仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第六章/龍騎×マクロスFRONTIERの世界⑦

 

その頃、牢屋に戻ったフェイトは何をするワケもなく冷たい牢屋の壁に背中を預け、先程なのは達から聞いた話しを思い返していた。

 

 

フェイト「零がディケイド…そして……零がライダーバトルに参加して…」

 

 

そう考えながら、フェイトは以前自分が見た夢を思い出していく。数え切れないライダー達とディケイドの戦い、あれが何を意味しているのかは未だ釈然として分からない。だが、あれが何かの前触れだとしたら、もし零があのバトルに参加すれば……そこまで考えるととてつもない不安に駆られフェイトは居ても立ってもいられなくなった。

 

 

フェイト「…もしそうだとしたら、こんなことしてる場合じゃない…!誰か!誰か居ませんか?!」

 

 

不安を抑えられなくなったフェイトは思わず牢屋の外に向かって、誰か来てくれと大声で叫び続ける。その時だった……

 

 

―ブオォォォォォォォオンッ―

 

 

フェイト「え…?」

 

 

突然フェイトの周りが歪み出し、フェイトはそれに呑み込まれていってしまう。そして歪みが徐々に消え去ると牢屋の中にいたハズのフェイトの姿が消えていた。

 

 

 

歪みに呑み込まれたフェイトは、いつの間にか何処かの街の一角に立っていた。これは一体何だ?となにが起きたのか分からず、フェイトは混乱して思わず辺りを見回していく。その時、フェイトの目の前に再び歪みが発生し、それが消えていくと其処には今まで幾度となく零達の邪魔をしてきた謎の男が立っていた。

 

 

フェイト「…貴方は…」

 

 

「この世界、この時代で会うのは初めてだな。フェイト・T・ハラオウン…」

 

 

フェイト「…ッ?!もしかして……貴方が……」

 

 

フェイトは目の前に現れた男を警戒し、少しだけ身構える。

 

 

「そんなに警戒する必要はない…私は預言者だ。ディケイドが世界を破壊する悪魔だという警鐘を鳴らす為の」

 

 

フェイト「預言者?…貴方の…目的はなんです…?」

 

 

「ディケイドは危険な存在だ…君を死なせるワケにはいかない。私なら、今すぐに君を自由に出来る…私と共に行こう」

 

 

フェイト「ッ…」

 

 

此処から自由にすると告げながら男はフェイトに手を差し延べて近づいていき、フェイトは男の放った言葉に少し迷ってしまう。此処から出る事は出来る。だが、この男はディケイドを…零を敵だと認識しているらしい。ならこの男について行くということは、零達を裏切るということになるのではないだろうか。そう考えフェイトの出した答えはたったの一つ……

 

 

フェイト「…お断りします。零が…零達がきっと助けに来てくれますから」

 

 

「君は分かっているのだろう。ディケイドはライダーバトルの中で悪魔に目覚めていくんだぞ?」

 

 

フェイト「違う!あんなもの…私が見たただの夢です!零は…零はいつも、私達の事を助けてくれた!そんな零が悪魔なワケない!それに…なのは達だっています!だから…!」

 

 

だから貴方とは行かない。フェイトは自身の胸に手を当てジッと男を見据えながらそう答えた。だが、そのフェイトの答えを予想していたのか、男は怒る訳ではなくただ怪しい笑みを浮かべていた。

 

 

「…まあいい。いずれこの世界もディケイドの手によって破壊されるのだから」

 

 

フェイト「ッ?!それってどういう―――!」

 

 

言葉の意味を問いただそうとするフェイトだが、再び辺りが歪み始め、それが晴れるとフェイトは牢屋の中に戻っていた。そして部屋の扉からノックが聞こえ、フェイトは慌てて返事を返して振り返ると扉が開いて看守が牢屋の中に入ってきた。

 

 

「面会だ。出ろ」

 

 

フェイト「は、はい…」

 

 

面会だと言われてフェイトは牢屋を出ようと歩き出すと一度振り返って牢屋の中を見回し、先程のことが気になりながらも接見室へと向かっていったのだった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

