鉄道俊作集 新庄雄太郎短編企画集   作:新庄雄太郎

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女子旅には、飛行機もいいけど鉄道でもいいものです。

懐かしい国鉄特急が登場します、寝台特急「富士」やL特急「やくも」と特急「おき」が登場します。

今回は、桜紅月音さんの妹たちと幼馴染とのコラボ企画です


特捜班とリサと消えたガールズバンド

この日、鉄道公安隊公安特捜班の公安主任・南 達仁は同僚の高山直人と一緒に東京駅構内をまわることにした。

 

「南主任、あの高校生新幹線ホームにいると思うけど、集団家出ですかね。」

 

「じゃあ、声を掛けてみようか。」

 

南と高山は、ホームにいる高校生を話しかけた。

 

「すいません、鉄道公安隊です。」

 

「失礼ですが、どちらまで行かれますか。」

 

「旅行にね、友人と一緒にね。」

 

と、リサは言った。

 

「あのー、何か事件でもあったんですか。」

 

友希那は言う。

 

「ええ、今特別警戒をしていまして。」

 

「そうなんですか。」

 

「じゃあ、気を付けて。」

 

「はい。」

 

そこへ、星人とあこと燐子と紗夜がやって来た。

 

「ごめん、遅くなって。」

 

「こっちも早く来たのよ。」

 

星人とリサ達は、東京発18時05分発の寝台特急「富士」に乗った。

 

「私たちはB寝台ね。」

 

「結構、寝ごちがいいのね。」

 

リサ達の食堂車で夕食をすることにした、食堂車は寝台特急の魅力の一つである。

 

「私はハンバーグ。」

 

「私はうなぎご飯。」

 

「私は関門定食。」

 

「じゃあ俺は焼肉定食。」

 

寝台特急「富士」は夜の東海道を走り抜けてゆく。

 

「じゃあ、私は寝るわね。」

 

2段式B寝台は、いつ寝てもいつ起きても自由、窓際の梯子をセットにし上のベットへ。

 

「じゃあ、お休み。」

 

「お休み。」

 

星人とリサ達は眠ることにしました。

 

そして、事件が起きるとはリサと星人達は予想はしなかった。

 

山陰本線の特急「おき3号」は、米子から、小郡まで走る。

 

 特急と言っても、わずか4両編成の気動車で、グリーン車は連結されていない。

 

東海道本線などを走る特急列車とは、感じが違うのである。

 

「真夏の山陰路」の写真を撮っている写真家の岩下信二は、鳥取、松江と、回ってきて、8月14日に、松江から

特急「おき3号」に乗った。

 

特急「おき3号」は山陰本線と山口線を結ぶ特急列車である、松江を9時54分で、出雲市には10時23分に到着する。

 

「あれっ、誰か入ってるの。」

 

1人の客が車掌を呼びに行って来た。

 

「どうかしました。」

 

トイレのドアを開けていると、1人の男が死んでいた。

 

「あっ、どうかしましたか。」

 

10時23分、松江駅に到着した特急「おき」は慌ただしい様子だった。

 

まもなく、島根県警の捜査一課と刑事と島根鉄道公安隊も到着した。

 

「被害者はカメラマンの岩下信二です。」

 

「おお、被害者は人気のカメラマンか。」

 

「ええ、今大人気だそうです。」

 

「なるほど。」

 

そこへ、公安特捜班に島根県警の協力要請が入った。

 

「岩下信二、分りましたこちらで調べて見ます。」

 

「班長、どうかしたんですか。」

 

「今島根県警から特急「おき3号」の車内で刺殺死体があったと協力要請が入った。」

 

「わかりました、そちらで調べて見ます。」

 

早速、高山は桜井と南主任と捜査をすることにしました。

 

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「え、岩下さんが島根で。」

 

「ええ、おきの車内でナイフで刺されて殺されたそうです。」

 

「岩下さんに恨まれることはありませんでしたか。」

 

「そうですね、確か前に勤務していた人とトラブルに会ってたんじゃないかな。」

 

「えっ。」

 

「3か月前ですかね、その人は岩下ともみ合っていたのを覚えているんです。」

 

