仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
そうして時間が逆行した今…事件が起きる前の接見室。其処ではフェイトと桐上がまだ話をしている最中であった。
桐上「フェイト・T・ハラオウンさんね?電話で仮面ライダーの事を聞きたいって言った」
フェイト「はい、そうです」
桐上「じゃあ、教えてもらってもいいかな?貴方が知ってるかめ―――」
と、桐上がフェイトから仮面ライダーの話を聞こうとした瞬間……
―バシュゥゥゥゥゥゥンッ!!!―
アルト「ウアァァァァアッ!?」
零「ヌオォッ?!」
ティアナ「キャアァァァァアッ?!」
フェイト「ふぇ?フギュッ?!」
突然鏡の中から零とアルトとティアナが飛び出し、零とティアナはそのまま勢いよくフェイトに突撃しフェイトは気絶してしまった。
桐上「!?あ、貴方達!?ってアルト?!何で貴方がこんなところに…!?」
突然現れた三人を見て桐上は混乱の余り立ち上がって思わず声を上げる。だが零はそんな桐上を気に止めず窓から会社の下にあるカフェを見下ろした。其処には鎌田が左腕に風を集束させて風の刃を纏い、こちらを狙っている姿があった。
零「?!マズイッ!皆伏せろ!!」
桐上「え?」
零は全員に伏せるよう指示をすると倒れているフェイトとティアナの上に覆い被り、アルトも急いで桐上を下がらせる。そして鎌田は右腕に纏う風の刃を応接室に向けてブーメランのように放った。
―パリイィィィィンッ!!グサアァッ!!―
桐上「キャアァァァァアッ!?」
鎌田の放った刃が窓ガラスを破って桐上の座っていたソファー目掛けて放たれ、刃はそのまま向かいのソファーの一部に突き刺さって止まった。
アルト「これが…編集長を殺した凶器?!」
ソファーに刺さった風の刃を見てアルトが驚愕していると風の刃が空気のように消え去っていき、其処には傷の付いたソファーしか残されていなかった。
零「…そういうことだったのか…ティアナ!奴を追うぞ!」
ティアナ「了解!」
零とティアナは気を失ったフェイトをソファーに寝かせると鎌田を捕まえる為に接見室を飛び出し、二人とはすれ違いにブレラが部屋の中の入り中の荒れた状態を見て驚いていた。
ブレラ「編集長?!この騒ぎは一体……アルト?」
アルト「…ブレラ」
ブレラは桐上の隣にいるアルトを見て驚き、今起きた出来事に混乱していた桐上もブレラの姿を見た途端笑った表情を浮かべた。
桐上「あ、丁度良かったわ。ブレラ、アルト、実はね……」
アルト「ブレラに話したい事があるんですよね!それって一体!?」
ブレラ「ッ!?お前…なんでその事を…?」
自分が桐上に呼ばれた理由を知っているアルトにブレラは驚き、桐上もその事に唖然としながらも戸惑った様子で頷き返す。
桐上「え、えぇ、そうなの。実は……ブレラ、そろそろ戻って来てもいいんじゃないと思ってね」
『……え?』
桐上が告げた予想外の言葉にブレラとアルトは理解出来ず、今度は二人が唖然とした表情を浮かべていたのであった。
◆◇◆
その頃、会社の下にあるカフェでは桐上殺害の計画に失敗した鎌田が急いでその場から逃げようとしていた。だが、そんな鎌田の前に零とティアナが立ち塞がり鋭い視線で鎌田を睨みつけていた。
鎌田「な、何だお前達は!?何故俺の計画を…!?」
ティアナ「それはこっちの台詞よ!今のは明らかに人間技じゃない…アンタ一体何者!?」
零「一体どんなトリックを使ったのかずっと気になっていたが…成る程な。確かにこれは、"人間なら"不可能な犯行だ…直接その化けの皮を引きはがして正体を確かめてやる」
腕の骨を鳴らしながら低い声で告げる零の言葉に鎌田は後退り、零とティアナは鎌田を捕らえようと動き出した。しかし…
―ガシッ!―
ティアナ「え…ッ?!」
鎌田(現在)「…見たな?」
不意に二人の背後から腕を強く掴まれ、二人の腕を掴む人物…"もう一人の鎌田"が冷たい表情で二人を睨みつけていた。
