仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
それから数十分後。社内のロビーでは一人の青年……ブレイドの装着者である刹那・F・セイエイが携帯電話を片手にロビー内を歩いていた。
『俺達の方は報告は終えてこれから社員食堂に行こうと思ってるんだが、お前もどうだ?』
刹那「いや、俺はさっきの出撃の時に中断した訓練に戻る。食事ならお前達だけで行ってこい」
『オイオイ…お前最近そればっかだろう?無理に止めろとは言わないが、休める時にはちゃんと休んどけよ?』
刹那「…善処する」
刹那はそう言って携帯の通話を切り、手に持つ数十万の札束が入った給料袋に視線を下ろすとそれを乱暴にポケットの中に捩込みその場から歩き出した。そしてその様子をロビーのベンチから見ていた人物達…零達を追い掛けてきた優矢達の姿があった。
フェイト「…あの人が仮面ライダーブレイド、刹那・F・セイエイ?」
ティアナ「みたいですね…現代に蘇った不死身の生命体、アンデッドを封印する会社、BOARD。そのBOARDのエース社員みたいです」
優矢「ってことは、仕事でライダーをやってる訳か…にしても、なんか見た感じ気難しそうな人に見えるな…」
なのは「うん…あの雰囲気、何だか自分から人を遠ざけてるって感じがする…」
人を寄り付かせない独特な雰囲気を放って歩く刹那を見て苦笑する優矢とそんな刹那を何処か気になる様子で見つめるなのは。そこへ……
零「まぁ、あれがエースとしての威厳とかじゃないのか。そういうのも上の人間には必要なものだろうし」
社員食堂にいた零達がベンチに座る優矢達に近づき、ロビーを歩く刹那に視線を向けながら溜め息混じりに呟く零。(因みにギンガは食堂の手伝いがあるとの事で此処にはいない)
フェイト「あっ、零!皆!一体何処に行ってたの!?」
零「落ち着けって、単にこの世界での職場に行ってただけだ。にしても、まさかライダーが職業の一つとして扱われているとはな」
祐輔「まぁ、それがこのブレイドの世界だからね……そこに関しては原作と同じみたいだ」
ウェンディ(別)「そう…名付けるなら、仮面ライダーサラリーマン!って感じッスね♪」
優矢「いやいや、そんなの名付けなくていいから…」
原作を真似たウェンディ(別)のボケに対し思わずツッコミを入れる優矢。そんな時…
―アンデッド出現、社員一丸となってアンデッドを封印しましょう。アンデッド出現……―
『ッ?!』
突然社内全域に社内放送が流れ始め、それを聞いた社員達は一斉に自分の持ち場に向かって走り出し、刹那もそれを聞き急いで会社の外へと出ていった。
ヴィータ「アンデッド……確かこの世界に出る怪物だったか」
フェイト「これって、零も行った方がいいんじゃないかな?」
なのは「そうだね……ほら、零君!早くアンデッドを退治しに行かないと!」
零「ハァ……別に俺じゃなくてもエース様達が勝手にやるだろう?俺はそこら辺で写真でも撮って―――」
なの・フェ『いいから早く行きなさいッ!!!!』
零「………了解…」
祐輔(零さん…なんだかフェイトが加わってから更に立場が弱くなってるような…)
祐輔はなのはとフェイトに怒鳴られる零を気の毒そうに見つめ、余り締まらない感じになりながらも零達はアンデッド討伐の為に刹那の後を追い掛けたのであった。
◆◇◆
その頃、アンデッドが出現したという廃墟。そこでは既にエースチームの一員であるダイヤのK、ロックオン・ストラトスが廃棄工事内でアンデッドとの戦闘を行い、その廃棄工事の外では同じくエースチームの一員、クラブのK、アレルヤ・ハプティズムがパソコンを操作してアンデッドについての情報を調べていた。
それから暫くすると、その場にバイクに乗った刹那が一足遅れて駆け付け、手短な場所にバイクを停めるとアレルヤの下に駆け寄る。
刹那「アレルヤ!アンデッドは?!」
アレルヤ「この工場の中にいる!数は二、既にロックオンが戦闘を開始してる筈だ!」
アレルヤから今の現状を聞くと、刹那は自分のポケットから四角形の形をしたバックルと一枚のカードを取り出し、カードをそのバックルへとセットした。
