夢で絶望した。
怒りと悲しみで書きなぐった。
反省も後悔もしている。
浜辺にて、1人の男がぼーっと岩に座りながら海を見ていた。
「迎え...まだかな」
言わずもがな、提督さんその人である。
提督さんのお家は遠く住み込みで提督をしており、休暇を貰って久しぶりに家に帰ろうと迎えを待っているのだが...。
ちらりと腕時計を見る。
「30分オーバー...か」
迎えが来ない。
「あー!遅い。お前もそう思うだろ?イ級」
「キュー」コクコク
少し離れた海上から返事が返ってきた。
イ級。地球で一番最初に発見された深海棲艦である。通常は青緑の目をしているのだが、強くなると目の色が変わっていく。
「にしても日本ってネーミングセンスないよな。なんだよイ級って。リ級なんか泣いてたぞ?」
「キュイー!!」
「まぁ、名前が浮かばなくて放置して、日本が名づけた名前をそのまま使ったのも悪いけどよ...」
「キュー!キュー!」
「そう怒んなって...あ、そうだ!」
提督は立ち上がり、近くに止めておいたバイクのサイドバッグから何か円盤状の物を取り出し、自分が濡れるのも気にせずジャバジャバと海に腰辺りまで入り、それを掲げた。
「これ、お前好きだろ?」
提督が手に持っていたのは、フリスビーだった。
「キュ、キュ、キュイーーー!」
イ級は凄いスピードで提督の近くまで寄り、身体を擦り付けた。
「そう急かすなって...」
提督選手、大きく振りかぶって...
「そぉい!」
投げたっ!
「キューーーー!!」
天高く飛び上がったフリスビーを追いかけ
「キュイーーーーーー!!」
まるでイルカの様な滑らかな動きで水面から跳び上がり、見事にフリスビーを口でキャッチ。
バッシャーン
「おー、ナイスキャッチ!さっすがイ級!」パチパチ
提督はイ級のパフォーマンスに感動し、無意識に拍手までしていた。
「キュイッ!」
「うおっ!びっくりした...。急に浮上してくんなって」
「キュキュッ!」
「え?もう一回?しょうがねぇなぁ!」
フリスビーをイ級から受け取りもう一度投げる。すると、すぐさまイ級が取りに行き、また提督が投げる。また取り...投げ...取り...。
「よーし!また投げ...ん?日が落ちて来た?」
振りかぶった状態を解き、ボーっと水平線を眺める。
「キュイ?」
投げるのを唐突にやめた提督を不思議に思い近付いてきたイ級。
「ああ、ごめんな。...なぁ、あいつらってさ。なんで分かってくれないんだろうな。俺は...地球の支配なんて望んでないってのに」
「キュイ!キュイキュイキュイ〜!キュ〜」
「そんな事よりフリスビー投げろ?お前なぁ...ん?」
ふと提督が顔を上げると、遠くに人影のようなものが見える事に気付いた。
「あれは...レ級か?」
「しれい〜か〜〜ん!」
「正解だな」
遠くで両手を広げてブンブンと振るレ級。透き通った声がここまで聴こえてくる。
「じゃ、行くとしますかね」
「もう!司令官ったら!電話に気付かないなんて!」
「すまない。まさか集合場所を間違えていたとは...しかしだな。電話300件はかけすぎじゃないか?」
「それだけ心配だったの!」
「...申し訳ない」
海上に立ち、喋るレ級と提督。
レ級はプンスカと起こっており、提督はただただ謝っていた。
「こんな事で怒ってもしょうがないわ。帰りましょう司令官。みんなが待っているわ!」
「そうだな、では帰ろうか。あ!あいつらの巡回ルートは覚えているか?」
「当たり前じゃない!さぁ!行くわよ!」
「ああ。イ級、行くぞ」
「キュイ!」
そう言って2人と一匹は海へと潜ってゆく。提督は清々しい顔で、レ級は満面の笑みで。そしてイ級は...ごめん、表情読み取れない。
一方その頃鎮守府では
ガチャ
「時雨、提督さんのお部屋で何してるっぽい?」
「提督を待ってるんだ」
「でも、暫く返ってこないって大淀さんが言ってたっぽい...」
「大丈夫だよ。ずっとここに居るわけじゃないから」
「う〜ん、でも早く寝るっぽい!夜更かしはダメっぽい!」
「そうだね。じゃあ、もう少ししたら部屋に戻るよ」
「わかったっぽ〜い!」
バタン
「...行ったね...よし」
時雨は提督のベッドに近づき...匂いを嗅いだ。
「ふがふが...ふっ...ふっ...ひがっ...んっ...れろっ...ん...ちゅ...じゅる...」
そしてあろうことか舐め出してしまった。
(提督...提督が帰ってくる頃にはこのベッドはびちゃびちゃだろうね...。提督...僕は躾のなっていない悪いペットなんだ...だから...帰って来たらいっぱい躾けてね?)
実装されている中で嫁を選べというならあきつ丸かガングートですね。軍人感しゅき。