とある碧空の暴風族   作:七の名

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Trick23_よく似合っています

 

 

 

泡浮が出したアイディアは『水着のモデルを手伝ってほしい』ということだ。

湾内と泡浮が所属する水泳部、その水泳部がお世話になっているメーカーから

水着モデルを頼まれたのだ。

 

頼まれたのは水泳部だが、先輩方や他の部員は忙しくて湾内達2人が対応することになってしまった。

2人だけでは心ともないので、それに協力して欲しいとプール掃除のときに

御坂と白井、信乃にお願いしてみた。

 

女性水着だけでなく、男性用のモデルもいたら助かるとメーカーから要望があったことを

信乃に伝えて誘ってみた。

(実際は女子校の常盤台に男性モデルをメーカーがお願いするはずがなく、メーカーの人が偶然呟いた「男性モデルが欲しい」という言葉を正当化したのだった)

 

 

 

そして3日後 水着メーカーの本社前

 

「結局、信乃にーちゃんは来ないと・・」

 

撮影を行う当日。

用事がなければ参加すると言っていた信乃だが、この場には来れないと連絡があった。

残念そうに御坂が呟いた。

 

「仕方がないですわ。用事が入ってしまったんですから」

 

この場には常盤台の4人の他にも、佐天と初春、更には西折美雪もいた。

モデルは多い方がいいと御坂と白井が誘ってみたところ、OKを出して一緒に付いてきたのだった。

 

「まさか信乃にーちゃん、逃げた?」

 

「それはないよ♪ 私も朝に用事があるってこと直接確認したし♪」

 

「え? 雪姉ちゃん連絡取ったの? というより取れたの?」

 

「うん♪ 前よりは仲は前に戻ってるから安心して大丈夫だよ、琴ちゃん♪

 心配かけてごめんね♪」

 

「そう・・・・よかった、元に戻ってるみたいで」

 

信乃と美雪が未だに(信乃の一方的な)険悪状態と思っていたために、御坂は胸を撫でおろした。

 

「でもいいんですか? 私達が水着のモデルなんて」

 

「大丈夫ですの、初春。どんな幼児体型でも科学の力でチョチョっと修正して

 くれますの」

 

「ひどいです白井さん(泣)」

 

「でも信乃さんが来れないか~。いや、いきなり水着はちょっと恥ずかしいかも」

 

「佐天さん、本当に残念ですね。(ボソ)信乃さんに水着を見せられなくて」

 

「////うう初春!!/////」

 

「いふぁいでふ、ふぁてんふぁん!(痛いです、佐天さん!)」

 

頬をつねられて何を言っているかわからない初春に、さらにつねる佐天。

 

「お待たせしました」

 

建物の奥の方から声が掛けられた。

 

「あの人は?」

 

「メーカーの担当さんですよ」

 

佐天が湾内に耳打ちをして聞いた。

 

「今日はよろしくお願いしますね。あら、あとの4人は?」

 

「4人?」

 

担当者の発言を繰り返して聞く白井。

その時、タイミング良く横から声をかけられた。

 

「あら、白井さん?」

 

「あ"、この声は・・」

 

嫌そうな顔をして横を向く。

そこには着物を来た白井のクラスメートにして無意識に人を苛立たせる才能を持つ

少女が近づいてきていた。

 

「"婚后 光子"(こんごう みつこ)・・・」

 

白井は嫌そうな顔で言う。

そして婚后の隣にはなぜか風紀委員の先輩である固法もいた。

 

「あれ、固法先輩もどうして?」

 

「水着のモデルと頼まれちゃって。いつも通っているジムの風紀委員の先輩にね。

 あんたたちは?」

 

「わたしたちは水泳部の子たちに頼まれて」

 

「水着のモデル!? あなたたちも!?」

 

「“も”ということは、あなたも!?」

 

白井と婚后は互いに≪信じられない≫という表情で睨みあっている。

 

「ま、まあいいですわ。見たところ皆さん初めてのようですから、わたくしが

 いろいろと教えて差し上げますわ、ほ~ほほほほ!」

 