ロックオン『刹那、承認が下りた!片方は俺が追い出す。お前はその後に奴を迎え撃て!』
刹那「了解!」
耳元に装着している通信機から聞こえてきたロックオンからの通信にそう答え、刹那はカードをセットしたバックルを自分の腰に当てていく。するとバックルの端からカードが現れ、刹那の腰に巻き付きながら装着されてベルトのようなものとなっていった。そして……
刹那「変身ッ!」
『TURN UP!』
掛け声を上げると共にバックル横にあるレバーを引くと電子音声が響き、それと同時に刹那の目の前に巨大なカードのようなオーラ…カブトムシの紋章が入ったオリハルコンエレメントが現れ、それを潜り抜けると刹那は青い仮面ライダー…『ブレイド』に変身しすぐにその場から走り出していった。
ロックオン「刹那は変身したか…なら、こっちも早く始めねぇとな!」
工場内で戦っていたロックオンは二体のアンデッドの攻撃をかわしながら刹那のものと同じバックルを取り出し、それに一枚のカードをセットし腰に装着する。そして……
ロックオン「変身ッ!」
『TURN UP!』
電子音声が響くと、ロックオンの目の前にクワガタムシの紋章が入ったオリハルコンエレメントが出現し、それを潜り抜けるとロックオンの姿は赤いライダー…『ギャレン』へと変身しアンデッド達との戦闘を開始していった。
―ドゴオォッ!バギィッ!ドオォンッ!!―
『グガァッ?!』
ギャレン『フッ!ハァッ!刹那、行くぞ!』
ギャレンはアンデッド達を蹴り飛ばし、手に持つ銃…ギャレンラウザーから一枚のラウズカードを取り出しそれをギャレンラウザーにラウズした。
『BULLET!』
ギャレン『ロックオン・ストラトス―――』
電子音声が響くとギャレンはギャレンラウザーの銃口を一体のアンデッドに合わせ、引き金に手を掛ける。
ギャレン『目標を狙い撃つッ!!』
―ズドオォォォォォオンッ!!―
『グガアァッ!?』
ギャレンラウザーから放たれた強烈な銃弾が一体のアンデッドへと直撃し、アンデッドはそれに耐え切れず工場の外まで盛大に吹っ飛ばされていった。そしてアンデッドは態勢を立て直そうとふらつきながら立ち上がっていくが、その時……
『刹那・F・セイエイ――――』
『ッ?!』
不意に頭上から声が聞こえアンデッドは慌てて空を見上げると、そこには工場の屋根から飛び降りその手に持つ剣……ブレイラウザーを振り上げて降下してくるブレイドの姿があった。
ブレイド『目標を駆逐するッ!!』
―ズバアァッ!ズバアァッ!ズバアァァァアッ!!―
『グギャアァァァァァァアッ!?』
ブレイドの振り下ろした剣を受けてアンデッドは吹っ飛ばされ、ブレイドは更に追撃を仕掛けてアンデッドを追い詰めていく。そしてある程度ダメージを与えたブレイドはアンデッドにとどめを刺す為、ブレイラウザーからラウズカードを取り出そうとする。だが……
「ウワアァァァァァァァァァァアーーーーッ!!」
ブレイド『ッ?!今の声……アレルヤか!?』
突如聞こえてきたアレルヤの悲鳴を聞き、ブレイドは目の前のアンデッドを放って走り出した。そしてアレルヤの下に駆け付けると、其処にはアレルヤが三体のアンデッドに襲われそうになっている光景があった。
ブレイド『チィ……!ハアァッ!!』
―ズバアァッ!ズバアァッ!ズバアァッ!―
『ウグオォッ?!』
アレルヤ「?!刹那!?」
ブレイドはアンデッド達をアレルヤから離れさせる様にブレイラウザーでアンデッド達を斬り裂いていき、更にその場へと廃工場内で戦っていたギャレンがアンデッドと共に外へと飛び出してきた。しかし其処へ、先程ブレイドと戦っていたアンデッドが態勢を立て直してギャレンへと飛び掛かり襲い掛かってきた。
ギャレン『ウグッ!?クッ!なんでコイツが!?クソッ!刹那はどうした!?』
再び二体のアンデッド達と戦う事になったギャレンは思わず舌打ちしながら応戦し、ブレイドもアレルヤを守りながら三体のアンデッドと戦っていくが、現状は二対五。流石の二人も徐々に苦戦し始めていた。
スバル「ハァ…ハァ…あ、もう戦闘が始まってる!」