それから数十分後。接見室にはフェイトと事件の関係者であるアルトと副編集長の鎌田、ランカとシェリル、そして零達が集まり会議を開いていた。

 

 

鎌田「わざわざ呼び出して何かと思えば…ブレラ・リーが真犯人?成る程、有りそうな話しだ」

 

 

アルト「だから警察と相談して一度ライダーバトルを中断してもらい、ブレラについての裁判を改めて開こうと思ってるんだ」

 

 

『………』

 

 

アルトはブレラについての裁判を行う事を申請するが、ティアナ達とシェリルとランカは未だに納得出来ないと言った表情で顔を俯かせていた。

 

 

フェイト「真犯人が見付かったなら…私は解放されるって事?!」

 

 

なのは「うん!良かったねフェイトちゃん♪」

 

 

ヴィータ「全く…一時はどうなるかと思ったけど、漸くこれで一件落着だな」

 

 

スバル「ですね!はぁ~、これでやっと事件も解決か~」

 

 

零「……アンタもそれでいいのか?」

 

 

鎌田「えぇ、私も構いませんよ」

 

 

鎌田もバトルを中断する事に承知しこれで漸くフェイトが自由になれる。その事をフェイトと共になのは達は喜びを露わにしていた。だが…

 

 

優矢「……いいや、それは駄目だ」

 

 

『…え?』

 

 

顔を俯かせていた優矢が顔を上げ、苦い表情をしながらその案を拒否する。そしてそれに賛同するようにティアナも頷き、なのは達はそれを聞いて唖然としてしまう。

 

 

ティアナ「私達には、ブレラさんが犯人だとは思えないんです…だから、その案を受け入れる事は出来ません」

 

 

アルト「?!何言ってんだ!お前等はブレラの事を何も知らないだろう!!」

 

 

シェリル「待ってアルト……私も…彼女達の意見には賛成よ」

 

 

アルト「ッ?!シェリル!?」

 

 

ティアナ達の意見に賛成すると告げるシェリルの言葉を聞き戸惑うアルト。更にその隣に座っていたランカもシェリルと同意見だと言うように小さく頷き、それを見たアルトは呆然としてしまう。

 

 

優矢「……ブレラは、自分が全てを壊したって言っていた。その時の顔が…俺達の知っている奴と似ていたんだ」

 

 

なのは「……優矢君」

 

 

零「…………」

 

 

真剣に話す優矢の言葉を聞いてなのはは思わず零の方を見つめる。零は瞳を閉じたままなにも言わないが、黙って優矢の言葉を聞いていた。

 

 

ティアナ「その人は…自分は破壊者だなんて言うけど…本当は優しくて、誰かを救いたいと思ってる良い人なんです。私達には、その人とブレラさんが同じように見えた…」

 

 

優矢「だから俺達は…あの人を信じてみたいと思うんだ」

 

 

懐から取り出した写真に映るブレラを見て、優矢とティアナは力強くアルト達に言い放った。

 

 

鎌田「犯人がブレラ・リーではない…ならば、本当の真犯人は一体誰だと言うのかね?」

 

 

アルト「それだけじゃない!お前等…バトルを続けると言う事が何を意味してるのか分かってんのか!?無実であるこの人が、また牢に入られるって事なんだぞ?!」

 

 

優矢「それ…は……」

 

 

フェイト「………」

 

 

反論するアルトの言葉に二人は何も言い返す事が出来ず、アルトはそんな二人を見て「もういい…」とだけ言ってカードケースを手に取り接見室を出ていってしまい、鎌田もカードケースを仕舞い接見室から出ていった。

 

 

優矢「…すまない…勝手なことをしてしまって…」

 

 

ティアナ「フェイトさん…本当にすみません…」

 

 

優矢とティアナは皆に罵倒される覚悟で頭を下げて皆に謝罪する。それを見た皆は…

 

 

フェイト「……ティアナ。ティアナが謝る必要なんてないよ。私は全然大丈夫だから」

 

 

ティアナ「…だけど、私のせいでフェイトさんが…」

 

 