「相変わらず人を苛立たせることにかけては天才ですの・・」

 

「なにか言いまして?」

 

「なんでもありませんの」

 

「さ、早く参りましょう。試着室に案内してくださる?」

 

「申し訳ありません。あと2人が来てないようなので・・」

 

担当者が苦笑いを浮かべて謝る。

 

「あと2人とは誰ですか?」

 

初春が聞いたときに、ちょうど近づいてくる人影が見えた。

 

「あ! あの2人ですよ」

 

そこを見ると、氏神ジュディスと西折信乃がいた。

 

「え? 信乃さん!?」

 

「どうも」

 

信乃は無表情に近いが、どこか申し訳なさそうな顔をして短く返す。

 

「信乃さんも参加するんですか? 来れないって言ったから断られたと思いました」

 

「参加するつもりだったんですが、湾内さんには申し訳ないことに用事が入って。

 その用事がここにいるジュディスちゃんの護衛だったんですよ。

 どこかの親バカに依頼されました」

 

「やっほ~!お姉ちゃん達~!」

 

4人が以前助けた少女、ジュディスが元気よく挨拶する。

 

「でも、ジュディスちゃんが写真に乗っても大丈夫なの?

 その・・・前のような事があったから顔を知られていない方がいいし」

 

御坂が言いたかったのは、半月以上前にあった二度のジュディスの誘拐事件。

親が学園都市統括理事会のために、狙われやすい存在のジュディスが公の場に

簡単には出ない方が良いはずだ。

 

「親バカ  切り抜き  コレクション」

 

「「「「え?」」」」

 

信乃の意味不明な単語に疑問を浮かべる一同。だが、謎が解けて一名が答えた。

 

「親バカのジュディスちゃんのお母さんが、ジュディスちゃんの雑誌を切り抜いて

 それをコレクションにする趣味を持っている♪」

 

「美雪正解」

 

「イェイ♪」

 

美雪がガッツポーズをして喜んだ。

 

「ジュディスちゃんは以前から水着に限らず、モデルをしてますから。

 顔を隠すなんて今さらですし、それを言ったらクロムさん(ジュディス母)が

 悲しさで発狂しそうですよ。

 撮影を止めない代わりに、護衛を毎回付けているんですよ。今の私みたいに」

 

「それじゃ、信乃さんはモデルは・・」

 

「はい、撮影には参加しません。近くで見ているだけです」

 

「そうですか・・」「残念ですわ」

 

一緒にモデルをすると期待していたが、残念そうに俯く佐天と湾内だった。が、しかしそうは問屋が許さない。

 

「いえ、西折さんも参加してもらいますよ」

 

「「「「え?」」」」

 

「これですが、氏神さんから伝言を預かっています」

 

担当者が信乃に小さな紙を渡した。内容は

 

  男性用の水着モデルは任せたよ

  契約金にもこの料金は入っているから断れないから

  by 氏神クロム

 

 

orz

 

「・・・・」

 

「信乃、苦労してるね♪」

 

紙を横から盗み見した美雪に慰められた。

 

「・・確かに今日の依頼料はなぜか高かったけど・・これ・・・?  理由これ?」

 

「常盤台の理事長といい、氏神さんのお母様といい、信乃さんは仕事を押し付けられやすい

 人間ですの。ご愁傷様ですわ」

 

「えっと、私に文句を言わないでくださいね。さ、皆さん。試着室に案内します」

 

担当者が逃げるように歩いて行った。

 

「・・バックノズルかよ」

 

「バックノズル♪?」

 

歩きながら信乃が呟いた言葉に隣の美雪が聞き返す。

 

「♪を浮かべながら疑問を出すってどうやるんだ。

 バックノズルっての言うのは

 今起きなくても、起こるべき事は絶対に起きることであり、それはどうしても

 避けようがない。

 という考え方。

 つまり俺がここに参加するのは運命だったってわけだ。ふざけんなファック」

 

美雪が相手だと、信乃は敬語ではなく普通に話す。汚い言葉だが、素を見せるのが自分だけだと言う事で美雪は嬉しかった。

 

