仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
その頃、アビス達によって何処かの河原へと連れて来られた零とティアナはアビスラッシャー達の攻撃を避けながら反撃をしていた。
アビス『此処はミラーワールドではない。此処で負ければ、命はない。そんな戦いで私に勝てるか?』
アビスラッシャー達の攻撃を必死にかわしていく二人を見てアビスは不敵に笑い、その戦いを見物していた。その時…
アルト「ウオォォォォォォォォォオッ!!」
―ドゴオォッ!!―
『グギャアッ!?』
ティアナ「?!アルトさん!」
その場にアルトが駆け付け零達と戦っていたアビスラッシャーに目掛けて飛び蹴りを放ち、アビスラッシャーを二人から離れさせた。
零「いいタイミングだ……!ついでにコイツもくれてやる!」
零はポケットから携帯型のガジェット……以前魔界城の世界で共に戦った智大からプレゼントされた『ビートルフォン』と擬似メモリの『ビートルメモリ』を取り出し、ビートルメモリをビートルフォンに装填する。
『BEETLE!』
電子音声が響くと零の手の平のビートルフォンが変形してカブトムシのような形となり、アビスハンマーに向かって零の手から飛んでいく。
―ズシャアッ!ズシャアッ!ズシャアッ!―
『ギギャアッ!?』
ダメージこそ少ないものだがビートルフォンの素早い突撃にアビスハンマーは翻弄されて上手く身動きが取れず、次第に耐え切れなくなってアビスの下まで後退させられていった。そして零はビートルフォンを戻すとアルトに目を向ける。
零「漸く来たな」
アルト「…あぁ」
アルトは零とティアナに向けて力強い表情で頷く。その表情は何処か吹っ切れたように見え、零とティアナはアルトのその様子から何かを悟り小さく微笑んだ。だがそんな零達にアビスがアビスラッシャー達を引き連れて少しずつ歩み寄ってくる。
アビス『最も力の強い者が判決を下す。それがお前達の定めたことだろう?ならば私が、お前達に死刑を申し渡す!』
零達に向けて死刑宣告を下しながら近づいてくるアビス。それを聞いたアルトは力強い眼差しを向けて反論するように語り出す。
アルト「…俺は、一人で戦ってる訳じゃない!」
アビス『馬鹿め。人間など所詮、自分一人の為に戦うのだ!それがお前達の本当の姿だろう!』
アビスはアルトの言葉を否定するように鼻で笑うが、零とティアナもアルトに続いてそれに反論する。
零「確かに…俺達は時に、自分一人の為に戦うこともある。この手で。……だが、この手で相手の手を握ることも出来る!」
ティアナ「その時私達は、どんなに愚かで…弱くても…一人じゃない!信じられる仲間が入れば、くじけずに何度も立ち上がることが出来る!」
アルト「そうだ。今は、俺達がチームだ!」
三人はそう言ってアビスと向き合い零とアルトはディケイドライバーとカードケースを取り出した。零は腰にディケイドライバーを装着してディケイドのカードをライドブッカーから取り出し、アルトは腰にVバックルを、そしてティアナは左腕のKウォッチを操作し画面のエンブレムをタッチしてヒートフォンとヒートギアを呼び出した。
『変身ッ!』
『KAMENRIDE:DECADE!』
『RIDER SOL HEAT!』
『Standing by…Complete!』
電子音声と共に零はディケイドに、アルトは龍騎に変身し、ティアナはヒートに変身した。そして変身を終えた三人はアビスラッシャー達に向かって走り出し、戦闘を開始した。
アビス『貴様…一体何者だ?!』
ディケイド『通りすがりの仮面ライダーだ…憶えておけ』
ディケイドがアビスに指を向けてそう答えた次の瞬間、ライドブッカーから三枚のカードが飛び出した。それらは龍騎のカードを含む三枚のカードであり、ディケイドがカードを手に取ると三枚のカードに絵柄が戻っていった。
ディケイド『…これからが本当の戦いだ。アルト』
龍騎『…あぁ!』
『SWORD VENT!』
龍騎はディケイドの言葉に頷くとカードケースから取り出したカードをドラグバイザーにセットしてドラグセイバーを取り出し、三人は再びアビスラッシャーとの戦闘を再開する。
アビス『無駄な足掻きを…ならば貴様等を絶望の底へと叩き落としてやろう!』
『FINAL VENT!』
アビスはケースから取り出したカードをアビスバイザーにセットすると、三人と戦っていたアビスラッシャー達が突然川に飛び込んで一体の鮫型の合体モンスターとなり、ディケイド達に向かって体当たりを仕掛けて来た。
『ギシャアァァァァァァァァァアッ!!!』
―ドゴオォォォォォォォォォオンッ!!―
龍騎『グアァッ!?』
ヒート『キャアァッ!?』
ディケイド『チィッ!』
三人は合体モンスターの体当たりを受けて吹っ飛ばされてしまい、龍騎とヒートと共に何とか態勢を立て直したディケイドがライドブッカーから一枚のカードを取り出した。
ディケイド『ちょっとくすぐったいぞ』
龍騎『え?』
『FINALFORMRIDE:RYU・RYU・RYU・RYUKI!』
ディケイドがディケイドライバーにカードをセットすると電子音声が響き、それと同時に龍騎の両肩にドラグシールドが現れ、龍騎に装着されていった。
龍騎『?!お、おい!何だよこれ?!』
アビス『?…何をする気か知らんが、これで…死ねぇっ!!』
突然のことに戸惑う龍騎を他所にアビスはディケイド達に向けてアビスバイザーから水弾を撃ち出した。だがディケイドが龍騎を強く押しつつ水弾を回避すると、龍騎はそのまま宙に浮きながら身体を変化させていく。
