ける。

 

 

優矢「それにフェイトさん以外の真犯人がいるなら……そいつもライダーバトルに参加してるかもしれないよな?!」

 

 

零「あぁ…恐らくな。犯人を捜すならこっちの方が手っ取り早いと思うし、例え犯人を見つけたとしてもそう簡単に事実を話してくれる相手とは限らないからな…絶対に見つけだして真実を吐かせてやるっ」

 

 

ティアナ「…零さん、何か目がギラギラしてますね」

 

 

腕の骨を鳴らしながら妙に生き生きとした顔を見せる零にティアナは思わず苦笑いを浮かべる。そんな中、アルトは零達から少し離れた場所でカードケースを片手に車の窓を睨みつけ、少女達はそんなアルトを不安げな表情で見つめていた。

 

 

 

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