「相手は誰かわかりますか。」

 

「そこまでは。」

 

次の日、南と高山と桜井は東海道・山陽新幹線「ひかり1号」に乗って松江に向かった。

 

「犯人はどうやって殺害したのですかね。」

 

「恐らく、車内のトイレで殺害されたと考えるんじゃないかな。」

 

「ああ、凶器はバタフライナイフとみて間違いないな。」

 

「うん、かんがえられるな。」

 

11時06分、ひかり1号は岡山に到着した。

 

「次の伯備線L特急「やくも5号」は11時10分か。」

 

「それに乗れば、松江に行けれますね。」

 

「やくもの終点は出雲市のはずだからな。」

 

南と高山は、岡山発出雲市行のL特急「やくも5号」が到着した。

 

「うわー、381系だ。」

 

「もう、高山ったら。」

 

「桜井知らないのか、以前は気動車特急だったやくもはディーゼルカーで運転されていたんだよ。」

 

「本当か。」

 

「ああ、昭和57年のダイヤ改正でやくもは381系に変わったんだよ。」

 

「高山は本当に鉄道オタクだよね。」

 

「まぁまぁ桜井、とにかく乗るぞ。」

 

南と高山と桜井が乗ったL特急「やくも5号」は岡山を11時10分に発車し、倉敷、総社、新見、米子、松江を停車し、終着出雲市には14時21分に到着する。

 

12時10分、松江に到着した。

 

「どうも、島根県警の山岡と言います。」

 

「鉄道公安隊の南です。」

 

「高山です。」

 

「同じく桜井です。」

 

島根県警・捜査一課の山岡警部は、捜査本部が設置している松江警察署へ。

 

「ご苦労様です、私は島根県警の佐伯と言います。」

 

「松江署の中林です。」

 

「早速ですが、状況は。」

 

「被害者には、刺殺による出血多量によるものです。」

 

「なるほど、犯行場所は。」

 

「自由席のトイレで殺害されたと考えられます。」

 

「駅内で不審者は見ませんでしたか。」

 

「確か、男が慌てていくのを見たと言ってました。」

 

「なるほど。」

 

そして、一歩の電話が入った。

 

「はい、彼はいます。」

 

「どうしたんですか。」

 

「今下関公安から乗客が消えたと連絡があったそうです。」

 

早速、南は松江公安で行方不明の書類を見た。

 

「えーと、行方不明は白金燐子か。」

 

「昨日、寝台特急「富士」で行方不明になったと下関公安から報告があったそうです。」

 

「えーと、彼女達が乗った寝台特急「富士」は宮崎に着くのは14時頃だから、下関に着くのは8時59分か。」

 

「ええ、そこから消えたと考えられますね。」

 

「問題は、乗客はどこから消えたかだ。」

 

「主任。」

 

と、桜井は言った。

 

「1つだけ方法があります。」

 

「名古屋と大阪を過ぎると「富士」は停車するんです。」

 

「あっ、なるほど。」

 

「広島駅で4分間だけ。」

 

「なるほど、犯人はそれを利用したのか。」

 

そして、南と高山と桜井は小倉へ向かった。そこで犯人と挟み撃ちするのです。

 

そこへ、小倉から新幹線「ひかり」が到着した。

 

「すいません、その女性は誰ですか。」

 

「えっ。」

 

「待てぇ。」

 

桜井は、男に殴り蹴り飛ばしたのだ。

 

「女の敵めっ、観念しなさい。」

 

「くそー。」

 

特急「おき」の殺人の犯人は山崎だった。

 

「なぜわかった、私の計画が。」

 

そこへ、星人とリサと友希那達がやってきた。

 

「燐子。」

 

「あっ、星人君にリサ。」

 

「大丈夫か、燐子。」

 

「ええ、私は特急おきの殺人犯を目撃した時に男に連れ去られたのよ。」

 

「よかった、無事で。」

 

「うん。」

 

こうして、燐子は無事に保護され、事件は解決した。

 

 

 

 




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劇中の寝台特急「富士」と特急「おき」とL特急「やくも」は昭和60年のダイヤを使用しています


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