祐輔「やっぱり追い掛けてきて正解だったね。かなり追い込まれてるみたいだ…」
ブレイド達が苦戦する中、零達が漸く現場に到着し、アンデッド達と戦うブレイド達の姿を見て零は懐からディケイドライバーを取り出し、スバルと祐輔はポケットからKウォッチと一つの腕時計を取り出した。
零「まあ取り敢えず、俺達も行った方がいいのは確かだな………スバル、祐輔、行くぞ」
スバル「はい!」
祐輔「まさか、本当にアンデッドと戦うことになるなんてね…まあ、余り自信はないけどやってみるよ」
零はディケイドライバーを腰に装着し、スバルと祐輔は左腕にKウォッチと腕時計を装着するとスバルはKウォッチを操作して画面のエンブレムをタッチした。
『RIDER SOUL UTURIKI!』
Kウォッチから電子音声が響くとスバルの腰にベルト……ではなく、スバルの手に鬼の顔が刻まれた音叉のような物が現れた。
スバル「あ、あれ?これ…ベルトじゃない…?」
ウェンディ(別)「?もしかしてそれ…変身音叉じゃないッスか?響鬼に出てくる変身ツールの」
零「響鬼の?…ならスバルの変身するライダーは響鬼タイプって事か…スバル、行けるか?」
スバル「あ、はい!大丈夫です!いつでも行けます」
零「そうか…なら行くぞ!」
祐輔「はい!」
零はそう言ってライドブッカーからディケイドのカードを取り出し、祐輔は腕時計のダイヤルを百八十度回し、スバルは音叉……変身音叉の先端部分を指で弾いて音を鳴らすと自身の額に翳す。するとスバルの額に鬼の顔のような紋章が浮かび上がり、それと共にスバルの身体が蒼炎に包まれていった。
『変身ッ!』
『KAMENRIDE:DECADE!』
『GATE UP!CANCELER!』
『ハアァァァ……破ぁ!』
二つの電子音声が鳴り響くと零はディケイドに、祐輔は赤いマフラーに腰に刀、赤い瞳に和服のような白い羽織に黒い鎧、全体的に青いボディをした仮面ライダー『キャンセラー』に変身し、スバルは自身の身を包んでいた蒼炎を払うと、その姿は響鬼に酷似した薄青い鬼の姿をしたライダー……響鬼タイプのライダーである『移鬼』へと変身していった。
そして変身を終えたディケイド、キャンセラー、移鬼はブレイド達と戦うアンデッド達に向かって走り出していった。
ディケイド『フッ!ハアァッ!』
キャンセラー『セアァッ!ハッ!』
移鬼『ハアッ!ヤアァッ!』
三人は自身の戦うアンデッドと接触するとアンデッドを掴んで別々の方向に散り、それぞれ戦闘を開始していった。
ギャレン『ッ!?アイツ等は…?』
ブレイド『…何だ?』
ブレイド達は突然乱入してきたディケイド達を見て呆然とし、ディケイドはアンデッドを壁際まで吹き飛ばすとライドブッカーから一枚のカードを取り出した。
ディケイド『新しい調理法だ。変身ッ!』
『KAMENRIDE:RYUKI!』
電子音声が響くと、ディケイドに複数のシルエットが集まって一つに重なり、ディケイドの姿が前の世界でアルトが変身したのと同じ龍騎へと変わっていった。
ギャレン『変わった?!』
ウェンディ(別)「オォッ!ディケイドはああやって別のライダーに変身するんスね♪」
姿を変えたディケイドを見てギャレンは驚き、物陰に隠れていたウェンディ(別)は持参したカメラでD龍騎を撮っていく。そしてD龍騎はアンデッドを殴り付けてダメージを与えていくとライドブッカーからまた一枚のカードを取り出した。
D龍騎『さぁお客様?焼き加減はレア、ミディアム、ウエルダン……どれがよろしいでしょうか?』
『ATTACKRIDE:STRIKEVENT!』
電子音声が響くとD龍騎の頭上から龍の頭を摸した手甲…ドラグクローが現れD龍騎の右手に装着される。それを見たアンデッドは危機感を感じてD龍騎に向かって突撃し、D龍騎はアンデッドに狙いを定めながらドラグクローの口に炎を集束させていく。
D龍騎『リクエストがないなら……丸焼きで行かせてもらうぞッ!!』
D龍騎はドラグクローの口に集束させた炎をアンデッドに向けて撃ち放ち、アンデッドは断末魔を上げながら爆発を起こして散っていった。
移鬼『セイッ!デリヤァッ!』
『ウガアァァァッ!?』