フェイトは気にしてないと笑って答えてくれるが、自分達のせいでフェイトはまた牢屋に入れられる。優矢とティアナはその事で罪悪感を感じていたが、そんな二人に零はやれやれといった表情で溜め息を吐いていた。

 

 

零「お前達のことだから、どうせそうするだろうと思っていたさ。だから俺達も気にしてなんかいない…そんな事より、今はアルトを追い掛けた方がいいだろう。早く行くぞ」

 

 

優矢「零……あぁ!」

 

 

零はそう言ってアルトの後を追い掛けようとテーブルから立ち上がって扉に近づいていき、優矢とティアナも立ち上がって接見室から出て行こうとする。その時…

 

 

ランカ「…待って下さい!少しだけ…少しだけ!私の話を聞いてもらってもいいですか?!」

 

 

ティアナ「?…ランカさん?」

 

 

突然ランカがテーブルから立ち上がり、自分の話しを聞いて欲しいと零達を引き止めたのだ。零達はそれを聞くと怪訝そうな顔をしてランカの方に振り返り、シェリルもテーブルから立ち上がり口を開いた。

 

 

シェリル「…今から話す事は、貴方達に聞いて欲しい大事な話しなの。ブレラの…無実を証明する為に」

 

 

ランカ「兄が…兄が何故、突然会社を辞めてしまったのか…そのワケを…今からお話します」

 

 

優矢「ブレラが、会社を辞めた理由…?」

 

 

零「……詳しく聞かせてもらおうか?」

 

 

真剣な眼差しを向けてくる二人を見て、零は身に付けていた眼鏡を外しそう答えた。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

その頃、ミラーワールドではナイトがダークバイザーを振り回しオーディンに攻撃を仕掛けていた。だが、オーディンは瞬間移動を用いてそれを避けながらナイトに攻撃していく。

 

 

ナイト『グッ!ハァ…ハァ…漸く見つけた…!お前のカードを寄越せッ!!』

 

 

ボロボロになりながらも、ナイトは再び立ち上がってカードケースからカードを一枚取り出しダークバイザーへと装填する。

 

 

『FINAL VENT!』

 

 

ナイト『ハァ…ハァ…ウオォォォォォォォォォオッ!!!』

 

 

電子音声が響くと上空からダークウィングが現れ、ナイトはそのままダークウィングと一体化してオーディンに飛翔斬を放った。オーディンは抵抗もせず飛翔斬を受けて爆散し、辺りにはオーディンのカードケースから飛び出したカードが散らばっていき、ナイトはその中から一枚のカードを拾うとミラーワールドから出て変身を解除した。すると、ブレラを探してその場所を通り掛かったアルトがミラーワールドから出て来るブレラの姿を見つけ、それを見たアルトは怒りを滾らせブレラに駆け寄り胸倉を乱暴に掴んだ。

 

 

アルト「また戦っていたのかこの人殺しがッ!!」

 

 

ブレラ「ウッ…グッ…!」

 

 

優矢「止めるんだ!アルト!!」

 

 

その場にアルトを追い掛けてきた優矢が二人に駆け寄ってブレラからアルトを引き離し、体を抑えて苦しむブレラの身体を抱き起こしていく。

 

 

アルト「クッ!お前は甘すぎる!そんな奴を庇うなんて!」

 

 

優矢「そんなこと言ってる場合かよ!!しっかりしろブレラ!……ん?」

 

 

ブレラの身体を抱き抱えていた優矢はブレラの手に握られているカードの存在に気づいて首を傾げ、アルトもそれに気づいてブレラの手に握られているカードを見た。そのカードとは…

 

 

アルト「このカードは…まさか、タイムベント?!」

 

 

優矢「タイム、ベント…?何なんだ、そのカード?」

 

 

ブレラが持っている一つの時計が描かれたカード……タイムベントを見てアルトは驚愕し、カードのことを余り知らない優矢は頭上に疑問符を浮かべている。

 

 

ブレラ「ッ…昔、取材で聞いた事があった…過去に戻る事が出来るカードが存在すると言う話しを…」

 

 

優矢「…もしかして…アンタが今までバトルに参加していたのは、このカードを見付ける為に…?」

 

 