「おお、運命♪ 信乃とここで遊べるのは私の運命だったのだね♪」

 

「どうしてそうなる? 相変わらず前向き過ぎるな、おい」

 

 

 

 

信乃は早々に着替えて、撮影の部屋に一番について他を待っていた。着ているのは

サーファーが着るウエットスーツ。サーフボードも横にある。

 

女性の着替えは長いと言うが、ここでも適応されたようで信乃は20分近く待たされた。

暇つぶしに頭の中で≪エイトクイーン≫をしていたのだが、答えを知っているので暇つぶしにならなかった。

 

「お待~たせ♪」

 

一人で脳内囲碁をしていた信乃に声が掛けられた。

美雪の声の方を向くと、着替えを済ませた女性陣がやってきた。

 

 

御坂はスポーティーな競泳水着

佐天は下は水色のパレオ、上は白のビキニ

初春は花柄のワンピース

湾内は緑を基調としたビキニ

泡浮は水色をアクセントに取り入れていた競泳水着

ジュディスは水玉模様のフリフリのついた子供らしいデザイン

 

ただ問題は他の4人。

紫のマイクロビキニを着る白井

深紅のセクシーな水着になぜかニシキヘビを巻いている婚后

サイズが小さいのか、黒の水玉模様のビキニより大きなバストが目立つ固法

シンプルな水色の三角ビキニで前で紐を止めるタイプだが、固法と同じようにバストが目立つ美雪

 

「・・・・」

 

信乃は世間を渡っていたので、あたり障りのない感想を言おうとしたが後半の4人を見て絶句してしまった。

そして御坂、初春、佐天、湾内の4人が少し落ち込んでいる。目線は美雪と固法に向いている。

 

「雪姉ちゃん、また大きくなっている」

 

「あんなに着痩せって出来るんですかね、しかもこの世に2人も」

 

「信乃さんの家族で一番近いのに、あの顔と胸、反則反則・・・」

 

「いいな」

 

怨念のような言葉をつぶやく4人。

固法は服の上からでも少しはわかるプロポーションをしていたが、美雪は完全に

ぺったんこにしか見えなかった。

しかも身長も低くて初春と同じぐらい。ギャップの差が大きいのでショックも大きい。

 

「それで信乃♪ 美少女達の水着を見た感想は♪?」

 

「あ~、はい。

 よく似合っています。初春さんの細さが際立つワンピースに、パレオがお洒落な佐天さん。

 湾内さんと泡浮さんも自分の雰囲気に合った色と水着でいいと思います。とても素敵です。

 ジュディスちゃんもフリフリが可愛さを際立たせてますよ。

 固法先輩もスタイルがいいのでその水着もよく・・似合ってます?よ。

 御坂さんはジュディスちゃんと同じデザインのものを着ると思っていました。

 婚后さん、ニシキヘビが素敵です。

 美雪も似合ってます。

 以上です」

 

「ちょっと、私の感想短くない♪?」

 

「私への感想が間を置いた上に微妙に疑問形なのは気のせいかしら」

 

「私のは水着の感想じゃなくて自分の予想じゃない!」

 

「エカテリーナちゃん(ニシキヘビ)ではなくて私を誉めてくださいませんこと?」

 

「わたくしにいたっては何も言われていませんわよ!!」

 

美雪、個法、御坂、婚后、白井が即反論。

 

「さあ、撮影撮影」

 

「「「「話 を そ ら す な !!」」」」

 

先に進もうとする信乃を、固法を抜いた4人が叫び止める。

固法はそれほど文句はないようで、4人の突っ込みに苦笑いを浮かべている。

 

「・・いいんですか」

 

「な、なにがよ?」

 

呼びとめられて振り向いた信乃の無表情に、御坂が少したじろく。

 

「本音を言って、いいのかと聞いています」

 

「い、言ってみなさいよ!」

 