一方移鬼は太鼓の撥のような形をした武器、音撃棒・真炎をアンデッドに打ち付けて攻撃していく。そして移鬼は真炎を二本とも右手に持ち、左手でバックル部分にある太鼓のようなものを取り出し、それをアンデッドに押し付けた。すると太鼓はみるみる内に巨大化してアンデッドの動きを封じ、移鬼は真炎を持ち直して大きく身構える。
移鬼『行くよッ!音撃打・業火一点の型!ハアァァァァァァ…ハアッ!!』
―ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドドンッ!ドドンッ!ドドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!―
移鬼は太鼓に向かって真炎で音撃を打ち込んでいき、身体全体を使って少しずつ真炎を打ち込む力とスピードを上げていく。アンデッドは音撃を受ける度に苦しげな声を上げ身体にヒビが入り始めていた。そして…
移鬼『ハアァァァァァァァ……破ぁッ!!!』
―ドオォンッ!!―
『グ、グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオッーーーーッ!!!』
移鬼の打ち込んだ最後の一打を受けアンデッドは断末魔と共に粉々に砕け散っていったのだった。
ウェンディ(別)「スバルも中々やるっスね~♪祐輔~!祐輔も二人に負けず頑張るッス~!」
キャンセラー『簡単に言ってくれるよ…!フッ!』
キャンセラーは自身の刀で素早くアンデッドを斬り付けていき、アンデッドはキャンセラーの剣撃を見切ることが出来ず壁際まで吹き飛んでいく。
キャンセラー『そろそろ終わらせてもらうよ?タイムクラッシュッ!』
『TIME CRASH!』
電子音声が響くとキャンセラーの刀にエネルギーが集束されていき、キャンセラーは地を蹴って一気にアンデッドとの距離を縮め刀を振りかざした。
キャンセラー『セヤアァァァァァァァァァアッ!!!』
―ズバアァァァァァァァァァァァァアッ!!!―
『アガッ?!グアァァァァァァァァァァァァアーーーーッ!!?』
キャンセラーはアンデッドとすれ違う際にアンデッドを横一閃に斬り裂き、刀を腰に収めた瞬間アンデッドの身体は真っ二つとなって爆散していった。そして、残った二体のアンデッドはこのままでは不利になると感じどさくさに紛れて逃げて行った。
ブレイド『アイツ等は…一体?』
ギャレン『アンデッドを…封印しないで倒しただと?…お前等、一体何者だ?』
ブレイドとギャレンは変身を解除して刹那とロックオンに戻り、訝しげな表情をしながらD龍騎達に近づいていく。そしてD龍騎達も変身を解除して零達に戻り、その問いに答えた。
零「気にするな。たまたま通り掛かった、通りすがりのコックだ」
祐輔「いや意味分からないから、というかそれ何の答えにもなってないからっ」
ロックオン「…その社員証…まさか、派遣のライダーか?お前等のランクは?」
ロックオンは零達が首に下ろしている社員証に気づいて派遣社員か何かだと思いそう問い掛ける。すると、それを待ってましたと言わんばかりにウェンディ(別)が物陰から飛び出し、零達の下に駆け寄って代わりに答える。
ウェンディ(別)「もちろんAに決まってるッス!いや…更にその上の…スーパーロイヤルAッスよ!」
『………は?』
自信満々に胸を張って答えるウェンディ(別)に対し、ロックオンや零達は唖然とした顔を浮かべ、祐輔に至っては頭を抱えて溜め息を吐いていた。
刹那「…いや、そいつ等のランクはダイヤとクローバーのQとJ、その男は最低ランクの2だ」
刹那が零達の社員証を一通り見回しそれをロックオンに報告する。それを聞いたウェンディ(別)はバレたか~と苦笑いを浮かべ、零は疲れたように深い溜め息を吐きながらその場から歩き出した。
ロックオン「ちょっと待て…今のは中々良い仕事ぶりだった。俺達から社長に言ってランクを上げてもらうように進言してやる」
零「…生憎だが、俺はサラリーマンになんて興味はない」
零は軽く手を振りながらそう言って廃棄工場を後にし、祐輔達も零の後を追ってその場から去っていったのであった。