仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
先程の戦闘から数十分後。BOARDの社長室では優矢達が社長のリボンズ・アルマークと対談していた。リボンズは優矢達から話を聞きながらデスクのパソコンを操作し一呼吸した後に口を開いた。
リボンズ「…つまり、世界の崩壊を防ぐ為に我々の力を貸して欲しい…ということかな?」
なのは「はい。今この世界にも、危機が迫ってるハズなんです」
優矢「だから、貴方達の力を俺達に貸して欲しいんです!」
なのはと優矢はリボンズに向けて頼むように頭を下げ、フェイトとティアナも二人と同じように頭を下げて頼み込む。それを見たリボンズは…
リボンズ「成る程…君達の事情は分かった。それで、君達の予算は?」
フェイト「へ?予算って…」
ティアナ「まさか、お金を取るんですか…?」
突然お金の話を切り出されて優矢達は戸惑ってしまうが、リボンズは構わず話を続ける。
リボンズ「君達は知らないのかい?我社は国家の安全を守る為に、国から予算を受けてアンデッドと戦っているんだ。我社の協力が欲しいのなら、それぐらいのことはしてもらわないと」
優矢「そ、それは…ライダーも同じなんですか?」
リボンズ「フッ、当然じゃないか。ライダーは我社の社員であり、ライダーシステムは我社の所有物だ。それを使いたいのなら、それなりの金額を用意してもらわないとね」
力を貸す代わりに大金を用意しろ。当然のように告げるリボンズの言葉に優矢達は唖然とし、ティアナに至ってはリボンズの物言いが気に入らず、不機嫌そうにソファーに座り込む。
ティアナ「なによ…世界が危険な状態なのにお金お金って…」
優矢「成る程ねぇ…」
ティアナ「って、なに普通に納得してるんですか!?」
優矢「いや、だって実際にないじゃんお金」
フェイト「そうだけど…でもだからって、このまま帰る訳にも行かないよ」
なのは「うん…どうしようか…」
実際今のなのは達にはそんな大金など所持してない。かと言って何の成果も無しにこのまま帰るのもどうかと思う。ならばどうしたものかとなのは達が頭を悩ませていると……
『失礼します』
社長室に刹那、ロックオン、アレルヤが訪れて社長室に入り、その後ろから零、スバル、ヴィータ、祐輔、ウェンディ(別)達が入ってきた。だが、何故かその中で零は一人不機嫌そうな顔をしている。
なのは「あれ?皆、どうして此処に?」
零「知るか…さっき仕事してたらいきなり社長から話があるって呼ばれたんだよ…調理中でいきなりだったからザックリと指切っちまったし」
フェイト「え、えぇッ?!だ、大丈夫だったの?!」
祐輔「ま、まぁ、ただちょこっと指を切ったってだけだからそんな大したことはないよ、うん(言えない…本当にザックリと行って大出血且つ大惨事になり、一時は救急車を呼びそうなったなんて…)」
怪我をした本人である零は大した事じゃないと言ってそれを断ったが、そんなことを話したらフェイトとかが無理矢理零を病院に連れて行こうとするかもしれない。包帯の巻かれた零の指を心配そうに見つめるフェイトを見て祐輔はそう思い、他のメンバーも同じことを考えているのか、二人のやり取りを見て苦笑いを浮かべていた。そんなやり取りが隣で行われている中、刹那達は社長用デスクの前に列び、リボンズは椅子に座りながらパソコンを弄り始める。
リボンズ「さて、君達を呼んだのは他でもない。この度の世界的不況を受け、我社の予算も大幅に削減される事が国から決定された。そんな中、刹那・F・セイエイ。君は先程の戦闘で身勝手な行動を取り、我社に損害をもたらした。よって君はAから7に降格、代わりにアレルヤ・ハプティズム、君をAに昇格。レンゲルの資格を与えよう」
アレルヤ「ッ?!ま、待って下さい社長!刹那はただ、僕を助けようとしただけで…!」
刹那の降格処分を聞いて反論するアレルヤだが、リボンズはそれを全く聞こうとせずパソコンを弄り続け、当の本人である刹那は降格処分を受けたにも関わらず全く気にした様子を見せなかった。
リボンズ「そして新入社員である黒月 零、スバル・ナカジマ、阿南 祐輔、君達の活躍は大変素晴らしいものだったよ。よって、君達三人はKに昇格だ。おめでとう」
祐輔「…どうも」
スバル「ありがとうございます…」
零「む…包帯が外れ掛けてる…巻き方が甘かったか」