「では、本音を。

 御坂美琴、自分の趣味に素直になった方がいいですよ。どうせジュディスちゃんと

 同じようなデザインに目を止めたけど、子供っぽいと思われるのが嫌で

 シンプルな競泳水着にしたでしょ?」

 

「うっ!」

 

実は更衣室で、まさにジュディスとまったく同じデザインの水着(サイズ違い)を手にとっていた。

そして固法に子供っぽいと言われて、違うと否定しつつ今着ている水着を取ったのだ。

 

「信乃さん、よくわかりましたね、私と初春が御坂さんに着るようにどうにか

 勧めたんですけど」

 

「これでも兄貴分やってますから」

 

一呼吸おいて、今度は固法を見た。

 

「固法さん、サイズが合わないなら担当者に言えば用意してくれると思いますよ。

 ただ、似合っているのは嘘ではないので」

 

「ありがとう。でも、担当の人を呼ぶのも面倒だし、これでいいわ」

 

「わかりました。

 次に婚后さん。水着は似合ってますが、ヘビの方が目立ちます。主役はあくまで

 貴方自身と水着です。それとも小道具がないと“自分に自信がないんですか?”

 あと、白井さん。エロいを通り越してグロいです」

 

「自信ない!?」「グロッ!?」

 

orz。言われたくないことを的確に言われて2人は倒れ伏した。

 

「最後、美雪。固法さんと同じでサイズに合っていないけど、そういうデザインに

 見えなくもないから似合っているのは嘘じゃない。

 でも普段と比べると着痩せしすぎだろ?

 普段は服の下に鋼鉄のコルセットでも着てんのか?」

 

「当らずも遠からず♪ バストを誤魔化すインナーを着けてるの♪」

 

「顔も性格も良くてスタイルも良かったらさらに男に絡まれるからな・・・

 でも大丈夫か? モデルってことは顔もスタイルもばれるぞ」

 

「あ"」

 

「ま、眼鏡もつけてないし、普段のお前からは想像がしづらいから、どうにか誤魔化せるかな。

 とにかく今日は楽しめ。水着で遊ぶなんて滅多にないだろ」

 

「うん♪ 行こう信乃♪」

 

「って引っ張るな!!」

 

信乃の腕を掴んで一緒に水辺へと走って行った。

 

「待ってよ!私達も行くわよ!」

 

残りのメンバー(倒れ伏して動かない数名を除く)が追いかけて行った。

 

 

 

撮影は学園都市の最新技術を使った部屋で行われた。

部屋の中に海辺を再現でき、しかもカメラを部屋に隠して設置してあるので

自然な姿を映せる。

信乃達は水辺で遊びながら過ごし、いつの間にかビーチバレー大会をすることになった。

 

「くらえ、ローリングアタック!!」

 

決勝の最終ポイント。

信乃は手ではなく足を使い、最後にはセパタクローの足技で決めた。

 

「しゃ!」

 

「やった♪ って私何もやってないけど♪」

 

「いぇ~いやったぁ~トロピカルやっほーぅ!」

 

「固法先輩キャラ違う!?」

 

「さすがに足技はすごいね」

 

御坂の感心した通り、普段がA・T(エア・トレック)を使っているだけあって

器用で豪快にボールを蹴って特典を得た。

信乃、美雪、固法の年長者チームの優勝が決まり、3人でハイタッチをした。

 

するとシュル、と紐がほどける音がした。

 

「美雪! 胸の紐!」

 

「え・・・キャッ!?」

 

「早く直せ!」

 

ほとんど叫び声に近い信乃の忠告に、美雪は急いで胸元を抑えたが、落下には間に合わなかった。

一瞬、雪のように白い肌のたわわと、頂点の可愛らしいピンクの突起物が見えた様な見えない様な事があったが、信乃はその前に別方向を見ていた。

 

「信乃にーちゃん!!」

 

「俺のせいじゃないだろ! それに完全に解ける前にあっち向いていたからセーフだ!!」

 

「・・・・・別に、信乃だったらいいけど」

 

「美雪、なに呟いているか知らないけど、早く水着直せ」

 

「う、うん・・・」

 