龍騎『こ、これは…?!』
龍騎が自分に起きた異変に驚く中、龍騎の姿が徐々に変化していく。その姿は、龍騎の契約モンスターであるドラグレッダーに酷似した赤き紅蓮の龍……龍騎は『リュウキドラグレッダー』へと超絶変形し、合体モンスターに向かって反撃を開始した。
ヒート『す、凄い……!』
ディケイド『ぼーっとするなティアナ!俺達も行くぞ!』
ヒート『ッ!はい!』
リュウキドラグレッダーを見て呆然とするヒートに呼び掛けてディケイドはアビスへ突っ込み、ヒートも気を取り直してアビスに攻撃を仕掛ける。
龍騎(D)『デリャアァァァァァァァァアッ!!!』
―ズバアァァァァァァァァァアンッ!!―
『ギシャアァァァァァァァァァァァァアッ!!?』
ディケイド達の上空で合体モンスターと戦っていたリュウキドラグレッダーは尻尾であるドラグセイバーで合体モンスターを真っ二つに斬り裂き、合体モンスターは真っ二つされながら悲痛な悲鳴を上げて爆発していく。そしてリュウキドラグレッダーはそのままディケイド達の下に駆け付けて龍騎に戻り、ディケイド達と共にアビスに攻撃を仕掛けた。
アビス『グッ?!ば、馬鹿な?!こんな…?!』
ヒート『セエアァッ!』
龍騎『フッ!オリャアッ!』
三対一による戦況でアビスは反撃する余裕もなく徐々に追い詰められていき、ディケイドはアビスから距離を離しライドブッカーからまた一枚カードを取り出していく。
ディケイド『ティアナ、アルト!決めるぞ!』
ヒート『了解です!』
龍騎『分かった!』
ディケイドは二人に呼び掛けながらディケイドライバーにカードを装填してスライドさせ、ヒートも右腰から懐中電灯型アタッチメント『ヒートポインター』を取り出し、バックル部分にあるミッションメモリーをヒートポインターに装填して右足に装着するとバックル部分にあるヒートフォンを開き、エンターキーを押した。
『FINALATTACKRIDE:RYU・RYU・RYU・RYUKI!』
『EXCEED CHARGE!』
龍騎『フッ……!ハアァッ!』
アビス『ウグアァッ!?』
二つの電子音声が鳴り響くと龍騎は再びリュウキドラグレッダーとなって尻尾のドラグセイバーでアビスを吹き飛ばし、其処へヒートは吹き飛んだアビスに向けて右足を突き出すとヒートポインターから赤い円錐状の光が飛び出し、アビスの動きを封じた。
アビス『ッ?!こ、これはっ!?』
ヒート『零さん!アルトさん!今です!!』
ディケイド『あぁ!アルト、行くぞッ!!』
龍騎(D)『おう!!』
ディケイドは上空へと高くジャンプし、リュウキドラグレッダーもディケイドを追い掛けるように上空へと飛翔する。リュウキドラグレッダーが上空を舞うように飛ぶ中、ディケイドは上空で態勢を変えてアビスに向かってキック態勢を取り、リュウキドラグレッダーはディケイドの後ろから火炎放射を放ってディケイドのキックを更に勢い付ける。そして、ヒートも上空へと飛ぶと空中回転してキック態勢に入りアビスに向かって飛び蹴りを放った。
ディケイド『デアァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』
ヒート『ヤアァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』
アビス『ウ、ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォオーーーーッ!!!?』
―ドッゴオォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―
ディケイドと龍騎の必殺技、DCDD(ディケイドドラグーン)とヒートの必殺技、ヴァリアブルスマッシュがアビスに炸裂し、アビスは悲鳴を上げる間もなく吹っ飛ばされていった。そしてディケイドとヒートが地面に着地するとリュウキドラグレッダーも龍騎に戻って二人の下に着地し三人は変身を解除した。だが…
鎌田「──────」
ティアナ「…ッ?!」
アルト「なっ……」
零「…なんだ…あれは…」
三人は目の前に立つ人物…三人の必殺技を受けて吹き飛んだ筈の鎌田を見て驚愕した。
あれだけの攻撃を受けても尚立っているということに驚きだが、三人が一番驚いているのは其処ではない。
三人が一番驚いているのは、鎌田の身体から流れる人間の赤い血ではない薄気味悪い黄緑色の液体。そして、鎌田の腰に巻かれたライダーのベルトではない不気味なベルトだったのだ。
零達がそれを見て呆然としていると、鎌田の下に幾度となく零達を邪魔してきた謎の男が現れた。
零「ッ?!お前は…?」
「…彼の名は、ハートのカテゴリーK。またの名を、パラドキサアンデッド!」
ティアナ「アン…デッド…?」
謎の男が告げる『アンデッド』という名に零達は疑問そうに首を傾げ、男はそんな零達を気に止めず言葉を続ける。
「この世界での実験は終わりだ。そろそろ次の世界へ行くとしよう。ディケイド…この世界も、お前の手によって破壊されてしまった……フフフ…ハハハハハハハハハハッ!!!」
零「破壊された…?どういう意味だっ?!待てッ!」
零は男を引き止めようとするが、零達と男の間に突然歪みが発生し歪みが晴れると其処には男と鎌田の姿が消え去っていた。
零「クッ!この世界が破壊された…?どういう意味だ…?それに、あの男の声…まさか…」
ティアナ「…零さん」
険しい表情をして先程の男の言葉を考える零にティアナはどう言葉を掛ければいいのか分からず顔を俯かせ、事情を知らないアルトはそんな二人に何もしてやれずただ呆然と立ち尽くしていた。