Kに昇格出来たにも関わらず、三人はあまり喜んではいなかった。それもそうだろう、三人は最初からこの会社の制度をよく思ってはいないのだから。零に至っては本当にどうでもいいのか、Kへの昇格報告よりも指に巻いてる包帯の方を気にしていた。
リボンズ「さて、話は終わりだ。各自自分の持ち場に戻ってくれ…あぁ、それと刹那・F・セイエイ、君の転属先だが…」
リボンズはそう言いながらデスクから立ち上がり刹那に新しい職場を提示する。その新しい職場とは…
◆◇◆
―社員食堂・厨房内―
刹那「…今日からこの社員食堂で働く事になった刹那・F・セイエイだ。よろしく頼む」
刹那は新しく働く事になる職場…零がチーフを勤める社員食堂に来ていた。今の格好も私服からコック服へと変わっているが、刹那は特に気にした様子も見せずそれを着こなしていた。
零「こちらこそな。だが、本当に良かったのか?Aから降格されたっていうのにそんなすんなりと受け入れて…結局最後まで反論しなかっただろう?」
そう、降格処分を受けたというのに刹那はあれから一度もリボンズに反論も言い訳すらもしなかったのだ。零は正直、刹那はその事に納得出来ず反論し続けるかと思ってたのだが、予想とは違う刹那の反応に内心では驚いていた。
刹那「Aという地位に興味はない。…俺はただ…ブレイドで有れ続ければそれでいいだけだ」
零「…そうかい、なら俺もこれ以上は言わない。早速だが、お前はコイツの皮剥きでもしてくれ」
零はそう言って近くに置いてある野菜が入ったカゴを刹那に押し付けると、刹那はそれを受け取って「了解…」とだけ返し自分の持ち場へと向かっていった。
スバル「…刹那さん…大丈夫かな…」
零「本人がああ言ってるんだ。アイツはアイツで仕事をこなすだろう…それより、もうすぐ昼休みの時間だ。各自自分の持ち場に着いてランチの準備を始めろ!バリバリ働いてバリバリ稼ぐぞ!」
『はい、チーフ!』
厨房内に零の声が響くと、フェルトやミレイナを含むスタッフ達が一斉に自分達の持ち場で作業を始め、零は厨房内を回りながらスタッフ達に一つ一つ指示を送っていく。
ウェンディ(別)「零…何かノリノリっていうか…様になってるッスね…」
ヴィータ「あぁ。アイツ、前に無理矢理六課の厨房を任されたことがあったから一応経験はあんだよ…その時もあんな感じでコック達をこき使ってたからな…」
祐輔「……どういう経緯でそんな事になったのか大体予想出来るよ…」
恐らく、部隊長のはやてを何かしらの理由で怒らせたりしてそうなったのだろう…それが嫉妬などによる理不尽なものなのか零の自業自得なのか分からないが。そんな事を考えながら祐輔達も自分の作業を開始していった。
◆◇◆
それから数分後。社員食堂の客席内は昼食を食べようと集まった社員達で埋め尽くされており、そこではギンガがスバルとヴィータに此処で行う自分達の仕事について詳しい説明をしていた。
ギンガ「じゃあ、今説明した通り、私はそれ以下ランクの客席の方を回るから、スバルとヴィータ副隊長はKQJランクの客席をお願いね?」
スバル「うん、分かった!」
ヴィータ「…つってもなぁ…これだけの席を回るのは少し骨に来そうだぞ…」
ヴィータはそう言ってKQJエリアとそれ以下エリアの客席の方を眺める。どちらのエリアの客席も社員達で満席となっており、特にそれ以下エリアの方は数え切れない社員達で埋め尽くされている。流石にこれはギンガだけではキツイのではないか、と何気なく思うヴィータ。だが…
「お~い!ギンガさ~ん!こっちの注文お願い!」
ギンガ「あ、はい!分かりました~!」
「ギンガさん、こっちの注文もお願いします」
ギンガ「あ、〇〇〇さん。また来て下さって有り難うございます!」
「ギンガ~!こっちこっち!こっちもおねが~い!」
ギンガ「あっ、〇〇〇!また来てくれて有り難う♪」
『……………………』
そんなヴィータの心配とは裏腹に、ギンガはそれ以下エリアの客席をきびきびとした動きで走り回っていた。その表情は何処か生き生きとして楽しそうに見え、辛い、疲れるといった感情を微塵も感じさせていなかった。
ヴィータ「…スゲーなアイツ…よくあんだけの客を一人一人相手に出来んな」
スバル「アハハハ…ま、まあ心配しなくても、ギン姉ならあれぐらい簡単にこなしちゃいますよ。それより、私達も早く行きましょう!」
そんなギンガに感心しながら、二人もKQJエリアの客席を回って自分達の仕事を始めたのであった。