「あと外の部屋にいる撮影班の人。今の削除してください。

 後で確認するから確実に削除してください。

 脳内メモリに保存した人がいたら言ってください。削除を手伝います。主に物理的な方法で」

 

幸いに撮影班は女性だけで、信乃の指示通り問題無く削除が行われた。

そんなポロリのハプニング等があった。

 

 

「さて、次は何して遊ぶ♪?」

 

急に周りの景色が変化した。

ビーチでの撮影だったはずだが、急に雪山へと変わった。

 

「どうなってますの? へっくしょん!」

 

と次の瞬間には灼熱の砂漠に

 

「あっつ! 水水! 初春、水!」

 

「私に言われても」

 

大嵐の中の船上に

 

「あ、水が大量にありますよ。よかったですね」

 

「ってなんでこんな冷静なの信乃にーちゃん!?」

 

月面に

 

「地球は青かった。いや、碧かった」

 

「だからなんで落ち着いてるの!?」

 

「いや、地球を外から見たらこれを言うのはお約束じゃないですか?」

 

「もっとこの状況に混乱してよ♪」

 

「あ、空気がある。月面なのにどうしてでしょうか?」

 

「「突っ込むところそこじゃない!!♪♪」」

 

そしてキャンプ場に変わった。

 

『すみません。カメラのシステムにエラーが出たので、しばらくの間休憩して下さい。

 あ、その材料は本物ですからご自由にどうぞ』

 

ここで場面の急な切り替わりは止まった。

今の場面は、のどかなキャンプ場。

目の前にあるのは野菜やお肉。

そして、キャンプで使う調理器具一式。

 

「お、このシチュエーションにこの食材と言ったら♪」

 

「カレーね!」

 

美雪の言葉を固法が受け継いだ。

 

 

 

 

役割を分担して調理を始めた。

 

 

 

ご飯・班  御坂と白井と固法とジュディス

 

「IHですのね」

 

「ガスがないからってなんで私が」

 

「これもお願いね」

 

「あ、ふきこぼれた!」

 

「御坂のお姉ちゃん~、ジュディがパタパタあおいであげるからがんばれ~!」

 

 

 

カレーA・班  初春と佐天と美雪

 

「信乃さんと美雪さんって、どういう関係なんですか?」

 

「初春、いきなり聞いたら失礼だよ!」

 

「恋人以上、夫婦未満♪」

 

「「え!?」」

 

「になれたらいいな♪」

 

「なれたらって・・・びっくりしたじゃにですか。

 それに、兄妹だからできないんじゃないですか?」

 

「家族とは言ったけど、兄妹とは言ってませんよ、佐天さん♪」

 

「え、ってことは・・・」「そういえば元々幼馴染って言っていたような・・」

 

「さあどうでしょう♪? それよりも手を動かそうね♪」

 

 

 

カレーB・班  湾内と泡浮と婚后と信乃

 

「婚后さん。わたくしたち料理は初めてなので、よろしくお願いします」

 

「お願いします」

 

「はい! 婚后家に代々伝わるカレーを教えてあげますわ!」

 

「声が裏返ってますけど、大丈夫ですか?」

 

女3人の中でただ一人の男が冷静に突っ込む。

 

「なんであなたがわたくし達と同じ班で作りますの!?」

 

「そんなに怒らないで下さいよ。あちらには料理が得意な美雪がいるので、

 私はこちらで雑用をしようと思ってたんですよ」

 

「雑用? わかりましたわ! わたくしの料理に一切口を挟まないで下さいまし!」

 

「わかりました~(棒読み)」

 

 

 

「「「「「できたーーー!!」」」」」

 

「「「チキンカレーでーす♪」」」

 

「おいしそうですの」

 

「すごいわ、3人とも」

 

「御坂さんもご飯、頑張ったからおいしいわよ、きっと」

 

「それにしても婚后さん」

 

白井が言いながら睨む。

 

「カレーはどうしましたの?」

 

「・・・申し訳ありませんわ。料理ができると嘘をついてしまって・・・」

 

「婚后光子が謝った!? 明日地球はメツボウスル!!?」

 