このカードを探して今までバトルに参加していたのか。優矢がそのことを聞くとブレラはそれに頷いて返した。

 

 

アルト「どういうことだ…何でそんな…」

 

 

ブレラ「……俺はあの日、大事な話しがあると言われて桐上編集長に呼ばれた。三年振りだった……だが、一足違いで編集長は…!だから聞きたかった!桐上編集長が…俺に何を伝えようとしたのかを!」

 

 

アルト「だが、戦闘以外でカードを使用すれば即ジャッジから外されるんだぞ?!」

 

 

ブレラ「…分かっている…だが、それでも知りたいんだ!その為に…俺は今まで戦って来たんだ…」

 

 

タイムベントのカードを強く握り締めながら自分の意思を告げるブレラ。その姿を見てブレラの本当の思い知ったアルトは怒りのままにブレラを犯人と決め付けていた自分に自己嫌悪していた。その時…

 

 

 

『フフフ…』

 

 

 

三人の近くに捨ててあった鏡から不気味な笑い声が響き、三人が鏡に目を向けた瞬間鏡の中からアビスが飛び出しブレラに襲い掛かろうとした。しかし…

 

 

優矢「今だ!零!!ティアナちゃん!!」

 

 

―バシュンッ!ガシッ!―

 

 

アビス『ッ?!な、何?!』

 

 

ディケイド『漸く姿を見せたな!!』

 

 

ヒート『もう逃がさないわよ!!』

 

 

優矢の掛け声と共にアビスが現れた鏡からディケイドに変身した零とヒートに変身したティアナが現れ、そのままアビスを掴んでミラーワールド内に引きずり込んだ。

 

 

アビス『グッ?!何故此処に?!』

 

 

ディケイド『優矢が言っていた。ブレラが真実を話そうとすれば口封じの為に犯人が現れ、ブレラに罪を着せようとする筈だと…な』

 

 

ヒート『そして、予想通り口封じをしようと犯人が現れた…真犯人は貴方ね?』

 

 

ヒートが指を向けながらアビスにそう問い掛けると、アビスはそれを否定する様に首を左右に振った。

 

 

アビス『…違う、私は犯人ではない。真犯人はブレラだ。その事を告白させようと此処に来ただけだ』

 

 

自分は犯人ではないと主張するアビス。だが、二人はアビスの言葉を信じてなどいなかった。

 

 

ディケイド『…生憎、俺は人を信じる事が出来ない。人の痛みを感じ取る事も…俺には出来ない。だから、俺はコイツ等が信じる事を信じるまでだ…コイツ等の言ってる事は大体間違っていない…それだけが唯一、俺が信じられることだからな』

 

 

ヒート『零さん…』

 

 

ディケイドの言葉を聞いてヒートは少しだけ嬉しそうに笑い、再びアビスと向き合っていく。

 

 

アビス『お前達は大事な事を忘れている。私はあの時、ビルから離れた場所で珈琲を飲んでいたんだぞ?ライダーにもなっていない私が、どうやって編集長を手に掛けたというのだ?』

 

 

そう、確かにそうだ。あの時鎌田は事件が起きた時には会社に居なかった。ライダーにも変身していない生身の人間なら、桐上を殺害する事は先ず無理な話だ。

 

 

ブレラ「だがその方法も…このカードで分かる…」

 

 

ブレラはタイムベントのカードを見てそう言うとナイトに変身しようとポケットからカードケースを取り出した。だが、アルトはブレラの手からカードを取り上げて鏡の前に立ち、カードケースを鏡に翳して腰にVバックルを出現させる。

 

 

ブレラ「!…アルト?」

 

 

アルト「…そんな身体じゃ無理だ。俺が代わりに行く……変身ッ!」

 

 

アルトはVバックルにカードケースをセットして龍騎に変身し、左腕のドラグバイザーを開いてタイムベントのカードをセットした。

 

 

『TIME VENT!』

 

 

電子音声が響いたと同時に龍騎の姿が消え、ミラーワールド内に居た三人も何処かへと消え去り、その一つの世界が事件が起きた"あの時"へと逆行していったのだった。

 

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