零「チッ!お前もタイムベントの瞬間に一緒に飛んで来たのか?!」
鎌田(現在)「そうだ。私は人間のフリをしてこの世界に潜り込んだ。だが桐上に正体を気付かれそうになり、奴を殺した!殺したハズだった…!」
零「ッ…頼んでもないのにベラベラとどうもな!」
零とティアナは鎌田の腕を振り払って後退すると、鎌田はこの時間の鎌田の前に立って向き合う。
鎌田「お前…誰だ…?!」
鎌田(現在)「お前は…私だ」
鎌田はそう言ってこの時間の鎌田に近づくと、この時間の鎌田が突然悲痛な悲鳴を上げて光の粒子となり、光の粒子は鎌田に吸収されていった。
ティアナ「か、過去と未来の鎌田が一つに?!」
零「チィ!また面倒なことを!」
一人となった鎌田を見てティアナは驚き、零は顔をしかめて舌打ちする。そして鎌田はポケットからカードケースを取り出して腰にVバックルを出現させた。
鎌田「変身!」
鎌田はVバックルにケースをセットするとアビスに変身し、更にケースから一枚のカードを抜き取りアビスバイザーにセットする。
『ADVENT!』
『グオォォォォォォォオッ!』
ティアナ「なっ?!ウアッ!」
零「ティアナ!グッ?!」
電子音声が響くと何処からかアビスラッシャーとアビスハンマーが現れて二人に襲い掛かり、二体はそのまま二人を捕らえ何処かへと連れて行ってしまった。
◆◇◆
外でそんな出来事が起きている中、接見室では桐上がこの三年間の事をアルトとブレラに話していた。
桐上「実はね、編集部を出ればって勧めたのは私なの。ね、ブレラ」
アルト「え?そ、それって、どういう……?」
ブレラが編集部を出た理由は桐上にあった。その真実にアルトは理解が出来ず混乱し、そのことをブレラが代わりに説明し始める。
ブレラ「…あの頃の俺は、お前の撮る写真に嫉妬していた…俺がどんな記事を書いても、お前の写真一枚に負けている気がして…自分を見失っていた。そんな時に、編集長が他の会社に移ることを勧めてくれたんだ…」
桐上「その頃からブレラの様子が可笑しい事に気が付いてね。オズマさんやランカさんと相談して、ブレラ自身の為にもそうした方がいいんじゃないかと思ってそうしたのよ」
ブレラは始めから自分達を裏切ってなどいなかった。ただ見失い掛けた自分を見つめ直す為に、他の会社に移った。アルトはブレラ達の真意を知り、何も知らず今までブレラを恨んでいた事を恥ずかしく感じ、だが同時にかつて自分とブレラがチームでやって来た頃を思い出していた。
ブレラ「…そして外に出て分かった…俺の書く記事は、お前の写真があってこそ始めて意味があると…お前の写真があるからこそ、俺はやってこれたんだと…」
アルト「…俺も…俺だってそうだ…俺一人で賞なんか取っても…嬉しくなんてない…何も感じない…何かが足りない……それで始めて分かったんだ。やっぱり、お前とじゃないと駄目なんだって…お前となら、俺はもっと飛べるんだって!」
アルトは今まで心の内に仕舞い込んでいた本当の気持ちをブレラに打ち明ける。一人では駄目だと…二人でだからこそやって来れたんだと。アルトの正直な気持ちを聞いたブレラは小さく笑い、桐上はそんな二人を優しげに見守っていた。
桐上「それでね?実は今、新しいネタを追ってるの。この世界に、人間じゃない"何かが"紛れ込んでいる。副編集長の鎌田も、その一人かも」
桐上は真剣な口調で二人に今追っているネタについて説明していく。そんな中、零とティアナに突進されて気を失っていたフェイトが漸く目を覚まし、身体を起こしながら先程起きた出来事を思い出していく。
フェイト「あの…さっき私の上に降ってきたのって、零とティアナ…ですか?」
アルト「っ!そうだ…零!ティアナ!」
桐上「え?ちょ、アルト?!」
フェイトに言われて零達のことを思い出したアルトは慌てた様子で接見室から出ていき二人の後を追い掛けたのであった。