「白井さん、そこまで驚かなくても」

 

「初春、この女は自分で謝ることなんてありませんわ!」

 

「いえ、婚后さんも途中で出来ないと私達に謝って」

 

「それで、途中から初春さん達のお手伝いをさせていただいたんです」

 

婚后のフォローを湾内と泡浮がした。

 

「それに、西折様が婚后さんに料理の、食材の大切さを説いてくださって」

 

「というかあれは説教だったね♪ 近くで聞いていたけど恐かった、あはは♪」

 

「ま、まあ、人間誰もが得意不徳がありますし、あの男に言われたの嫌ですが、

 一応正しいことを言っていたので聞いてあげただけですわ」

 

あれだけ嫌っていた信乃に対して、説教を受けて婚后は少し認めたようだ。

 

「で、その西折君は?」

 

「また料理場にいますよ」

 

固法の問いに佐天が指差した。

 

「西折くーん! 早く食べましょう!」

 

「ジュディ、おなかペコペコだよ~」

 

「はーい」

 

信乃は鍋を一つ持ってきた。御坂が疑問に思って聞いた。

 

「何それ?」

 

「カレーですよ。ただし、材料には・・・

 らっきょサイズの玉ねぎ、皮をむきかけたトマト、わかめのぶつ切り、

 トウモロコシの摩り下ろし、皮ごと輪切りにしたみかん、ごぼうのぶつ切り、

 そしてイチゴが入ってますが」

 

「それって」「わたくしたちが使った」「材料では・・」

 

「はい、食べられるようにしてみました」

 

御坂が鍋をのぞいてみると色は普通のカレー。

ただし、浮いている材料が少し問題ある。

 

「・・・この具で食べられるの?」

 

「食べられますよ。食べたい人はいってください。入れますから。

 あ、婚后さんは強制的に食べてもらいますからね」

 

「ええぇぇぇ!!」

 

「食材を大切にと言ったことを文字通り噛みしめてください」

 

「・・・はい」

 

説教が相当効いたようで、あの婚后が大人しく従った。

白井は後ろでこの世の終わりのような驚いた顔をしている。

 

「あ、私も食べる♪」

 

「信乃にーちゃんが作ったものだし、見た目はともかく大丈夫か。

 私も一口食べたい」

 

「わたしも食べてみたい!」

 

「あ、佐天さんズルいです。信乃さん、私にもください」

 

「どうぞどうぞ」

 

結局、全員が珍カレーを食べることになった(一部は恐くて一口だけと逃げたが)。

 

 

「「「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」」」」

 

全員が同時に信乃のカレーを口にした。

 

「な、なにこれ」

 

「なんとまあ」

 

「予想外にも」

 

「すごい」

 

「・・・・・」

 

「お~♪」

 

「「「「「「「「「「珍味だ(ですわ)(です)(♪)」」」」」」」」」」」

 

「でも、どちらかといえばおいしいですよ」

 

「佐天さん、ありがとうございます」

 

「でも信乃にーちゃんが作っておいしくないなんて・・」

 

「だから、食べられるようにしただけですよ。『あの材料でおいしく作った!?』って

 展開は私の実力じゃ無理です」

 

「むしろ信乃の実力でこれだけしかおいしくできないなんて

 婚后さんの食材選びセンスがすごいと言うべきかもね♪」

 

「はい、婚后さんに負けました」

 

「負けたと言われても、わたくしは嬉しくありませんわよ」

 

「でも、自分で手を加えた食材はおいしいですか?」

 

「・・はい。あなた思っていたよりもいい人ですわね。

 お名前は?」

 

「・・・西折信乃。常盤台で校舎の修理作業をしているものです」

 

「まあ、これ機にお友達になってあげてもよろしくてよ」

 

「お断りします」

 

「な!?」

 

「友達は選べと親に言われたので」

 

「むき~~!」

 

みんなして婚后の行動に笑った。

 

 

 

 

つづく




会話話です。
一言レベルでいいので、感想などをお待ちしていま~す。
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